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2020年11月16日

激戦区・プレミアムセダンの資質とは(序)

激戦区・プレミアムセダンの資質とは(序) 大層なタイトルですが、アテンザ25SとC250の走り。
値段は2倍も違うけど、普通に乗れば対して違わない。モノの質感や装備品のコストを除いた、素の「自動車」としての「走り」に使ったコストを見てゆくことで、メーカの体現したかった「走りの個性」にスポットライトを当てられると思っています。



さて、前回述べた感想で、両者の走りの違いは「そう大きくはない」と述べましたが、では違う点は何だったのか。そのファクターを列記します。

1.コスト(ざっくり350万vs700万)追加された25Tだと430万
2.車重とボディサイズ(アテンザ/C250)
(アテンザ車重1470/現行1595:C250車重1610=タッチ号は大人2人分ぐらい軽いが、最新版はほぼ同等。全長4865:4715、ホイールベースは2830vs2840とFRのメルセデスが全長150mm短く、WBは実は10mm長い)
3.駆動方式(FFとFR)

であります。ここに両者が開発にあたって目差した「着地点=走りの個性」が現れていると言うわけです。

コスト差はまず、メルセデスの価格を勝手なロジックで国産車に戻してみると、私のC250はインポータと言うか、今は現地法人ですが運営コストに+80万、そして車両のヒエラルキー構成用に60万、従って適正な国産化価格は570万程度と見てます。これはクラウンの20RSのフルオプションと比べると、そん色無い価格だと思いますし、お買い得(;^_^A

その配分においては、ベンツのA/Bクラスは調度品装備品に振り、C/E/Sクラスは「車両基本メカ」に振っていると考えています。なので、Cクラスには過剰な演出は有りません。50%を超えるアルミボディ(外皮はほぼアルミ)や、エアサス、250キロ巡行を支えるパワープラントとクーリングキャパシティ、それにブレーキも。実際の使われ方の上限で作るメルセデスは、ポルシェと同じく伝統の社内基準値が有ります。一方で普及を目指すクラスでは、国産と同じ「現実の負荷容量=適正品質」との2重基準になったように思います。マーケティングにより商品企画上のコスト配分が戦略に現れていますね。
CクラスはSクラスに繋がる「縦置きエンジンリア駆動のリーディングモデル」とメルセデスは位置づけしています。

なので、Cクラスはメルセデスにラインナップされる上位モデルとの共通部品があり、実際にはクラウンでは元が取れない品質を奢ってあっても、それはメーカの優位性を上手く使っていると言うことでしょう。

ではこのコストがどういう風に使われているのか、現物を見ましょう。


車重は、タッチさんのアテンザは初期の軽いタイプですが、遮音性や質感を上げた現行型は1595kgとC250の約1610kg程度と変わらなくなっています。

いきなりですが、商品構成上、最低価格車と最高価格車をターゲティングします。この時、上限の車の搭載馬力はどれだけか?。
当時はガソリンターボが無いので、アテンザは2.2Dのキャパを上限に設計されたはずです。
つまり、車重1600kg/トルク43kgm程度。そしてパワーラインはFFの横置き4気筒。この条件から、最も高い商品性(品質)を引き出せる商品パッケージを開発陣は考えたでしょう。
アメリカ市場の頭もあってボディサイズを決めた。しかしその前に鼓動デザイン有りきのスタイルで車内空間をアメリカ人サイズで検討すると、おのずとあのサイズがミニマムだったでしょう。価格は300万を切る所から、450万当たりまでとしたのは、マツダのブランド、商品力の実力評価からだろう。

一方Cクラスは、BMWの3やアウディのA4のセグメントでカチ会うので、おのずと外形サイズは決まります。私が良いなと思ったのは、前席から前はEクラス同等の共通設計で、Bピラーから後は最適解をEクラスとし、Cクラスはギリギリに削ってます。それは前席2人がメインの使われ方と見切った「ドライバーズカー思想が読めたボディ構成」でした。

さて、この2社の同じDセグメントの車でも、達成手段は大きく違います。それがFFとFRのパワーライン構成です。ここでマツダが見切ったのが商品価格帯の上限と、そのパフォーマンスの上限が「大体1600kgの車重で、45kgm程度のトルク」これを最上位グレードとした。今回タッチさんの愛車は、それより軽いガソリンの、当時マツダの最高出力の出せるNAエンジン。つまり、走りの動質の部分で見た最もスポーティなモデルと言えます。

一方、Cクラスは驚きの価格と言えたC180の最低グレードは419万。そしてやや大規模な補強、構成が加わるとはいえ、1千3百万越えのC63SのV8ツインターボの500ps/70kgm/1800kgまでを支える基本骨格がスタート地点です。その構成グレードの多さもグローバルモデルなので、相当なバリエーションを抱えます。コスト差3倍以上のグレード構成です。

であれば、FFは有り得ませんでしたし、走りの質感をメルセデスの神髄から外さないためには、FRベース。しかしFFのメリットを生かすためにAクラスは既にDセグメントのメルセデスとして主力になりつつあり、こちらは450馬力あたりまでを4MATICによって成立させています。車の構成要で言えば、FFのマツダ6はおなじFFベースのA250との競合になるでしょう。だから逆にマツダはその上に移行し、このクラスはマツダ3でカバーするつもりで、挟撃を避けたのかも。


