• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

FLAT6のブログ一覧

2012年12月31日 イイね!

自動車メーカ考 (勝手に語る自動車メーカの印象 その2)

その1で述べた自動車メーカは、いずれも巨大で、そのことが中々「ひとつの強固なコンセプト」を作り、そして維持して行くことの難しさを示しているように思います。なので、昨今の欧州メーカは買収によって、ブランドを増やし、買収したヒストリーを独立した個性として傘下を巨大化する方が、得だと考えたように思えます。
今回は、そんな巨大自動車メーカと比べると、ぐっと小ぶりな日本メーカとミスター自動車wになります。



4)マツダ http://www.mazda.co.jp/philosophy/history/
マツダは戦後復興期の自動車御三家の一角でしたが、ホンダが加わり今やホンダにその席は譲ったままですね。その機微は、「ロータリー」と「広島」が大きな分かれ目になったと思います。

当時の方針で、ロータリーに社運を掛けた結果、一時は他社を脅かす存在になるやも知れませんでしたが、結果は
歴史の示す通りです。ロータリーに関しては、先のブログでも述べましたが、コンピュータの発達でシミュレーションによる最適化が数万倍?の精度で積み上げられるようになって、レシプロの熟成は飛躍的に進みました。1980年代の車が、排気ガスにもがいていた黎明期なら、90年代はインジェクションとコンピュータを土台にした時代となり、2000年以降は車両運動性能など、本格的にコンピュータが自動車の脊髄神経となる車づくりになりました。

その結果、自動車メーカそのものよりもデンソー、BOSCHといったキーコンポーネントメーカがその付加価値を大きく握るようになりました。それは裏を返せば、自動車の構成、開発のすそ野がさらに広大となり、自動車メーカ1社の技量では、包括出来なくなったことを意味します。その功罪は、中小メーカでもしっかりした技術マネージメントと評価システムが出来れば、大企業に伍した車が作れる一方で、マイナス面では、誰が作っても同じような車(乗ってもそんなに変わらない)という、自動車の「家電化」に繋がりましたし、賞味期限の短縮は、開発リソースに勝る大手メーカが優位に成りました。次に控えた電気自動車の時代には、それはより鮮明になるでしょう。
ところが揺り戻しでまさに今、気に入ったものを長く使う、目先を変えても愛着がわかないものには興味が無い、といった次なるトレンドが生起しているようにも思います。(この動きをどのメーカがいち早く掴むかで、今後変動が有るかもしれません。昨今のスバルの成長は、そういう志向が表れているようにも思うのです)

古くは80年代、日米構造協議で自動車メーカ毎の下請けピラミッド構造を分断され、今のグローバル化という美名のもとに「アメリカ型経済帝国主義」の餌食になった日本の姿が有ります。その後の厳しい生き残り再編の嵐の中で、ようやく今となっては、マツダが広島という自動車インフラの流通網から外れた地域に根差したことによるマイナス面が、ある程度消える環境変化が訪れたとも感じます。

そう言った大きな潮流のなかで、マツダは経営危機からフォードの傘下に入り、アメリカ流のドライな経営に再生されて行きます。それは日産の多国籍企業化とは違い、日本流(良い意味の職人魂)が生き残されて、企業としてのしたたかさを見に付けて、そして幸か不幸か、アメリカの凋落でマツダはまた放り出されました。そこで、ロータリーイズムはSKYコンセプトに化けて引き継がれたように思います。以前述べた品質工学を取り入れた開発手法がうまく結びついた結果、大きな成果を生み出せたと思います。

一方、私情を交えた見方では小型ハイパワーなエンジンを、あらゆる車に展開した無茶なラインナップ。けれどそのハチャメチャがマツダのロータリーパワーの伝説を生みました。またガスイータの伝説も。

RX-2(カペラロータリー)が兄から譲ってもらった初所有車ですが、当時の横並びでは申し訳ないけれど、ZやスカGのS20エンジン登載車より速かった。実際200km近く出せたと思います。操縦性は冷や汗もので、ひとうねりでとなり車線に飛ぶハンドリングでしたが。けれど、早くにロータリで世界のレースに飛び出して入ったおかげで、井の中の蛙にならずハンドリングを学んだと思います。ロータリが一番輝いたRX-7のシリーズでは、初代セブンはあの質素なリジッドアクスルで、トラクションは乗らなかったけど、直進安定性は当時随一だったと思います。安心して片手運運転で踏み切れた初めての車でした。マツダがヨーロッパ車に範を求めたおかげで、そのハンドリングは非常に楽しく、すわりよりも機敏を旨とし、ドライバーオリエンティッドとした車像が、マツダの作る車像に固まって行ったように思います。これがなんとなく似ているけれど、スバルとは方向が異なるハンドリングの違いだと思います。


また、マイナス面が大きかったかもしれないロータリーの開発は、しかし誰も今だ成しえない「西洋自動車帝国主義」の象徴とも言えるルマンの舞台で、国内メーカ初のそして唯一の、勝利者となります。皮肉なことに自動車に関わる全ての人が、さじを投げた「ロータリーエンジン」でその栄冠を手にしたことは、本当にお金で買えないレジェンドを残したと思います。(国内大手メーカが話題にしたくない功績ですが(苦笑))
マツダの自動車メーカーとしての真価が問われるのは、これからだと思います。巨額の増資をしましたし、世界展開もスタートします。SKYシリーズによって、新たなスタートラインに付いたように思います。そしてちょっと頼りないけれどもとりあえず、目指す車の「方向性」だけは一番明確に持っているように思います。近年出てくる車には迷いが無い。ちょっと個人的ですが、日本に技術拠点を置いて日本的職人魂で車づくりをするマツダには、これぞ日本車(RX-7にはそれが有ったと思います)という境地を開いてもらいたい。



5)富士重工業(スバル)http://www.subaru.jp/about/technology/spirit/spirit.html
スバルは、革新的なスバル360の国民車から、またも革新的なFFのスバル1000を送り出し、レオーネを経て、レガシィへと本当に小さな成功を積み重ねて来たメーカです(サンバーの火が消えたことは本当に残念です)。
大胆なことは何もできなかったけれど、他社に惑わされす頑固に己の強みだけを磨いて来たように思います。常に冒険の出来ない経済環境にあった言うことでしょう。

