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2022年07月07日 イイね!

国産の直4、そして「ナナハン」の意義とは?

国産の直4、そして「ナナハン」の意義とは?「国産直4のナナハンが生産終了、、」ってスズキのGSX-S750のディスコンニュースに他なりませんが(;^_^A




このエンジンは、知る人ぞ知る名機ですが、水冷2世代目の1996年誕生のエンジンで、大きな改良が2000年に加えられ、GSXR1000のエンジンと600のエンジンに分かれ、ハヤブサの1300ccも、系列と言えると思います。

極端な高出力追及ゆえに、高回転型でショートストロークへ行った今のSS最新とくらべ、低中速トルクがしっかり残る2005年あたりまでの開発品。

以前にも上げた話ですが、2005年のGSXR750とGSXR1000は乾燥(163~164kg、装備質量でもほぼ同じですが、乗り味は全く別の車で、そのハンドリングの違いを当方はクランクジャイロマスの差と見てます。
クランクシャフトの回転体が、ストロークの違い、すなわち回転直径のGD^2で見ると、ストローク差13mmは決定的に違います。

私は油冷の’88年式R750に11年乗ってまして、職場仲間にGSXR感染させて、'90式、'91式と、1100ccの友人ら6人でツーリングに行ったり、峠練習に行ったりした経験があり、その時同じディメンションの90年式が、どう乗っても私の'88より切れが足りない(どちらもフロントの突き出し10mm増にセットで)。当方の’88は、目鱗になったスパっと1発で決まるセルフステアに、みんなは「切れ込む」と感じていて、みんなは’88と’90の差を感じなかったらしいが、私は’90年式を「鈍い」と感じたのです。それぐらい、些細な差だったのかもしれませんが、ロール制御が明らかに’88が軽かった。セルフステアの切れは、私もヤマハから乗り換えた最初は「切れ込む!」と焦りましたし、ある時までは一体感がどうにも得られませんでした。「どう乗ればいいのか?迷子状態」

<油冷の'89版 GSX-R750>


スズキの長いGSX750の生産歴史の中で、ストローク44.7mmと歴代最短の750ccだった88型はたった1年しか作られず、’89年には、再び王道の70x48.7mmに回帰。クランクで直径差4mm。当時はエンジンのトルクが載る友人の90年型のエンジンは明らかに’88よりトルクが有って速度が載りやすくうらやましかったが、反面ハンドリングは’88が史上最高の出来、、と思っていて、その差はストロークUPでエンジン高が伸びた分、重心が高くなった?、ロール慣性が増えた?。その差だろうか?、と思っていました。



今ならはっきりわかるのですが、スズキの88型は高回転を目指したのではなく、ジャイロマスの小さいエンジンにしたかったのだろうということです。ホンダやヤマハの開発したSSは、排気量同じなら、シリーズ中でボアストロークを途中で代えることは稀です。しかしスズキは結構変えています。あのケチなスズキが、エンジン作り直しとなるボア、ストローク変更を??。 

ちなみに、SS系の750ccクラスでのストローク比較すると各社の設定は
スズキGSXR:44.7mm~48.7mm (55.1)
ホンダCBR:48.6 (55.1)
ヤマハYZF:46mm (50.9)
カワサキZXR:44.7mm~47.3mm (55.0)
参考:( )は最新のリッターSSの値)

従来はエンジン出力特性からパワーが欲しいから変えた!、と思っていましたが、ハンドリングに振るために変えたこともあるのでは、、と今では考えています。

で、600ccクラス(CBR600RRやGSXR600とかはΦ42.5mmの長さ300mm超える「鉄の円筒ハム」が回っている)と同じ程度の'88の44.7mm、あれが低速スカスカで粘りの無いエンジンと引き換えに得た鋭い’88のハンドリングだったんだなぁ、と今は思うのです。しかし如何せんトルクが不足で速度が載らず、結局スズキは元に戻してしまった。

で、今回手に入れたK5の水冷R750ccは46mm。結局これが高回転型「直列4気筒エンジン」の公道での扱いやすさを決めている重要ファクターとの私的結論です。だから、トルクはすごいが1000ccでは、この750CCのようなハンドリングの切れが基本特性として出ない。また逆に600ccは軽快だけど、トルクウエイトレシオの関係で、いまいち美味しい領域のパワーバンド幅が狭くて、引っ張り切るだけのパワーバンドを持てない。特に公道ではなおの事、難しい。

そういうことがカタログからは見えてこない、しかしながら「直4高回転型バイクのエンジンと車体が一体となってバランスするこのGSX-R750は唯一無二の独特の世界なんだと思うのです。」

公道で、操ることを楽しむ趣味ながら、「ほぼレーサー」として通用する、日本の直4バイクはお宝です。そのお宝の中で、最重要視する項目が、人それぞれの価値感でちがうから「自分だけの」入れ込みを見つけられるのも面白いと思います。


日本の峠はパラツインの900ccぐらいがちょうど面白くて、リアタイヤをつぶして回り込む旋回と、間隔の短い次のカーブまで引っ張り切れる。SSなら直4の750ccがちょうど良くて、その国産ベストを作っているのがスズキの4分割クランクケースの2005年までなんです。あくまで私見(;^_^A (GSX-R750のK6以降は、600CCベースのフルM/Cエンジンになり、バランサが付いて、凶暴感は薄らいでいる気がします。加えて効率UPのツインインジェクタになって優等生に。)

このK4/K5系統エンジンは、冒頭述べた公道向け版がGSX-S750として続いていましたが、とうとう2021年型(2022年終了)と幕を閉じるということになりました。スペックでは見えない魅力をメディアは十分伝えていただろうか、、とちょっと疑問。これをホンダやカワサキが作っていたら、もっと特集が組まれていたりして。まぁおかげで高騰せずに済んでますがw。

このように、商業的には、いい性能、いい商品が必ずしも売れるとは限らない。このエンジンはアグスタのF4みたいな、所有感を満たせる作りだったなら、また違っただろうけど。スズキブランドにはその風味は無いわけで(;^_^A

そういうわけで、高性能直4を手元に持っておきたい人は、消える前にいかがでしょうか(;^_^A。


国産バイクが世界をどうやって席巻したか、その隠れた戦略をうまく書いた記事が有ったので紹介します。
「匠の技の結晶4大メーカー直4ヒストリー」

ゆえに、逆に昨今の海外勢の席巻は、工作機械やCADCAM、シミュレーションの進化などにより、日本の職人的作りこみのお家芸が、お金で買えて、後はマーケティング、ブランドに長けた欧州の巻き返しは、停滞する国内市場と比例して、趣味として「パワーだけではない」となった世情が、昔は魅力の源だった複雑高価な多気筒を、普通に買える時代で差別化の軸が消え、日本車のアドバンテージを奪ったと見るのは、結構当たっているなと思うのです。



最近、バイクブームがゆるキャンやら、コロナ禍やら、バイク女子やらと、何かと復権して来てるようで、うれしい。 リターンライダーも多いようで、メーカもそのあたりも狙ったバイク作りをしている気がします。 内燃機関の極限を行くSSのエンジンを盆栽に置くのも楽しいと思います。庶民でも買える市販品では、最高峰のメカ群ですし。
Posted at 2022/07/07 23:28:03 | コメント(2) | トラックバック(0) | GSXR750 | 趣味

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