
(拾いもの写真)
語る(予定の)メーカ
1)トヨタ自動車
2)ホンダ技研工業
3)日産自動車
4)マツダ
5)富士重工業(スバル)
6)メルセデスベンツ
7)BMW
8)ポルシェ
9)シトロエン
こんなの書いたら、たくさんのオーナさんから非難を浴びそうだけど、昨今は雑誌等のメディアの質が低い(媚びてる?)ので、おっさんのたわごとを述べてみようと思います。今は、自動車メーカと絡む仕事では無くなりましたが、1995年ぐらいまではスポット的に、のぞきに行きました。その関わった工場とか開発とかの印象からチョビット述べたいと思います。
1)トヨタ自動車 http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/
トヨタさんの車を私が買うことは一生無いと思いますが、それは単に好みの問題です。私は車は趣味なので、損得で選ばないためで、逆にいえば好きな車が無いと言うことになります(汗)。トヨタファンの皆様すいません。けれども企業としては、結構尊敬しておりまして、今の日本の自動車「業界」が世界に伍して行ける基礎を築いた功労者として、感謝したいぐらいです。 前にも述べましたが、車は私のような好きだ、嫌いだという困った連中がワイワイ騒いで、そんな口車に乗って開発していたら開発費が嵩んで、利益が出ずにつぶれていたかも知れません。
トヨタさんの強みは何と言っても生産技術力で、「車を作る」ではなく、車を「安く作る」のが使命です。これは他の自動車メーカと違うスケールの哲学に因るのだと思います。
以前、基盤技術開発関連の主査さんに、メッキシリンダーについてBMWとか、アルミブロックにメッキシリンダー使ってるし、ホンダさんとかもやってますし、性能上も有利じゃないですか!。と聞いたら、その主査さんは「プレミアムカーとか、少量生産車はいいかも知れませんが、当社は自動車産業の未来を担っていると言ったら大げさですが、重金属に関する環境問題を考えると、当社は採用しないと思います」と述べられて、唖然とした記憶が有ります。個別の性能よりも、メッキ産業、廃棄物、オイル環境など、クロムとかの公害問題の方が重要だという視点に、ハッとさせられました。
一方で、車づくりおよび、組み立てラインの労働者環境は、これはトヨタさんに限らずではありますが、それはそれは厳しいなぁという思いです。なので、車は大事に乗らさせていただいてます。(^^)
ボディーの生産技術にしても、ヨーロッパとは違う拘りが有りました。
自動車の個別性能だけを見ているのではないことに、ちょっと感動しましたが、プリウスをあれだけ金つぎ込んで早く投入した背景には、もちろん他社に先んじてシェアを握る戦略はあるのでしょうが、環境を守らないと「自動車の未来が心配」という思いが有ったことは、まぎれもない事実だと思います。業界リーダの器をトヨタさんには感じました。これ以外にも、物づくりに対する姿勢はすごいのですが、「どんな自動車を作るのか、が見えません」でもそれはある意味当然かもしれません。トヨタさんにとっての自動車は、その捉え方自体が「移動体」という工業製品なのですから。
2)本田技研工業 http://www.honda.co.jp/message/ismlog/
ホンダに関しては、一言で言えばトヨタとはある意味正反対で、彼らの車づくりとは「エンジン」を乗せた箱です。
彼らは自分達の作った「エンジン」を世界中に提供するために自動車を作っていると私は思っています。ですから、芝刈り機から、飛行機まで、彼らは「エンジン」が作りたいのです。ですから電気自動車や、ハイブリッドづくりにおいても、自力でモータの巻き線機から設備投資しています。東芝、日立といったモータ屋に島を荒らされてたまるかというスピリット(笑)。
私が自分の給料で初めて買ったのがホンダのバイクでした。故障知らず、オイル漏れなしの優等生。でもバイクの世界ではトヨタ車みたいな無難なポジション。ここでもエンジンが主役のバイクで、フレームやハンドリングは2の次っぽい気がしました。なのでNSやNSRは特異なバイクでした。4サイクルのホンダが恥を忍んで?やけくそで開発した2サイクル、恥をかいたMVXから3世代で他社に追いつき、追い越した。なので、ついでにフレームも走りも、壁を越えました。それには稀代の天才「フレディ・スペンサー」の要求に合わせた車づくりが自然とそのステージに連れて行ったのでしょう。ここからホンダのバイクは危険な香りもする魅力が有りましたが、その時代も終わるとまた、無難な時代に戻った気がします。今のCBR1000は実はタイムは最速だったりしますが、やっぱり飽きやすいのは、、なぜ?。
さて、車に戻ってカチカチ山のDDACと呼ばれた空冷エンジンに最後は3次元カム式インジェクションまで登載した技術馬鹿、エンジン馬鹿は、会社が傾いて一気に対マスキー法対策のCVCCに没頭します。誰もが不可能と思った低公害エンジンを達成したのがホンダとマツダだったのは、私には「・・だな」と言う感じです。
このCVCCを契機に親父さんが引退して、新しいホンダが形成されて行きますが、良くも悪くも場当たり的で、作った技術は育成されず、使い捨て。それはある意味革新を大事にする社風ゆえで、ポルシェの正反対です。
レシプロに対して、出来るかもと言う技術は、何でもやってみたみたいな。今でも単気筒の燃焼試験用試作エンジンは1日で出来るんだろうか?(3日だったかな?)。
ラジアルバルブ、楕円ピストン、8バルブ、可変排気量、気筒中止、VTEC、5気筒やら3気筒V型やら、とにかく何でも有りな「エンジン屋」。なのでスポーツカーといった車自体が、「1台限りのエンジン」のような開発体質ゆえか、1シリーズだけで完結する試作車の発展型のままで終わります。それが気に入ったファンはその車を大事に乗り続けますが、モデルチェンジしながら、車名が911のような記号性を獲得することはありません(象徴的なのが、TYPE-RやVTECというチューニングメニューやエンジンタイプが称号として継承されて行った)。
「車」の操縦性も、エンジンも、全てチャレンジと革新で転がって行くからです。それがホンダだと言えばそれまでで、彼らがそれこそがホンダイズムだとして、行くのならやはり「・・・技研工業」に留まるのだな、という見方です。ホンダとトヨタの共通点は全く無いように見えて、実は彼ら自身が「自動車」というひとつの理想形を持っていない点で、一致しているように思います。
3)日産自動車 http://www.nissan-global.com/JP/NISSANCRAFTSMANSHIP/
技術の日産は、混ざらない2色インクの社風で、技術のプリンスを飲み込んだ労組の日産、、てイメージですが、カルロスゴーンのルノーGrの一員となってからは、大きく社風も変わったようで、断絶を感じます。
車好き(走り好き)が居ることは、トヨタとの違いだと思いますが、マーケティングと技術のぶつかり合いでいつも蛇行していたスカイラインが、R32でひとつにまとまった、、かに見えたけど結局同じで、R33とR34で相変わらずトランクのでかさで、膨張と収縮を繰り返しました。これはGT-Rがスカイラインのボディで作られるからだ、との長年のしがらみを切り捨て、とうとうGT-Rとして独立したため、これには終止符が打たれました。それと同時に民衆からGT-Rは離れて行ったように思います。
901運動で乗ったスカイラインはしっかりと脱皮した、新しいハンドリングを提供してくれた、と思った一方で相変わらず、この「欲張った八方美人のコンセプト」で、結局総合的に、どんな車を目指したのか、さっぱりわからなかった。か―ちゃん置いて夜中に暴走に出かけ、日曜は子供乗せて行楽地にドライブ?、なかなかに無理のあるコンセプトではなかろーか。けれど極めて「日本人」的な何でもイイ子になろうと頑張った・・な車づくりに感じました。
多分2つの会社の派閥人事から、保守な車と革新の車の2本立ての攻防を長らく続けてきて、ようやく瀕死のところから外資系企業となって、実にドライになり、コンセプトは「採算の取れる車を世界に供給し、儲ける」という企業理念に変わったように思う。けれどそれはそれで、ようやくひとつにまとまった気はする。良いものを作るには、良い人材だけでなく、良い組織が必要だけれど、日産でR32GT-Rが復活出来たのは、裏を返せば組織のダメさ加減を象徴していると思う。車好きのボランティアが集まって、「仕事」では無く、「業後の部活」で生まれた車だからです。
そして、35GT-Rになってから、世界に向けた反骨日本の象徴のような車だったGT-Rから、商業主義のフェラーリのような車になってしまった。方法論はてんこ盛りにナルシストで詰め込んだけど、目的はポルシェと張れる看板の役目を負った客寄せパンダのように思えてしまう。これは乗ったことが無いので、実際には35GT-Rは乗ると心奪われる官能的な車かも知れませんので、お許しください。FMパッケージのスカイラインクーペは一時購入検討したけれど、VQエンジンとパラーラインの粗雑さに絶句して金額に見合わないと没りました(笑)。
今一番、「車」に対する哲学の見えない会社というように思っています。
残念なのは、昔はZやスカイラインやブルーバード、シルビアといった車種毎のコンセプトが日本の高度成長の各ステージを送る国民のモータリゼーションを豊かにしてくれたのは確かで、さまざまなステージには必ずこれらの車の活躍が有りました。そういう意味で、一番「走る自動車の形」を追及していた「大企業」であったと思います。(それは何時もポルシェを追いかけていたスピリットだったかも)
以上を(その1)として、今年最後のプログ(になるかな)として批判覚悟で(汗)UPしておきます。
おまけ:
面白いメーカのケンカ腰広告w
http://matome.naver.jp/odai/2134720428791708101