スバルが持ち続けた財産は、水平対向エンジンとAWDだと思いますが、それは物理的な製造物であり、今後もそれが財産となるのか、わかりません。けれども他のメーカーと違うスバルの強みは「こんな自動車」が作りたいという独自の自動車像が明快な点だと思います。それは華やかで高級で、贅沢な車ではありません。今も変わらずスバル360のような車なのです。当時の時間軸でみれば、極めて技術的価格的ハードルが高い開発だったけど「みんながよろこぶ車の価値を、革新と最高の技術で実現し提供する」です。なので、売られている車の原価構成比で最も割安なのはスバルの車だと思います。言い代えると、販売価格に対して、最もコストを掛けた車づくりをしていると。(ちなみにホンダは車1台に占めるエンジンコストはスバルと並んでトップだと思います)

なので、今後トヨタが強力に生産技術に磨きをかけ、乾いたぞうきんを絞るように、コストカットして来るでしょう。そこでどんな車になって行くのかが、重大な分かれ目のような気がします。無駄に手間を掛けた拘りが本当に何に照らして「無駄」なのか、そこを見誤ると「民主党の仕分け」のようになってしまいます。トヨタが欧州メーカのようにそのブランド価値を認めているなら、「スバルはスバルの車を作り続ける」ように支援して行くことが、トヨタにとっても、車の幅を広げることになると思っています。

これまた私情ですが、今のBLEに乗って本当に感心したのは、今まで持っていなかった評価軸を持たされたことも有りますが、「感動」とよぶレベルの安心、満足を与えてくれたからです。感動はあらかじめ予想した以上の劇的効果を上げてくれないと起こりません。それが、峠を何秒で駆け抜けたとか、雪でどれだけ快走したかというようなスペシャルなステージではなく、仕事帰りの疲れた体で、毎度の夜の高速を帰る時、本当に安心させてくれたことです。スバル考でも、述べましたが、所有したマツダの国産初のフルタイムスポーツAWDのファミリアターボでいち早く高速AWDの世界を体感し、安定性のアドバンテージは理解しましたが、荷重変動に敏感でスピンしたり、AWDの足回りがうまく出来ていなかった。それにフリクション、振動、騒音、燃費とAWDの負の遺産を体験しました。それはスバルも同様だったのですが、やはりあきらめず磨き続けたスバルは、やがてAWDのメリットだけを残して新境地まで到達しました。

現行レガシィで、AWDのネガを体感出来るドライバーは皆無でしょう。また同クラスの装備車両と比較してどうしても10%程度コスト高かな、と思いますがこのフルタイムAWDのコストを考えればバーゲンでしょう。また、スバルユーザの多くが10万キロ以上走り、10年以上乗ることも少なくないのはなぜでしょう?。そこには車の耐久寿命を多分20%ぐらい長く設定しているのではないかと思える堅牢さ、逆にAWDで分散されるために長持ちするのか?、現在私のBLEは10万キロ超えてますが、ショックのヘタリはさすがに高速で感じますが、フリクションやガタといったヘタリはほとんど感じられませんし、燃費も音も変わらずです。

弱みを上げるとすれば、常に井の中の蛙に陥りやすい環境に有りますけれど、自らの核を世界一に保ち続けようとの意思が有って初めて、このメーカをひとつに束ねているような気がします。なので、コスト優先、効率優先志向、に走り、先に揚げたキーコンポなどの要素技術(ハイブリッドだとか、ディーゼルの排気ガスだとか、)の開発、マネージメントリソースの不足にならないかが心配です。



6)メルセデスベンツ http://www.mercedes-benz.co.jp/brand/magazine/story/index.html
これまで述べた国産メーカは、全て工場なり、開発部門なりにお邪魔させていただいた経験が有るのですが、海外のメーカに関しては、このメルセデスの本社工場にお邪魔しただけです。ドイツのクラフトマンシップとはいかなるものか・・の片鱗は感じ取ったつもりですが。

当時W210の生産工場でしたが、モノコックフレームの溶接ラインで、911同様に補強のパッチを手溶接して入る工程に足が止まりました。国内メーカはブランキングで作った板金フレームをスポットで止めて行き、ほとんどフレームが出来上がります。 けれど重要部位の補強にパッチワークの板金を細かく当てているのです。これはほとんど組み上がったモノコックにおっさんが板きれを持って行って溶接します。911のボディーもそうでしたが、補強板が実に多く当ててあります。自動化だけでは出来ないこだわりを感じました。その後は板厚違いのレーザ溶接板金フレームなど様々な技術革新もありましたから、今はどうなったか?。

あと、クラフトマンシップとしては、溶接ラインにいたおっちゃんは、ライン横で煙草をくわえております。その動作も国内で見る動きとは天と地の差で、日本ではチャップリンのモダンタイムスに見えたものが、こちらではのんびりとはいかないが、ゆったりです。私の方を見て自慢そうに、にっこり笑って溶接していたおっちゃんに(メルセデスを作っているという大いなる自負を垣間見た思いでした。実際メルセデスのその工場には、購入したオーナーのおよそ50%ぐらいが引き取りに来ると言うのです。メーカ自体がそれをひとつのセレモニーとして捉えていて、車の生産途中を見ることもできますし、オーナは奥さんと受け取り時に記念写真を取って、満足げに乗って帰るのです。そう言った、「メルセデスに乗ると言うこと」それすべてを商品価値として提供できるように、工場には歴代メルセデスが置いてある博物館があり、また古いメルセデスをメーカがレストアする工場も持っています。

こういう「自動車文化」というレベルまで楽しめるようになっていることに、うらやましく思ったものです。
今ではホンダや、トヨタもヒストリックカーを展示したり、独自に博物館を持ったりするようになり、自社のルーツやヒストリーを大事にブランドづくりをするようになりましたが、西洋と比べるとまだまだです。(これには戦後GHQが過去否定をすり込んだ思想教育の傷跡が垣間見えます)先人の技術伝承に敬意を払えない企業は、60年前後でつぶれるでしょう。それは歴史が証明しています。残念ながら日本には近代産業歴史館自体が貧弱で、その中でも軍事技術がすっぽり抜け落ちています。それが本当に残念です。


