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2021年11月01日 イイね!

10月後半の星撮り --- 旬な銀河と星雲。

10月後半の星撮り --- 旬な銀河と星雲。10月後半は月が明るくなる時期ですが、天候は前半より恵まれていて、
銀河や星雲を撮影することができました。

タイトル画像はその成果ではなく、ボツ作品です。
これを撮影したのは満月の3日後の23日夜で、自宅の玄関横で行なった天体
撮影ソフト(N.I.N.A.)と新しいPC用のバッテリのテストの対象でした。
前回のテスト(8/28)では、手持ちの20000mAhのUSB-PDで45W出力の
ものを使ったのですが、SS=420sを30枚撮ったところで、燃料切れでした。
その後、45WのUSB-PD出力があり、容量が倍の40200mAhのバッテリを
購入。
今回は望遠鏡のフォーカス・ノブに取り付けたモーターによるオートフォーカス
もテストするため、小型の18W USB-PD 10000mAhのバッテリから12Vを
取り出します。
赤道儀はDCジャックのついた12Vバッテリで駆動。撮影カメラ、ガイドカメラ、パソコンを新しいバッテリが面倒見ます。

AFも子午線越え(対象が子午線を越えるときに赤道儀が180度反転すること)も
上手くできて全自動撮影で70枚が撮れたのですが、ヒーターで追いつかないほど
夜露が降りてしまい、使えそうな30枚を合成したのがタイトル画像です。

本題に戻って天体撮影ですが、後半最初は15日の夜でした。
この日は今月で最もシーイングが良く、月をライブビューで拡大した時の揺らぎが小さめでした。
上弦の月から2日後になります。
Moon_2021.10.15

ついでに土星も。前回(6日)よりも出来が良いです。
惑星は拡大倍率が、銀河や星雲よりずっと大きいので、出来はシーイング次第です。
Saturn_2021.10.15

この夜、ドームでは焦点距離2000mmである銀河を撮影し、土星の後、玄関横では焦点距離450mmの屈折鏡に、
Z 6IIを取り付けてカリフォルニア星雲を撮りました。
明るい星雲なので、通常のカメラでもしっかり写すことができます。カメラレンズですばる(プレアデス星団)と
一緒に撮ることもできます。すばるの左の方にあるので、一度トライしてみてください。
QBP-IIフィルタを使い、ISO1600、SS=360sを40枚撮って合成しました。
NGC1499_2021.10.15

星雲の構造まで見えてしまうと、炎かナメクジのように見えます。

さて、これと並行してドームで撮影していたのは、きりん座というマイナーな星座にあるIC342というフェイスオン銀河です。
距離は1000万光年弱と、M101の半分以下なので実際の大きさはM101よりかなり小さい銀河。
SS=420sを3日かけて150枚ほど撮影し、100枚を合成しました。
IC342_2021.10.15

よく見かける銀河の写真は、大抵、背景の星がこれほどゴチャゴチャしていませんが、この銀河は天の川銀河面に近いので、
前景の星やダストが多く、とても淡い銀河です。銀河は宇宙全体にほぼ一様に分布しているので、天の川銀河面方向にも
あるのですが、天の川銀河で隠れていたり、この銀河のように見えにくかったりでメジャーではありません。

最後はタイトル画像のアンドロメダ銀河のテスト撮影と並行して撮影を始めた星雲です。
シーイングが悪い日が続くので、焦点距離を2000mmから585mmにして明るめの星雲を撮りました。
カシオペア座の「ハート星雲」(IC1805)です。この光学系で撮るのは初めてになります。月明かりがあるので、
デュアルナローバンド・フィルタ(L-eXtreme)を使い、4晩かけてSS=480sを200枚強撮影しましたが、使えたのは
約半分。合成して処理すると、これまででベストな画像に仕上がりました。
IC1805_2021.10.25

