さすがマツダのフラッグシップで、頂いたカタログは66Pにもおよぶもはや本ですw。
で、雨の中帰ろうとすると滑り込んできたのが
グレーリフレックスマイカのXDワゴンAWD。
「あ、これです試乗車!」という営業M氏の言葉で、それではと急遽XDに乗り込みます。とりあえず内装だけでも拝んでおこうとシートに収まると、外観とは裏腹な結構タイト感のあるアテンザのシート。インパネ等のデザイン性は現行BMWの3に似ており、雰囲気も新型B4よりスポーティです。大柄ではあるけれど、車の雰囲気はS4に近い収まり感があります。この閉塞感とタイト感は好みなので、どっちも有りです。そして今風のマツコネモニターも収まりよく最新型の雰囲気が感じられます。
奥さんと前席に乗り込んで、あれこれ見た後で「これ、今日は試乗は難しいですか?」と念押しして見ると、あっさり「いいですよ」との声。ならば、と奥さんとM氏が入れ変わり試乗に出かけることに。外で音を聞きたいことも有り、M氏に方向転換してもらう間、外で排気音やメカノイズに聞き耳を立てますが、明らかにエンジンの漏れ音は小さくなっており、排気音はもとから変わらないかな?。
さて、ポジションを合わせてまず、エンジンスタートボタンが、、左上に。足の長い人だとちょっと左肩が浮くぐらいでないと届かないかも。ポルシェでキーを左に持ち代える癖が付いたのと同様、慣れれば気にならないかも。そして車内騒音の向上度を査定。間違いなく向上しているのは認めるけれど私の要求値からすると、まだちょい不足。やはりディーゼルの振動がコラムを通じて僅かに入って来るし、カンカン音は大幅に削られこもり系の音で静粛性は上がってますが、音圧がやはり残るなぁというところです、ただしBMの320dには勝ってると思います。特にアクセル開けて行くと差が付くかな、ディーゼルなのに回転感は上質。
車内の質感はLパケではないものの、十分良くてこれでもいいな、と言えるレベル。スポーティなドライビングポジション、コクピット感も満足です。ただヘッドアップディスプレーもいいけど、全体的なインフォメーション表示はスバルの方が上と思います。一瞬でほしい情報が集中して得られる良さが有ります、特に状態情報、アイサイト関連情報と言った車を動かす機能部分と安全等のインフォメーション部分がメータ中央にコンパクトに集中してます。その分ダサい面もありますが、オーナとなるなら見た目より実用重視の部分ですねw。
最初に普通の要求レベルでの結論を記して置きますと、
①初期微動時の脚が良く動くようになり、高周波な乗り心地は上質に向上(ポクポク乗越える感じ)
②騒音はディーゼルの固い高周波な音質、音量ともにぐっと低減、
③ロール剛性が上がり、かなりしっかり荷重移動しても姿勢角が小さく旋回(これはAWDの
味付けゆえかも。)見た目とは裏腹に、全体としてやや大味な乾いた走りの質感。しっとりシームレスな上質感より、ダイナミックでやや豪快に走った方が気持ちいいかも。おそらく大トルクで加速を楽しむこと、やや速いコーナリングスピードを想定してるのでは?と思いました。XDのFFと比較しないとわからないですけど。
という初評を書いた上で以下の試乗記はちょっと変態的かもなので、ご自分でぜひ試乗して評価なされてください、チョイ乗りの個人的感想なので。

以下、重箱の隅的試乗記
さて、左折発進!即ブルーランプをつけながら、、、とちょい「むむ!」と最初の違和感。
その後スムーズに流れに乗ってさすがDです、力強い。路面の段差で初期型のゴツゴツ感は丸くなっており、初期の足は格段に動く感じです、ただし、極初期のみ。そこから先は以前と同じく結構硬めで、さらにロール剛性が高くなっているように思いました。古い記憶なのであいまいですが最新レガシイ(OB)よりロールは少ない。これはAWDとFFを比べないと、AWDによる味付けかも知れません。シフトショックはやや明確でカチッとロックアップ感がわかります。走行中のロードノイズはかなり改善され、他社並みに。19インチを履いているハンデからは勝っているかもしれません。(後席の奥さんの感想「硬い!」でしたw)
踏力制御の効くブレーキも好感触で問題なし。試乗コースが市街地でやや信号間隔の離れた格子道路なので、大した動質の感触は得られません。車線変更を何度か繰り返し初期応答と収まりを確認。アクセラよりためが無い感じで、動き出しは結構クイック。でも収まりは自然でステアフィールも上々です(高速度での速大舵角時は不明)。
ただロール剛性が上がったと感じた旋回姿勢についてはロール軸を上げたんでは?と感じる腰高感もあり、これが本当にいいのか相当の距離を走らないとわかりません(同じばねレートだとしたら、その可能性は高い)。高い直進安定性と落ち着いた微舵応答性と高評価なんですが、多少違和感を持ったのはどうもすわりが高い、低重心な車感なのに、動質はちょい高く感じられるためちょっとムズムズ感を感じる、、という不思議なもので、ただの気の迷いか、普段乗ってるレガシィの安心感との差なのか、リアデフつけたことでリアサスのジオメトリはトルクリアクションが有る分のブッシュなりセッティングがなされているはずで、もしかしたらそこから来ているのかもしれませんし、ワゴンならではなのかも。FF版と乗り比べないと不明。
少し高めの速度で交差点進入、ブレーキング青、ステアリング切ぃの、コーナ青につないで、戻しつつアクセルで再び加速の青、、がそこで途切れてグリーンを挟んでまた青、、「むむ!」とまたしても。そこでマニュアルモードにして、シフトタイミングを自前でやってみます。 再びブレーキ、タイトターン、アクセル、「むむっ」とどうしてもアクセルでの立ち上がり加速に段付きが出るのです。
