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2014年10月15日 イイね!

知っておきたいオイル選び(番外編)

知っておきたいオイル選び(番外編)
オイル選びの指標となる①粘度指数(VI)と、②高温高せん断粘度(HTHS)の意味を述べましたが、この番外編では自分がいじったエンジンでのオイルがらみの与太話についてw。





1)油圧の意味
油圧計が付いた車が無くなって久しいですがチューンドに乗るなら必須だと思っています。
それは油圧を知るためではあるのですが、オイルの状態を知ることが間接的に出来るからです。

そもそもエンジンにおける油圧の意味は、
①潤滑箇所に必要なオイルを送る。
②冷却に必要な油量を循環させる。
と言う基本設計に合わせたオイルポンプが装備され、吐出されるオイルを適正に調整する機構として
③オイルプレッシャコントロール弁がオイルシールやメタルクラランスを守りつつ、低温でも異常高圧で破損しないように圧力上限を規制する。
④オイルクーラが破損しないように、油圧を規制するクーラ保護リリーフ弁。
などが有ります。これによって、摺動面を流体潤滑状態に保ち、焼付かせないでエンジンを回すことです。

2)高回転化に当たって
最近エコ化のためにエンジン回転とは別に電動で補機を回す方向にありますが、オイルポンプに関しては、故障=エンジン破損、というためかクランクシャフトから取り出すメカ式がほとんどです。冷間始動や、1週間乗らずにオイルが下がった状態からの始動を考えると、本当は先にオイルポンプが回ってオイルラインが通った後、エンジンが回る、、というシーケンスが理想なんですけどね。
(たまにしか乗らないバイク用には油圧計からアキュムレータ的にオイルを蓄圧しておき、始動時に先に与圧を掛ける、、なんて便利パーツが出ているようです。プレオイリング に関してはこんな奴です。リンクミス修正しました


エンジンチューンして高回転域を拡大すると、動弁系がまず対策対象ですが、ロータリーの場合はそれが無く、シールやメタルの潤滑が心配なぐらいです。13Bのブリッジボートは8000回転、サイドポートでは7000回転を使うにあたって、知識も無いので油圧を高めにしておきたいという思いから、トロコイドポンプのリリーフ弁をシムで調整し、当初リリーフ圧を上げていました。これはベアリングなどへの油膜圧確保と言うより、油冷エンジンなロータリーの場合はロータの冷却増強という意味合いでした。(基本ポンプ回転数と油圧の積で吐出量が決まるので。ですが、それはポンプ出口の話であって、実際のエンジンに回る分はリリーフ弁の構造上、逃げたオイルの残り分になっています。従って実質リリーフ状態になると、極端に言えば供給油量は頭打ちです。(リリーフ域では柔らかいと供給油量は多く、固いと少なくエンジンには送り込まれます)

なのでリリーフ圧を上げるとリリーフ開始回転数は上がり、オイルがヘタって来るとさらに上昇して供給油量も増えます。しかし逆にフリクションやポンプ負荷で馬力は喰われます。なので本筋はオイルクーラで油温を下げ、油圧は逆にリリーフ圧を下げて、最も高い油温状態時の、最高速上限回転数マイナス1000回転でやっとリリーフする圧力ぐらいに設定するのが、最もパワーが出せるという理屈で最後は逆に下げてました。通常エンジンは3kg~5kg/cm2もあれば、間に合うように作られています(昔は)。実際にマージンとしてメーカではリリーフは高めにしてるはずなので、4千回転も超えれば後はリリーフしっ放しでむしろオイル劣化の弊害にもなります。オイル粘度が下がって来るとリリーフし始める回転数がかなり上がって行きます。なので、走った後デリケートにアイドルでどれぐらい油圧が立っているか見て、オイル交換をしていました。今時のエンジンは省エネ重視で精密なので、適正油温では油圧リリーフまでは上がらない設定ではないかと思いますがどーでしょう?)

本来80~100℃当たりで本領発揮のエンジンオイルに対して、冷間時はめちゃオイル硬いですよね。しかし高温、高回転時の潤滑が心配で50といった硬いオイルを使います。すると安いオイルは15w-50と冷間時が固いのでエンジンの回りが重いです。で高価な5w-50とかを入れる。すると軽く回って良い感じ。でも最高速など負荷を数回掛けるともう、アイドルで油圧が下がってくる。多分30ぐらいまでヘタるんでしょうね。なので案外安い10w-40などがへたりにくくて財布にやさしかったですね。そう言うわけで、ワイドバンドの高いオイルは回りが軽くて高回転も安心だけどタレが早い、バンドの狭い安いオイルは無理しなければへたりも少なく経済的、、なんて感じでした。

ここで、低温側が問題になるんですが、15w-40なんてオイルだと冬の冷間始動は結構長らく油圧計は上限張り付きです。ですがロータリーでは何も問題ありませんでした。

ところが空冷ポルシェ!。こいつは空冷エンジンなので、あちこちのメタルクリアランスがデカいのか、油冷と言われるがごとく、ターボで無くても各ピストンにクーリングジェットが有ってオイル量を食います。つまり、低温時と高回転時で回る油量が極端に違うと言う特徴が有ります。ちなみに油圧は冬の低温始動時、オートチョークのせいで瞬間4千回転ぐらいまで回転が跳ね上がり、リリーフ全開でも油圧計は上に張り付いてオイルポンプの負荷が心配な感じ。リリーフするとは言え、吐出量が通常の水冷エンジンとはけた違いなのでw。高温でタレるからと言って硬いオイルは本当にエンジンの回りが重いですし。

