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2020年09月02日

2代目レヴォーグのデビューを祝す③(技術的な大骨にフォーカス:後編)

2代目レヴォーグのデビューを祝す③(技術的な大骨にフォーカス:後編) 量産自動車用の内燃機関史上の金字塔を打ち立てたマツダのSPCCIによる革新エンジンのSKY-Xは本当に素晴らしい。だけど商業的にはどうなのか、という点で個人的には悔しい気もしている。世界の排ガス規制、燃費規制がもう少し道義的に紳士的だったならば、あるいはもう10年、早く登場していれば、、と言う気がしてならない。

EVの進展に伴うモータ、パワーエレクトロニクス、バッテリーの量産効果と技術革新は速い。心臓の内燃機関そのものを磨き上げている間に、そこそこエンジン+モータ制御や、ディーゼルの小型軽量化(SKY-D含む)といった技術で、差別化は難しく、EVに補助金たんまりや規制優遇となると、純粋なエンジン技術につぎ込んで到達した高見が、なんだったのか、となりかねない。

特に嗜好品となる自動車用の用途においては、パワーが足りない。パワー違いのシリーズ化が難しいなど、扱いずらいエンジン技術。ス―パチャージャや高精度インジェクターにノックセンサー様々な補器類の必要コストとマツダだけが必要とする生産量。これらの足枷を引きずって尚、競合に勝たねばならない。


翻ってスバルの「CB18型」エンジン。もともとスバルの水平対向では、こと燃費のみを競われるとそもそも熱効率上もフリクション上も不利。しかしあえて利点を生かすことでそれらは許容している戦略です。であれば、ネガはどれだけ消せるか。と言うことになる開発。エンジニア的には裏方w。しかも元々の構成が金掛かるので、コスト要求上も贅沢なものは使えない。その中で彼らの答えが凝縮されていると見ました。

だから、その前すでにマツダとスバルのアプローチの違いが前哨戦としてありました。
2013年のブログ

1.6DIT vs Sky2.5 (ダウンサイジング対スカイアクティブ)

時は流れて、熱効率の向上に向けて、両者は異なるアプローチでそれに向かっていました。
そして、見事に両者ともに「それぞれの狙い」を達成したと言えるでしょう。

MotorFanの記事
スバル新型レヴォーグの新1.8ℓ水平対向4気筒ターボCB18 vs マツダSKYACTIV-X リーン燃焼の新世代エンジンを比べてみる

<CB18型とHF-VPH型>




私の総括は以下。

①冷却上の熱分布制御のウォータフローを制御するための電動ウオータポンプ(*記事で見つけたと思ったけど間違いかも知れん)とメッキシリンダー採用、(わてのメル子系エンジンM270/274には8年前に採用済み、加えて電動制御サーモスタットも採用済み)

②ポンピングロスの解消:タンブルジェネレータ廃止(ロングストローク化+ターボ化と水冷EGR)
(わてのメル子系エンジンM270/274には8年前に採用済み)

③直上センター配置インジェクション:350berとセンタープラグ
(わてのメル子系エンジンM270/274には8年前に採用済み/ピエゾインジェクタは200ber)

<これはメル子のM274の断面>


このインジェクターはとても賞賛に値するものだと思います。シリンダーヘッドに縦に搭載すると、その全長がもろに水平対向の幅寸法に響くため、極めて短い必要があり、その上で350Mpaを出しているということと、スバルが搭載出来たというコストは8年間の時間によって、技術革新とコストが下げられたのでしょう。(ちなみにSKY-Xでは700ber出しており、マレリ製のそのコストが掛かっている)
しかしヘッドの厚みはFBでさんざん攻めたので今回、特に薄く出来た印象は有りません。のびたストローク分はどこで削ったのかな?。


④徹底したフリクション低減のクランクベアリング最適化と、ピストンコーティングや8mmのオフセットシリンダー化(と言うことは相当連桿比も小さい?、あここでブロック高さを下げた?)。
(わてのメル子系エンジンM270/274にもオフセットシリンダを採用してたと思うが、オフセットピストンのみだったかも(;^_^A、その後特許の「CONICSHAPE」シリンダーも採用)


⑤可変式オイルポンプの採用
(わてのメル子系エンジンM270/274には8年前に採用済み)

⑥0W-16グレードオイルの採用
うーん、これで4L缶で足りるようにしてくれているのはありがたいが、ロングライフ化は考えない方がいいか(;^_^A ターボでもあるし5千キロぐらいで変えたくて仕方ない、、みたいなw


総動員して、空燃比λ:2を負荷率40%以下(~2400回転)の範囲で可能にした。
その際の過給は多分2berに到達している。

「水平対向型エンジンで・・」との但し書きを付けるとほとんどの技術に「世界初の・・」(;^_^Aと付くわけですが、現実の競争相手を見回すと、採用技術に目新しいものが有るわけではありません。別にディスるわけではありませんが、メルセデスでは汎用な直4の私の乗ってるCクラスでさえ、贅沢な技術も機構も投入されているわけで、これらに加えて高負荷用には、可変バルブリフトも付いています。しかしコストの縛りのあるこのクラスにスバルが全力を尽くして投入したことは、ひとえに燃費総量規制に対抗する宿命故です。そうやって「177psと300Nm」を1.8Lから引き出した。当方のM274は「211psと350Nm」で2Lで均質成層リーンバーンを~約3500回転までやっています。SKY-Xはこれをブレイクスルーして、「予混合圧縮着火リーンバーン」をスパークプラグアシストによって、広範囲に実現したと言える。