Cクラスを追撃せよ



私見ながら、古来からのメルセデスの走り=FRの神髄を楽しむには縦置きFR構成のCクラスからが最低限と思います。(そして、これはタッチさんとも議論したのですが、このCクラスの持つプレミアム性を果たして、日本のユーザは理解して買い分けられるだろうか?、「お買い得感満載なAクラスで何も過不足感じない」となり、セダンと言う縮んでいるマーケットでは、1種類あれば十分だろう、ということ。これを私は懸念します。



なので、このC250で明確に「なるほど、FFではこれ以上行けないな」という境界線の「何か」を感じてもらわないと、、、と言う思いで同乗走行したわけです。(少し飛ばして走ったのは、遠慮せず踏んでもらうために(;^_^A)


次回に続く。
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Posted at 2020/11/16 18:22:28

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この記事へのコメント

2020年11月16日 19:15
いつも深い内容のブログを楽しく勉強しながら読ませていただいております。
ボディの剛性感ですが、ボディだけ切り出して剛性感を吟味するのは人間の感性が優れているとは言え難しいと思っています。
装着しているタイヤ特性が変われば、感じる剛性感も変わるんだと最近は考えています。
同じ銘柄のタイヤと、車重の重量配分などに合わせてお互いに適正空気圧に調整した後に、同じ路面・環境の下で乗り比べたら剛性感の違いはより鮮明に出るんじゃないだろうかと思います。
比較する車両のボディに合わせて、純正か純正に近いタイヤとサイドウォール剛性含めて強烈なハイグリップな銘柄でなくても、少しスポーツ性能が上がったタイヤを用意して履き替えながら比べると、よりわかりやすいんじゃないかと思います。
もっと言えば、純正装着銘柄とタイヤ特性を見れば想定しているボディ剛性の差はわりとわかっちゃう側面もあるんじゃないかな…なんて思います。
そこまで徹底的に比較した事がないので、あくまで経験からくる予測ですけれど。
そして、クルマって飛ばさなくてもなんとなくその車両の特性って想像つきますよね。
試乗の時に、急ハンドル切ってタイヤに荷重が乗り切る前にハンドル切り返したりして「おおっ!?(なんでそれするの?)」と驚く事がたまーにあります。
そういう操作で車の特性の片鱗がわかったりする事は…ないですよねw
コメントへの返答
2020年11月17日 0:24
コメントありがとうございます。

比較試乗と言っても同一車種の条件違いと違って、他車比較ですから、細かい部分よりも、大まかな基本特性ぐらいをあぶりだせたら、と言う感じです。

おっしゃるようにボディのねじれを計測するわけでもなく「剛性感」と足の精確性を見ることは有る程度できると思っています。動質は故意に振ってみれば大体わかりますが、乗り味や狙いとする運動性は、普通の動きで得らえるインフォメーションが重要なので、それは走りのシーン別に感じておくことは重要と思います。

後で付け足しますが、運転者のスタイル(狙い)によっても評価は変わって来るので、そこも重要と思います。
2020年11月17日 23:02
この濃い内容、何回も読み直しして、論点を考えてしまいます。でも、それが楽しいのです。
自分も前車がB4 2Lターボで2013にW204 C180に乗り換え ECUサブコン入れてC200+@にして満足している口ですが、車からのFeedbackがB4よりも濃厚と思っています。
お2人のブログを見ておりますが、乗り方とそこから期待される動きの実際の反応がどうであるか、に集中していくと、販売価格程の差異が無いことと、W205のFRである必然性、というものの価値に重きを置いて購入される方がいるのか? ということも、言わんとしていることが、何となくわかるのですが、それが活字で表現していこうとする筆の力に感心しています。
このような分析は、なかなか、車関連書物では見当たらないことも、ブログの有難みと思っています。
自分のW204も踏んでいく走りをすると、エンジンから後輪までの間のドライブシャフトの部分でのガタというか、タイムディレイを感じたことが一瞬あったことを経験しましたが、(ターボラグでは無く)自分の入力と車の反応を感じる運転をより丁寧に繊細に扱っていきたい、という想いが強くなりました。
この先の車の質感、あじ、をどのように仰られるか、が楽しみです。
コメントへの返答
2020年11月17日 23:25
コメントありがとうございます。

下手で難解な文章を解読しつつ読んでいただきどうもです。

思いついた一定の流れの中で、川幅一杯に揺れまくって、ストーリが流れますので、綺麗に層別された論旨が出来ていませんので、脳内再構築してください(;^_^A

おっしゃるように、この「伝え難いが、違いは歴然と感じる人には感じる」と言う部分を文字で伝える力業をやって行きます(;^_^A、たどり着くやら。

後半で自分の乗り方、そのスタイルに対してどうか?と言う評価軸も加えますので、お楽しみに。

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結構おやじですが、若いつもりです。 バイクとクルマの二股恋愛です。 交流のある方は、基本「見たよ」代わりにイイネ押します。 その他は、文字通り、イイネ...

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