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2017年03月18日

トルクベクタリングを考える(その4)

トルクベクタリングを考える(その4)
4.なんだかなー

アクセルでのヨー制御とは異なる「AWD運転の面白さ」を見出したのは、今のレガシィですが、私の最初のAWDは国産初のフルタイムAWD車、ファミリアでした。



当時は未熟なので、AWDのメリットとしてはブーストアップしたパワートルクをマージン取って伝達できる、つまりこれまでよりも①はるかに長い時間、②多くの場面で、③早めに アクセルべた踏み出来る。。。というところに価値観を持っていました。実際はアンダーが強く、アクセルオンも、タイムラグを読んで踏む必要が有り、先の読めない峠は早めに踏めず、ブーストが効いたら途端にドアンダーでリアが回り込む感じは全く無く、フロントが猛然と外に出て行く直結4駆的な挙動で、荷重制御がまだ運転スタイルに構築できておらず、「カウンターが使えない」という点のお勉強でした。

ところが、911を経て運転スタイルも変わっていたこともありますが、BLEに乗り換えて、飛ばすよりも滑らかに、とにかくGをうまく回す(タイヤの面圧を考える)スタイルを作っていたこともあり、AWDの基本特性がもつ路面変化から生じるヨーに対する鈍感さ、またコーナリング中の強いアクセルオフでも鈍い挙動など、およそスポーツカー的なものを求めて攻め込むと「う~ん、しょせんGTやな」という評価なんですが、逆にいかに滑らかに走らせるか、となると俄然評価が変わるのです。家族を乗せて走る時、プラスマイナス両方向にたっぷりマージン取ってラインをなぞって行くとき、そこには微塵もスポーツ走行のエッセンスが無いかと思いきや、過敏なヨーが出ない上質さになって、これがなかなか奥が深いのです。

タイヤと路面と速度の基礎データ的な感覚から、通常走る場合の限界値が想定され、そこからスリップによるアンダーやオーバー的なヨーを絶対発生させない走りを組み立てます。次にブレーキングGとコーナリングGを揃えるようにRと旋回速度を読んで目標Gを立てます。そのGを再び加速Gで受け取って脱出するように運転するゲーム感覚です。いわゆるマツダのi-DM的な走りなんですが、その時のマージンが極めて高いためドライな舗装路では見かけ何の変化もないかもしれませんが、運転しているドライバーには極めて高い満足感が残ります。タイヤの面圧コントロールが分かりやすいような車体の挙動はわずかです(ノーマルより固めてあるため)。そもそも低重心でロール剛性は高めなので、ダイヤゴナルロールしても大袈裟な挙動は有りません。故に微小な滑らかさを自己採点しつつ、H6の呼吸を楽しむのです。

基本特性としてフロントヘビー、アンダー出さないようにブレーキ荷重を丁寧に当てて、抜いて、なるべく早くアクセルべた踏み、、の気持ちよさ、、っていうとパワー馬鹿の直線番長的運転スタイルで頭ワリー、と思われそうですが、いかに脱出加速姿勢を早めに作って、持ち前のNAのパワーで息の長い加速をする、、というのは結構快感です。公道では突っ込みはマージンたっぷりの安全ですし、いいタイヤ(070なんか)履くともー、ひとランク別世界の秘密の世界にハマります。公道で高いスタビリティーの幅を持った中で、パワーを楽しむ、、というのは、非力な車を速度を殺さず、高いコーナリングスピードで走らせるよりも、健全?(;^_^A

話は飛びますが本の中で、ポルシェのテストドライバーが911を振り回して、ビッグアンダー、ビッグオーバステアと自在にレクチャーしながら操る話を読んで、ドライバーに制御するスキルが有れば、車の挙動はどうにでもなる、というか基本特性を理解していればむしろ積極的に利点を引き出す運転ができるということ。問題はドライバーにその特性を制御下に置かせる車が機械的精度を提供出来ているか、という事であり、それこそがポルシェが「車両テスト」しているポイントだったことです。

であれば、車の基本特性を理解し、それに合わせたドライビングスタイルを持つことが一つの流儀というか、運転なんだな、と思うようになりました。あとは個性としてそれが好むか好まないかの選択肢が有って、自分の望む運転スタイルと合うものを選ぶ、、ということ。その中で、昔なら好きにならなかっただろう現在のAWD特性はとても気持ちが良くて、離れられなくなっています。残念ながら、カップリングタイプのAWDにはそれは無く、スバルであっても一部車種に残っているだけになって来ました(スリップ前は、直進時の結合度が低く、コーナではほとんどカップリングオープンな制御)。
さらに車両スタビリティをアクティブ制御しようとする流れからは、メカ結合のセンターデフは厄介者扱いになって来ましたからね、いずれフル電制デフに移行して行くのでしょう。個人的にはカップリング式デフ、モータデフはメカニカルセンターデフのスポーツ性を超えられないと思っています。