補足ですが、この当時でさえ電装品のハーネスにまだギボシ端子が使われており、「ああ、初期不良でトヨタに敵わないのも納得」と思ったものです。トヨタは品質向上作戦で、あらゆる生産車の初期不良を集計し、その大半が電装品関連の接触不良を突き止めました。なのでみなさんおなじみのロック式コネクタ端子が全てに使われ、結果スタンレーとか、デンソーとか、矢崎とかパーツメーカに浸透した結果、日本の自動車メーカの3カ月以内の初期不良は激減したと聞いています。欧州メーカが同じように品質向上したのは、皮肉にも日米構想協議で崩壊させられたパーツメーカが、海外進出して日本製のハーネスを使うようになってからです。

ベンツはブランドなりにその重みを自負しており、まじめで愚直な車づくりはさすがです。安直な小手先の技術には頼らず骨太な進化をしますが、一方で保守的で、革新的なものはそうやすやすとは出て来ません。そこが長所でもあり欠点でもあるでしょう。けれどメルセデスこそは唯我独尊で「我が道こそが自動車なり、、」でしょう。

ハイブリッドや電気自動車の市場が大きくなるにつけ、彼らがどんな車を出してくるのかに興味が有ります。それは、人間との距離を開きつつある近未来自動車」をどう作りこむかに、彼らの「自動車」に対する思いが透けて見えるはずと思うからです。



今回は、防府、太田、シュッツトガルトといった地を訪れた古い記憶を思い出しつつ、書いて見ました。

では、良いお年を!。 これからサンダーバード→新幹線さくらにて熊本に帰ります。
Posted at 2012/12/31 10:06:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | 私的なミニ哲学の泉 | 日記
2012年12月30日 イイね!

自動車メーカ考 (勝手に語る自動車メーカの印象 その1)


(拾いもの写真)


語る(予定の)メーカ

1)トヨタ自動車
2)ホンダ技研工業
3)日産自動車
4)マツダ
5)富士重工業(スバル)
6)メルセデスベンツ
7)BMW
8)ポルシェ
9)シトロエン

こんなの書いたら、たくさんのオーナさんから非難を浴びそうだけど、昨今は雑誌等のメディアの質が低い(媚びてる?)ので、おっさんのたわごとを述べてみようと思います。今は、自動車メーカと絡む仕事では無くなりましたが、1995年ぐらいまではスポット的に、のぞきに行きました。その関わった工場とか開発とかの印象からチョビット述べたいと思います。


1)トヨタ自動車 http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/
トヨタさんの車を私が買うことは一生無いと思いますが、それは単に好みの問題です。私は車は趣味なので、損得で選ばないためで、逆にいえば好きな車が無いと言うことになります(汗)。トヨタファンの皆様すいません。けれども企業としては、結構尊敬しておりまして、今の日本の自動車「業界」が世界に伍して行ける基礎を築いた功労者として、感謝したいぐらいです。 前にも述べましたが、車は私のような好きだ、嫌いだという困った連中がワイワイ騒いで、そんな口車に乗って開発していたら開発費が嵩んで、利益が出ずにつぶれていたかも知れません。

トヨタさんの強みは何と言っても生産技術力で、「車を作る」ではなく、車を「安く作る」のが使命です。これは他の自動車メーカと違うスケールの哲学に因るのだと思います。

以前、基盤技術開発関連の主査さんに、メッキシリンダーについてBMWとか、アルミブロックにメッキシリンダー使ってるし、ホンダさんとかもやってますし、性能上も有利じゃないですか!。と聞いたら、その主査さんは「プレミアムカーとか、少量生産車はいいかも知れませんが、当社は自動車産業の未来を担っていると言ったら大げさですが、重金属に関する環境問題を考えると、当社は採用しないと思います」と述べられて、唖然とした記憶が有ります。個別の性能よりも、メッキ産業、廃棄物、オイル環境など、クロムとかの公害問題の方が重要だという視点に、ハッとさせられました。
一方で、車づくりおよび、組み立てラインの労働者環境は、これはトヨタさんに限らずではありますが、それはそれは厳しいなぁという思いです。なので、車は大事に乗らさせていただいてます。(^^)

ボディーの生産技術にしても、ヨーロッパとは違う拘りが有りました。
自動車の個別性能だけを見ているのではないことに、ちょっと感動しましたが、プリウスをあれだけ金つぎ込んで早く投入した背景には、もちろん他社に先んじてシェアを握る戦略はあるのでしょうが、環境を守らないと「自動車の未来が心配」という思いが有ったことは、まぎれもない事実だと思います。業界リーダの器をトヨタさんには感じました。これ以外にも、物づくりに対する姿勢はすごいのですが、「どんな自動車を作るのか、が見えません」でもそれはある意味当然かもしれません。トヨタさんにとっての自動車は、その捉え方自体が「移動体」という工業製品なのですから。



2)本田技研工業 http://www.honda.co.jp/message/ismlog/
ホンダに関しては、一言で言えばトヨタとはある意味正反対で、彼らの車づくりとは「エンジン」を乗せた箱です。
彼らは自分達の作った「エンジン」を世界中に提供するために自動車を作っていると私は思っています。ですから、芝刈り機から、飛行機まで、彼らは「エンジン」が作りたいのです。ですから電気自動車や、ハイブリッドづくりにおいても、自力でモータの巻き線機から設備投資しています。東芝、日立といったモータ屋に島を荒らされてたまるかというスピリット(笑)。

私が自分の給料で初めて買ったのがホンダのバイクでした。故障知らず、オイル漏れなしの優等生。でもバイクの世界ではトヨタ車みたいな無難なポジション。ここでもエンジンが主役のバイクで、フレームやハンドリングは2の次っぽい気がしました。なのでNSやNSRは特異なバイクでした。4サイクルのホンダが恥を忍んで?やけくそで開発した2サイクル、恥をかいたMVXから3世代で他社に追いつき、追い越した。なので、ついでにフレームも走りも、壁を越えました。それには稀代の天才「フレディ・スペンサー」の要求に合わせた車づくりが自然とそのステージに連れて行ったのでしょう。ここからホンダのバイクは危険な香りもする魅力が有りましたが、その時代も終わるとまた、無難な時代に戻った気がします。今のCBR1000は実はタイムは最速だったりしますが、やっぱり飽きやすいのは、、なぜ?。

さて、車に戻ってカチカチ山のDDACと呼ばれた空冷エンジンに最後は3次元カム式インジェクションまで登載した技術馬鹿、エンジン馬鹿は、会社が傾いて一気に対マスキー法対策のCVCCに没頭します。誰もが不可能と思った低公害エンジンを達成したのがホンダとマツダだったのは、私には「・・だな」と言う感じです。

