• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

koichifunのブログ一覧

2017年05月23日 イイね!

Project INDI (7) --- 最初の実戦テスト。

Project INDI (7) --- 最初の実戦テスト。先週の木曜(18日)、金曜(19日)の夜に星撮りに行ってきました。
2日目は翌日が土曜だったので、完徹して年寄りには堪えます。

18日の朝は、その日のブログに書いたように、潟に行きました。
その時の写真でわかるように、山の稜線が見えないくらい霞んで
いて、どうしようかと思いましたが、梅雨入りまで1ヶ月を切り、
今のうちに少しでも撮っておこうと天山登山口まで。
19日が下弦の月で、18日の月の出が1時前でした。
両日共風があったので、いつもならダムまで下るところですが
少しでも霞の層を薄くしようと、その場所で陣取りました。

18日夜が風が強かったので、INDIの実戦テストに当てました。
焦点距離1000mm F4の反射鏡を赤道儀に載せて、三脚にラズパイを取り付けます。
それにカメラ(D5300)、フォーカサー、オートガイダー、そして赤道儀の制御盤を4本のUSBケーブルで繋ぎ、
ラズパイには、赤道儀用の電源からmicro USBケーブルで電力を供給します。

最初に霞の影響が少ない高いところにあるM101銀河を導入するために、まず北斗七星のひしゃくの端にある
アルカイドを導入します。この状態でMacのINDIクライアントであるkstarsを起動して、INDIに接続します。
この後、しばらくは機材に触らないことになります。
起動後、下ようにkstarsの画面でM101を選択してSlewとやると、望遠鏡のほぼ中央にM101が導入されます。


そして、遠隔でMacからオートフォーカスでピントを合わせます。


次に、初めてオートガイダーを使うのですが、ここで躓きました。
kstarsが内蔵するガイドソフトに小型CCDカメラを繋いでガイドを始めようとすると、カメラを認識していますが、
キャリブレーションがうまくいきません。キャリブレーションとは、ガイドソフトが赤道儀に試しに信号を送って、CCD
カメラの視野で星がどれくらい動くかを記録し、補正信号の大きさを決める作業です。
ここで先に進まなくなったので、念のために用意しておいた別のガイドソフトを使います。
これはWindows用が有名なPHD2というフリーのソフトで、kstarsがサポートするオートガイドソフトの1つです。
それをラズパイ上でソースからビルドして使えるようにしておきました。これをVNCでラズパイに入ってから起動し、
kstarsから繋ぎます。キャリブレーションはPHD2の方でうまくできて、何とか使える状態にできました。
ただ、風でぶれるのでPHD2の最適な設定に追い込むことはできずに「とりあえず」使える状態にしただけです。

この後、ISO、SSと撮影枚数をkstarsで登録して、スタートボタンを押すと撮影が始まります。
撮影が始まったら仮眠を取りたかったのですが、うまくいっているか気になって眠れません。
MacBookを見ていると、1枚撮るたびにオートフォーカスをしています。デフォルトの設定がそうだったので、それを解除。

その時の成果が次の画像です。
ISO800、SS=480sで12枚撮ったのですが、ブレがひどいのを2枚間引いで合成しました。
いまひとつシャープさが足りませんが、最初の設定以外は機材に触ることなく撮ることができたので良しとします。
M101_2017.05.19

この後、もう1つの機能を試したのですが、それがうまい行かずにINDIでの撮影はこれだけでした。

もう1つの機能とはPlate Solveというものです。
撮影した画像とPC上の星のデータベースを比較して、望遠鏡が向いている方向を正確に決めることです。
天体の導入には、近くの明るい星を使ってアライメントをしておけば、赤道儀が座標を理解して、その後で
指定した天体を視野の中央に導入します。この時、多少の誤差があり、正確には視野の中央には来ません。
赤道儀はアライメント情報から自分がどこを向いているか「思っている」だけで、実際に望遠鏡がその方向を向くには
かなりのアライメントの精度が必要です。Plate Solveをすれば、望遠鏡が向いている方向を正確に割り出すとともに、
目的の天体に正確に向けることができます。(アライメントも重要で、照合する初期位置を決めます。)
シミューレションではうまくいったのですが、本番では途中で失敗して出来ませんでした。
これができると何が嬉しいかというと、一晩に2つ以上の天体の撮影を自動化できます。また、1つの天体を二晩以上
かけて撮影する時に、前回の画像を読み込んでその時の構図と同じにすることができます。

次のテストの時には、オートガイドとPlate Solveができるようにしたいと思います。
でも、新月期が終わるまでは撮影に専念したいような...。

他の天体写真はまた後日にでも。
Posted at 2017/05/23 19:38:05 | コメント(3) | トラックバック(0) | PCなど | 趣味
2017年05月12日 イイね!

