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イイね!
2017年09月08日

詰将棋の設計と白紙からの設計

詰将棋の設計と白紙からの設計 前にも似たようなことを書いた気がするけど、ふとまた同じようなことを思い出す日常が有ったため、書いてみました。


設計の仕事も色んな局面が有りまして、企画に近い「何が目的?、評価軸?」なんて領域から、明確な制約条件、縛りがはっきりしている中でどちらかと言えば「成立要件」を探し出す作業が中心な時だとか、システム設計的な全体像は出来たものの、細部品質確保で冷や汗をかく場面とか。

また、商品のライフサイクルでも違いますね。誕生のための新種の場合は文字通り白紙からの立案で、特許もたんまり、みたいな。モデルチェンジや不具合対策なんかだと、もはやできてる枠の中で成立させられる、かつコスパに優れるものをひねり出す必要が有ります。

どんな局面も、設計は楽しんで(苦しいけど)やりますが、その醍醐味は「まだない物、世にない物を問う」と言う設計でしょうか。同じ目標を激安で実現、とか、同じコストで断トツな性能とか、、。まぁそんな甘い話は中々無いわけですが(;^_^A。

新聞の4コマ漫画みたいに、毎朝ひねり出すのは、本当に大変でしょうね。 ただ、コツみたいなやり方もあって、それは端折りますが、本当に白紙からスタートするならまず最初に「それは善良な人々が幸せになれるもの、役立つもの」という大前提が必要です。

例えば、兵器開発でも「善人を莫大に殺戮する」という精神では基地外でもなければ閃かないでしょう。「創造的な発想は、行為全てを肯定するところから始まります」だからネガティブなマイナス思考が入る「穢れ」があると、不思議と降りて来ません。

たとえが悪かったですが、「凶悪で理不尽な狂人から友達を守る」と考えると兵器も閃きが出てくるのだと思います。さて(;^_^A 肯定からスタートすると制約条件はそれぞれが他の役に立つ要素の為にそこに立ちはだかっている、と見えてきます。

すると、担当以外でもその役立とうとしている機能をもっと助けてやれんかな、、とおせっかいを思い浮かべつつ、自身は目の前のハードルをどうしてやろうか、、と悩むわけです。そういうモヤモヤを「いつまでに出せ!!」というプレッシャーの中で、遊びつつもどこかで「あ、似てるな」とか、「なるほど」という全く違う分野や行為で「あっ!」とインスピレーションが湧いたりします。

その時、たまに制約条件だった問題を不要に出来たり、1石3鳥の妙手が閃いたりします。
思うんですが、プラス思考は大事で、色んな制約条件下で最大パフォーマンスを得ようということは、つまり結局限られた資を全部目的のベクトルに向けることと同義だったりします。文字で書けばそうで、これが部品や装置であっても同じことです。

だから、ベクトルの方向と揃え方が純粋であればあるほど、美しいものになります。

チームでもろもろやる場合は、全体像としての優先順位を各装置に割り振って、案を絞り込ませます。「少しでも軽く、、だけでなく、重心は下に!」とか、「どうしても軽くも小さくもならないんだったら、せめて安くしろ」とか。この前やったのは

①安く
②軽く(小さく)

流用品もいいけど、過去の装置単位では必ず①②いずれかを満たすこと。

みたいな感じで、普通は「軽くすると高くなる」トレードオフみたいですが、知恵を絞れば両立します。なので、機能を満足するのは当たり前で、必ず過去より①か②のいずれかでアドバンテージが無ければダメ、、と。そうやって積み上げてゆくとそれなりの収穫になります。けれども、大骨の基本部分で従来とは違う大きな戦略が無ければ、収穫も知れています。つまり競合並みとなるわけです。


なので、基本設計時にアドバンテージとなる「資源」をいわゆる「強み」ですね。何を武器に戦うのか、、を最初に埋め込んでおかないと所詮知れたもんです。逆に言うと「これだ!」という目論見が有って、初めて「じゃあ勝負しようか( `ー´)ノ」と。

しかしそう言う仕込みは大体やったことないシロモノなわけで、大きな冒険、リスクとなります。普通は過去(実績)と違いすぎる!と叩かれます。だいたい「出来るのか、大丈夫なのか!!」と当たり馬券なのか!と聞かれます(;^_^A

常に実績とは過去の性能の当時の評価であって、未来に超えようという性能に対しては陳腐(すでに負け)だということになかなか過去のお御所は気が付きません。

つまり、勝てる性能というハードルが高いほど、「過去の実績」と言う呪縛から逃れられるわけで、私の場合はいつもこれを利用します(;^_^A

T:「実績が無いじゃないか!」

F:「だから、可能性が有るんです!」

チャレンジングな開発ほど、この手が使えます、、、が所詮トップに意欲が無いとダメですけどねw。

つまり過去の実績延長技術でキャッチできるレベルは、ライバルには勝てない!、ということを納得させること(しかしこれが、先輩方の癇に障るわけですなw)。
で、「じゃーあどーすんだ!」となる。

後はケースバイケースで、勝算をどれだけイメージさせれるか、、となりますがケツかっちんの場合は、案外好きにやらせてもらえます、みんなやけどしたくないからね。
第3の椅子に座って、「だから言ったじゃないか!」と言えるようにwww。


さて、マツダのSKYACTIV-X、いいですね。ロータリーのスピリットが生きているなと思います。誰も量産の形に出来なかったエンジンで牛の骨まで試したアペックスシール。今度は、全く新しい「燃焼」を開発したチャレンジ。コンピュータと数式を使って徹底した実態再現シミュレーションが武器ですね。これだと上にも説得力あるでしょう。

今のマツダとスバルはともに好調なれど、歩み方はある面、全く違いますね、綱渡りを走っているのがマツダ、石橋をお土産抱えてゆっくりわたっているのがスバル。スバルはうまく行きすぎて、エンジニアにチャレンジさせていない気がします。

大きな組織でも、末端は小グループです。そうなると中小企業のその道一筋職人に勝てなかったりします。でも、総合力でつぶしてしまう。今はうまく共存、支援できる大企業が残れるのかもしれませんね。技術の表面積が拡大したのと、ある程度戦えるソフトツールも持っているので。それは新興国も同じですが。

ブレイクスルーの設計は、その到達目標自体が、飛びぬけていないと閃きも浮かばないと思います。 テキトーなつぶやきでしたw。
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Posted at 2017/09/08 22:32:44

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