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2021年04月17日

4月前半の星撮り --- 春の銀河が続きます。

4月前半の星撮り --- 春の銀河が続きます。 今日はお昼まで雨でしたので、サイクリングをせずに溜まっていた天体写真
の処理をしていました。
4月に入ってからも黄砂が来たり、雨が断続的に降って、中々満足できる
画像は得られないまま4月も半分を過ぎました。

タイトル画像は15日の「三日月」です。この夜も風が強く、日が暮れて
間も無く月が雲に隠れ、再び顔を出すのを待っての撮影でした。

来月くらいから夏の天の川周辺の星雲が見られるようになり、対象は
銀河からそれらの星雲に移るのですが、今月はまだ春の銀河がメインです。
「夏の天の川」というのはさそり座やいて座の辺りの濃い天の川のことで、
直径10万光年ほどの天の川銀河の中心から離れた位置にある太陽系にある
地球の北半球の夏は、この銀河の中心を向くので星の密度が濃く、星雲も
たくさん見られます。
一方、オリオン座の東を流れる冬の天の川を見ているときは銀河の外側を
向くので、冬の天の川は肉眼では見えません。

春と秋は、天空を覆う天の川の部分が小さくなり、天の川銀河の外の銀河が見やすくなるので、春と秋は系外銀河のシーズンとなります。

さて、4月の最初に撮ったのは、珍しく朝まで晴れていた6日の夜に、かみのけ座の「黒眼銀河」(M64)でした。
銀河の中心部に暗黒帯があるので「黒眼」という名がついています。
焦点距離2000mmにフルサイズカメラで撮っています。
M64_2021.04.06

次は2日後の8日と翌日、ふた晩かけて100枚ほど撮影した「回転花火銀河」(M101)です。
銀河面がこちらを向いているフェイスオン銀河の代表格です。
今回はレデューサを使い焦点距離1500mm (F6)で撮りました。
M101_2021.04.08

もう少しシャープにしたかったのと、焦点距離は2000mmでもよかったかもしれません。

そして10日の夜は望遠鏡を焦点距離780mmの屈折鏡にして0.75倍のレデューサを使い、おとめ座銀河団の一部、
「マルカリアンの鎖」を撮影しました。この銀河団は太陽系から5000〜7000万光年の距離にある、お隣の銀河団です。
特にこの領域では銀河が一列に並んでいる様子から「鎖」(chain)と呼ばれています。
Markarian

パッと見で銀河と分かる天体以外にも小さく写っている銀河も多数あります。
メシエ、NGC、ICといったカタログ名を入れると...
Markarian

実はPGC(Catalog of Principal Galaxies)名まで入れると文字で画面が埋まってしまいます。
上の画像の中央、下の方に写っているM87という楕円銀河は、この銀河団でも最大規模の質量を持つ銀河で、
その中心にあるブラックホール(の周辺)の映像が捉えられたことで知られています。
私たちの天の川銀河の中心にもブラックホールがあると考えられていますが、膨大な数の星が邪魔をして、直接
観測できません。おとめ座銀河団は古くからの観測対象でしたので、あのような画像が最初に撮影されました。

その後は天体撮影できる天気ではなく、タイトル画像の月を撮った夜も雲が流れていたので、ちょっと変わった
撮影法を試しました。Lucky Imagingと呼ばれる方法で、惑星撮影に用いられる方法です。惑星の場合は拡大するので、
大気の揺らぎで像が安定しません。そこで動画で数千フレームを撮って、その中から画質の良い数百〜千枚程度を
ソフトで選んで合成します。
今回のお試しの対象に選んだのは、M53という球状星団です。銀河や星雲のように淡い部分が少ないので何とかなるかと。
カメラのゲイン(感度)を最大にして、SS=10sで100枚を5セット撮りました。
雲が横切るたびにオートガイドが乱れるので、ガイドを使わずに、1セット終わる度にフォーカスとセンタリングを
する設定です。撮影した500枚から、星の数が少ないもの、星が太いもの(FWHMが大きいもの)を200枚捨てて
合成、処理しました。望遠鏡は焦点距離2000mm F8の反射鏡です。
M53_2021.04.14

なんとか見られるレベルに写っていますが、露出不足な感じです。
星像は悪くないのですが、ゲイン最大なのでバックグラウンドは汚いですね。
これらの問題は枚数を増やせば多少は良くなるかもしれませんが、条件が悪い時の緊急避難的な方法と割り切る方が
良さそうです。

月曜の20:20頃は上弦の月で月面Xなどが見られるチャンスがありますので、晴れて時間があれば撮影しようと思います。
ブログ一覧 | 星・月 | 趣味
Posted at 2021/04/17 20:58:40

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この記事へのコメント

2021年4月24日 9:54
今回もお腹いっぱいの写真です。素晴らしいです。

銀河団の写真を撮りたいと思ったのも天体写真の世界に足を踏み入れたきっかけでした。
マルカリアンの鎖も大好物です。

10s 500枚の撮影は凄いですね。後処理にも時間がかかったのではないでしょうか。

Lucky Imagingは惑星だけでなく、普通の天体写真でも、いずれ主流になるとおもってます。
将来、カメラの感度が今より遥かに上がって、オートガイドをするよりも、ガンガン撮ってベストを大量に合成するほうが、星のゆらぎを抑えられますから、よりいい写真になるはずで。1sで1万枚とか。
機材も簡素になって、だれでも普通に天体写真を撮る時代が来るかもしれません。

カメラの感度次第なので、撮像素子の技術にイノベーションが起こったらかな。

M53の撮影は、その先駆けのトライのようで、とても興味を持ちました。
コメントへの返答
2021年4月24日 20:20
ちばピカさん、こんばんは!

おとめ座銀河団を撮っていると、その中の1つの銀河も撮ってみたくなりますね。そのためには今のRC鏡筒よりも長焦点のものがほしくなります。

500個のファイルをSubframeSelectorに食わせて、StarsとFWHMで200個を除去して300枚を合成するのですが、合成は出勤前に始めて放置しておくという感じです。
1sならガイドの露光時間より短いので、ある程度視野に入っていればガイド不要ですね。

数年前から深層学習を使ったノイズ処理も発表されていて、そのうち画像処理も劇的に変わるでしょう。ただ、そうなると何が「実物」だかわからなくなりますね。
2021年4月24日 14:40
機材が簡素になるとは赤道儀が必要なくなるという意味で。(追コメ失礼しました)
コメントへの返答
2021年4月24日 20:21
はい、わかります。1sを1万枚でも粗くて良いので追尾は必要ですから、今よりももっと安価でできそうですね。

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