
先週の木曜(18日)、金曜(19日)の夜に星撮りに行ってきました。
2日目は翌日が土曜だったので、完徹して年寄りには堪えます。
18日の朝は、その日のブログに書いたように、潟に行きました。
その時の写真でわかるように、山の稜線が見えないくらい霞んで
いて、どうしようかと思いましたが、梅雨入りまで1ヶ月を切り、
今のうちに少しでも撮っておこうと天山登山口まで。
19日が下弦の月で、18日の月の出が1時前でした。
両日共風があったので、いつもならダムまで下るところですが
少しでも霞の層を薄くしようと、その場所で陣取りました。
18日夜が風が強かったので、INDIの実戦テストに当てました。
焦点距離1000mm F4の反射鏡を赤道儀に載せて、三脚にラズパイを取り付けます。
それにカメラ(D5300)、フォーカサー、オートガイダー、そして赤道儀の制御盤を4本のUSBケーブルで繋ぎ、
ラズパイには、赤道儀用の電源からmicro USBケーブルで電力を供給します。
最初に霞の影響が少ない高いところにあるM101銀河を導入するために、まず北斗七星のひしゃくの端にある
アルカイドを導入します。この状態でMacのINDIクライアントであるkstarsを起動して、INDIに接続します。
この後、しばらくは機材に触らないことになります。
起動後、下ようにkstarsの画面でM101を選択してSlewとやると、望遠鏡のほぼ中央にM101が導入されます。
そして、遠隔でMacからオートフォーカスでピントを合わせます。
次に、初めてオートガイダーを使うのですが、ここで躓きました。
kstarsが内蔵するガイドソフトに小型CCDカメラを繋いでガイドを始めようとすると、カメラを認識していますが、
キャリブレーションがうまくいきません。キャリブレーションとは、ガイドソフトが赤道儀に試しに信号を送って、CCD
カメラの視野で星がどれくらい動くかを記録し、補正信号の大きさを決める作業です。
ここで先に進まなくなったので、念のために用意しておいた別のガイドソフトを使います。
これはWindows用が有名なPHD2というフリーのソフトで、kstarsがサポートするオートガイドソフトの1つです。
それをラズパイ上でソースからビルドして使えるようにしておきました。これをVNCでラズパイに入ってから起動し、
kstarsから繋ぎます。キャリブレーションはPHD2の方でうまくできて、何とか使える状態にできました。
ただ、風でぶれるのでPHD2の最適な設定に追い込むことはできずに「とりあえず」使える状態にしただけです。
この後、ISO、SSと撮影枚数をkstarsで登録して、スタートボタンを押すと撮影が始まります。
撮影が始まったら仮眠を取りたかったのですが、うまくいっているか気になって眠れません。
MacBookを見ていると、1枚撮るたびにオートフォーカスをしています。デフォルトの設定がそうだったので、それを解除。
その時の成果が次の画像です。
ISO800、SS=480sで12枚撮ったのですが、ブレがひどいのを2枚間引いで合成しました。
いまひとつシャープさが足りませんが、最初の設定以外は機材に触ることなく撮ることができたので良しとします。
この後、もう1つの機能を試したのですが、それがうまい行かずにINDIでの撮影はこれだけでした。
もう1つの機能とはPlate Solveというものです。
撮影した画像とPC上の星のデータベースを比較して、望遠鏡が向いている方向を正確に決めることです。
天体の導入には、近くの明るい星を使ってアライメントをしておけば、赤道儀が座標を理解して、その後で
指定した天体を視野の中央に導入します。この時、多少の誤差があり、正確には視野の中央には来ません。
赤道儀はアライメント情報から自分がどこを向いているか「思っている」だけで、実際に望遠鏡がその方向を向くには
かなりのアライメントの精度が必要です。Plate Solveをすれば、望遠鏡が向いている方向を正確に割り出すとともに、
目的の天体に正確に向けることができます。(アライメントも重要で、照合する初期位置を決めます。)
シミューレションではうまくいったのですが、本番では途中で失敗して出来ませんでした。
これができると何が嬉しいかというと、一晩に2つ以上の天体の撮影を自動化できます。また、1つの天体を二晩以上
かけて撮影する時に、前回の画像を読み込んでその時の構図と同じにすることができます。
次のテストの時には、オートガイドとPlate Solveができるようにしたいと思います。
でも、新月期が終わるまでは撮影に専念したいような...。
他の天体写真はまた後日にでも。