ここまで寄ると暗黒帯や赤い星雲がうねっている部分まで見えるので、「ギザギザハート」ですね(古いか?)。

この星雲を撮った夜では25日がシーイングが安定していました。
その時のガイドの様子が下の図です。


今回は光学系の焦点距離が短く明るいので、2000mm F8の反射鏡よりもガイドは安定しています。
オフアキシスガイダーといって、撮影カメラとその直前のガイドカメラが光学系を共有する方法を取っています。
撮影カメラ(ASI6200MC Pro)のピクセルピッチが3.76um(micron)、ガイドカメラ(ASI174MM)が5.86mmなので、
0.6px以下のガイドエラーが目標になります。この例では0.3px以下なので十分許容範囲です。

赤道儀の調子も戻って、撮影したい天体があるのですが、スッキリ晴れません。
雲が出ない夜に出動して広く星空も撮ってみたいですね。
Posted at 2021/11/01 20:20:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | 星・月 | 趣味
2021年10月17日 イイね!

赤道儀のベアリング交換。

赤道儀のベアリング交換。今月の初めにした作業についてのお話です。
車ネタや星撮りネタではありませんが、忘備録代わりにブログとして残して
おこうと思います。

現在メインで使っている赤道儀は2016年の夏に個人輸入で購入したものです。
当時は車に機材を積んでの出動ばかりでしたので、積載重量が大きく、
本体は軽く、精度の高いものを探して、国内に代理店は無いがサポートの
しっかりしているメーカーのものを選択しました。
去年の梅雨時に、最初のオーバーホールをしたのですが、その際もギヤボックス
の外し方やグリースの選択など、メーカーの担当者からメールとファイルで
丁寧に教えてもらいました。
その時以来、調子は良かったのですが、最近ちょっとした異常を見つけました。

長時間の追尾撮影をするときは、オートガイドといって撮影用と別のガイド
カメラで星の動きを見張って、ズレると赤道儀に補正信号を送ります。
私が使う最長焦点距離は今は2000mmで、それをフルサイズ、6200万画素のカメラで使うと、一画素あたりの視野角は
0.39"(1"角=1度の3600分の1)で、ガイドエラーはこれと同程度以下を目標にします。
ただ、空気の揺らぎが大きいときは星像が揺らぐので中々この目標を達成できません。望遠鏡の焦点距離に
反比例して視野角は狭くなるので、そういうときは短めの望遠鏡で撮影します。

ガイドソフト(PHD2)が星像のプロフィールやガイドエラーを表示するので、それを参考に機材や対象を
選びます。今月の初めにM33銀河を焦点距離1500mmで撮った時、シーイングは良くなくてガイドエラーが
大きめだったのですが、赤経方向(地球の自転軸と同じ方向)のエラーが赤緯方向の3〜4倍と異常な数値でした。
翌日に赤経周りのガタを調べるために、ウェイトシャフトの端に左右に力を加えても、ガタは一切ありません。

ここで赤道儀の動力伝達(トランスミッション)について書いておきます。
メーカーにより違いはありますが、基本的にはモーターの回転を適当に減速しつつ、赤経軸を地球の自転速度で回転させます。
赤経軸のギヤボックスのカバーを開けて、ギヤを1つ外した状態です。

下の図のように、一番右にある小ギヤがモーターのシャフトに取り付けられていて、白いプラスチックのギヤ、
手前の大きなギヤ、一番左のギヤへと動力が伝わります。


下の写真はギヤボックスを取り外したところ。らせん状のギヤがついたシャフトがウォームシャフトで、左側にモーター
からのギヤが並んでいて、上記の最後のギヤはこのシャフトの左端に固定されています。


ギヤボックスが赤道儀本体に取り付けられているときは、その内部のスプリングによって、ウォームシャフトのギヤが
下の写真のウォームホイールに適度な力で圧着されるようになっています。


このウォームホイールは外径60mmのシャフトに固定されていて、シャフトは大きなベアリングを介して
CNC削り出しの赤道儀本体に取り付けられています。
このように構造は単純ですが、求められる回転精度が非常に高いので、僅かなガタでも撮影に影響します。