Project INDI (6) --- その後の顛末と新機能。

 Project INDI (6) --- その後の顛末と新機能。 久々のINDIとラズパイのお話です。

前回の"Project INDI"は3月末でしたので、1月半近く経過してしまいました。
また、月が明るい時期で星撮りに行きませんので、忘備録も兼ねて、4月に
入ってからこれまでの経緯を書き留めておきたいと思います。

タイトル画像は最近リリースされた、INDIクライアントのkstarsの最新版です。
導入したい天体の情報に写真が入り、次に何を見るかの参考になります。
無料でこれだけの機能を備えているというのも有難いことです。


INDIのBBSで開発者とコンタクトをとって、私のラズパイ
をリモートで操作することが決まったことまで書いていました。


4月1日の午前1時半(日本時間)頃に、開発者のJさんから私信が届いていました。
DDNSとNATの設定でラズパイにログインできるようにしておいたので、Jさんが
起きているであろう時間帯である、日本の正午半頃にメールを送っておきました。
すると直ぐに返事が来て、テキストによるチャットを始めます。

ラズパイ上のINDIサーバのポートも開けておいたので、サーバを起動して、異常を再現してもらいました。
私が考えていたように、デジカメ用のドライバ(gphoto)の設定をクライアントが読み込めないでいるという
ことを確認し、ゴニョゴニョやっていて時間が経ったので、「何か分かった?」と聞くと、「10年以上やっているけど、
こんな面倒なの見たことない。」とのお返事。
その後も色々とやって、トータル2時間半ほど格闘した結果、原因は分かったが、直ぐに対処するのは難しく、
開発チームと相談する必要があり時間がかかると言い残してチャットを終了しました。

何が原因なのか聞いたところで分かりそうもなかったので、彼らに任せて、こちらではその後、色々と
INDIのソフトを試していました。
まず、micro SDカードをもう1枚用意し、それにラズパイのもう1つのOSであるUbuntu mateを
入れて、その上にINDIサーバとドライバをインストールします。D810Aを繋ぐと、やはり同じ現象が
再現され使えません。問題はOSレベルではなく、サーバとクライアント間だなと再認識。
それではと、ラズパイにクライアントであるkstarsをインストールします。
ラズパイでは重いので、実際の運用ではサーバーとドライバだけをラズパイに入れて、WifiでMacBookから
操作する予定ですが、動作確認のため。ラズパイのVPNサーバを起動し、MacのVPNクライアントでkstars
を起動するも、D810Aを繋いだ時は、やはりカメラの設定を読み込むことができません。
他のクライアントも試しましたが、同じところでつまずくので、開発者チームの対策が出るまで待つことにします。

以上が4月第1週くらいまでの話です。
D810Aを使わなければ、赤道儀のコントロール(天体の導入)、オートフォーカス、オートガイド、
そして撮影が全てMacからできるのですが、D5300で導入とフォーカスのテストをしただけでまだ
実戦投入していません。4月になってSkySafariがバージョンアップされて、それで赤道儀の初期化が
可能になり、ゴツい端末を使ってキーを打つ操作をしなくて良くなったので、しばらくはそれで天体撮影
していました。
「赤道儀の初期化」とは、観測地の位置情報(緯度・経度)と時刻を赤道儀に送ることです。
この後、既知の星を導入して「今見ているのはアンタレスだよ」と教えると、赤道儀が星空の座標を理解して、
端末で見たい天体を選べば、そちらに望遠鏡を向けてくれます。
端末には幾つかの観測地の位置情報を登録し、時刻を合わせておけば、接続して電源投入し、観測地をリストから
選ぶと初期化されます。SkySafariも観測地を登録しておいて、赤道儀と接続する前に選択しておくと、接続時に
初期化します。どちらも、観測地を選択したり、端末やiPadの時計を合わせておく必要がありますが、以前使っていた
赤道儀にはGPSが付いていて、観測地の選択や時計を合わせる必要はありませんでした。
ラズパイにGPSを取り付けて、INDIクライアントが位置・時刻を自動的に取得できないかと考えていたところに、
ちょうどINDIのBBSでGPSDというLinuxでGPSを使うソフトの話が出ていて、ドライバがリリースされたところでした。