次にアイドルが落ち着くと油温上昇とともに油圧は下がって3kgを下回るぐらいになったら走りだしてたかなぁ。そして夏場の渋滞で油温がぎりぎりまで上がる状態で走れない渋滞なんぞは命取りです。アイドル状態だと柔らかいオイルでは油圧計がちょびっとしか上がらないので肝が冷えるw、、なのでアイドルで冷やすのは水冷の話で油圧がメチャ低くなる空冷は木陰でエンジン切るより無いでしょう。こんな時に100%化学合成の0-30wなんてオイルでは空冷は死ぬるwww。やっぱ10-40wは最低限だろうな、なんてことが正確な油圧計があるとわかったりします(前回示したガルフの911用は15-50wはなるほどですし、HTHS5.4はすごいですね)。今では油圧はワーニングランプしか付かない車ばかりですが、エンジンチューニングする観点からはレスポンスのいい油圧計はエンジンだけでなく、オイルの状態を知るためにも必須だと思います。

ドライサンプのポルシェではオイルポンプとスカベンジポンプ(吸出し)の2つが同軸で配置され、そのトロコイドの厚みを変えて、吐出量をエンジンに合わせて有ります。ポンプ側よりスカベンジ側はどれも大きく、ターボモデルは両方が同じぐらいだったと思います。私がOHした2.7Lはおそらく排ガス規制でサーマルリアクタの付いた最悪バージョンだったせいか、ターボと同じ大型のものが付いていましたが、エキパイからファンまでモデファイされていたので、ポンプもオリジナルではなかったかもしれません。13Lのオイルをガンガン回してますからねぇw。でも総油量が多いせいで自然劣化は少なく、油温を上げなければオイル交換時期はメーカ指定まで引っ張って使ってました(ビンボーだからね)。

油冷エンジンでは高回転で高温時の消費量の多い時に間に合う大量のオイルを送る設定のポンプですから、冷間時のエンジンに対しては硬いオイルはリリーフ弁で大量にオイルを逃がしています。けれどそのためにいわば駄々漏れ状態で肝心の狭いクリアランスの潤滑回路の隅々に十分な油量は送れない可能性が有ります。また熱バランスも始動時に空冷は極端に偏在してエンジンが歪みます。なので低温粘度が重要ですし、負荷を掛けない暖気が必要です。

暖気と粘度さえ間違わなければ、空冷エンジンでも快調に回ります。ただHTHS粘度は高い方が安心です。その点は空冷エンジンは水冷よりシビアだと思います。

>その劣化因子としては第1に 「回転数より油温が響く」

と言うことの意味は経験上は以上のように、粘度が失われる→油膜が薄くなる→フィールが悪い、音がうるさい→劣化したと気が付く。その使用期間の長さを寿命と考えると、原則油温を上げると劣化は進む。ちょっと失念したけど「120℃と130℃では寿命(性状の保持)は半減する」とか、100℃以上に上げなければ、ポリマーの劣化はほとんどない。。てなとこでしょうか。


以上、与太話でしたがまとめると

①大事な高温粘度(○○w-□□の後半の数字)は基本メーカ純正の値を基準とする。
②前半の○○は低温始動性の指標ではあるけど、間を開けて乗る人や高回転まで良く使う人は
なるべく低い0とかの方がお金が有るならおすすめ。そうでなければ□□を合わせた上で、
余り欲張ってワイドバンドにしない方が経済的。毎日ちゃんと暖気して乗る人なら10とかでも
良いと思うけどね(10w-40は結構ヘタレにくくて回りが静かで好きだった)。
③高いポリマーの入ったワイドバンドなオイルは高温状態(サーキット走行)とかすると案外寿命は短い(これは保険を使い切ったと思えば高いわけではない)。でも普通に乗る人が入れてもどこにもありがたみは出てこないw。
④エコで0w-20とかのシャバシャバ系を使いたい人は、必ずメーカ指定で20を認めていること(ターボとか、ツインカムとかはダメなはずだから)。あと長時間アイドルとか、油温が高温になるような走りはしないこと。する場合は0w-30とかHTHS粘度の高いやつを入れてね。

てなところでしょうか、オイル選びの参考になれば幸いです。
おしまい
Posted at 2014/10/15 13:21:21 | コメント(5) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | クルマ
2014年10月11日 イイね!

(これぐらいは!)知っておきたいオイル選び(後半)

(これぐらいは!)知っておきたいオイル選び(後半)(明日から1泊旅行ですが、台風の通路になっており、間に合うように帰ってくる予定です、なので先に続きをUPしておきますw。)


次に重要な指標は高温高せん断粘度HTHS(High Temperature High Shear Viscosity)です。
こちらは摩耗や寿命と言った点でエンジンを労わるにはより重要でしょう。



昔、油冷のGSX-R750のタペット調整をした時に、チッピングが起きているカム面を発見しショックだったのですが、純正の10-40wではなく、より高性能な高温粘度の高いカストロールの5-50wを使っており、なんで?。と言う感じでした。しかしこれはこの油冷エンジンの特性上、、実際には真夏の品川あたりで熱ダレで250CC?と思うような状態になったことからも非常に冷却が厳しいエンジンでした。

加えて高回転当時750ccで1万回転以上回りましたから、条件もハードでした。それを指定交換サイクルで5000km間隔ぐらいだったので、劣化による粘度低下が起きていたこと(4Lも食うのにね)。さらに夏は多分130℃は常態化しての使用だっただろう油冷エンジン(局部的にはもっと高温な部位もあったかも)。加えて暖気を丁寧に取っていたことで、空冷ファン無しオイルクーラではすぐに部分的に高温部分が出来、加えてアイドリングの低回転では十分な循環油量と油圧が出せず、最も高圧せん断(高圧接触)の掛かるカム面の油膜厚が充分保持できなかったものと推定できました。