このCVCCを契機に親父さんが引退して、新しいホンダが形成されて行きますが、良くも悪くも場当たり的で、作った技術は育成されず、使い捨て。それはある意味革新を大事にする社風ゆえで、ポルシェの正反対です。
レシプロに対して、出来るかもと言う技術は、何でもやってみたみたいな。今でも単気筒の燃焼試験用試作エンジンは1日で出来るんだろうか?(3日だったかな?)。

ラジアルバルブ、楕円ピストン、8バルブ、可変排気量、気筒中止、VTEC、5気筒やら3気筒V型やら、とにかく何でも有りな「エンジン屋」。なのでスポーツカーといった車自体が、「1台限りのエンジン」のような開発体質ゆえか、1シリーズだけで完結する試作車の発展型のままで終わります。それが気に入ったファンはその車を大事に乗り続けますが、モデルチェンジしながら、車名が911のような記号性を獲得することはありません(象徴的なのが、TYPE-RやVTECというチューニングメニューやエンジンタイプが称号として継承されて行った)。

「車」の操縦性も、エンジンも、全てチャレンジと革新で転がって行くからです。それがホンダだと言えばそれまでで、彼らがそれこそがホンダイズムだとして、行くのならやはり「・・・技研工業」に留まるのだな、という見方です。ホンダとトヨタの共通点は全く無いように見えて、実は彼ら自身が「自動車」というひとつの理想形を持っていない点で、一致しているように思います。



3)日産自動車 http://www.nissan-global.com/JP/NISSANCRAFTSMANSHIP/
技術の日産は、混ざらない2色インクの社風で、技術のプリンスを飲み込んだ労組の日産、、てイメージですが、カルロスゴーンのルノーGrの一員となってからは、大きく社風も変わったようで、断絶を感じます。

車好き(走り好き)が居ることは、トヨタとの違いだと思いますが、マーケティングと技術のぶつかり合いでいつも蛇行していたスカイラインが、R32でひとつにまとまった、、かに見えたけど結局同じで、R33とR34で相変わらずトランクのでかさで、膨張と収縮を繰り返しました。これはGT-Rがスカイラインのボディで作られるからだ、との長年のしがらみを切り捨て、とうとうGT-Rとして独立したため、これには終止符が打たれました。それと同時に民衆からGT-Rは離れて行ったように思います。

901運動で乗ったスカイラインはしっかりと脱皮した、新しいハンドリングを提供してくれた、と思った一方で相変わらず、この「欲張った八方美人のコンセプト」で、結局総合的に、どんな車を目指したのか、さっぱりわからなかった。か―ちゃん置いて夜中に暴走に出かけ、日曜は子供乗せて行楽地にドライブ?、なかなかに無理のあるコンセプトではなかろーか。けれど極めて「日本人」的な何でもイイ子になろうと頑張った・・な車づくりに感じました。

多分2つの会社の派閥人事から、保守な車と革新の車の2本立ての攻防を長らく続けてきて、ようやく瀕死のところから外資系企業となって、実にドライになり、コンセプトは「採算の取れる車を世界に供給し、儲ける」という企業理念に変わったように思う。けれどそれはそれで、ようやくひとつにまとまった気はする。良いものを作るには、良い人材だけでなく、良い組織が必要だけれど、日産でR32GT-Rが復活出来たのは、裏を返せば組織のダメさ加減を象徴していると思う。車好きのボランティアが集まって、「仕事」では無く、「業後の部活」で生まれた車だからです。

そして、35GT-Rになってから、世界に向けた反骨日本の象徴のような車だったGT-Rから、商業主義のフェラーリのような車になってしまった。方法論はてんこ盛りにナルシストで詰め込んだけど、目的はポルシェと張れる看板の役目を負った客寄せパンダのように思えてしまう。これは乗ったことが無いので、実際には35GT-Rは乗ると心奪われる官能的な車かも知れませんので、お許しください。FMパッケージのスカイラインクーペは一時購入検討したけれど、VQエンジンとパラーラインの粗雑さに絶句して金額に見合わないと没りました(笑)。
今一番、「車」に対する哲学の見えない会社というように思っています。

残念なのは、昔はZやスカイラインやブルーバード、シルビアといった車種毎のコンセプトが日本の高度成長の各ステージを送る国民のモータリゼーションを豊かにしてくれたのは確かで、さまざまなステージには必ずこれらの車の活躍が有りました。そういう意味で、一番「走る自動車の形」を追及していた「大企業」であったと思います。(それは何時もポルシェを追いかけていたスピリットだったかも)


以上を(その1)として、今年最後のプログ(になるかな)として批判覚悟で(汗)UPしておきます。

おまけ:面白いメーカのケンカ腰広告
http://matome.naver.jp/odai/2134720428791708101
Posted at 2012/12/30 11:13:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 私的なミニ哲学の泉 | クルマ
2012年12月29日 イイね!

駆け込み購入のRX・・・

なぜか、突然にかみさんの決済が降りたので、歩いて近所のキタムラに行って来ました。
これまで散々悩んだのが以下のラインナップ

SONY
①今のα資産に接続可能なNEX-6
②ポケットに肌身離さずな、RX100

FUJI
②絵の風合いがとても気に入っているXE-1
③おもちゃ的にほしいX10

これ以外にも ミラーレスで1眼にするなら OM-Dだな、とか思惑もありましたが、
結局、問題先送りで、RX100と相成りました。


APS-Cの万能機として、安かったα57を買ったのですが、今年の航空祭でちょっと使い、風景も一寸使ったけれど、でてくる絵には問題無し。問題はちょっと写欲がわかないということかな。

その原因はやはりファインダーである。これはまことに難しいが、出来上がりの写真に力点を置くならEVFは素晴らしい。ほとんど撮れた絵そのものがファインダーで見れる。けれどそのこと自体が、なんか、面白くない。 α7Dを息子から返してもらおうかな、と思うほどである。

で、息子のα55が15万回もシャッター寿命超えて酷使され、お亡くなりになったとの情報で、んじゃ、新品同様だが、安く譲ろう、、となって、またまた携帯カメラしか無くなってしまう。