GPSDは以前からあるLinuxのソフトらしく、実績のあるGPSモジュールを調べました。
USBで接続するものが多かったのですが、ラズパイの4つのUSBポートは、赤道儀、カメラ、フォーカサー、
オートガイダーに使う予定であり、USBハブは動作保証できないとのことで、これ以上USB機器は使えません。
ラズパイのGPIOというシリアル・インターフェイスがボードにあり、それを使ったGPSモジュールがありました。
ラズパイでの導入事例も調べて、Ublox NEO-6Mなるモジュールを購入しました。
Amazonではアンテナと接続用端子付きで3000円程度で売られていますが、同様のものがebayで1800円ほど。
GPIOと繋ぐジャンパ線(10cm40本)も80円で売っていたので、早速注文します。
ちょうどGWの最中の5月1日に届いて、GW後半に作業を始めました。
下の写真がGPSモジュールとジャンパ線です。後者は送料込みで日本の郵便料金より安いですね。




接続したのが次の写真。今はGPSモジュールをベルクロでケースに留めています。



次にGPSDをインストールします。
ラズパイのmicro SDカードを前のものに戻し、OSはRapbian Jessieです。
ネットで調べた情報が、ラズパイ2のもので、ポートの番号がラズパイ3から変わっていることを知らずになかなか
モジュールを認識しないので、ちょっと時間がかかりました。
設定終了後、コマンドラインでgpsdのクライアントを起動すると、時刻と位置情報をちゃんと取得しています。
下の画像の左側が位置・時刻情報など、右側が衛星の情報です。


MacのVPNで接続してxgpsとすると、衛星の情報が下の画像のように表示されます。


GPSDがうまく動作していることを確認して、いよいよINDIです。
本家からソースをダウンロードして、INDIサーバとドライバを一からビルドします。このソースにはGPSDドライバが
入っています。インストール後、ラズパイを再起動して、Macでkstarsを立ち上げて、GPSDを使うようなプロファイルを
新たに作り、INDIサーバに接続します。
するとINDIコントロールパネルが表示され、GPSDから位置と時刻を読み取っていることが確認できました。



GPSD導入で少し手間取りましたが、簡単にGPSを使えるようになりました。

次の出動の機会には、D5300を使って、導入、フォーカス、ガイド、撮影と一連の操作をINDIだけで
やってみたいと思います。

目指すは、車の中で爆睡中に、撮影が終わっていることですが、どうなることやら。
Posted at 2017/05/12 20:46:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | PCなど | 趣味
2017年03月30日 イイね!

Project INDI (5) --- D810A使えず。

Project INDI (5) --- D810A使えず。 今回は写真が無く、文字だけのブログですので、Linuxや
ラズパイにご興味の無い方は読み飛ばしてください。

前回の星撮りのときに、モーターフォーカサーとD810Aを
使ったオートフォーカスのテストを始めようとしたところ、
カメラを認識できずに、カメラをD5300に替えてみたり、
現場で出来ることを色々試しましたが、結局D810Aは
使えませんでした。


その後、調べてみるとラズパイ用のINDIサーバーの
バイナリ・ディストリビューションに含まれるgphotoという
カメラを制御するライブラリが古いことがわかりました。
(バイナリは新しいのに、なぜ古いライブラリを入れているのかは??ですが。)

gphotoとは、本来Linuxでカメラを使うためのソフトで、デジカメを使う時にダイヤルやメニューで設定すること
(SS, ISO感度、F値、フォーカスモード、カラーバランス、等々)を、カメラをUSBで繋いだPCから設定できて、
撮影までできるものです。
カメラ・メーカーが同様のソフトを用意していますが、それをフリーでやってしまおうというものです。

MacBookからラズパイにsshで入って、ディレクトリを探ると、"gphoto2 2.5.4"ということがわかりました。
gphoto2のサイトで更新履歴を調べてみると、D5300はVer.2.5.5から、D810AはVer.2.5.9からサポートされたとこのと。
最新版は、Ver. 2.5.11ということで、ソースが公開されていました。