初期のCX5もアテンザもこのD2.2Lではアイドルからの立ち上がりのリニアリティが気になっており、ターボの背圧、EGR、トラクション、と様々の過渡制御領域で、難しいんだろうな、と思っていた部分。回転数だけで見れば本来安定過給域に入っているはずで、トラクション上抑制しているやに思われていた領域です。ここがやはりうまくない。
しかし、どうも単一要因ではない感じ。直進時の信号青でのスタートでは明確に加速力に段差
を感じる部分があり、これはデミオDでもあったブレーキオフでクリープスタートさせてからアクセル踏み増しで解決、、と思いきやうまくいかない。明らかにそのあとの比較的早く2速に上がるその時のシフト加減のようなのです。ミッションが原因のように思える、、。これは非常に繊細なアクセルワークで判る話で、「このぐらい?」って電スロ用デジタルな踏み込みをすれば問題ないのかもしれません。けれど、ジワーッとリニアに踏み増して行くと結構はっきりしたショックが有ります。それでGがなめらかにつなげないのです。ただ、2-3速では問題なく、1-2速でだけ起きます。(最初にグっと指令値与えれば、それに必要な加速力のパワー制御するのかもですが、じわっと踏み増して行くので、途中で閾値超えて制御が段付き
になるのかもしれません。これは奥さんが乗れば解決する話かもです)
もう一つの疑いは、雨で外気温5度。ブレーキングで車速殺しながらハンドル舵角が入ると多分前半カップリングオフ、そして中盤ちょい早めからアクセルに載せ替えてトラクションを掛けるとカップリングオン、そこで走行抵抗がぐっと増える、シフトが2速になったばかりでちょい失速、、の後リカバーで加速感上乗せ、、みたいな!。
どうも、市街地レベルの舵角大目でアクセルぐいっと踏むと1-2速の切り替えと何かもう一つ邪魔が入るような感じでなめらかさが足りません。これはi-DMマニアが極低速、低加速度領域で青連続点灯!!なんて技を極めている人ならば多分わかると思います。おそらくカミさんにはわからない、ま、そんな程度の子細な違和感がチョイありました。これはAWD固有なのか、FFも同じなのか、乗り比べないと不明。もしAWD固有ならカップリングのAWD制御の熟成不足なのだろうと思います。この辺は試乗時の環境含め見ないと、晴れだったら問題ないかもと言う可能性も有ります。
この立ち上がり領域はスバルのCVTもトルコンのロックアップとアイドルストップからの始動時油圧立ち上がり制御などなどで、苦労している部分でみな苦労は同じだろうなと思います。ますます今の愛車のなめらかさが引き立ちます。ただし電スロの感度は嫌いですけど。
短い試乗でしたが、TOPで80km/h一瞬出しただけで、大半はゆっくりハンドルつまんでG変化に専念しながら乗りましたので、がーっと乗ったらどれも感じないかも知れません。
デミオの1.5Dの気持ち良さに及ばない部分がなんなのか?、自分でも明確にはわかりませんでしたが、出足からトルクの盛り上がるおまんじゅう的トルク曲線の上昇角度が急すぎる、極低回転域のアクセルペダルとの一体感が無い、、これはターボの構成が違うことがその差なのか、という気もしました。
結論めいたことは言えませんが、
①サスペンションは明らかにスポーティ志向。乗り心地とのバランスも十分合格点。なので以前よりワインディングは楽しいと思います。
②スカイDの質感は向上しており、回して楽しい。だけど市街地のSTOP&GOでは、助手席の彼女に「快感」な運転を披露するには疲れるかも。
③ATがスバルのCVTの方が気持ちよかったw。原因はエンジンのリニアな領域とギア比のマッチングがもう一つ?。ツインターボのトップ領域を重視した?、出だしの子ターボだけの領域ではギアはもう少々引っ張った方が良いのに、つまりシフトスケジュールのマッチングが燃費重視し過ぎ?。7速、8速ATの登場が待たれるのかも。
総じて車の質感、スポーティ度は高まってました。おそらくFF版よりももう一段飛ばした速度でWレーンチェンジとかやってみると、大きく進化してるのかなと感じました。あと乗っていて
FFなのか、AWDなのかと駆動方式を感じるようなアンダー、オーバーなトレース性は全く感じられませんでした。総じて旋回中心がドライバ付近に感じられ、コンパクトな印象。これは重量配分が改善されてる良ポイントだろうと思います。またセダンだったならホイールベースの違い、リアサスばねレート(多分違うはず)で挙動も異なるものと思われます。
経済的であるゆえに、ぐいぐい踏んで楽しめる大トルク。スポーティで上質なインテリアに包まれて遠くまでドライブ、、なんて使い方が似合うGTの資質は十分な感じです。税抜315万から手に入ると考えるととても魅力的です。
2.5LのB4リミテッドが税抜313万円と同等。もちろんシートヒータや本革仕様など装備差があるので一概に言えませんが、最大トルク24と43kgmで、燃費も14.8対18.2が同じ値段。こりゃ、勝負にならんでしょう、、と言いたいところですが、そーでもない。ぜひ乗り比べてみてください。(今回も、BLE並びに最新アウトバックをもとに想像するB4(;^_^A、3シリなどD、Eセグメントの車たちを思い浮かべながらの試乗でした)
以上、チョイノリではこれが限界。もし買おうかとなったらもう一度借りていつものワインディングでちょいスキール音出させてもらうぐらいすると安心するかな
ですがおそらく現状だとそこまでしない気がする