
前回、少々腰の引けた
(その1)を上げたのは、着地点が見えない課題だったからなのですが、ようやく一つ結論を持てたので続きを上げることにしました。
※このエントリーは、特定のメーカや車種を疑問視することを意図しておりません。複雑化する車のうち、バイワイヤー制御化が進む車における、未解決のまま埋もれている不具合が有るのでは。。と考える方が安全、、という啓発です。
STAMP的には「創発」という概念。私たちはこれから、システムが内包する未知のインシデントの中で「自動運転」に向かう車両を運用することになるのかもしれません。
テスラが一番そのことに気が付いていて、そのミニマム化のために従来システムを引きずらない白紙の「新しい車作り」をしているように思います。古いシステムと新しいシステムを融合化すると、競合や空白エラーを招きやすいので。
では本題へ
ハイブリッド等の複雑車両に限らず、自動車はそのパワーと制御する人間の不完全さによりもともとある程度の危険性を持つ道具というかある種、「自身が生み出す交通システム」です。そこには色んなエラーが潜んでおり、時に交通事故という形で出現します。
さて、今回紹介したいのは国土交通省に「自動車のリコール・不具合情報」というサイトがあります。一般消費者の電話やメール情報を公開しているサイトで、結構興味深い情報が得られます。(ま、玉石混合ですが(;^_^A )
読者の皆さんも、なじみは薄いでしょうが、ノートのe-POWERについて知りたかったのでこちらで探すと、2月初めぐらいでしたが発売以降46件の情報が上がっていました。(プリウスでは、ちょっと調べてみたら2016年以降で200件以上有ったようですが、各メーカ、各車両にさまざまな声が上がっています)
<不具合検索のホームページ:あえて直リンクなどしませんがすぐググれます>
※「不具合情報検索」を開いて、メーカ名と型式、それからいつ頃からの情報を見るか、など入れて検索します。私のノートは「DAA-HE12」となります。特に新しい最近の車にお乗りの方は一度、覗いてみてはいかがでしょうか?。当然のものから???のものまでありますが、結構引っかかる故障とは言えないであろうエラーが複数あるかも知れません。
私はこれをエクセルに落として、自分なりに層別し状況分析してみました。製造不具合と思われるものや故障、あるいは通報者側の無理解のため、コンプレーンになっているものなど、本当に「原因不明」や「明らかな故障」などに層別してみました。すると、8件ほどは「原因不明」としか言えないものがありました。それらは「アクセル踏んでいないのに、突然加速した」と言う類いのものです。興味深いですねぇ(;^_^A
その背景はケースバイケースですが、類似のケース毎にいくつか紹介したいと思います。この情報は買う前に知っていたので、これをカミさんに見せたら、決済おりないかもな、と思っていたので納車後に実は、、と説明会を実施しました(;^_^A
ケース1:
駐車するためブレーキペダルをゆっくりとあげながらバックしたが、途中から急に加速し、後方にあった低いブロックに衝突した。
ケース2:
駐車場で車両と車両の間に駐車しようとブレーキペダルをゆっくりあげながらバックしたが、急に加速し左側の車両にぶつかりそうになった。
これらのケースは、どのモードで有ったかや、シフトスイッチがどこに入っていたのか、不明ですがリバースで動き出して以降に、「途中から加速」と言うのが解せません。ワンペダルモード(ECOまたはS)では、ブレーキペダルを一旦踏むと、トルコン車のようにクリープで徐行できるようになりますので、ブレーキペダルを緩めると動き出す仕組みですし、実際それで動き始めたとしたら、その後加速する事態は異常です。間違えてアクセルべダルに触れていなかったのなら、問題となります。
これは人為的エラーか、システムバグか、情報不足で不明ですね。
それから
ケース3:
駐車場内で駐車スペースを探す徐行中に、車が突然急加速し、前方に駐車していた車両に追突した。
ケース4:
アクセルやブレーキを操作していないのにもかかわらず、車が突然急加速をし、ポールに衝突した。
ケース5:
ワンペダル運転で信号停止をし、アクセルペダルには全く触れないで走行していたところ、車が勝手に発進をし、前車に追突してしまった。
これらのケースは、同じように徐行してますが、これがアクセルペダルなのか、ブレーキ離したクリープ状態なのか不明です。特にケース5は有るとすれば「ハンドルでACCモードが入っており、ブレーキ動作で一時キャンセル状態でホールドされていた状態で、うっかりレジュームボタンを押してしまった」ぐらいしか、加速する状況にはならないはずです。
最後は
ケース6:
公道から右折し、店の駐車場に入ろうとハンドルをきったところ、自分の意思に反し制御不能で急加速し、駐車していた車両3台に衝突追突した。
ケース7:
地下駐車場のスロープを徐行して下っていたところ、突然急加速して壁に衝突した。
→回生ブレーキで下っていたところ、電池満タンになって回生が切れたため、ドライバには「急に加速したように感じた」かもしれません。
ケース8:
左折しようとした時、アクセルペダルから足を離しながら、左折しようとハンドルを左に切ったところ、突然加速し、外に膨らんだ。
→これも、回生で減速しながらカーブに入った途中で、回生ブレーキが解除され、あたかも加速したように(思った減速が得られず)膨らんだ、かも知れません。