今回は赤経・赤緯両側のギヤボックスを取り外し、それぞれの2つの金属製のギヤの回転部分を手で回して、
回転の滑らかさを比較して、今回の異常の原因を突き止めました。

ギヤが噛み合っている状態では気づきにくいのですが、一番手前のギヤを外してウォームシャフトを回すと、
赤経側だけがザラつく感じがします。「これだ!」と思いましたが、ベアリングがギヤボックスに隠れているので、
ウォームシャフトのギヤも外して、シャフトを取り出して確認しました。
シャフトの両側には2つのベアリングが付いているのですが、赤経側だけが赤褐色の汁にまみれています。
オイルではなく水のようで錆びが浮いたようです。出動していた際に、何度かひどい夜露に濡らしたり、霜が降りたりして、
鏡筒に隠れにくい赤経側で内部に水分が入ったのか、気温の急激な変化による結露かで、ベアリングに水分が侵入した
のが原因かと思います。

ベアリングを交換するために、まずは外しますが、プーラーは自転車やバイクのホイール用のもの(下図左)しか
持たないので、Amazonで800円ほどの右のものを発注。


取り外したベアリングの外径、穴径、厚みを測って、メーカーにベアリングの仕様を確認のメールを出しました。


時差があるのですが返事は翌日に。このメーカーの赤道儀のネジは全てインチネジで、ベアリングもインチ規格だと
入手が面倒かと思ったのですが、上の写真のように外径は26mm、穴径は10mmだったので大丈夫だろうとの
期待通りの「6000 ZZ C3」との回答。タイトル画像はその新品のパッケージです。
6000は大きさの規格で、ZZは金属の両側非接触カバー、C3は隙間の規格です。
担当者の話では、最近は金属製のカバーがついたZZベアリングを選んでいるとか。
発注前に色々と調べていると、「K5」と型番に付くものがあり、どうやらグリスが違うようで、K5の方がエステル系の
グリスで対応する温度範囲が広く良質だとか。値段は変わらなかったので、K5を発注し、2日後に到着。
1個260円程度で送料無料。4個注文しておきました。

取り付け前に古いベアリングを清掃し、新品とガタを比べてみると、古い方はラジアルとアキシャル(軸)の
どちらの方向もガタが大きいのですが、特にアキシャル方向のガタがかなり大きくなっていました。


ベアリングのインナーレース(内側の金属枠)でシャフトを受けて、アウターレースはギヤボックスに固定されます。
ギヤボックスには、ギヤがあるのと反対側にベアリングのアウターを抑えるボルトがあります。「ボルト」と言っても、中央に
シャフトを逃がすための穴が空いていてリング状なので、ナットのようです。
どの方向にもガタが無く、滑らかに動くようにベアリングを抑える圧をピンスパナで調整します。


調整後はガタは無く非常に滑らかにギヤが回ります。手で触って分かるくらいのガタがあったので、精度も悪くなる訳です。
赤緯側は今の所問題無いので交換しませんでしたが、次のメンテの時にでも交換しようと思います。

さて、ベアリング交換前後の赤道儀のパフォーマンスを比較するためにガイドソフト(PHD2)が残したログを
グラフにしてみます。
まずは前回の星撮りブログで紹介したM33の撮影中(焦点距離1500mm)のガイドグラフです。
青い線がガイド星の赤経方向の動き、赤い線が赤緯方向の動きを表します。
縦軸の最大値が8"で、赤経方向の平均エラーが2.06"、赤緯方向は0.61"です。
これだけ両方向の差が大きいと星像が全画面で伸びてしまいます。
グレーの網掛け部分は、ditherといって望遠鏡の方向を少しだけずらす動作です。これにより、撮影した画像の
輝点ノイズの位置がズレて合成する際に平均化されて薄くなります。


次にベアリング交換後でNGC891を撮った時(焦点距離2000mm)のもの。
縦軸のスケールは上の図の半分の4"で、平均(RMS)ガイドエラーは赤経方向は0.28"、赤緯方向は0.29"です。
シーイングが良好でなくて途中でガイド星を何度かロストしていますが、ほぼ目標の追尾精度を達成できています。