古いgphoto関係のライブラリを削除してから、新しいバージョンをソースからビルドしてインストールすると、入れたパスが
古いものとは違っていて、こりゃINDIが探しきれないだろうと思い、結局、INDIサーバーもソースから作ることに。
必要とするライブラリのうち、gphoto以外は、指定通りのものを入れてます。(gphotoはインストール済み。)
そのあとゴニョゴニョやって、makeします。ログを見ていると、ちゃんとgphotoを見つけているようでした。

コマンドラインで、gphotoライブラリを使うようにINDIサーバーを起動すると正常なようです。

念のためにラズパイを再起動した後、MacBookでクライアントソフトであるkstarsを起動して、INDIを始めます。
D810Aを認識して設定パネルが表示されますが、どのボタンを押しても設定が反映されません。
設定は、ラズパイ側にxmlファイルとして保存されて、それを見ると設定値は入っているのですが、どうも
INDIがそのファイルを読み込めていないのか、設定されないままです。前は、ここでクラッシュしていたので、
それに比べるとマシですが。

次にD5300を繋ぐと、D800Eの時のように設定もできるし、画像撮影もできました。

まぁ、D5300では使える状態にできましたが、最も使うD810Aが使えないのは何とも痛い話です。
以上の経緯をINDI本家のBBSに書き込んでだところ、INDIサーバーの開発者からレスポンスがありました。
途中のログやスクリーンショットを送り、手持ちのニコンのデジイチで試して、D810Aだけがうまくいかないことを
伝えました。彼の方でも、私と同じ環境を作ってキヤノンのデジイチで試したそうですが、異常なしとのこと。
(ここまでが昨晩までのストーリーです。)

今朝、開発者の彼から、向こうから私のラズパイにsshで入って、何が起こっているのかを調べると提案がありました。
sshサーバーはMacBookで使うために入れていますが、問題は外部から入れるかということです。
ルーターはNATの設定で何とかなるとして、WAN側ではIPアドレスを固定していないので、どうしようかと調べてみると、
「ダイナミックDNS」というサービスがあるとのこと。
IPアドレスでなくて、ホスト名を「koichifun.hogehoge.jp」のように固定して、プロバイダーのDNSで面倒見るもの
のようです。(素人なので、解釈を間違えているかもしれません。)

帰宅してから、ルータでアクセス制御とNATの設定をして、スマホのインターネット共有を使って外部からルータの
下流にあるラズパイにログインできました。
これから開発者の彼に連絡しますが、時差が6時間あるので、通信する時間帯を打ち合わせから始めます。
知らない人に預けることになるので、パスワードやポート番号を一時的に変更しておきます。
まぁ、INDI専用なので、何かされても実害はないのですが。


IT系とは無関係の仕事をしていてLinuxをちょっと触ったことがあるくらいで、色々と調べながら何とかここまで
辿り着けました。
多分、仕事ならここまでやらないでしょうね。
Posted at 2017/03/30 20:02:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | PCなど | 趣味
2017年03月13日 イイね!

Project INDI (4) --- ラズパイの設定と機器接続。

 Project INDI (4) --- ラズパイの設定と機器接続。 先週末も出勤で、最近写真を撮っていない日々が
続いています。
もう少し花粉が収まれば、外出したいと思っていますが、
次の週末あたりからでしょうか。
月も明るいし、天気も悪いので、夜はラズパイで遊んで
います。

前回はノートパソコンで使うINDIのクライアントソフトである
kstarsを紹介しました。今回は、実際にカメラと電動フォーカサー
を接続してみます。

その前に、ここしばらく登場していなかったラズパイの設定について少し書いておきます。

最初の回に書いたように、ご本家からOSをダウンロードし、
micro SDカードにコピーして、それから起動するだけで使える状態に
なります。ラズパイにINDIサーバーをインストールする他に、運用のためにネットワークの設定を
デフォルトから変更しておきます。