と言う現状にさらされ、ならばポケットと1眼を1台体制に集合させるべくNEX6で大枚はたくか、、、と考えたけど、これはやはり時期尚早と思いとどまった。というのもそもそもメインカメラはフルサイズにするしかないために、値下がりを待っているのだがまだ高い。そうこうするうちにSONYはOVFをやめてしまった。となると、ようするにNEXフルサイズが時期狙いのカメラとなる。

RX1が出たために、その可能性は高くなった。なので、結局GX100の後継となる常にバッグにおさまって、一瞬を切り取る役割をお願いできるカメラの穴だけは、ふさいでおこうとなったわけです。
コンパクトと言えど、老眼のせいでLCD見て写真を撮るのは好きじゃない。なんとかファインダーは無いものか、と言う中でFUJIのx10は気持ち良い。 けれどポケットには入らない。 

結局、そもそもの重大な役目である「ポケットに入る」「バッグに常に入れて気にならない」を満たしたうえで、ちょっと印象作画もできる、、となると結局操作性とか、写欲が、、とかは切り捨てて本筋のみで決めました。 マツダのロータリー開発記号を継承する「RX-100」ですから、十分楽しませてくれるでしょうワクワク。(それにしてもα57と同じお値段であった。どっちがすごいのか?)



後は、メインカメラが出るまで、αレンズが使えるのはフィルムのα7のみとなってしまう。うーん、早くNEXのフルサイズたのみます。
Posted at 2012/12/29 19:02:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | カメラ | 日記
2012年12月28日 イイね!

ハイパワーロータリー、そのマルチロータNA VS ターボについて

この記事は、マツダのクルマ造りの哲学を問う!の中で、言及されている、ターボとNAマルチロータのお話について、ちょこっと勝手に、マツダの代弁?を書いて見ました。



繭形ハウジングにおむすびロータで構成されていることは、ちょっと車好きならご存知のロータリーエンジン。
自動車用量産型として実用化したのは、マツダだけですね。

ロータリーの盛衰の原因は、私の見立ては、2つです。

1)世界中の自動車エンジニア(パーツメーカ含む)対マツダ1社の戦いであったこと。
2)ロータリーエンジンそのもののもつ機構的メリットが、時代の進化とともに低下し、逆に時代が求めるメリットには向かなかったこと。

です。(まだ、マツダは逆転狙って頑張っているかもしれませんが、もしそれが敵うことがあるとすれば、それは
機構的(振動やコンパクト性)なもので無く、燃焼的な優位性が出来た時でしょう。


基本的なおさらいですが、ロータリーエンジンは吸排気工程メカニズムから見ると、レシプロ同様に4つの工程を1サイクルで行う4サイクルエンジンですが、おむすび3辺が連続してこれを行うため、クランクシャフトに相当するエキセントリックシャフトはロータ1回転で3回転します(4サイクルレシプロ=720度/1サイクルに対しロータリ=1080度/1サイクル)。ところが連続して、おむすび各辺で爆発は3回起きていますから、出力軸のトルク変動は結果1ロータで360度で1回という2サイクルエンジンに相当します。これが2ロータだと、半分の180度となります。180度に1回爆発するレシプロエンジンということは、4気筒エンジン相当と言うことになります。

ここにロータリーマジックの全てが詰まっています。
まず、なめらかな回転
・往復慣性運動がない(偏芯回転は有る)。
・レシプロ4気筒の燃焼工程が爆発間隔180度:膨張工程長180度に対し、2ロータでは間隔180度:膨張270度と長く、爆発が連続してオーバラップするため、6気筒エンジン(間隔120度:膨張180度で次爆発工程とオーバラップする)にむしろ近い特性となる。

小型高出力
・1つのハウジングで3気筒分を構成:当然コンパクトに成ります。レシプロを見るとわかりますが、性能を生み出す心臓部はシリンダーヘッドで、ここに吸排気効率を決定づけるメカニズムが有り、高性能エンジンになればなるほど、大きくなりますが、これがロータリには有りません。ローターが兼用しているからです。
・単室容積が13Bでは654ccで合計1308ccで220PS:となりますが、実際には4気筒分爆発してますから、2600cc相当に成ります。これが、小型高出力の内訳です。

これらが当時、振動や高出力対応ができなかったレシプロへの大きなアドバンテージだったわけですが、一方のネガティブ要素も大きかったのです。

まず、直線シール構成の気密の困難さ。(ホンダのNR楕円ピストンの直線部分のシール技術で苦労した話しひとつでも良く分かる) 円形のピストンリングは実によく出来た代物で、近年最も進化した部分でもあります。昔は分厚く、デッドスペースも大きかったのですが、現在は2輪の技術転用で極薄、低張力でも振動せず、十分な気密が保てるようになり、大幅にフリクションと熱効率が向上しました。一方ロータリの直線シールはインナロータ部、サイドシール、コーナシール、アペックスシールとありますが、特にアペックスシールは工学の極みで作られているけれど、シールが押し付けるハウジング面に対して、垂直に押せないロスに加え、機構上Rで接触せねばならず、シールする面に対しピストンリングのように、エッジで気密出来ません(油幕切れに関しては有利だったと言ってますが)。加えて幾何学的にラビリンスが作れないため、どうしてもガス漏れします。特に低圧縮で燃焼が不安定な、アイドリング時にはバックアップスプリング(ピストンリングの自張力に相当)が無いと十分な気密が保てない。爆発時はその圧力が得られるので大丈夫でしょうが、吸排気の呼吸時にフリクションとの兼ね合いで難しい面があります。コーナシールに至っては、良く考えたなぁ、であり、サイドシールもフリクションは大きいです。けれど動弁系が無いので、トータルのフリクションはそうは負けてはいないと思います。

30年前の無謀な時代


機構的な欠点は上記のシール技術ですが、重大なもうひとつの欠陥は「回る燃焼室」です。過早着火には有利なものの、熱を広いロータ面にばらまきながら、嵐の燃焼室で、燃料粒子が遠心力で偏る中で、均一に燃やす??。馬鹿か!と言いたくなる燃焼室で、それでもシミュレーション技術を駆使してタンブル流を作ったり頑張りました。が、熱効率の悪さはいかんともしがたい。プラグ穴で一瞬ガスが逃げるとか、2サイクルエンジンのようにオーバラップがでかく、排気が吸気に回り込むとか、んで吸気がサイドポートになり、レネシスでは排気までサイド排気になりました(水漏れするなぁと思ってたら、やはり初期品は苦労したようですね)。