そうやって
スバルは 177ps、300Nm:レギュラー
マツダ-X 180ps、224Nm:ハイオクがいいよ
(車両搭載時のモータ付け加えてMHVの4.8psと61Nmを足すと184.8ps、265Nm)



ただし、燃費性能はだいぶマツダが上。
そして、エンジンコストも多分マツダがだいぶ上
そしてエンジン重量も補器込みだとマツダが重いのでは?。
(元来水平対向の方が構造上重いはずですが)

NA版とターボ版の共通性、性能差、コスト設定などでリーンターボは有利かな。
そして過給の立ちあがりラグ、特に低速域はスバルの場合CVTでカバーするからね。
その為にレシオカバレッジをトップレベルにまで今回拡大している。
7.0から8.1まで広げたので、メル子の7速以上だ。これで定速の発進と高速の100km/h巡行の回転を極力下げる。そしてターボを生かして負荷域でのCVT+アイサイトとの合わせ技での追従走行だと、相当燃費は稼げる気がする。

それが、両者の到達点であり、ユーザがどう評価するのか?。
(こうやって見ると、余計なお世話ではあるが、つくづくSKY-X技術はすごいけど、最低3LからのNAフィールを生かせる高出力版として行かないと、コストパフォーマンス的にマツダが抱えていても使い切れない技術かも知れない。

余談だけど金の掛けられるメルセデスは、可変タイミング&リフトカムのおかげで、 350 g/kWhを幅広い領域で確保しており、2000回転時に2berの過給をしています。が、それを低コストで実用域でいいじゃん、と割り切って、スバルの新型は求めていない。またメル子の場合はその上で200km/h迄ストイキ運転できる点も要求ニーズ層が違うからでしょうね、ま、日本では合法的には不要だしw。)


そういうわけで熱効率40%達成も、技術革新的なものは無く、水平対向のパワーユニットをいかに「自動車用の有益な形で、時代に適合させるか」を追求し、当然量産価格のコストターゲットで取捨選択して実利を取った、、と言うことでしょう。ここが「理想のエンジン」を追いかけたエンジニアの夢と、「スバルの車」に必要なエンジンを追いかけたエンジニアの違いが浮き彫りになっているな、と思います。私ならもちろん前者をやりたいが、後者の開発も燃えるものは有ります。最後のこれを手にした「ユーザの笑顔」を思い浮かべてね(;^_^A

そして、市場の注目は間違いなく「アイサイト-X」こちらにあるわけで、EXグレードを選んで、日産のプロパイロット同様、自動運転機能に目を奪われるでしょう。ただし、スバルは自動運転には控えめで、あくまで「運転アシスト技術」のスタンス。だから実際は日産同様のところまで到達しているが、あえて渋滞アシストとして50km/h以下のみ、ハンズフリーとしていますね。と言っても手の置き場無いんだから片手はハンドルに置いとくでしょw。そこまで含めての総合商品力として、企画ポジショニングと到達技術ポジショニングが上手くマッチングしていると思います。
(アイサイト-Xに関しては他に色んな所で取り上げられるだろうから割愛(;^_^A)



今後、リソースをそうは割けない内燃機関の、それも世界唯一と言っていい量産型水平対向エンジン、加えて日本はレギュラー仕様をカバーして行かねばならない。そういう中で最廉価機種を280万円で、先進安全装置のトップランナーを誇示しつつ、「フルタイムAWD」を送り出した総合力での商品力に大拍手を送りたいと思います。個別最適ではなく、最後の「商品最適」です。

結果、燃費は恐らくメル子と同等の燃費かなぁと思っています。車重がほぼ同じで、4駆のロスと排気量の差で行ってこいで同じかなと。その上で動力性能的にはレギュラーと1.8Lという点で劣るけどもCVTの性能が良ければ最適域を瞬時にキープして、演出しないで効率追求制御で行けば、7速ATより100km/hあたりまでなら総合では同等まで行けるかも。


これらの割り切りによって稼ぎ出されたコスト配分によって、11.4インチの縦型ワイドモニタのEXグレードを設定し、3グレードxEXで6種類の価格ベースとなった。残念ながら全てに標準、とまでは持ってこれなかったが、EXではレガシィに変わる立派な「フラッグシップ」になる、、とスバルは考えただろう。私は賛同しますが、、乗って見てそこまで行けていればね。
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Posted at 2020/09/02 18:20:52

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この記事へのコメント

2020年9月5日 19:07
SKY-Xはこれで終わるとは思えません。
燃費を5割上げる(24km/L)か、出力を5割上げるか(280ps)。
両方とも25%上げても(凄い技術なんだが)、ユーザーはつかないような気がする。

欧州と米国の燃費規制が厳しいので、輸入車の燃費対応進んでますよね。
欧州車の偉いのは、燃費があるからと言ってドライバビリティーは犠牲にしないところ。
プリウスの「燃費以外は格好迄犠牲にする」とは、対極です。
コメントへの返答
2020年9月5日 20:41
こんばんは。

SKY-Xはまだまだこれからの発展性が有ると思います。特に本領発揮は3Lや4Lの直6だと思います。 NAレスポンスのアクセルに忠実なトルクと回して行った上の官能性を最も生かせるエンジンとして貴重な存在に有ると思っています、だからこそ高級車用のブランド化が出来ればなと思います。

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