
少し間が空いてしまいましたが、12月6-7日の晩の星撮りの続きです。
この夜は11時過ぎに月が沈むまでは、月を眺めたり、長い屈折鏡で
かに星雲を撮ったりしていて、月没後はポタ赤に広角レンズを付けた
D5200でオリオン座周辺を、小型赤道儀に300mmレンズを付けた
D810Aでその近くの星雲を、そして中型赤道儀には借物の屈折鏡
(焦点距離980mm)にD5300を付けて載せていました。
時間が短いので3台フル稼働でした。
広角レンズの写真は前回のブログに載せていますが、今回ご紹介する
天体がそこに写っていますので、復習がてら再掲します。
この画像の大き目の四角の中の天体を300mmレンズ+D810Aで、小さい四角の天体は望遠鏡+D5300で撮っていました。
まず、最も左にある黄色の四角の中の天体です。
この四角の右下コーナーのすぐ下には、以前紹介したばら星雲があります。
ここにある天体は、前に望遠鏡のレデューサーのテストで撮っていたコーン星雲とクリスマスツリー星団です。
300mmのレンズで、ISO1600、F3.5、SS=360sを11枚撮って合成しました。
中央左寄り、右斜め下に伸びている赤い星雲の先っぽが「コーン星雲」、その途中の白くなっている辺りがクリスマスツリー星団です。
この赤い星雲全体がクリスマスツリーのように見えます。拡大して角度をそれらしくしてみました。
冬は薄く見える天の川でも、星が密集している場所だけに大変多くの星が写り込んでいます。
何とかクリスマスに間に合いましたが、ツリーに見えますでしょうか?
さて、お次はオリオン座の左下コーナーの明るい星、リゲルの右にある淡い星雲です。
こちらは星の放射線で電離した赤い散光星雲(輝線星雲と呼ばれます)と異なり、星の明かりを反射しているだけの反射星雲で
輝線星雲に比べてかなり暗くなります。
300mmのレンズで、ISO1600、F3.5、SS=360sを9枚撮って合成しました。
「魔女の横顔星雲」とよばれていますので、天地を逆にして、それとわかるようにしました。
リゲルを見つめる魔女に見えますか?
オリオン座周辺の天体の最後は、焦点距離980mm、F7の屈折鏡に0.75倍のレデューサーを取り付けてD5300で
馬頭星雲を撮りました。
自分が所有する大型のレデューサーに不具合があり、本国送還になったので、鏡筒メーカーの小型のレデューサー(借物)を
使います。周辺減光があるのでセンサーが小型のD5300を使ったため、私が撮った中では最大のお馬さんになります。
お馬さんが見つめる先には、オリオン座三つ星の最も左(東)にあるアルニタクという星があります。その下には燃木星雲。
1500光年の彼方にあり、赤い輝線星雲を背景に暗黒星雲が馬の頭の形になっています。
夜中の2時を過ぎていて、朝から仕事なので撤収しようとも思いましたが、久々の晴れの天気なのでもう1つと欲張りました。
秋以降、アンドロメダ銀河(M31)やさんかく座銀河(M33)といった天の川銀河と局所銀河群を形成する近い(といっても距離は
250万光年)銀河を撮ってきましたが、冬から春にかけて見られる銀河がそろそろ昇ってきます。
今回は、発見者の名をとってボーデの銀河と呼ばれる2つの銀河を導入しました。
1200万光年の距離にあり、北斗七星(おおぐま座)の柄杓の先の方にあるM81とM82という2つの銀河です。
ISO800、SS=420sを6枚撮ったところで風が強くなり、そこで撮影は終わりました。
右の渦巻き銀河がM81、左は葉巻銀河と呼ばれるM82です。
M82はM81の強い重力を受けて形が歪んでいて、現在は中心部からスターバーストという電離した水素ガスの噴出が
見られます。上の写真にも葉巻の中央部から垂直方向に赤いガスが写っています。
まだまだ見たことのない天体は無数にあるので、少しずつでも画像に残したいと思います。
Posted at 2016/12/20 22:02:19 | |
トラックバック(0) |
星・月 | 趣味