回転数に応じてバルタイを変えるVVTや、リフトを変えるVTECみたいなことが出来ず、吸気管のファンネル長をかえる技術ぐらいですかね。ま、排気はヤマハのEXUPみたいにやれないことは無かったかと思いますが。そのように、燃焼温度の低さからくるNOXの少なさは一時は有利に、でも最終的には熱効率の低さは残りました。

以下の話は例題として、マルチロータは13Bの3ロータNAを、ターボは13Bターボを対決させた場合の話です。
で、まずはターボの話ですが、NAマルチに対する効果は一長一短です。 オーバーラップのせいで排気が吸気に回り込む分はタービンの圧が吸気にかかることで減少出来、ターボ自体はバルブ通さず、強烈にブレードに当たるのでレスポンス良く回せました。過早着火に対する耐性も良いかに見えたけど、現実は細長い嵐の燃焼過程で、高回転域では非常に部分的デトネーションが起こり、アペックスシールを吹き抜けました。ゆえにブーストの上限を上げるにはただでさえ低圧縮なロータリーをさらに低圧縮にせねばらならず、街乗りの燃費が・・・なのはわかりきったことでした。けれどパワー的には300馬力なら、十分な耐久性を出せました。

ロータリーのターボ化は他のハイパフォーマンスレシプロが次々ターボ化でハイパワー化するため、追従せざるを得なかった面があります。(言い方はアレですが、速い、安い、のロータリーがその地位を守るために)

一方で、NAの高出力化は3ロータのコスモがありますね。レース用とは異なり、2個いちにしたようなエキセントリックシャフトではありましたが、NA3ロータは、レネシス換算だと、300馬力は出せたと思います。けれど、それは3924ccのガソリン車です。コスモなので、単純比較できませんが、NAだったとしても、13Bターボ以上の燃費は微妙だったと思います。ロータリーは負荷が低いと燃費が良いのは、低速トルクの無さゆえ、知らずにアクセル踏み込みが大きいことに因ります。なので軽い車体で3ロータのトルクなら、熱効率的な問題ではなく、運転技術の実燃費においては、ターボより良かった可能性はあります。けれどライバルのレシプロターボには勝てなかったでしょう。高速バトルという限られたステージでなら逆転出来たとは思いますが。


実は、私はデファレンシャル風ケースを設計してワンオフで作り、13Bブリッジチューンを2機対向で繋ぎ、つないだべベルギアから縦にプロペラシャフトを取りだして、スバル的な水平4ロータ400馬力の7を考えてました(なんだ、考えただけかよ!という突っ込みは置いといて(^^;)。寸法的に理想を言えばリアシート部にミッドシップレイアウトでリア駆動したかった。それは難しい4ロータ化をするよりも、完成された13B2ロータを2機掛けした方が、はるかに信頼性があるからです。電装関係は片側1個しかいらない。フライホイール接続部にべベルギアを付けて、向かい合わせるだけですから、大したギアケースではないのです、トリプルクラッチぐらいの小径フライホイール部は必要ですが、ベルハウジング部をポルシェターボのミッションハウジングに合わせて設計すれば、そのまま流用で見事なミッドシップ4ロータの完成です。

テキトーに書いたヘタ絵(恥ずかし(^^;)でもイメージはわかる?。)



この方法論でいけば、さらに2機縦につなげば8ローターでNA800馬力は簡単です。これで場積的にはポルシェの8気筒ぐらいでしょうか。(ロータリは組めばわかりますが、エキセントリックシャフトを考えると2ロータが一番組みやすく、案外ロータベアリングのフリクションは大きくて、ねじれ剛性を考えると重くなるのです。)
マツダがエンジン単体でなく、新たな車体も見直してロータリの生きる道を探れば、スーパーカ―への提供と言う道はあったかもと思ってます(重く信頼性に欠けるV12より、よほど軽く静でやすい。アラブでは燃費気にしないし)私がアメリカで遊んでいたのなら、実現したかもしれません(お金持ちだったらですが)。
信頼性、パワー、トルク申し分なかったと思いますが、燃費は・・・・でょうね(笑)。


燃費に関しては、ロータリーのオーバラップの欠点を生かしたのがルマンエンジンです。意外かもしれませんが、この時代、他社がハイパワーターボでガソリンの気化冷却で燃費が悪かった時、実はマツダのNAロータリは低燃費だったのです。レース用の領域で回る限り、シール漏れも極小で、燃焼も制御出来た。結果、その重量とパワーあたり燃費でレシプロターボのそれに勝っていました。それは使用回転域が限られているという条件に因るものと思っています。今でもロータリは小型軽量高出力を生かした分野で生き残っています。軍用だったりしますが、無人偵察機のエンジンだったり、小型高出力発電機のエンジンだったり。

それらは、常に使用レンジの回転数が設定でき、幅広いレンジや、過渡応答を求められません。ゆえに燃費の差よりも有益なメリットの方が上回る使われ方なのです。私も自分のチューンしたサイドポート13Bはメータ読みですが、140km巡航で14km/lを記録しました。真っ白な乾いたマフラーが自慢のエンジン。ですが、アイドリングとストップアンドゴーの町なかはやはり7km/l前後でした、車重1トン級なのに。

つまり、GT-Rなどのレシプロ2.6lターボの出力比に対しては、マルチロータではロータリーも小型軽量高出力が生かせ無くなる。なので、ロータリーも絶対パワーを求める点ではターボの方が理が有り、耐久性と燃費を考えると、NAになるけれど、それは限定された回し方をした場合であり、一般の道路を走るオーナーCARとしては、重量、コストを増したNAマルチロータよりも、完成された2ロータターボの方が、現実的だったからだと思います。その真の理由はRX-7という良くも悪くも2ロータと一体で設計された車体に有ります。

RX-7のディメンションは2ロータの13B有りき、で構成され全ての動質がフロントミッドシップの方法論で3代に渡ってに詰められた(悪く言えば脱皮しなかった)車です。上で書いた妄想のように、ミッドシップレイアウトにすれば、マルチロータは有り得たでしょうが、GTRより高価なカウンタックのようなポジションの車になったでしょう。