デフォルトの状態では、普通のパソコンのように、メニューバーのアイコンからWifiルーターを選択して、
ルーターのパスワードを入れれば使える状態になります。ルータがラズパイにDHCPでアドレスを割り振って
いますが、普通はそんなこと考えずにネットが使えます。
DHCPというのはルータがある範囲のIPアドレスをランダムに割振るので、サーバーとして使うには、それが
固定されていないと不便です。(クライアントから接続先のアドレスを、逐一変えなければなりません。)
そこで、IPアドレスを固定し、ルーターを経由せずにノートパソコンからダイレクトにラズパイに接続するよう、
設定を変更します。
ラズパイの、/etc/network/interfacesというファイルを次のように修正します。
iface wlan0 (Wifiのことです)以下で、addressに固定したいIPアドレスを記入し、essidにはネットワークの名称、
keyにはパスワードを書いておきます。
iface eth0は有線のLANのインターフェイスで、ここは、dhcpを使えるようにしておきます。
(次の画面は、sshでログインした後のキャプチャです。)



運用するときはラズパイにはキーボードやディスプレイを接続しないので、Wifiで接続するパソコンから
シャットダウンできるように、また、ソフトをインストールできるように、sshサーバ(sshd)を有効にし、
認証のための鍵を送って、パソコンからパスワードの入力を省略できるようにします。
一通り設定が終わると、再起動してMacBookから繋ごうとすると、Wifiルーターとは違うところに
RPi3が表れます。



次に、USBで、カメラと電動フォーカサーを接続します。その様子がタイトル画像で、LANケーブルもさしています。
奥にあるのが、最近到着した電動フォーカサーで、望遠鏡からフォーカサーを外し、左側のノブの代わりに
ステッパーモーターを取り付けています。シルバーの円形のものがモーターハウジングのカバーです。
2つの青いボタンで手動でフォーカサーの操作もできます。

これらの機器を接続した後、MacBookからsshでログインして、機器が認識されているか確認します。
「dmesg | grep USB」と入力すると、接続されたUSB機器がリストされます。


ちゃんと認識されています。

前回ご紹介したkstarsをMacBookで起動し、Ekosを立ち上げます。
ProfileでNikon DSLRとUSBFocusV3(今回購入した電動フォーカサー)を登録します。


この後、EkosからINDIサーバーをスタートさせると、INDIコントロールパネルに、接続した機器の設定画面が
表れます。まず、Nikon DSLRから。当たり前ですが、D800Eとして認識して、ISOやSSなど設定できます。


次にフォーカサー。こちらは項目は少ないですが、スピードなど調節できます。


前回、オートフォーカスのシミュレーションをご紹介したEkosのフォーカス・モジュールに入ってみます。
フォーカサーとして、USBFocusとNikonDSLRが選択できますが、後者を選択してもカメラレンズのフォーカスが
一瞬動いただけで、その後続けざまに動きませんでした。一方、USBFocusは"Focus In"と"Focus Out"の2つのボタンで
出したり入れたりができて、Stepで動く量も変えられたので、取り敢えず、これでシミュレーションのように星像を
最小にするようなオートフォーカスができそうです。



実は、この接続テストをするときに気づいたのですが、カメラ用のUSBケーブルの長いのを持っていませんでした!
D800EやD810Aは、カメラ側はUSB3.0のBタイプというやつで、50cmくらいのものはあったのですが、望遠鏡で使う
には、赤道儀で回すことを考えると1.5m以上は欲しいところです。また、D5300の方は、mini USBと思っていたら、
それより一回り小さなものでmicro USBとも違うタイプでした。かなり前に、コンデジで同じ思いをした記憶があります。
こちらも長いものを持たないので、先ほど注文しました。週末までに届けば、実戦テストができそうです。


ここまでで、事前にできることは終わりましたので、後は現場でテストをしたいと思います。
その結果は、続編で。

ーーー(5)に続く。
Posted at 2017/03/13 21:50:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | PCなど | 日記
2017年03月12日 イイね!

Project INDI (3) --- 天文ソフト kstarsとINDI。

Project INDI (3) --- 天文ソフト kstarsとINDI。前回はINDIやラズパイとは直接関係の無い、天体撮影の
一連の作業について書きました。

今回は、INDIで何ができるかをご紹介したいと思います。

最終的にはラズパイに入れたINDIサーバーを、Wifi経由で
ノートパソコン(MacBook Air)から操作しますが、夜空の
下で実際に動かすところまで来ていませんので、INDIが持つ
シミュレーション機能を使って、その画面で説明したいと思います。


実際にはINDIを、ラズパイにサーバー、パソコンにクライアントという構成で運用する予定ですが、サーバーとクライアントの
両方を1つのパソコンに入れて使うことができます。ここでは後者の構成でシミュレーションした様子をご紹介します。