ベアリングの交換は自転車やバイクで経験がある人だったら同程度の難易度です。
精度を出すために調整はシビアですが、自転車のハブやペダルのカップ&コーン式の玉押し調整に比べると簡単です。
どちらもガタが無いように締めることと、滑らかに動くように緩めることの間のベストを探る作業です。

最初は、それまでに使ってきた中華製赤道儀と比べると高い買い物かと思いましたが、基本性能は格段上で、メンテすることで
その新品の時の精度を保って長期間使えるので、結果的には良い買い物だったと思います。
世界中で20年以上使っているユーザーがいるのも納得です。
今後も定期的にメンテして、満足できる天体写真を撮れるようにしたいと思います。
Posted at 2021/10/17 20:04:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | 星・月 | 趣味
2021年10月16日 イイね!

10月前半の星撮り --- 惑星と秋の銀河シーズン。

10月前半の星撮り --- 惑星と秋の銀河シーズン。秋雨が続き湿度の高かった先月と打って変わって晴れの日が多い10月でした。
ただ、山歩きの時の写真のように、晴れていても低空が霞んでいたり、風が
強かったりでシーイングはこの時期としては悪い方です。
今の時期は、木星・土星が良い時間帯(20〜21時)に見える時期でもあり、
秋の銀河が観測しやすい時期でもあります。

タイトル画像は上弦の月の翌日である14日の夜に、玄関前で月と土星が
接近したところを撮ったものです。
月のすぐ右上の明るい星が土星、少し離れた左上の星が木星です。

まずはその惑星から。
14日の夜も含めて、タイトル画像の機材(焦点距離900mmの屈折鏡に
2倍と4倍の拡大レンズ、惑星用CMOSカメラ-ASI462MC)で3回撮りました
が、8月ほど条件の良い時はなくて、どれも今ひとつでした。
惑星は倍率を上げて拡大して撮影するので大気の揺らぎの影響が大きく、
常に揺らいでいます。そのため、動画で数千枚を撮影し、ソフト(AutoStakkert)
で質の良いものを1000枚程度選んで合成します。
3回のうちで最もマシだった6日の土星です。
まず、その夜の土星の様子を30秒の動画で。


その動画から合成しただけの画像。


これを画像処理すると...


少しは土星らしくなりました。

その夜は同じ機材で木星も撮影しました。土星と同様に処理した後の画像です。



ニコンのZマウントレンズのテストで秋の天の川を撮影しました。
まだズームレンズと105mmマクロしか持っていませんが、これまで幾つか撮影して実感したように、ズームレンズの
絞り開放で、色収差やコマフレアが殆ど無くて周辺の星像までほぼ点になっているという従来では考えられなかった
性能です。
はくちょう座からケフェウス座の散光星雲を入れて、70-200mm F2.8ズームレンズの85mm開放でZ6II、ISO800、
SS=300sを25枚撮って合成しました。
Cygnus-Cepheus_2021.10.01

Fマウントの85mm F1.8GレンズをF2.8まで絞った時より写りは良いですね。
レフ機では星撮りを目的に単焦点レンズを幾つか買ったのですが、Zマウントではズームで行けますね。

上の写真にはこれまで撮影した星雲が幾つか写っています。その名称を入れてみました。


これからの季節は、ケフェウス座から更に北にあるカシオペア座周辺の星雲が対象になるでしょう。
更に天の川を上る(下る?)と冬の代表的な星座であるオリオン座に至ります。
星撮りをするようになってから、星空や撮影の対象で季節を感じるようになりました。

さて、次のズームレンズのテストとして標準ズームである24-70mm F2.8を自宅の敷地内で試しました。
まだ低かったのでシーイングは良くなかったのですが、カシオペア座を。
テレ端の70mm F2.8で、Z6II、ISO800、SS=180sを30枚。
Cassiopeia_2021.10.09

