
前のブログにも書きましたように、今年は天候に恵まれず、
星撮りの出動機会が少なくなりました。その代わり、1つの天体に
出来るだけ時間をかけるようになり、徹夜することが増えました。
タイトル画像は2月の星撮りで、望遠鏡が凍り付いていたときの
画像です。
D800Eを購入した冬からポタ赤を使い始めて5年、赤道儀と望遠鏡
を使う天体撮影を始めて今年の夏で3年になりました。
去年までは赤道儀に望遠鏡を買い足してきて、今年は5月にポタ赤を
入替え、9月にD850、その後にイメージセンサーの赤外カット・フィルタを
除去した天体用のD810を導入し、機材も落ち着いて来たかなというところです。
今年の初出動は、サイクリング初めをした1月3日でした。この時は赤い散光星雲を撮っていて、その中でも昨シーズン
初めて撮った「勾玉星雲」です。
2月からは春の銀河を撮るようになり、これまでで最大の子持ち銀河(焦点距離2000mm、D5300)を撮りました。
今年は、画像処理の勉強も進み、彗星の位置を止める画像処理法を学びました。
2月2日に撮った45P/Honda-Mrkos-Pajdušáková彗星です。
3月は出動機会が1度であまり良い写真がありませんでした。3月にも1度撮ったおとめ座銀河団の「マルカリリアン・チェーン」を
4月にも撮りました。
GW前の4月23日の明け方近くに、立ってくる夏の天の川の高度が低いところにある2つの星雲を初めて撮りました。
ロブスター星雲(日本では彼岸花星雲)とキャットポウ(猫の足)星雲(出目金星雲)です。
天の川銀河の中心方向にあり、高度が低いために条件が良くないと撮りにくい対象です。
5月には天の川の星が密集したいて座のスター・クラウドと2つの赤い星雲(わし星雲とオメガ星雲)を撮りました。
「バンビの横顔」に見えますか?
本格的な梅雨になる直前に、わし星雲を十分時間をかけて撮ることができました。
中心部に「創造の柱」が見えていて、機会があればフィルタを使い倍率を上げて撮ってみたいと思います。
例年は梅雨明けにクリアな空に遭遇できるのですが、今年は曇り空が多く、7月と8月は2度ずつの出動でした。
惑星の画像処理も少し上達して、木星や土星をそれらしく仕上げられるようになりました。7月30日の土星です。
9月18日は安定した晴れの夜で、自分では今年のベストと思っている「象の鼻星雲」が撮れました。
昨年初めて撮ったときより枚数を稼げたのでノイズが少なく細部までよく撮れています。
この夜は新しく来たD850での初の本格的な天体撮影の被写体としてアンドロメダ銀河を選びました。
撮り始めた時は高度が低くて佐賀市の光害を被っていましたが、D850の高感度のノイズの少なさを体感できました。
長雨と季節外れの台風で出動機会が少なかった10月も、あまり良い写真(特に焦点距離が長いもの)は撮れませんでした。
その中でもハート星雲とソウル星雲のツーショットを。
これも新しく習得した画像処理の技で、月の合成とモザイクによる画像です。10月30日の月です。
上下それぞれ60枚以上をD850のサイレント連写で撮り、それぞれを合成した後、モザイクでつなぎます。
一部を切り出して拡大しても、ノイズが全く見えません。
11月は4時間弱の露出時間をかけたばら星雲です。途中で雲がかかり中断しましたが、粘って枚数を稼ぎました。
この1年は、画像処理のスキルアップとともに、1つの被写体に出来るだけ多くの時間(1枚あたりの露出時間と枚数ともに)を
かけるようにしてきました。その方が画像処理も楽ですし、仕上がりもノイズが少ない綺麗な絵になります。
初心者の頃のようにフォーカスが甘くなったり、望遠鏡を結露させることは殆どなくなり、写真の良し悪しは天候次第と
いうようになりました。来年は、クリアは星空に出逢う機会が多くなるのを祈るばかりです。
27日の夜に、今年最後の星撮りに出かけましたが、まだ画像処理が終わっておりませんので、その時の星の写真は
年明けにでも公開したいと思います。最後に、今年も1年、機材満載で山を駆け上ったA45とオリオン座を。
この1年、私の拙い星の写真をご覧下さり、多数のコメントやイイね!をありがとうございました。
今年はこれが最後のブログとなります。皆様、良いお年をお迎えください。