INDIサーバーを操作するには、クライアント側からターミナルでコマンドを送ってもできますが、何と言っても楽なのはGUIが
備わった専用のアプリケーションです。その中で、今回のラズパイ導入に私を後押ししたのは、INDIの全ての機能を使えて、
しかも無料なkstarsと呼ばれる天文ソフトです。(2月末に正式版がリリースされました。)
この種のソフトは「デスクトップ・プラネタリウム」とも呼ばれます。有名どころでは、SkySafari(有料)やStellarium(無料)と
いった、Windows/MacやiPadなどで使えるものがあります。私も、撮影する天体を探したり、その情報(大きさや等級など)を
見るのにiPadに入れたSkySafariを使っています。
これらの中には赤道儀も操作できるものがありますが、kstarsはINDIを操作するEkosというフロント・エンドを持っていて、
これを通して強力なINDIの様々な機能を使うことができます。

kstarsとは、Linuxのデスクトップ環境として有名なKDEが提供する教育用ソフトウェアの1つで、Linux版の他に、Mac、
Windows版とAndroid用軽量版がリリースされています。それぞれ、以下のリンク先から入手できます。

https://edu.kde.org/kstars/

kstarsをインストールした後、設定画面で天体のデータや画像を追加インストールすると、他の天文ソフトのように、
ある観測場所のある時刻における星空をシミュレートしたり、天体の情報を見ることができます。メニューの構成を見ると、
他の天文ソフトと違って、天体観測を意識した作りになっています。
下の画像は、kstarsを起動して、アンドロメダ銀河を検索した後に表示された様子です。



kstarsのToolsメニューからEkosを起動します。
その後、自分の機材やINDIで何をするか、観望場所の位置情報などをProfileに設定します。


上の画像では、MountからFocuserまで、具体的に機種が設定されています。このプルダウンメニューに表示されるものは、
すでにドライバがインストールされています。Auto Connectをチェックすると、INDIをスタートする時に、自動的にサーバーが
起動されます。ModeでLocalを選んでおけば、kstarsが起動しているパソコンからINDIサーバーが起動しますし、Remoteを
選んで、そのIPアドレスを登録しておくと、リモート・ホスト(実際にはラズパイ)にあるINDIサーバーが起動します。


以下では、1台のパソコン(MacBook)に入れたサーバーを、そのMac上のkstarsで使うので、Localを選択し、各種機器は
シミュレーターにしておきます。


Profileを保存して、"Start INDI"ボタンを押すと、サーバーが起動して繋がります。
ここでは4つの機器のシミューレータを接続したので、Telescope、CCD Camera、Focus、Guideという4つのモジュールを使って、
INDIが提供する機能のうち、5つを利用できます。その5つとは、対象の導入、アライメント、撮影、フォーカス、ガイドです。
以下では撮影以外のシミュレーションの様子をお見せします。


・導入とアライメント
望遠鏡はホームポジションにあるとします。その状態で、kstarsの画面で導入したい天体を検索して画面の中央に持ってきます。
下の画像では、ボーデの銀河のM81が中央に来ています。
これをマウスだと右クリック、MacBookだと、Control+クリックすると、プルダウンメニューが現れます。


上の画像のように"Slew"を選択すると、赤道儀が望遠鏡をM81に「向けます」。そして望遠鏡の情報は次の画像のように、
M81の座標を表示します。RA、DECがそれぞれ赤経と赤緯の座標です。


さて、ここで「向けます」と書いたのは、赤道儀はそこを向いていると思っているのですが、現実はそうではありません。
前回のブログでも書いたように、目標の天体を視野の中央に持ってきて「アライメント」という操作が必要です。
そこでも書いたように、最初は明るい既知の星を使ってアライメントしますが、そのときライブビュー画面を見ながら、
赤道儀を端末で操作します。
Ekosのスゴイところは、これを半自動でやってくれます。
カメラから画像をキャプチャーして、Ekosが持つ天体カタログ(そのデータは設定時にパソコンにダウンロードしています)を
参照しながら、望遠鏡を目的の座標に向けてくれます。
下の図は、"Capture & Solve"というボタンを押した後の様子です。"Solve"というのは、天体写真に写っている星などから、
その写真が写している領域の座標(中心と2つのコーナーなど)を「解く」ことです。おおよその位置、カメラの画素ピッチと
望遠鏡の焦点距離を与えると、天体のデータベースと比較して答えを出します。