だから、私は有り得たとすればターボではなくリショルムスーパーチャージャの2ロータで、アイドリングからオーバラップの弊害をなくすために常時正圧の吸気室とし、後は今のダウンサイジングエンジンのように、小排気量化とリニアブーストで実質圧縮比14辺りで回せるような、ストローク量の大きいエンジンだったなら、、と。

16xのようにストロークUPは賛成、燃焼室幅狭も賛成ですが、排気量UPはやはり熱効率の低下につながります。ハウジングに3本程度直噴インジェクターで燃焼の同時性を担保して行けば、だいぶ良くなると思います。けれどもガソリンを燃料とする限り、ロータリーの復活はないのでは、、、というのが私の現時点での感想です。それは結局ガソリンの燃焼メカニズムとロータリの回る燃焼室は熱効率を上げることが難しいことに因ります。

SKY-Dの圧縮比14のディーゼルをロータリに持ち込んだら。。。と妄想してみてはいますが(笑)。
ただの空気を詰め込むだけなら、漏れたって関係ない。盛大に排気ガスをEGRで吸気にぶち込んで、リショルムで押し込む。で低圧縮13ぐらいでマルチ噴射でロータの先行側からちびちび燃やす。んで排気遅閉じで燃焼270度の特徴を生かして高温化すれば、結構ガソリンとディーゼルの中間特性みたいなエンジンにならんもんかなと。ま、燃焼の衝撃からシールをどう守るか、結局燃焼制御技術のブレークスルーが必要なんですが(ディーゼルであってもレーザ点火プラグ着火とかね)。


以上、イイね の少ないプログより、ロータリーの与太話でした
Posted at 2012/12/28 11:00:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | エンジン | 日記
2012年12月26日 イイね!

FF車のCDセグメント攻略の方程式はあるか? (その2)

最初に、お断りしておかなければならないのは、CセグメントはもはやFFとFRの境界は溶解しているでしょう。従って、ここではDからEセグメントに対する話として展開させていただきます。


(2)前輪駆動方式によるFF車のための新たな評価軸について

ここで、シトロのサスについて、少し語らないとイメージがつかめないかもしれませんね。実家の阿蘇周辺のワインディングをエグザンティアで走ると、非力ですから上りはさっぱり普通です。もともとこの手の車を買う人はおしゃれなファミリーカーイメージで買ってますから、それで一生を終える車がほとんどでしょう。けれど兄の場合は、ハイドラクティブの可能性を知りたくて元ダートラドライバーが買ったわけですから、下りは目いっぱい攻めます。

ハイドロの車高低状態で飛ばす事も有って、シャコタンのセダンが飛ぶように走るんですが、あれだけ柔らかいサスがほとんどロールしないで、荒れた県道のうねりでもバンプで突き上げず、リバウンドでも足が離れないのです。そのメカニズムはハイドロによるスタビライザ機能(左右連接の液圧によるアンチロールスタビライザ構成)
と、通常の車より大きなサスストロークかつ、2次曲線的なバネ定数になる液圧固有の特性に因って、金属ばねの2G以上でバンプストップゴムにドン付きする構造とは違い、まずドン!とはならないため、車が跳ねません。加えてリバウンドはもともと長いストロークに車高下げた分がそのまま増加してるので、足が離れません。このように、硬い=スポーティとは異なる、高いロードホールディングを持つ足もまた存在します。

参考1) 軽く動きを見てね
http://www.youtube.com/watch?v=q_EIvK4RvOo

かような構造ゆえ、ホンダのTYPE-Rとは180度違う方法論で、コーナリングを組み立ています。とはいえ、ハイグリップタイヤ前提で設定されてませんから、ノーマルファミリータイヤ前提に合わせてあります。「多分同じタイヤ履いた車で下りで付いて行くことはほぼ、不可能ではないかな、と言うことを経験しました。タイヤを使い切るとはこういうことか、と言う感じ。シトロエンはFFを使って、独自の車哲学を磨くうちに、4つの輪荷重をいかにコントロールするか、、、という課題解決に心血注いだ結果の彼らのノウハウなのです。(*ポルシェと違って、ジャンル違いなことも有って、地味な彼らですがWRCの活躍など「わかっている」車作りなのです。ヨーロッパの小型ハッチベース競技車がターマックでめちゃ速なのはご存知でしょう、ベース車両とは別物とはいえ、ツボははわかっているんですね。)

ただ、近年出てくる車を見ると、その価値観はエクステリアデザインに少々力が偏っている(ポルシェ同様、頑固な固定ファンは足を引っ張るのですよね(苦笑)なので、儲けに(薄味に)走るのはわかりますがw。)


そのような、シトロの技術を眺めた上で振り返って、マツダのアテンザは、(その1)で記したように(勉強した?)FFのCDセグメント攻略に真面目に取り組んできたように思います。けれども、この先D、Eクラスを攻略するのであれば、加速度のパフォーマンス以外の、新たな「独自性の価値!」を獲得する必要があります。マツダが考えたのは以下の3点でしょうか?。

①SKY-G&Dのエコ&クリーン
②エクステリアの魅力
③i-ACTIVE SENSEに代表される先進安全技術

で、結構お得感は高いです。
けれど私はそれだけではまだ不足かも・・・と。


そこでみなさんご期待の?、加速を生かすためのSKY-Dは・・・・についてですが、
やはりマツダアクティブトルクコントロールカップリングAWD(長げー)の追加?でしょうか。しかし、その道は今の技術だと私には疑問符です。それがコストUP分の「輝き」を増すとは思えないからです。

参考2)FFで十分です。これをさらに磨くべきと思います。と言える動画の紹介
http://www.youtube.com/watch?v=BnKrqhPdnEM


ただ、そうは言ってもシビア環境ユーザは居るので、そのための私の考えるAWDを紹介しますと、電子制御に頼らず、人間操作の「雨&雪」モードスイッチを加えます。カップリングに黙ってビスカスの50:50を挟みます。そしてリア駆動部は21kg・mに耐える強度と、前輪の1/4程度の耐久寿命ベアリング系で安く軽く作ります。そしてリアデフにはトルセンLSDを入れるか、多板LSDを入れる。これでOK。