ここで前編冒頭の それ何のお話?と思われたつづき・・・・。
その劣化因子としては第1に「回転数より油温が響く」ですが、

その意味は「高回転を多用すると「オイルのせん断劣化が進んでポリマーが破壊され、高温時の粘度低下が起きる、、、」という頭学問でなく、最高速をやったような後(燃焼室のピストンリング回りの高温冷却の代償でオイルは高温による部分劣化とか、クールダウンをアイドリング(低圧、低循環油量)でやるような過酷な使い方をせずに、低いギアで油圧がリリーフする前ぐらいの回転数を保って風を当ててやる、、といったことが大事で、高温のシャバシャバ状態でアイドル回転の低油圧でハイカムがこちこち回るような状態は非常にエンジンを傷める、、という事。高価だから長持ちではなく、逆にポリマー効果が大きいオイルほど劣化を起こす条件だとむしろ早く劣化するということ。 と言うようなことを学びましたw。つまり万事油温を適正範囲で使うことが基本で、油温が上がる使い方をするなら劣化管理をきちんとしなさいよ、と言う話。


HTHS粘度についてはウィキは結構わかりやすく書いてますので、ご一読をお勧めします。


このHTES値は欧州車では指定オイルで規定しており、おおむねダウンサイジングターボなどの厳しい条件だと「HTHS粘度を3.5mPa・s以上」を要求しています。これはVI値での代替指標と見るとおおむね後半の□□を30以上を選ぶ必要が有ります。機械工学ではHTHS粘度は2.6mPa・Sを下回ると境界潤滑状態が増加すると言われています。すなわち完全に油膜に浮いた流体潤滑状ではなく、微視的には金属接触状態が部分的に生じた時々金属接触してるよ、、摩耗するよ、と言う状態なので、車好きの方は20wは避けた方が良いと思います(焼付くちょい前とも言える)


以上のようなことから言えることは、サーキットを走るような高温状態が暫し続く環境を与える使い方では、指定VI値の後半を合わせた上で、

①高価なポリマーでグラフを寝かせた高温粘度低下の少ないオイルを
②比較的短い周期で交換(交換目安は正確な油温と油圧がわかる計器があれば、その低下度合からある程度推定できる)
例えば指定が10-40wだったら、5w-40とか。但し、ポリマーが多ければその分劣化でデポジットを生成しやすいので寿命は短いと思った方が良いでしょう。


私みたいなたまに峠で飛ばすけど、大半は通勤でなるべく経済的にしたい、、ならば、高温側の□□を合わせた上で、マルチグレード幅の狭いオイルを選び、指定サイクルで交換。
例えば純正が5W-30ならそれでOK。0-30wだと冷間時から軽く回って、燃費もちょっとは良くなるかも知れませんが、オイル代の差は埋まらないでしょう。でもウィキに有るモービル1フォーミュラだと5w-30でもHTHSは150℃で3.58を保っており、エンジンの摩耗的にはより安心でいいなぁとか思います。


ただし、評価点としてこれ以外にもメーカ独自の媚薬についてはわかりませんから、コスパを考えると通常は純正を使って、ちょっと油温が120℃以上とか、毎日チョイノリで朝晩の温度差大きいとかの環境なら酸化と水分の影響を考えて少々指定期間より早めに代えてあげるとイイだろうと考えます。水平対向エンジンではバルブからのオイル下がりやシリンダー側面にオイルが残りやすいことから始動時のオイル燃えが起きやすいとか、ロータリではサイドハウジング面に残留オイルが燃えやすいとか、固有の症状に合わせた処方がなされている可能性も大きいので実験から保証されている純正指定オイルが通常は一番お得だと思いますよ。

以上の点を考えて、できれば気に入ったオイルのスペックシートを調べて、HTHS値など知っておくといいでしょうね。以下は参考例

高性能なモービル1の5-50wのwebで見れるスペックの一部。
HTHS値が高いです。



次は空冷ポルシェ用というガルフの15-50wオイルのスペックの一部


最後はスバル用のガルフのオイルとスバルの高性能オイルです(純正の5-30wと違ってある程度スペックが公表されている点は安心ですね)。純正よりも低温粘度が0なのでグラフが寝てより高温でも粘度低下が少なく、低温でもフリクションが少なく回りが軽くなることが予見されます。スポーツユースならガルフの方がより安心だと思えます。ただ、EZ30RはHLAによるカムの切り替えが有るので少々心配です(V-TEACは切り替え作動性ゆえ、高粘度を奨めてません)けれど、スバルでも高性能版で10-50wを認めてますから、問題ないんでしょうね。





最後に、これらいくつかのデータが出ていたオイルについて表にして見ました。

ここから試しにグラフに移してみると、これまで述べて来た意味がわかりやすいと思います。


これまた線間が狭くて見辛いですが、2つほど特徴を拾って見ました。
先ず、高価な専用オイルの上段にいるグループの中でFLAT4&6用のオイルの線は寝ていて、同じグループの中でも100℃以上の高温エリアで粘度低下が少ないことがわかります。同時にこの5w-50の120℃時の粘度を水平に100℃に戻すと、モービル1などの0w-40や5w-40のグループの粘度になりますからガルフのFLAT4&6は、120℃でも0w-40の100℃程度の粘度を保っているとわかります。

次にこれもわかりにくいですが5w-40のガルフアローよりワイドバンド(一般には高価)なモービル1の0w-40を比べると、普通はモービルワンのほうがグラフは寝てより高温粘度は高いはずなんですが、ガルフのアローの方が寝ていて、100℃以上ではより高い油膜保持が出来ていると言えます。

(※ガルフの引用が多いのは、他銘柄に比べてデータをちゃんと出していることと、各オイルの狙いがきちんと説明されていたからです。多くのメーカは念仏のように形容詞しか使っていないのでわかりません)



いずれにしても、レブリミット付近多用やサーキットで油温計上限張り付き、、なんて使い方をしなければ、コスパ的にも純正が最も合理的だとわかります。オイル自体での数字に出る性能差は無く、頭の中の気分の差です。またフリクション差も銘柄やグレードで有っても1%程度の差でしょう。

なので、特定用途でなければ経済メリットの観点から純正オイルを指定期間で交換が最も合理的と思います。ただし、個人的には〇〇-30が標準なら、〇〇-40にすると燃費は多少悪いかもですが、たいていのエンジンは静かで滑らかに回るようになります。なので余りワイドバンドの高価なポリマーが入っているオイルでなく、ちょっとベース粘度高めの10w-40は長持ちで個人的には好きなチョイスでした。


番外編に続く。
Posted at 2014/10/11 19:23:33 | コメント(4) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | クルマ
2014年10月10日 イイね!

(これぐらいは!)知っておきたいオイル選び(前半)

(これぐらいは!)知っておきたいオイル選び(前半)
久しぶりの一応チューンド枠の話です。今回のブログはあくまで私見でして、何かに誘導するような意図も知見も有りません。あくまで私のあほな試行錯誤話の一つとしてUPします。オイル選びは宗教みたいなもので、もったいないコストを掛けている場合もありますので、、という思いです。

さて、エンジンオイルについては車好きな方ならあれこれこだわりをお持ちでしょう。その選択基準に、いったいどのような「物差し」を持って望まれているでしょうか?。



1.高いオイルはいいオイル。 高品質銘柄をチョイスしてますよ。。という基準
2.交換時期をまめにしているから、高いオイルは要らないんだよ、純正でOKと言う基準
3.推奨されている粘度指数を使い方に合わせてシフトして好きなブランドの銘柄にしている。
4.黙って純正、メーカ推奨時期に交換。

などなど、さまざま有るかと思います。 一般論としては8割がたはオイルメーカの宣伝文句やディーラの商売手法に乗っからされているように思います。

極論すれば、その効果の小さい順に
①ブランドの違いで起きる変化は気分ぐらい。
②交換頻度の違いは使い方によっては差が出る。通常はメーカ推奨で変わりなし。
③マルチグレードの粘度範囲はコストと劣化に差が出る。
④指定粘度指数の違いは結構差が出る。
と言ったところでしょうか。

以下の話は私もオイル屋ではないので、自分のクルマいじり体験談から得た個人的な知見に寄るものですのであしからず。

まず昔なつかしSA22Cに13Bをいじって乗せていた時代。あれこれ文献見ながら高回転対応をするにあたり、油圧の基準をどうするか、という問題が有りました。そのため通常ノーマル状態はどうなっているのかを知るために、今では使われなくなったブルドン管式の機械式油圧計を油温計とセットで取り付けました。こいつは今時の電子式と違って、エンジンの拍動まで拾って再現しますから始動時の外気温差によるアイドル時の油圧さえ、その違いをすぐ読み取ることが出来ました。ですから走り回ると劣化によって同じ油温でもアイドル油圧が下がって行く(いわゆるヘタる、緩くなる)経時変化を知ることが出来ました。そんな初歩的なところからオイルに対する疑問は始まりました。

結論から言うと、わかったことはその劣化因子として 「回転数より油温が響く」と言うこと。

これは高回転まで回したからと言って、オイルは緩くならない、という実感です。
どういうことかと説明するために、以下に風が吹けば桶屋が儲かるみたいな、遠回りな話になりますが良かったらお付き合いください。


まずはオイル選びの指標として、私たちが得ることの出来る情報は限られていて、むしろ純正オイルの方が闇に包まれています(^_^;)。通常入手できるオイルの情報として粘度表示が有りますが、その意味を知る必要が有ります。これには①粘度指数(VI値)、②高温高せん断粘度(HTHS値)の2つを最低理解しておく必要が有ります。以下はこの2つを頭に置いて話を進めます。

一般に使われるエンジンオイルは、0W-30や15W-40といった表示がしてあります。これの意味するところは○○w-□□の表示の前の○○の値は低温始動時の指標となる粘度を表し、後ろの□□は100℃の時の粘度を表しています(粘度指数VIは40℃-100℃における動的粘度を結んだグラフ線で温度と粘度の関係が示されます)。もう少し具体的には前半の数字はおおむね-20℃おける静的粘度で、後半は100℃における動的粘度を示しています)

通常の国内環境においては始動性に難があるようなオイルを使った経験は無いでしょうし、まず前半はひとまず置いておきます。大事なのはエンジンが回っている運転時の粘度です。これが昨今低燃費を狙って下がる傾向にあり、スバルでも低出力エンジンには0W-20というグレードがあり、次に一般的な(お世話になっている(*^_^*)5W-30があり、さらに上級になるとエルフの0W-30、カストロールの5W-40、そしてエルフの10W-50が有ります。(この値段の順にわかることは、前半と後半の数字の差が20→25→30→35と大きくなっている点ですね)

スバルの用意しているオイルラインナップでは、100℃における粘度として20、30、40、50と有るわけです。この一点から見るとそのエンジンのメタルクリアランスなど「どの粘度」で設計されカタログ値を出したのか、と言う視点からは「純正指定の基本30である」とわかります。一方、汚れや酸化などの劣化以前に、ゼロヨンやら最高速やら遊んだ経験では、寿命的にゼロヨンでは使っている期間での油圧低下が少ないのに最高速は数回やるとアイドル油圧がもう下がって復活しません。

