
最近、急に気になってきた車が有る。それはアテンザディーゼルのAWD。
今さら感は有るものの、設定としてはなんとようやく出たばかり。つまり新世代ディーゼルの大トルクをAWDで楽しむには、SUV的な車しかなかったのだが、マツダのAWDは車のモビリティを最大化する目的ではなく、エコと安全性(スタビリティ)の両立との志向だ。
であるなら、大トルクをドライビングの醍醐味につかうフラッグシップセダンに有るはず・・・が無かった。 ここにもマツダのAWDに対する志向が現れている。
ロングホイールベースの大型セダン。 ホイールスピンで豪快な走り・・とのイメージは露程も無く不要と考えたのだろう。 一方雪国では生活4駆としての需要が有り、事実アテンザ以外の経済車(庶民の足)グレードには設定されていた。それがようやくアテンザにもカタログモデルとなったのだが、今度はその設定は2.2Lディーゼルにのみ。
つまり、生活足車4駆としてではなく、プレミアムスポーツとしてのAWD(AMGのC63みたいな)と思いたくもなる。そしてちらほら見かける評論にも「・・・積極的に曲げて行けるAWD・・・・」みたいな記述も有る。では、見せてもらおうか、その力を・・・w
なんて、気にもなるわけです(*^_^*)。 ところが相変わらずマツダのAWD解説には制御ロジックしかなく、現実のメカ解説が無い。HPのトルク配分イメージでは明らかに誤解を招く絵もある。しかしながら、実家でデミオディーゼルのアクセルワークの楽さ加減と、経済性、そして相変わらずのマツダハンドリング(スバル同様、馴染んだオーダ服を着るような密着感が得られる)を体験すると、「これだけデカくても、新型B4より65mm長いだけと思えば・・・なんとか許容できるかも、、」などと思う始末。
そして、安全装備も遜色なくなり、最新LEDのアダプティブライティングもあるし、技報を見るとスカイアクティブDも相当な洗練度に改良されていることもわかって来た。実はこれだけ革新的なディーゼルエンジンに信頼性の不安を私は持っていました。もちろん不自由するレベルではなくともです。それは試乗時の車内振動、騒音から「現時点でOK出したレベル」と判断したからです。なので、この点は安定期に入ったと見てm/c車に試乗してみたいと思っています。
横置きFFのカップリング式AWDの場合、あくまでFF車であり、フロント駆動力を抜くことはできません。相対的にリアを強めること、そして最大でも50:50の直結まで、、であり後ろのトルクが前を追い抜くのは、前が低μ路で動伝出来ない状態に限り、、です。従って走りの組み立てとしては、ワイパー、気温などで路面状況のマッピングによりカップリング締結強度を変えて、舵角が入ると緩める、、と言う感じでしょう。ここでコーナ中盤から後半にかけてアクセルを増して行った場合に、リア駆動力を増す・・イコール直結に近づき、タイトコーナブレーキングロスが出る、、のでそこまで強められない。 と同時に昨今はTCSとESCにより遠心力でリアが外に出るとすると、途端にヨーを消す前側ブレーキが入り、エンジン絞ってグリップ回復、、となります。
なので、積極的スポーツ走行の「アクセルでヨーを作って、ハンドルで修正制御」なんて運転は出来ません。そこでこれをOFFにするモードが有るはずですが、その時カップリングはどんなロジックになるのか?。あくまでおとなしいサルーンとしての想定であれば、スリップ検知されない領域においてのみ出せるトルクは全部出す、という豪快なディーゼルパワーは楽しめるi-DMの教習範疇で乗れよ、、ということでしょうかねぇ、と。
スバルを離れてもいいかな、と思うのは実はこの辺りにもあって、今のラインナップではメカニカルなセンターデフ(電制式含む)を持つのはWRX系とレヴォーグのいわゆる300馬力マシンとMT車だけになり、他は消えてしまいました。ほとんどはアクティブカップリング式です。ただ、そうは言ってもスバルの場合は前後軸に分配する起点に6:4での固定配分を基準とした構成なので、FF基準カップリング車とは異なりますが。
イメージで恐縮ですが、星取表にすると私的には以下の感じです。
通常とは、普段のタイヤのグリップを超えない運転。
スポーツとは、タイヤのグリップを使い切る運転
ドリフトとは、積極的に横滑りで姿勢と作って乗る運転
と言うイメージ。 そして○はドライバー側に制御手段が有る場合、△は完全ではないが、間接的なり、目的は達せられると言う感じ、×はお手上げ。
但し、現実のメカニズムと制御がわからないと△の範疇は不明ですが、アテンザは机上ですがスバルは体感上こんな感じですし、メカ作動的にも矛盾は無いかなと。
しかしながら、コーナリングにおいて積極的にアクセルヨーを使って曲げて行ける制御にはなりません。あくまでグリップ前提です。ただしブレーキングで出したヨーを抑える方でのアクセルワークは使えます。(けれどこれは他社も同じハズ)つまり、4輪が同じ路面を噛む状態において、アクセルを使ってリア側をグリップ限界を超える状態に持ち込んで姿勢を作ることは出来ないのです。
であれば、。 つまり現実の走行シーンにおいて大差無い。 ホンダの最新リアルタイムAWDと同じく、スタビリティが低下するであろう路面状況、走行環境時には、あらかじめ駆動トルクを4輪に分散し、マージンを取っておきましょうよ、というAWD固有のスタビリティが有る程度期待できる(リア側に常時回されるトルクはマツダはガタ吸収分までで、動伝系シャフトのねじりテンションまでは掛けないけれど)。
というわけで、期待するシチュエーションを以下のように分ければ、スバルとの違いが出るのは現実場面ではほとんどなくなって来ると言うことです。以前スバルの次世代シャーシはハイブリッド化で、モータにより前後軸は切り離される構成、、とのなかでつぶやいたことがありますが、ESCやABSにとっては、中央で繋がるセンターデフはうとましい存在になるのです。一方で、あれこれ机上の制御をするよりも、瞬間直結や、メカ的な結合による天然配分が車両のヨーを打消しスタビリティを高める現実が有ります。その長年のノウハウを持つスバルが各車輪のブレーキ制御と、トルク制御でバイワイヤー化した自由を得ることは、アドバンテージを失うことになる・・と言った点です。
マニアックなスポーツモードでは、みなさんESCを切っていることがそれを物語っています。つまりアクセルでのヨー制御を残すか否か、そのベースをAWDという高い次元に置いた上で遊ぶところにスバルの哲学が有り、普段の安心とスポーツの安心が明確になっています。そしてスポーツ性と言う点では、FR、MRといった後輪をアクセルワークで操れる車は容易にそのスポーツ性を享受してます。 なので、スポーツAWDの世界をB4や、フォレスターなどに残してくれなければ、余り触手は動かないのです。
例えばリアLSDが無いと、ベンツのC180を買っても本格的なドリフトコントロールは難しくても、ちょっとケツ出してカウンター当てて、、といった遊びは出来ます。一方で雨の高速でESCに助けられて冷やりとする挙動を感じるのは、いくら大事に至らなくても、気持ち良くは有りません。その両方を解決してくれていたスポーツAWDに感心しており、稀有な6気筒の上質さに感動していたので、そのポジションが無くなると代わりを探すことになるわけです。 6気筒はあきらめてもVTD式AWDが残るならB4の線も出てきますが、ディーゼルのGT的魅力(ガソリンに近づいた洗練度があるなら)の方が強くなります。
注ぎ込まれた技術、作り手の熱さが私の場合、引き込まれる重要な要素でもあります。スバルは明確なマーケティングによるセグメント集中化での車種構成になる余り、私のようなハズレ者のグレードを無くしてしまいました。スバルは今、ディーゼルを国内導入で頑張らないと、燃費気にせずバリバリ走れる車に、置いて行かれると思う今日この頃です。同じようなスペックの2.5Lとダウンサイジング1.6ターボを揃える良心と無駄が判らない(これは海外戦略が軸であるという推察はしますけどね)。
と言うことで、実は今日仕事休みなので、マツダに出かけてカタログでももらって来よう、と計画し、奥さんとお昼を食べに出かけたついでに寄って来ました。DS3で乗り付けた私は既にアウェー感一杯なんですが、担当営業氏に調べてもらったけれど、試乗車残念ながら他店にお出かけ中、、ということでカタログもらって談笑し帰ろうとしたら運よく試乗車が回走されて来ました。なんという幸運!。ということで、試乗記は後ほどwww。
Posted at 2015/01/30 17:05:25 | |
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