あくまで個人的な感想ではありますが、直結リアデフ(デフ無し)の運転制御性を知ると、あくまでドライバー側に操る術を全権委任して織りなすドライビングは忘れがたく、どこまで行っても、アクセルで与える「意志」というのは直進性であって、路面に左右されず絶えず車の重心を前に押し出す、、という基本特性はデフが担っており、路面でトラクションが失われると、デフは弱点をさらけ出す、けれどその時は単純に直結になって押してくれればいい、、というのが、スポーツドライビングの原点という感じ。だとすると一部の職人的趣味人の、今の時代が贅沢な車を味わえる最後っていうということなんでしょう。


私の見出したAWDスポーツのドライビングとは、あくまで旋回グリップでタイヤを使い切るまでコーナリング速度を追求することではなく、いかに縦のグリップを使い切るか、という点に面白さが有ると思います。すなわち、減速して、絶対コーナリング速度はRWDにかなわない、しかし、アクセルワークでタイヤマージンを加速に使い切るような方向での運転になるので、非常に安全サイドで楽しめます。ハイグリップタイヤを履いた時の運転は本当に楽しい、リラックスして飛ばせるという感覚(マージンと速度のギャップ感)ですねw。相対的な速さでなく、絶対的な速さでもなく、「自分が感じる楽しい速さ」を常に引き出せるじじいな楽しみ方なのでしょう(;^_^A。(その意味でも電制カップリングタイプの車両は、今後もそういう攻め方は追及できないと思います、メーカがエコなプログラムで縛るから)


ところでキャッチの「なんだかなー」は、以下の予見になるからです。

トルクベクタリングは、結局は車両スタビリティ制御の一つに組み込まれ、「車両姿勢制御のオートマ化?」みたいなもんではないか?、という結論です。
エンジンパワーが、電スロで切り離され、負荷と燃費と排ガスで演算されて「意志」としての加速度と速度をインプットとして処理され、ハンドル操作による旋回角と速度に対して、スタビリティ制御が入る、なおもアクセル踏むと、許容範囲内で効率よく4輪にトルクスプリット(AWDモータ駆動なら簡単)して、旋回。つまり、車の運転そのものの完全なバイ・ワイヤ化です。
やがて自動運転が下りて来て飲み込まれ、もはや車が何やってようが、要は運転者の「ここに行って」の指令値のみで、プロセスは一切お任せになって行くのでしょう。

あくまでも私見として、緩い目で見てやってくださいね(;^_^A おしまいw。
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Posted at 2017/03/18 09:23:07

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この記事へのコメント

2017年3月18日 19:16
初めまして。
AWDのお話興味深く読ませていただきました。

30年近く前に試乗した、4代目ランサー1800GSR(190馬力の4WD ランエボの前に出たモデル)を思い出し、その時の違和感とうまく運転できなかった理由がよくわかりました。

当時乗っていたのが、FRのランサーターボでバッキバキのLSD組んでました。
(^^♪

試乗は雨の日、コーナー曲がるたびにアンダーだったりオーバーだったりで、上手く運転できず結局FFを買いました。

こんな理由があったんですね。
コメントへの返答
2017年3月18日 20:45
初めまして、コメントありがとうございます。

2代目のFRランタボにバキバキLSD、兄が乗って遊んでました、なつかしw。
あの頃の軽い車体にメカLSDのFR,楽しかったですね。その頃私はSA22CのメカLSDでしたw。

2017年3月18日 20:15
連続のコメント失礼します。
当方の記憶違いで、3代目ランサーの試乗で4WDがうまく乗れずFFを買い4代目の試乗は「乗りやすくなった」と営業マンに言われリベンジのつもりで乗った時の、さらなる車からの運転駄目だしに心折れた記憶でした。

今は純正のゆる~いLSDの付いたコペンで、30年前に身に着けたFF乗りを続けています。(^^♪
コメントへの返答
2017年3月18日 20:53
こちらに、まとめますね。

国産のあの頃のAWDは、ノーマルだと踏めばドアンダーで、どうにもこうにもでしたね(;^_^A

リアLSDをアクセルオフ(イニシャル)とアクセルオン(ロック)の加減をセットして走ると、アクセルが第3のハンドルで面白かったですね。

今の本格AWDの生き残りはWRXぐらいになってしまいましたが、速くなりすぎてるとこ以外は面白いですよ、FFのLSDも面白いでしょうけど、乗ったことないですw。

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