高いオイルなら長持ちするのかと有名ブランドを使って見ましたが、なるほど高負荷で油温が高い時にも油圧低下が少ない。しかし同じ高い銘柄でも同様にすぐ低下するものも有る。いったい何が違うのか?と疑問でした。御存じとは思いますが、シングルグレードの30番オイルは夏は良くても冬は始動が固くて困ります。なので夏-冬を無交換で乗れる低温側が5で高温側が30と言ったマルチグレードオイルが開発されたわけです。しかしこの作り方は低温側のベース粘度オイルに粘度指数向上剤というポリマーを加え、分子を絡める仕掛けで粘度を増すのです。言い換えればポリマーと言う出汁を加えることで、高温になってもサラサラになりにくくしているのです。

この粘度指数向上剤は湿式クラッチのようなせん断応力を受け続けるとポリマーの分子が細切れになって行き本来の高粘度化能力が失われて行く、と言ったことを当時知りました。
なので、湿式クラッチと共用となるオートバイのオイルは、バイク用の専用品でないと調子を崩します(ダメになったポリマーでスラッジが増え、クラッチの切れが悪くなります)

興味のある方はご参考に以下の解説文のご一読を。(これはオイル交換頻度を考える上で大事ですよ)
【潤滑油の粘度特性と粘度指数向上剤】

なので添加剤で上げた粘度は劣化し、肝心の100℃でのオイル粘度は限りなくベースオイルに、つまり○○と前段の数字で書いてあるベースになったシングルグレード油に近づいて行きます。一般にスペックシートが公開されていないので、知る機会は少ないのですが通常の使い方でも20~25%位は劣化するように言われてます。(試験データでは5%も下がらない、、という感じですが、逆に実車では簡単に劣化する:単一条件の試験と違うから?なのかとも思いますと言う具合に、極論すると最後は前段のシングル粘度まで落ちるわけです。

ネットの拾い物の図を利用させていただきますが、注目してもらいたいのは2点。


ひとつは10w-50のグラフと20w-50のグラフです。2つの線は100℃での動的粘度が同じ50ですが、より高温領域ではグラフが寝ている分ワイドバンドな10w-50の方が粘度を高く維持できることがわかります。つまり高温でも粘度が保てる=油圧が落ちにくく、油膜厚も保てるということ。(ポリマーによって油膜が変わる事が、資料の図4と図5に示されています。)(※モービルワンのラインはおかしいので無視してください。自分でグラフ作ればよかったんですが、サボりましたw)

 

もう一つは上で述べたようにワイドバンドのマルチグレードオイルはグラフが寝るので、より高温時にも粘度が保たれますが、一方でポリマーが失われた場合にはベースの10のシングルグレード油のラインまで低下してしまうと言うことです(資料の図3で示されてますね)。(ちなみにシングルグレードの30をペットボトルに持っておき、エンジンで使っているオイルを抜いて、2つの金属容器にそれらを各々入れて100℃のお湯に漬けて温めます。2本のスプーンですくって真下に垂らして見ます。この時ぽたぽた落ちる感触からどちらが固いか見ます。ヘタレた10w-40がシングルの30と同等以下なら寿命と言えます。色とか使用期間は関係ありません。そんなことで、好きなオイルと走り方の組み合わせから自分なりの寿命を簡易的に掴んでおくと良いと思います)

まずは目的に会った粘度指数(VI値)を選択すること。より高温な過酷環境で使うエンジンには、メーカ指定の後ろ□□の設定を合わせた上で、前段○○wがなるべく小さくワイドレンジなオイルにするほど安心できることになります。一方でポリマーを破壊する高油温や高面圧な接触圧力、高せん断使用ではポリマーの破壊が進んで粘度低下が起きて、より安価な20w-50よりも10w-50のほうが粘度低下してしまうと言うことです。この重要なポリマーは各社秘伝のタレみたいなもんで、これで持ちやフィールが変わります。またベースオイルの持ちと言うのは、鉱物油と化学合成油では違いますが、同じ種類同士の中では値段やブランドの差は無いのではないか、、、と思っています。

これは基本高価な5W-50というブランドオイルでフィールも対して安いオイルと変わないし、数度のトライアルで油圧低下が起きて「どこが高価なの?」と思いましたが、ひとつには上記のような120℃を超えるような高温に上がっても、粘度低下が抑えられる性能が秘められていたわけですね。一方で対して高価でもないのに最高速で吹け切っている時にもエンジンが良く回る10w-40オイルが結構粘度低下が少なく長持ちしたのはそもそも劣化成分のポリマーが少なく、ベースオイルが固めだったから、と理解出来ました。(この話は最後の番外編に続きます。)


後半に続く
Posted at 2014/10/10 22:31:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | クルマ
2014年09月21日 イイね!

変速機の違いに見る車との対話の差

変速機の違いに見る車との対話の差この記事はみん友のタッチさんの、たまにMT車に乗って思ったこと。。。について書いています。
(長文注意)


最近、ダウンサイジングターボの良く出来た車や、低速トルクとレスポンスのいいクリーンディーゼルターボの高級車に乗ったせいで、4気筒でもなめらかだし十分なものだよね。。と言い聞かせ、、と思う一方で、低燃費で実用性十分なパワー&トルク。 それが非常に良くできたシャシーに乗っかり、高級感あるインテリアに包まれると、それはもう十分に素晴らしい車であります。何も言うことはない、、ハズではありますが、その一方で今乗っている黄昏の大排気量多気筒エンジン(と言ってもたかだか3L/6気筒ですが)の気持ち良さ。

何か物足りない、その差はエンジンとの対話ですかねぇ、、ということはトランスミッションの存在も大きいよねぇ、、となり、また面白いネタを掘り起こす人が居て、、「ああ、あんなことも考えたよなぁ」とまた深淵に引きずり込まれるのですwww。


さて「MT運転の楽しさ」について私的意見ですが車(バイク)を楽しむことの中に、「エンジンを楽しむこと」という章立てが組み込まれている人、それも非常に大きい山場として、、、なんて人の駆け抜ける喜びの中身において、ATとMTの違いはどう認知しているのか?。また考えてみました。

