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2021年11月16日

11月前半の星撮り --- M33の撮り直し。

11月前半の星撮り --- M33の撮り直し。 11月の新月は5日でしたが、なかなか長時間晴れる夜が無くて、1つの対象を
少しずつ撮り貯めるという方法を取らざるを得ない日々でした。

10月最初にさんかく座銀河(M33)を撮った時に、ガイドエラーが赤経と
赤緯方向で大きく違ったために赤道儀の赤経側のギヤボックスをバラして
ウォームシャフトのベアリングが錆びているのに気づいたのでした。

その後、ベアリングを新品に入れ替えてからは調子が戻ったので、いずれは
撮り直そうと思っていたM33をこの11月の最初に撮ることにしました。

今月前半はその銀河と、自宅玄関横で機材テストがてら撮影した1枚だけです。
自宅の敷地からは北の空の一部だけが自宅や周辺の家屋に邪魔されずに撮影できるので、対象はカシペア座の散光星雲です。

テストした機材は、私が天体撮影を始めた頃に小さな赤道儀でも運用できる軽い鏡筒として購入していた
口径71mm F4.9の屈折鏡です。平日の4日に、’Z 6IIを付けて小型赤道儀に載せ、天体撮影ソフトのN.I.N.A.を使い、
ISO1600、SS=420sで80枚をセットして朝まで放置していました。
PC用のバッテリが切れるまで60枚ほど撮れていましたが、PixInsightのSubframeSelectorという機能で、
写っている星の数をカウントすると、雲が横切って星の数が極端に少ないカットが20ほどあり、40枚を合成しました。
IC1805_IC1848_2021.11.04

ちょっとフォーカスが甘いですが、コスパの良い鏡筒です。

さて、本題の銀河ですが、先月の初旬に撮ったものを再掲しておきます。
焦点距離1500mmで撮っています。
M33_2021.10.06

拡大しなければそれなりに見えますが、実はブレブレです。
一部を等倍で切り出すと...


初心者の手ブレ写真のようですね。
今回撮り直した画像を切り出したのがこちら。


かなり改善され、下の方が星が伸びていないだけでなく、像もシャープに見えます。
手ブレ写真がピンボケっぽく見えるのと同じです。

さて、この銀河を撮るのに11月1日を含む4日かけて250枚ほど撮ったのですが、どの夜も一晩中晴れることなく、
使えたのは1/3以下の80枚です。機材は前回と全く同じで、出来上がりは次の画像になります。
M33_2021.11.01

これまでで最良のM33になりましたが、コンディションが良ければもっと出来が良かったと思います。

この銀河は有名なアンドロメダ銀河と同じくらいの距離にあり、天の川銀河とも互いに引き合っています。
私たちが見る星雲(上の2つの星雲も)は天の川銀河に属していますが、この銀河は近い(約250万光年)ので、
その中の星雲もこちらから見えています。カタログ名を入れてみると...


PGCというのは銀河のカタログで背景の遠い銀河ですが、M33に重なっているNGCやICといった番号が
振られているのは、M33銀河の中の星雲などです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下は、天体撮影の技術的な話なので、興味の無い方は読み飛ばしてください。

撮影した4日間のうち11月4日の撮影の様子をタイムラプス動画にしました。


他の日も写っている星の数が少ないカットばかりなので、寝ている間に天気がどう変わるかを見ようと思い
GoProで撮ってみました。結構、雲が流れていて、この晩も使えたのは20枚くらいでした。

ちょうどこの夜は外で上の星雲の写真を撮っていた日で、外とドームの2台のPCを屋内から1台のノートPCで
監視していました。

まず、外で撮影していた焦点距離348mmの屈折鏡のガイドグラフです。
ガイド鏡は100mm F2.8のレンズに、ASI120MM-S (pixel pitch=3.75um)で、撮影カメラはZ 6II (5.92um)ですから、
ガイドエラーは、0.45px以下であれば許容範囲です。


一方、ドーム内の機材はオートガイドと撮影の光学系は共通で、ガイドカメラはASI174MM (5.86um)、撮影カメラは
ASI6200MC (3.76um)なので、エラーは0.64pxが許容範囲ですが、雲の影響か、それを超えています。
ガイド星のプロファイルも歪ですし、露光時間が長いのにSN比(白い線)の変動も大きく、シーイングが
悪いことを示しています。


これを見ていると、条件さえ良ければガイドエラーも小さく、より良い画像が得られたのではと思います。
当然のことですが、同じコンディションでも焦点距離が短ければガイドエラーが小さく、画像への影響も少なくなります。

今年になってフリーの天体撮影ソフトであるN.I.N.A.が使いやすくなってきたので、自宅敷地内や出動での撮影の
際にも完全放置プレイができるように、小さな鏡筒にもモーターフォーカサーを付けようかと目論んでいます。

今夜は予報に反して薄曇りで、その薄い雲の向こうにぼんやりと月が見えてます。
明日の満月は、月の出の時に月食が見られますが、晴れてくれれば、早く帰宅して撮影したいですね。
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Posted at 2021/11/18 20:03:04

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この記事へのコメント

2021年11月20日 0:07
M33素晴らしいですね!
天候に恵まれていないと思われるなか、
よくここまでもってこれるなと思います。

おそらく、こちらも同じような条件だろう思われるかなで撮影したものとは雲泥の差です。

ガイドもベスト近くまで戻ったようで、星像が素晴らしいですね。
こちらの赤道儀も不調で、何もしないわけにはいかない状況なので、少し手をいれようかと考えています。

下のガイドグラフをみると、条件がよければ素晴らしいガイドをしてくれそうに見えます!
コメントへの返答
2021年11月20日 17:44
ちばピカさん、どうもありがとうございます。

赤道儀の調子は新品時に戻ったのですが、天気の良い夜に恵まれませんね。
長焦点(といっても1500mm)のOAGのエラーが掲載したグラフのように大きめなので、澄んだ空になるまでは短めの鏡筒で撮影しようかと思っています。

やはり道具の調子が良くないと、遠征しても満足できる結果にならないので、お早めに手を入れられる方が良いと思います。

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