この構図には、ハート星雲・ソウル星雲とパックマン星雲が写っています。
これらの星雲は機会があれば近いうちに撮りたいと思います。

最後にドームの長焦点の反射鏡で撮影した秋の銀河です。
8月末に撮影した、かの有名なアンドロメダ銀河と同程度の距離にあり、天の川銀河とも互いに重力を及ぼしあって
いる局所銀河群を形成する「さんかく座銀河」(M33)です。
綺麗な渦巻き状の銀河面が特徴の銀河です。
焦点距離2000mm F8をレデューサで1500mm F6にして、ふた晩かけて100枚程度撮って合成しました。
M33_2021.10.06

実のこの写真は失敗作で、シーイングが良くないこともあったのですが、ガイドエラーが大きく、特に赤経方向が
赤緯方向のエラーの数倍あり、拡大すると星が伸びています。赤道儀のメカニカルな問題があったの原因で、
それについては別の機会にでも。その後、バラしてメーカーともメールのやり取りをして一部のパーツを交換して
ほぼ新品の状態に戻りました。

この修理の後に撮ったのは、2700万光年の彼方にあるアンドロメダ座のエッジオン銀河(NGC891)です。
フルサイズのセンサーで撮ったのですが、小さい銀河なのでAPS-Cサイズにクロップしています。
NGC891_2021.10.09_cropped

画像処理をしていると、元の画像には多数の小さな銀河が写っていることがわかりました。
画像処理ソフトのPixInsightの機能に、画像に含まれる天体の位置(天体名を入れるとネットから座標を取得)や、
カメラのピクセルサイズと望遠鏡の焦点距離を入れるとネット上のカタログと照合して、正確な座標を割り出します。
更に天体名やカタログ名を入れる機能もあり、この2つを連続して実行すると下の写真のようになります。
クロップ前の画像にNGC、PGCといった銀河のカタログ名を入れたものです。
NGC891_2021.10.09_Annotated

天体カタログとしては「メシア」(アンドロメダ銀河のM31やM78星雲など)が有名で、その他にNGC、IC、PGC
などが使われます。銀河の集団である銀河団には、エイベル(Abell)というカタログがあります。
上の写真には多数の小さな銀河が写っていて、中央の銀河の下の方にはAbell 347という2億4000万光年彼方の
銀河団があります。私が使っている素人用の望遠鏡では2〜3億光年の銀河団を捉えるのが精一杯で、これだけ離れると
焦点距離2000mmでも「広角」扱いですね。まだ地球上に人類が歩いていなかった時に放たれた光を見られるだけでも
ロマンを感じます。

最後にタイトル画像のように月と惑星の接近が10月10日にもありました。
こちらは沈みかけた金星に近づいたものです。この日は曇っていましたが金星が沈む少し前に雲が切れだして、
三脚と70-200mmレンズをつけたZ7を自宅の北側に設置して撮りました。
焦点距離125mmで、地上の木々を入れる構図にしました。
月、金星、アンタレス

月齢3.6日の細い月の右下に見える明るいオレンジ色の星が金星です。
月の下の方、やや左にある星がさそり座のアンタレスです。

今月はすでに上弦の月を過ぎたので暗い天体には向きませんが、今月の後半は明るめの天体を撮ったり、機材テストを
しようと思います。
Posted at 2021/10/16 14:20:32 | コメント(2) | トラックバック(0) | 星・月 | 趣味
2021年10月05日 イイね!

9月の星撮り --- 例年になく不作でした。

9月の星撮り --- 例年になく不作でした。5月以降、6ヶ月連続で新月期の天気が悪い日が続いています。
星撮りを始めてこんなに出動機会が少ないのも初めてです。

タイトル画像は前回の星撮りブログであげた「象の鼻星雲」の写真です。
初めてN.I.N.A.という天体撮影ソフトとZ 6II(改造機)のテストがてら自宅で
撮影したものでした。
9月も機材テストや試し撮りばかりでした。

9月8日は途中で曇る予報でしたので、Z 6IIとカメラレンズ、しかもズームレンズ
でどれだけ撮れるのかのテストをしました。
これまで、ニコンのZマウントの14-24mm F2.8S、24-70mm F2.8Sの
開放が使い物になることを確かめてきました。
特に広角になる程、コマフレアといって周辺の星像が羽を広げた鳥のように
円周方向に沿って伸びる現象が起こるのですが、14-24mmは広角端・開放でも
ほとんど見られない優れたレンズです。

今回は70-200mm F2.8Sのテレ端・開放を試しました。
対象ははくちょう座の「サドル」(十字に並ぶ星の中心)周辺の星雲(IC1318)です。

下の画像は200mm開放でテスト撮影した写真をLightroomで開いてレンズ補正を切った時のスクリーンショットです。


星空を撮ったことのある方なら見られたことがあると思いますが、星の周りが紫や緑に着色することがあります。
これが色収差で絞る(レンズの周辺からの光を減らす)と改善することがありますし、Lightroomではレンズプロフィールを使うか、手動でこの色収差を低減できます。開放がF1.4やF1.8のレンズでも
コマフレアや色収差を抑えるためにF2.8以上に絞ることもあるので、ZマウントのF2.8ズームは、開放(F2.8)の素の状態で
これなのでかなり優秀だと思います。
他メーカーのミラーレス用レンズは試したことありませんが、最近の大径マウントのレンズはこんな感じなのでしょうか。

今回は30枚セットしていましたが、途中で夜露が酷くなって13枚しか使えませんでした。合成すると下のようになります。
IC1318_2021.09.08

その翌日、翌々日は晴れる時間帯が長かったので、タイトル画像の星雲の中の「象の鼻」の部分をアップで。
これまでで最大の2000mmの焦点距離で撮りました。
ElephantTrunk_2021.09.09

象の頭の暗い部分では星が活発に形成されています。比較的長時間、地平線の上にあって観測できるので、
天体屋さんの研究対象にもなっています。
9月のまともな天体写真はこれだけでした。

最後に、月が明るい24日にはくちょう座の「まゆ星雲」(IC5146)を撮りました。この星雲から暗黒帯が続いている
ので、それが入るような構図にしました。
赤い水素の光を出す輝線星雲とその周りの淡く青白い反射星雲が組み合わされた星雲ですが、反射星雲の部分は
露出不足で写りませんでした。上の象の鼻星雲と同じ機材を使いましたが、シーイングが悪くガイドも不安定でした。
IC5146_2021.09.24

今現在(10/5 20:00)、自宅で天体撮影をしているのですが、晴れているものの見える星の数が少なく、
ガイドグラフがギザギザと安定していません。
今月の星撮りでは成果が出ることを祈ります。
Posted at 2021/10/05 20:02:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | 星・月 | 趣味
2021年09月03日 イイね!

8月後半の星撮り --- 自宅で惑星と機材テスト。

8月後半の星撮り --- 自宅で惑星と機材テスト。8月後半は、先に上げた8月30日のブログのように、出動したものの天体撮影
できずに雲が広がるタイムラプス動画の元となる写真を撮っただけでした。

その前の27〜29日も雲が多い夜でした。中でも28日がベストで、タイトル画像
は自宅の玄関前で土星を撮影している時の様子です。
望遠鏡は赤道儀の西側で水平に近いので、土星が正中(南中)する少し前に
なります。
望遠鏡の上辺りに天の川のいて座がきています。
南西の方角は街明かりがありますが、肉眼でも薄っすらと見えるので、こんな
構図を取ることができます。


さて、本題に戻って27日の夜の話から。
この夜は北から天頂付近に晴れ間が見えたので、ポタ赤での撮影をしました。
玄関の横(北)に三脚を設置して、Z 6II(HKIR改造)を載せました。
Zマウントのレンズは、まだズームレンズしか持っていませんが、広角ズームが
優秀だったので、この時は24-70mm F2.8を試しました。
はくちょう座の中央部がいっぱいになるように50mmにします。
ISO800、開放、SS=180sで撮りました。開放でも周辺部の星にコマフレアが見られません。単焦点50mmでもコマを
減らすのに絞ることを考えると、このズームレンズで十分ですね。
Cygnus_2021.08.27

翌28日は日没から木星が見えていました。
今年初の惑星撮影をしようと、玄関前に中型赤道儀(iEQ45Pro)を設置し、焦点距離900mmの屈折鏡を載せます。
去年までは望遠鏡に純正の1.5倍エクステンダーとサードパーティの4倍拡大レンズで撮っていましたが、
今回はTeleVueの2倍と4倍の拡大レンズを連装で使ってみました。それにZWO ASI462MCという1/3"という小さな
カラーCMOSセンサーのカメラを使って動画撮影しました。
まずは木星から。8000枚の動画から3000枚を合成して処理しました。
Jupiter_2021.08.28

気流が安定していたので縞模様がよく見えます。
次に土星を導入します。木星に比べて暗いのでゲインを上げて同じ枚数を。
全天が腫れているわけではなかったのですが、シーイングは良くて揺らぎが小さく土星らしい写真になりました。
Saturn_2021.08.28

この夜は、ドームで銀河を撮影していた他、玄関横で小型赤道儀(EM-11)を使った機材テストをしていました。
出動する時はM-GENというスタンドアロン(PC不要)のオートガイダーを使っていますが、ドームでの撮影と同様、
Windows PC上のN.I.N.A.というソフトを使ってZ 6IIで撮影するテストです。
使ったのは焦点距離450mmの屈折鏡(FSQ85ED)に100mmのガイド鏡。
INDIと同様、N.I.N.A.ではカメラ、赤道儀、オートガイダー、フォーカスの制御はもちろん、プレートソルブといって、
カメラから取り込んだ画像を天体のカタログと照合して対象をフレームの中央に導入できます。
INDIはカメラの制御にghotoというLinuxのフリーソフトを使いますが、N.I.N.A.はニコンのSDKを使っているため、
市販のデジイチにはこちらの方が良いかと思います。
今回はもう1系統電源が必要なフォーカサーは制御せずにMFで合わせておいて、赤道儀とガイドカメラをUSBハブ経由で
ノートPC(Thinkpad X1C Gen6)に繋ぎ、カメラはダイレクトにUSB-Cケーブルでつなぎます。このケーブルで
給電もされているので、必要な電源は赤道儀に12V DCとPC用にUSB-PD 45W出力のできるモバイルバッテリでした。
このセットアップでケフェウス座の「象の鼻星雲」をQBP-IIフィルタを使い、ISO1600、SS=420sで30枚撮影しました。
実は40枚セットしていましたが、PC本体+20000mAhのバッテリが空になっていました。
IC1396_2021.08.28

この夜は湿度が高かったため、終わった時には鏡筒もカメラも夜露でグッショリでした。
子午線越えの望遠鏡の反転と、その後のプレートソルブもできて、テストとは成功。一晩通して使うには
もっと容量が大きなバッテリが必要なことも判りました。


そして最後は28、29日の二晩かけて撮影したかの有名な「アンドロメダ銀河」です。29日が下弦の月でした。
いつもは上の惑星を撮影するのに使った屈折鏡に純正レデューサを使って焦点距離635mmで撮っていました。
今回は昨年末に入手した焦点距離780mmの屈折鏡に0.75倍レデューサで585mmと少しだけ広く撮りました。
また、夜半過ぎには月が出るので光害カットフィルタのL-Proも初の使用。
SS=480sをセットして100以上は撮ったのですが、薄雲が横切る時にコントラストが低下して星が肥大化しており、
甘い基準で64枚を抽出して合成しました。
M31_2021.08.29

1枚当たりの露光時間をかけたので外縁部の淡い部分が撮影できました。
アンドロメダ銀河は10月になると0時頃に正中(子午線を通過)するので、機会があればその時期に撮り直したいと
思います。

天気次第ですが、来週の新月前後には1度くらいは出動したいものです。
Posted at 2021/09/03 19:38:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | 星・月 | 趣味

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初めて所有するSUVです。 主に通勤に使い、山歩きや写真撮影(風景・天体)に活用していま ...
ホンダ リード125 ホンダ リード125
山歩きや日帰りツーリングに使っています。燃費もよく積載量が多くて便利です。
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