実はATにおける「これじゃ、向こう側に行けない」感は、MTがエンジン回転数制御型モード運転にドライバーの意識が切り替わるから、、と過去のブログで書いていたわけですが、その中でもシフトレバーを動かすこと、、が重要ではなく、私の場合は「クラッチ」操作が「意識のスイッチ」になっていると書きました。突き詰めればシフト操作自体は機械がやってくれても全く構わないのです。

そして、変速行為を「トラクション制御」の意識と置き換えて述べられてる、タッチさんの考察には、まったく全面的に賛成です。頭の中では何速に変える、、と言う意識よりも、「次のコーナにはこのぐらいのトラクションが必要なはず」と未来予測思考に対して、無意識化で手足がそれを実現するように動いたにすぎません。なので、「この次はこうしたい」制御を人馬一体となって実現するAT制御システムが出来れば、MTは要らなくなるのでは??、ということを考えたこともあったのです。そしてそれが通常は「有意差の核心」だと思います。
それで、話は終わるはずです。

ですが、それだけでなく「クラッチの存在」(しつこい(^_^;))が重要なことに確信も持っているのです。

タッチさんが述べられているような、手足が勝手に動いている・・・つまりそれこそが車との一体化、AT化によって自立型自動車となり、ハンドルと加減速入力のみで走りが成立するのに対して、MTはクラッチの介在により非自立型自動車であり、ドライバーが動力をつないでやって、初めて動き出すわけです。この「意識」がきっと大事なんだろうと私は思っているわけです。なので以下は、多分極めて個人的な自身に限った感想だと思いますが、一応述べてみたいと思います。

リンクしていただいた 一連の「MTとATの違いを考察する」を書いてた当時、情報伝達経路の違いをブロック図にしてあれこれ考えていたんですが、PCの中から出て来ません(先日死んだHDDの方にはいっていたのかなぁ)。ので割愛しますが(汗)。(走りの組み立てに実は寄与していないクラッチ操作の左足運動だけが、これら神経回路とは別の系統に属すると考えられました)。

車を走らせる運転操作の思考回路と手足の運動回路にあって、ATはハンドル、アクセル、ブレーキ、パドル操作と、どれもがいわば同じ次元のスイッチ(アナログ的ではあるものの)操作であり、目的意識は前後左右の「G」変化やグリップ限界のみに有るように思いました(に対してクラッチ操作は単に機械工学上の未熟事項であって、ドライバーが「機械の頼みを聞いてやっているようなもの」に過ぎないので従来から雑誌評論などでも過小評価というか、考察の対象にすらなっていませんでしたが。)

なので、タッチさんが指摘されたATとの違いは、その先の変化に合わせた予備行為をしてくれない「変速制御」に不快感というか、不満足感を感じるから、、というのはひとつの答えだと思います。実際、これは非常に大きな違いであるし、ストレスの差になっていると思います。ですから、この違いによって、積極的にドライバーがトラクションの期待値を求めようとして運転すると、従来AT任せだった「意識」が切り替わって、「ドライバー自身が主体性を持って運転する=ドライビングプレジャーにつながる」というこの違いには大いに賛同してます。私自身も、それを知る機会が実は有って、ATでも積極的にマニュアルモードを使った事件が有りました。それは会社の同僚のWRXのSPEC-Cに峠で付いて行ったときです。

(補足話)
『こんな車に峠で付いて行こうとすると、3速ホールドなんてもんじゃ全くダメで、2-3-4を駆使しないと立ち上がりで付いてゆけない。ところがこのATはシフトチェンジに時間がかかってまるでダメ、、だけれど911で覚えた突っ込み前変速完了の原則を使えば、ブレーキングをシながらシフトダウンを入れておいて、ハンドルを入れる時点では変速を終わらせておく時間さえ確保すれば、これはヒールアンドトウなどしなくてもいいので、微妙なブレーキングに集中できて意外と楽。ただしトルコンの介在感でタイヤのトラクション感は伝わってこないのだけれど、一応ついてゆけました。この時ばかりは、マニュアルシフトをばかばかしいとは思わず、無意識に「手が動いて・・・」となって楽しいのでした。

その時同僚は「レガシィって、結構速いんですね、それATですよね?」と驚いてましたが、「もちろんATだけど、マニュアルシフトで走ったよ(笑)」と。

つまり、自分の意識の中で、必要に迫られると、面倒なこともやらざるを得なくなり、結果の反応が良ければ、それに嵌ると(^_^;)。、一人で流していると、そこまでの必要性が喚起されないと言うことなのでしょう。』


これがMTの場合は、必然的にやらざるを得ませんから、「自分から動かして」ますから予測制御も出来るし、ミスも起きるし(笑)、となります。ですが、自業自得と言うか不快感はブーメランですから脳内で折り合いがついて納得できる?。だから余計なストレスを感じずに、満足度が高いのか?。いわば自動的に積極的疑似バトルモード(この場合は己が追求するゴーストとの戦い(笑))をやっていることによって、実はATでもMT的なエンジン回転数制御型運転に意識転換することは可能だと思いました。


しかしながら、そこにはかなり強い「外圧」が掛からないと、安楽なATモードに意識は流されてしまう。2つの変速機構の違いが生み出すドライバー心理の違いという元の結論に戻ってしまうのでしょうか?。


私が思っているのはこの論点とはすこし違って、さらにオタクな、私固有の生理的な感性だと思いますが(しかし、エンジンいじりしている人にはこの傾向は強いと思いますが・・・)

例えばこの違い。
A)近未来、スマホアプリのように生体端子が取り付けられた頭にスマホの意思伝達アプリが起動する。するとドライバーの加減速欲求がどうなのか、ブルー(冷静)、レッド(興奮)、ホワイト(無関心)、、なんて感じで伝わり、これを拾って、CVTが燃費と加速の折り合いモードを変化させる。するとドライバーはいつでも思った通りの加速を(車の能力の範囲で)得られる実に気持ちいい走りが実現する。その時、人の気持ちを汲取った車に私はこう、問いかける「どうして俺の気持ちを止めてくれなかったんだい、その先にパトカーが君のアイサイトでは見えていただろうに・・」と文句を言う(^_^;)。
人はどこまで行っても、自分に都合のいい自分が好きだ。

B)制限速度ちょい下の速度で前のトラックにつかえたスポーツカーが居る。さっさと抜いてしまえばいいのに、と思いつつ、車の中を除くと、携帯片手に何やら頭を振っている。「こりゃダメだ、」と思うが早いか足と手はクラッチ、シフトレバー、アクセルとパクパク動いて、タコメータだけが4000回転まで跳ね上がるがGは変わらない。そのまま前方の状況を見極めて、車間を取る。そして、後ろを見て頭にオールグリーンランプが点くや、ウインカーをだし、アクセルを踏んづける・・・
と言った行動で車を操って走るとき、車はまさにドライバーの能力拡大スーツとしての道具となっています。人馬一体とは異なり、自分が能力覚醒したアスリートの感覚。どこまで行っても車の中に、意思を委ねない。

私はバイクに乗っている時はまさにこのAパターンで、バイクは鉄馬で「必要なトラクション」が得られるところに無意識的にシフトし、人馬一体という2つの人格の融合的快感を得ているようで、パドルだけであれば完璧です(クラッチレスで可)。ところが私の場合、自動車は人馬一体ではなく、自身の強化パーツというか、モビルスーツ的?なBパターンのようなのです。


このような考えがうろついて、つまり「私の場合は」ですが「自動車側に自立判断を委ねる」ことにどうも拒絶反応が有るようなのです。もちろん仕事モードでの走りならむしろ逆で「俺は寝てるから、着いたら教えてくれ!」とでも言いそうです(笑)。 ところが自分自身がスポーツアスリートで、ランナーズハイみたいな気持ちになりたいと潜在意識が渇望しているとしたら、全ての艱難辛苦は全て自分のモノとして受け入れ、その上での最大成果(自分の思い通り)を得ようと言う行為になるのだと思うのです。

その時、「クラッチ」(また出た!)の存在は大きくて、つまりエンジンという動力源(物理運動の拡大増幅装置)を自分側(車ではない)に持っている意識を確認させるのがこの”クラッチ”の存在なのだろうと思うのです。故に全自動操縦モードであっても、心臓部分を寝ているドライバーから借りて、動き回るようなイメージであり、ドライバーとしては、「寝ている間に「自分の活動限界」を引き出されては気持ち悪いわけです。

何言ってるか、わからなくなりましたね((^_^;)。

うまく表現できませんが、全自動運転自動車に乗って、「目的地まで行ってくれ」という将来地図は、AT自動車の未来とつながっています(だからスバルはCVTなのでしょう、しかし以下の私の主張部分が彼らにはわかってないかも、あるいはだからMTはSti?脱線www))。

一方、MT自動車の場合はどこまで行っても動力源をドライバー(私)が握っている感覚を持つことが出来、そのことこそが、MT運転の「核」なのではないかと思っている次第です、なのでシフトレバーやパドルをマニュアルで動かす2ペダルも、もしATモードが無かったら分類的にはMTに属するんでしょうが、色々意識を試してみた結果、自分が認めている「MT」とは、実はエンジンを自分側に置いているかどうか、つまりクラッチ操作権を自分が握っているかどうか、に因るのだと言うのが今の持論です。(Aの話であえてCVTとしたのは、クラッチの概念が無い機構だから、よりイメージが合うと思ったからです)

なので、ドライバー側が必要と感じる「トラクション」を常に用意する無自覚なシフト操作が有ったとしても、それは究極アイサイトの発展した人工知能が予測し、ドライバーの気持ちとシンクロしたとしたら、それは実現するかもしれません。そうすると改めて気が付く違いは、「エンジン」を車側に置いてくるのか、ドライバー側に持っているのか、の違いと言うことになりはしないか、という考察です。

逆に見てみると、結局私の言う「MT変速自動車」の定義は「エンジンのトルク(ご機嫌領域)を常にドライバーが(自分が)操っている車のことのようなのです。

だから、車を選ぶとき、たとえATであっても「エンジン」の官能性にことのほか、執着してしまうのかも知れませんね。エンジンの個性自体が、自分の分身、変身願望そのものなのかも。これはエンジンを組んで、あれこれチューニングして一喜一憂していた性なのかもしれません、初めて組んで火が入って回り出したエンジンは、本当に生き物のように感じて感情移入して来たからです。なのでエンジンが無表情な電池やモータのようなものであったなら、そこまでの車に対する刺激は感じないものだったかも、とも思います。


話は発散しましたが、昨今の出来のいい省エネの「トルクの井戸」型エンジンと良くできた快適なシャシーに乗っていると、高い満足感を得ている一方で、何かしら抜け落ちた「何か」郷愁のようなものを感じる気がする理由は、それがまるで心が宿っているかのような、情緒豊かな「エンジンの叫び」が聞こえなくなってしまっているからではないか、、、などと(^_^;)。
思う今日この頃。

以上
Posted at 2014/09/21 22:20:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | クルマ
2014年09月17日 イイね!

