6月の後半は晴天が長続きせず一度の出動も無いままでした。
去年は梅雨の時期でも1日くらいは長時間晴れる夜があったのですが、
今年の梅雨は前半から雨が降らずとも雲が多い日が続いています。
この先1週間も曇りと雨の予報なので梅雨明けまでは星取りは無理そうです。
タイトル画像は24日の満月(正確には翌日早朝)を自宅玄関前で、
Z7に70-200mmレンズと2倍テレコンを付けて手持ちAFという手抜き撮影
したものです。
ストロベリームーンと呼ばれる6月の満月ですが、この月が少しオレンジ色
なのは、薄雲越しに撮っているためです。
晴れていれば望遠鏡を使ってしっかり撮るところですが、雲が薄くなる所を
狙ってのごく短時間の撮影でした。
満月を挟んだ2週間の6月後半は月が明るいので、暗い天体の撮影には向きませんので、機材テストを兼ねて、
月から遠い北の方にある天体を撮ることにしました。
今の時期は日没後に東の空にベガが昇ってくるのが見えますが、それより北寄りのケフェウス座にある「アイリス星雲」を
対象に選びました。テストしたい機材とは光害カットフィルタです。
これまでIDASのNGS1を使ってきましたが、IDAS製のフィルタは明るい星があるとその周りにゴーストが出やすく、
輝線星雲に使うセミナローバンドやデュアルバンドフィルタは、Optolongのものに置き換えてきました。
OptolongのL-Proという光害カットフィルタを試すことに。
宇宙空間はほとんど真空なのですが、星が生まれる場所、死んだ場所には分子雲(ほとんどは水素)があり、
それが電離すると赤い光(Hα)を出す輝線星雲に、明るい星の光に照らされる時は反射星雲として見えます。
アイリス星雲は、中心部にNGC7023という散開星団(すばるのような星団)があり、それに照らされて青白く光っています。
焦点距離780mmの屈折鏡で分子雲に浮かぶ星雲を撮ろうと晴れ間が見えた22日と28日の2日間で撮りましたが、
半分以上は雲がかかってしまい、使えたのは65枚。
それを合成しました。
撮影できない日々は、画像処理の練習を兼ねて昨年撮影した画像を合成からやり直していました。
今の時期は夏の天の川の中にある惑星状星雲、輝線星雲、超新星残骸といった種々の星雲が見られます。
2つの惑星状星雲と1つの超新星残骸を再処理しました。
1つ目は惑星状星雲で最初に発見された「亜鈴状星雲」(M27)です。昨年の6月21日に撮影していました。
この直前に購入したフルサイズの冷却CMOSカメラで最初に撮った天体で、焦点距離2000mmのRC鏡を使いました。
M27の写真というと、中に赤い模様が見える水色のひし形が多いのですが、その外側にも淡く青いガスが広がって
いて、それが見えるように少し持ち上げて処理しました。
もう少し拡大して内部構造が見える写真を撮りたいのですが、それには望遠鏡のアップグレードが必要なので、
先の楽しみにしておきます。
次は同じく惑星状星雲の「らせん星雲」です。こちらは高度が低く枚数が少な目になります。機材は上のM27と同じものです。
8月14日に撮影していました。去年よりノイズ低減処理の仕方を少し変えてみました。
最後は焦点距離450mmの短い屈折鏡に上と同じカメラを使って撮影したはくちょう座の羽の付け根辺りにある
超新星残骸の「網状星雲」です。高速で広がる超新星の残骸がフィラメント状の星雲を形成しています。
らせん星雲と同じノイズ低減処理を使い、星の明るさを抑える処理をしています。
良い天気が続けば2枚のモザイクで撮影したいところですし、それがダメでももう少し画角の狭い写真を撮りたいと
思います。
7月前半は梅雨が明けて星空が見えればブログを書こうと思いますが、次回は後半になりそうです。
Posted at 2021/07/05 20:18:38 | |
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