以上の8件は、とても気になる情報でした(これらは公的機関が一般公開している情報なので、ここで取り上げても大丈夫だと思います(;^_^A。
これ以外に多いのが、衝突安全装置(飛び出し防止や、緊急ブレーキ)が働かなかった、と言うものです。しかしほとんどはドライバーが想像している動作条件から外れていたと思われる状況が出現していたと推察しました。以前にも書きましたが、各種安全装置はメーカ毎に思想が異なり、ロジックも違います。例えばノートでは前方障害物があったとき、アクセルペダルを踏むと、動かないはずですが、外れる場合も以下のように有ります。
①アクセルペダルをそれなりにゆっくり踏んだ場合。(今度閾値を確認してみるつもり)
②踏切などの障害物で止まった場合、アクセルを踏むと約5秒後に解除、ダッシュします。
③一旦ブレーキを踏んでからアクセルに踏みかえた場合は2秒で解除、ダッシュします。(やって確認してみないと本当の動作閾値などわからないのでディーラサービスなどに聞いてみたいが、そこまで勉強しているのかな?。聞いてみたい)
また、要注意と思われるケースで、ブレーキに関するものがいくつか。
ケースA:
商業施設駐車場の下りスロープで、クリープにてブレーキペダルを緩め発進したが、スピードが増し、ブレーキが効かずフェンスに衝突した。
→もともと下りで、ブレーキ緩めてクリープでスタートした時、エンジンは止まっていてそれまではブレーキを踏んでいた、、とすると、ブレーキマスターバッグの負圧が無くなっている可能性あり。システム的には「負圧センサーがエンジン始動させるはず」だが、過渡応答的にシステムエラーだったかも。
ケースB:
スーパーの駐車場で、アクセルオフによる回生ブレーキで停車をしようとしたところ、意図した減速をしないまま車止めへ向かってしまったため、フットブレーキを踏んだが、ブレーキも効かず、車止めを乗り越えて前方のガラス壁に衝突してしまった。
→モードが不明ですが、意図せずノーマルになっていて、回生が弱かった?。あるいは電池満タンで、発電機がエンジン負荷で浪費モードになる寸前だった?。時に、ブレーキ踏んだが負圧が無く、思いっきり踏めば止まったはずだが、通常の感覚で踏んだら止まらなかったとか?。
ちなみに、ノートでシステム設計的にちょい不安なのが、このメカブレーキ機構です。完全EVのリーフの場合には、負圧を取るエンジンが存在しないため、電気モータと蓄圧機能を持った、電制パワーブレーキを備えており、ドライバーのブレーキ力は主にパイロット油圧として使われているようです(トヨタ、ホンダも)。
ところが、ノートはコストの問題もあり、エンジンも付いているから、、といいながら、走行中エンジンは止まっているケースが多い。その為、エンジン始動時の負圧をチャージして持っておくか、電動真空ポンプを備えるかが必要ですが、前者のシステムになっています。
そのための、負圧作るためにわざわざ!ちょいエンジン始動。恐らくそれはコストのためでしょうが、私が問題にするのは重要保安部品であるブレーキに対して、あらゆるケースでの「過渡条件」をクリアできているのか、です。
もし、上記の暴走のようなケースで、エンジンは止まったままモータ全開となるとニスモSの320Nmのダッシュを負圧の抜けたブレーキペダルで普通の人が踏んで止められるのか?。少々不安であります。これも内燃機関式なら、走っているエネルギーを止める「常時ブレーキシステムは設計値を出せる」であり、万一エンジン停止したら車体の慣性エネルギーのみだし、基本1回の動作で停止まで持ってゆくなど制約あるものの、取説で注意喚起もしてある。
一方、e-POWERは、パワーラインは完全なEVでありながら、エンジンは「充電装置」であって、動力機能にリアルタイムで動くわけではないのに、ブレーキはそれに頼っているのはロジック的にも、システム的にもちょっと??。
回生で減速中、電池が一杯になり回生が抜けるとブレーキを踏み足す、、、すると発電機がエンジンを回して電池を減らす(のか、発電機に負荷を切り替えてるのか未確認)がその時に十分な負圧が出来るのか?。
道路運送車両法では、制動装置の故障時の機能確保のために2系統化や、エアブレーキではエア回路の故障時でも、必要最低限の制動距離を定めています。
通常、これまでの内燃機関では、エンジン起動中なら、負圧が使えるのでブレーキブースタで問題ないのですが、今回のe-POWERでも当然法令基準は満たしているはずですが、負圧の無い状態で、人力踏力ではたして1250kgの車体が止まるのか?。通常ブレーキに勝るアクセルは無い、、の前提で停止できないように思えてきました。プリウスが踏み間違いでは無く本当に暴走の場合、ブレーキで停止できるのか?。昔のキャブ車のアクセルワイヤが戻らなくなったときみたいに。
そのような、疑問も数々あって、色々調べておりました。法令も当然ながら、社内試験も厳しくやって合格している「商品」ですから、これらは全部「杞憂」に過ぎないはずですが、冒頭の国交省に寄せられている「オーナーからの声」は何なのか?。
プリウスミサイルについて、ヒューマンエラーに結論づけられているように思いますが、「そうではないケースも否定できない」という立場を過去にも書いておりますが、今はより強くそういう思いがしています。
一部結果も得られたので、それは追ってまた書きたいと思います。(続く)
※すいません、システムエラーなのか2重にUPされていたようで、せっかくイイねを頂いた方のうち、消えてしまったものがあるようです、お詫びいたします。