BRZの救世主?なるか、気になるサスキット。

BRZの救世主?なるか、気になるサスキット。
面白いもんで、本家にとっては嫌なパーツの登場かもですねwww。

スバルのBRZは登場した時から、昔乗ってたSA22Cこと初代RX-7に非常に似た車だと感じて、親近感も高い車でした。


当時改造して乗ってた仕様が差引あるけど車重およそ1000kg。WBは2400mmにエンジンはサイドポートチューンの13B(推定スペック180PS/トルク22kg・m程度の48ダンドラのロングマニ仕様)

対してBRZはRAで車重1190kgに200ps/20.9kg・m。WBは2570とやや長いけど。

トルクウエイトレシオがBRZは50を切れないけれど、この付近のスペックにとても気持ち良い領域が有ることを知っています。ここからパワーを上げててゆくと、どんどんやんちゃなブイブイ車になりますが、残念ながら癒しのクルーズをするには何もかもが刺々しい、ということに。 ブリッジやぺりは刺激的で、それはまた違った楽しさが有りますがいつでもどこへでも出かけれる鉄馬には少々無理が有ります。ユーノスロードスターがロングセラーであるのも、結局サーキット使用者で無い限り、車と過ごす移動時間に、「ゆっくりでも楽しい」を無くさないことが重要だと考えています。


さて、前置きが長くなりましたが、そのBRZ(トヨタ86)用に社外のサスペンションキットが発売になるようです。もちろんこれまでもあったわけですが、私が注目したのは今回、その欠点と思っている部分に手が入ったからです。

固めて行ってスポーティ、なんて言う走りで楽しむには問題なかったでしょうが、上記に上げた、峠と峠をつないでドライブが楽しめるためには、いかになめらかにクルーズ出来るか、綺麗な荷重制御で旋回できるか、といった大人の走り(単にもうろくしただけとの指摘(^_^;))。

先にS4やレヴォーグでこれ以上上質を求めるとどうしてもフロントサスの仕上がりが気になる、、といった視点を述べてましたけど、BRZは「どーしたんだスバルよ!」というフロントサス設計になっていました(冒頭写真)。当たりが付いていない新車の試乗とはいえ、コーナでの旋回荷重時にフロントサスの沈み方にはなめらかさが無く、これじゃあねぇと言った記憶が有りました。(過去のBRZ試乗記

ビルシュタインのサスキットは以下の写真のように、そもそもストラット長さが取れず、シリンダ長さが取れません。なので、現状肯定でストロークを縮め、固めて、ヘルパースプリング入れて、チューブ剛性を倒立ロッドごとごつくして、、、、と。サーキット走行だと負荷が高いので無理やり動くかもですが。。。


そのような、GTカーとするにはアキレス腱ともいえる構造のフロントサスペンションですが、今回発表されたショーワのキットには、その設計的怠慢にメスを入れて有りました。

まず、BRZはAWDをやめた構造ながら、フロントナックル部はドライブシャフトが通る構造になっています。これは、インプレッサからの流用、改修、または将来AWD化の布石?かわかりませんがそういう構造に見えます。これに従来からのストラットシリンダーを取り付けるわけですが、真意は不明ですがT社から、「何が何でもボンネットフェンダーラインを低く!」とのお達しで、車幅と切れ角、水平対向エンジンの縛りで、なんとスバルでは見たことも無い直巻きスプリングのスラストキャンセルオフセットの無い取り付け構造。他のスバル車を見る限りこんなものは初めてなので、上記の噂も真実だろうと思うわけです。
やむなくやっているオフセットキャンセル配置(古くはBMが特許持ってたような??)


これに対して、下の写真のショーワのシリンダーはこのドライブシャフトが不要なことを利用して、スラットシリンダーを下方に延長突き出した形にしています。これで60mmも長さを稼ぎ、ロッドベアリングのスパンをおそらく30%以上は稼いでるのでは?と思います。ガイド長さの延長は相当効くはずです。加えてチューブの肉厚も増やしてると言うことは、やはり剛性が足りないと言う裏返しでもあります。



さらにセットされるスプリングは高応力の荒巻タイプで軽量化し、そのエンド処理はテーパ当たりで、ロッドに曲げがかかるようになっているようです。これはストラットにかかる曲がり応力をキャンセルするように取り付けるはずです。車高はわずか10mmダウン程度で、目いっぱいストロークは犠牲にせず、ばねレートもフロントが柔らかめのようで(動く足になったから?)。

私が興味を持ったのは、いわばスバル、トヨタラインとは異なるホンダとかと付き合いのあるショーワがこれを出したところです。これ、設計屋から見たら「嫌がらせか!」と思うほどのダメ出しじゃありませんかwww。

私は、この足ならBRZの中古買って付ければ、相当気持ちよく乗れそうだと思った次第。



【SPK、SHOWA TUNINGの「SPORTS Evolution-極-」に86/BRZ 6速AT車用を追加 】
以下引用
>このSPORTS Evolution-極-を装着すると、純正状態から車高がフロントで約10mm、リアで約15mm低くなるほか、肉厚化されたフロントダンパーケースによって耐久性が向上。また、路面からの入力や車速の変化、ステアリング操作などによって発生するダンパー内部の作動周波数ごとに減衰力を自動的に変化させる「SFRD(Sensitive Frequency Responce Damper:周波数応答式可変ダンパー)」を採用。さらに微小ストローク領域におけるフリクション特性の最適化と乗り心地の向上を目指した新しいダンパーオイルを使い、さまざまな状況で乗り心地と操縦安定性を両立させている。

 このほか、86/BRZは基本設計のフロントストラット長が短く、横力に対する作動性で不利なレイアウトになっているとの分析から、SPORTS Evolution-極-ではフロントストラットの下端を60mm延長。この60mmのうち、45mmをベアリングスパンの延長、15mmをSFRD構造の組み込みに利用し、フリクションを大幅に低減させている。このダンパーに組み合わされるスプリングは、スプリングレートがフロント35.0N/mm、リア44.0N/mmとなる。
Posted at 2014/09/17 20:32:24 | コメント(6) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | クルマ

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