現在は、撮影対象の近くの明るい星でアライメントをしておいて、その対象を導入し、試し撮りして構図を決める、という
方法を採っていますが、これが簡単に、且つ、正確にできるようになります。(実現できれば、ですが。)


・フォーカス
INDIシステムで最初に実現したいのは、「オートフォーカス」です。
INDIがすることは、電動フォーカサーを動かしながら、星の写真を撮って、星像が最小になる位置を探ることです。
下の図は、EkosのFocuserパネルで、"Framing"というボタンを押したところです。


キャプチャー画面に中で、フォーカスに使う明るい星が見つかったら、Stopして、その星をクリックします。
その直後の様子が次の画像で、下のコンソールに"Focus star is selected"と表示されます。


この後、"Auto Focus"というボタンを押すと、フォーカサーを操作しながら、対象の星の画像を撮ります。
右下のグラフは、横軸がフォカサーの位置(50000がスタート)、縦軸がHFR(=Half-Flux-Radius)です。
星の明るさの拡がりの尺度として、半値幅(FWHM=Full Width at the Half Maximum)を使うこともありますが、Ekosはピークの
明るさの半分になるところの幅ではなく、星の全光量の半分になる半径を使っています。
(こちらの方が、暗い星や気流があって星像が揺らぐ時には良いそうです。)
ピントの精度はStepの値で決められて、小さいほど良いのですが、あまり小さいと収束が悪くなります。


次の画像は、Auto Focusが終了したところです。
16回フォーカサーを操作して、HFR=2.79という最小値が得られたようです。


実戦でも、このように簡単にオートフォーカスできると良いのですね。


・オートガイド
当面は、スタンドアロンのオートガーダーを使う予定ですが、Ekosのオートガイドの様子をチェックしました。
使い方は他のガイダーと同じで、ガイド星(画像中央である必要はありません)を選択し、キャリブレーションします。
これは、オートガイダーから赤道儀に、赤経・赤緯軸の周りを駆動する信号をそれぞれ送って、赤道儀の反応を
確かめる操作です。望遠鏡の方向やガイドスコープの位置により、星の動く量も変わるので、必ずこの操作をします。
キャリブレーションが終わって"Guide"を押すと、ガイド星を監視してズレると補正する信号を送ります。



kstarsをクライアントとするINDIの操作の概要をざっと説明しました。
実際には、それぞれの機器の細かい設定もできますが、作業の流れをお伝えしたかったので、ここでは省略しています。

電動ドームの操作もできるので、個人でドームを持っていて、電源とネットが繋がっていれば、撮影スケジュールを設定して
おいて、全てを機械任せで天体撮影することもできるようです。いやー、夢のような話です。
しかも、必要なソフトウェアは全て無料です。勿論、そのためのハードウェアに手が出ないのが現実なのですが...。

満天の星空を見るのが好きですので、観望場所前行く労は厭わないのですが、INDIシステムで、導入やフォーカスの精度が
楽に向上すればと思います。


ーーー(4)に続く。
Posted at 2017/03/12 16:42:23 | コメント(2) | トラックバック(0) | PCなど | 日記

プロフィール

ここ数年、年間走行距離が、自転車>オートバイ>自動車(>>徒歩)、となっています。 高齢になって、少しずつ割合が変わりつつありますが、健康にバイクや車に乗れる...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

ヘッダーを2段にする方法 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/05/28 21:15:07
PIAA 【欧州車 車種専用設定】SILENCIO X TRM SILICONE 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/12/29 14:15:34
PIAA 輸入車対応超強力シリコート ワイパー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/12/29 14:15:19

愛車一覧

ヤマハ YZ250FX ヤマハ YZ250FX
レーサーを認定登録です。保安部品を装着し、リヤサスのリンク変更でシート高をさげました。減 ...
メルセデスAMG Aクラス メルセデスAMG Aクラス
19年近く乗ったWRX-STIからの乗換えです。小型、高出力、AWDで気に入る車が出るの ...
スズキ ジムニー スズキ ジムニー
初めて所有するSUVです。 主に通勤に使い、山歩きや写真撮影(風景・天体)に活用していま ...
ホンダ リード125 ホンダ リード125
山歩きや日帰りツーリングに使っています。燃費もよく積載量が多くて便利です。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation