
1月末の新月期はまだ1度しか出動機会が無く、
2月4日の上弦の月までにもう1度は行きたいと思って
いたところ、2月1、2日が連続して「星空指数」100の予報。
望遠鏡とカメラ以外の機材を車に積んで待機していました。
1日は夕方から予報を信じていつものダムまで出かけましたが、
雲が広がり、北極星や月までもが隠れてしまって、ドライブしただけで
帰宅。
翌2日は、快晴で気温も高めだったので、登山口まで行こうと家を
出ましたが、山に入ると風が強かったので、前夜と同じ場所で機材を
広げて準備しました。
ところが、その場所でも風が大変強く、小型赤道儀は諦めて、
とりあえず中型赤道儀を設置して口径10インチ、焦点距離1000mmの
ニュートン型反射望遠鏡を載せます。前回は、光軸が大きくずれていて現地で完全に修復できずにまともな写真は
撮れなかったので、今回は屋内でおおよそ光軸を合わせて最初にシリウスで微調整します。
風が収まる様子はないし、月が明るかったので、お目当の星雲を撮る前に月を撮りました
タイトル画像は月齢5.1日、半月の2晩前の月です。
この時、月をライブビューで見ていると気流による揺らぎより大きな振幅で画像が揺れています。
月を撮る時はシャッタースピードが速いので(タイトル画像は、1/125s)で目立ちませんが、数分間開けておく
天体撮影は出来そうもない条件です。
車を風除けにしますが、車は小さいし、風向も定まらず、あまり改善しません。
風の様子見の間、反射鏡の補正レンズのバックフォーカスを調整したりして時間をつぶします。
月がかなり低くなってきたところで、試しに明るい天体を撮ってみることにしました。
冬の定番、オリオン座のオリオン大星雲(M42)です。
この反射鏡で撮るのは初めてなのですが、F4と明るい望遠鏡なのでISOを上げずにISO200で撮ることにします。
いつもはISO800で6、7分、背景の分子雲まで撮りたい時はさらにSSを長くします。今回は、光害カットフィルタを付けて
SS=12分で。6枚ほど撮りましたが、1枚を除いて、風の影響で星像が伸びてしまったので、合成せずにJPEGに出しました。
等倍で見ると星は丸くないのですが、12分間でも風の影響が少なく、この夜の「奇跡の1枚」でした。
どれだけ風の影響があるかの参考のために、同じSS=12分のショットを比較します。
左の画像でもボツにするレベルなのですが、低ISOでもこの反射鏡ならこのくらいは撮れるということが
わかっただけでも収穫があったと思うことにします。さすがにISO200だとノイズが少なく、一晩かけてM42を
撮れば、かなり良い画像になりそうです。
月が沈む頃から、ポタ赤を三脚に載せて、35mmレンズを付けたD5300を取り付けます。
前回撮ったオリオン座から、その東を流れる冬の銀河の上の方まで撮ろうと構図を決めてタイマーをセット。
ISO800、F2.8、SS=360の設定で10枚撮りました。広角レンズなので風の影響は少ないかと思いきや、
等倍で見ると星がかなりブレています。
レンズを25mmにして、同じ露出設定で天の川の上の方まで撮ってみました。
処理した画像に、天体の名前を入れています。
冬は天の川が薄いので(地球の夜側が銀河の外を向くので)、夏ほどパッとしませんが、星雲や星団が
多く賑やかなところです。M35〜38は全て散開星団ですし、赤い散光星雲も幾つか写っています。
M35の右の方には、M1(かに星雲)もあります。
通常でしたら、この強風下では諦めて平地に移動するところですが、暗い天体を撮りたかったので、
風が弱くなることを期待して続けることにしました。
この夜の本命は、初めて撮る暗い天体でした。
その天体とは、上の画像のマゼンタ色の点線の円で囲んだところにある星雲です。
5000光年の距離にあり、12等級という暗い星雲で、超新星爆発の残骸です。
D810Aに光害カットフィルタを付け、ISO1600、SS=12分を9枚撮り、ブレの少ない3枚を合成しました。
この星雲、その形から「〇〇星雲」と呼ばれていますが、何と言うのか分かりますでしょうか?
答えは画像の下にあります。
そう、「くらげ星雲」と呼ばれています。
次の新月期は月末ですが、その時にチャンスがあれば、ちゃんと撮ってみたいと思います。
夜半過ぎには北東の空に北斗七星が昇ってきました。
柄杓の柄の下端(アルカイドという星)が地平線の上に出てくると、その周辺にある銀河が見えてきます。
風が強い時に長焦点の撮影は無謀なのですが、テストがてら、ポタ赤での撮影が終わったD5300を反射鏡に
取り付けて、フルサイズで1500mm相当の画角にします。
狙ったのは、今シーズン初の子持ち銀河(M51)です。
光害カットフィルタを入れて、ISO800、SS=360sを7枚撮って、少しブレていますが5枚を合成。
銀河はこれから春にかけて撮る機会がまたあるので、その時にしっかり撮りたいと思います。
1月末から2月頭にかけての新月期は、収穫少なめでしたが、初物を撮ってみて勉強になりました。
次の星撮りは月末以降で、少しは気温が高くなっていることを期待します。