雨の北陸自動車道に乗ったら、ドライバーの判断でスイッチオン。するとアクティブカップリングが滑りながらやがて直結につなぎます。この段階でビスカス50:50のフルタイムAWDです。雪もこれでOK。ドライ路面ではスイッチ切れば良いだけです。そして平時に万一突然スリップが生じたら、現有技術の自動介入によりカップリングをつなぎます。それでタイヤ側からリアルタイムにトルクはバランスされますので、スリップは収まるはずです。走行中のスリップは一瞬でAWDになったとたんに、FFの確率2倍でグリップ復活します。そのような、スイッチャブルビスカスAWDなら、大いに有効だと思います。(後でちょっと補足しますが)


さて、そのようなAWDはほしいけれど、それは横道のニッチユーザ向けであり、本流を獲得する大事な追加すべき戦略的技術、は先に上げた、残りの技術です。

「良く出来たパワーステアリング」はFFの技術的壁のひとつであり、ステアリングフィールを解消します。今はサスのコンプライアンス含めフリクションの多い操舵系ですから、アシストと反力(手ごたえ)の情報をうまく協調出来れば、ハンドルに嫌なトルクステアの振動は来ないでしょう。

最後に「良く出来たフロントLSDの開発」は当然スタビリティーの改善になります。これは舵角と車速を考慮したマッピングでロック率制御されるもので、基本直進用です。もともとFRより直進安定性が高いFFですが、左右輪が大トルクで暴れた場合は、ハンドルまで乱されるため、極めて「粗野な機械」とみなされます。トラクションコントロールで精密にブレーキ制御で左右のトラクションを抑え込めれば、たとえ前輪ホイルスピンしても、姿勢も乱れず加速も途切れなければ誰も文句は言わないでしょう。これが出来れば、ディーゼルでもアクセルにリニアに反応するセッティングが(多少おてんばだったとしても)可能になるでしょう。
これがマツダに必要な技術で、もう半分は達成できているように思えます。これが土台に有れば、先に述べたAWDシステムはさらに完璧に機能するはずです。


D、Eクラスにおいて、FF独自のプレミアム性を獲得するには、もう一段他社を引き離す独自の価値を生むための売りが必要だと思います(FR車から乗り換えさせるためには)。それは極上の乗り心地を生むエアサスとか、高級ショックアブソーバによる魔法のじゅうたんのような足を作るべきと考えます。特にトラクションを得るフロントのサスはジオメトリもですが、柔らかい跳ねない足が必須です。また、リアサスはスカイシャーシでいろいろ入力モーメントを熟考してますし(マツダは7、8で走り側は蓄積あるけれど、高級車の足はまだまだと思います。)今のアテンザは悪くないけど普通だし、どちらかと言えば、まだジャーマン価値観に惑わされていると思います。そもそも、ひょうたん評論家の価値観からしてその程度ですしね。

良い商品は、ユーザが育てますがそこには「広告」という恣意的なプロパガンダが闊歩します。普通業界ではトップ2社が持たない新しい「価値観」を持ち込まれた時、徹底して無視、あるいはカウンターキャンペーンでつぶし、形だけまねた急ごしらえ車でつぶしにかかります。そうして、それを見抜けない顧客が、新しい喜びに触れる機会を喪失し、開発に情熱を掛けた企業の疲弊を増長します。その点、ヨーロッパは顧客が独自の評価で客観視出来てるように思います。けれどそこでもそこかしこで「ドイツ車評価軸」をプロパガンダされているように思います。

実はそれが通用しなかったのが、より実用性が求められる軽を含むABおよびCセグメントだったのではないでしょうか。けれども実用性という響きが前面に出てこないD、Eの購買層においては、相対評価のヒエラルキーに縛られた価値観でクルマ選びをする方が多く?、E、DクラスのFFには「今は」降りて来ないのでしょう。けれども、それとは違う自由な思想、自分が気持ち良いと思う車を買えばよい、となってくれば、大型高級のFF車は一定のマジョリティー足り得るのではないでしょうか。当然、その新たな価値を生み出す技術の裏付けが備わっていれば、ですが。

参考)webCGより:C5 
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/i0000023221.html?word=C5


以上が、私が考えるFFプレミアムセダンの方向性です。残念ながら物理法則を覆す技術革新はありません。しかしだからこそ、FFならではの価値を生かし、さらにアドバンテージを広げる、、そこにチャンスがあると考えます。加速を楽しむ、Gを楽しむと同じように、なめらかに、滑るように「走らせる」ことにもドライバーズカーの資質があると私は考えています。ゼロ発進加速をスムーズでなめらかに走る人でも、高速の追い越しや、峠の加速では目一杯踏む。そこでは、そうそうブレイクしないのなら、トラクションは十分なのではないでしょうか。
つまりi-DMで5.0のアベレージで走るなら、FFプレミアムセダンは成立可能だ!、と言うのが結論・・・・だったりして(^^;)。

(おしまい)

追記)ハイドロのイメージ動画で良いのが有ったので追加しておきます。シトロエンの回しものではありません。ハイドロは試す価値有りですが、下血と戦う勇気は必要です。ふぐみたいにうまいけど,毒も強烈w。
Posted at 2012/12/26 22:00:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | 私的なミニ哲学の泉 | クルマ

プロフィール

結構おやじですが、若いつもりです。 バイクとクルマの二股恋愛です。 交流のある方は、基本「見たよ」代わりにイイネ押します。 その他は、文字通り、イイネ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2012/12 >>

       1
23 4567 8
910 11 1213 1415
16 17181920 2122
23 2425 2627 28 29
30 31     

リンク・クリップ

FLAT6さんのマツダ ロードスター 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/05/30 18:24:14
モナコGPでのレッドブルのマシン吊り上げ事件! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/06/03 17:47:56
HVAYING プロジェクタースタンド 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/01/23 08:02:29

愛車一覧

メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メル子 (メルセデス・ベンツ Cクラス セダン)
3.0Rに代わる10年をリラックスして過ごせる相棒としてセカンドユースで購入。 ほぼ、同 ...
ハスクバーナ NUDA900R ハスクバーナ NUDA900R
動体視力の衰え?、から速度域を下げて楽しめるマシンに変更しました。 狙い通り、楽しませて ...
スズキ GSX-R750 スズキ GSX-R750
2005年式を2022年に購入。 2オーナ目の方のコンプリートカスタム車を譲ってもらいま ...
日産 ノート e-POWER ガンダム号 (日産 ノート e-POWER)
奥さんの買い物通勤車として、シトロと入れ替えました。(休日私のお遊び用?) →娘が結婚し ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation