
台風21号、および、北海道での地震の被害に遭われた方にはお見舞い
申し上げます。
九州では2年前から地震や大雨の被害が続いて、今年7月も大雨になり
ました。近年はあちこちで自然の猛威が感じられます。
今年の夏は天候不順で例年より星撮りの出動機会が少なくなっています。
今月は10日が新月でその前後の1週間が星雲や銀河を撮る好機ですが、
先の強い台風の後、秋雨の時期なのか、明日から来週にかけて雨の
予報です。
その少ないチャンスを活かそうと、台風が最接近する前の夜に天山登山口
まで行ってきました。その日の夕方は晴れていましたが、GPVでは夜半過ぎ
から曇りそうな天気でした。
いつもは赤道儀に望遠鏡を設置してから、小型赤道儀、ポタ赤という順番で準備を始めて撮影に入るのですが、既に
西の空に雲が見えたので、影響を受けやすい広い画角の写真を撮るためにポタ赤から準備を始めました。
タイトル画像は雲が広がって中止する前の1カットです。
夏の大三角が写っていて、低いところにあるベガ(織姫星)に雲がかかって滲んでいます。
この時刻が23:56でした。
赤道儀に載せた望遠鏡では、火星を撮ろうといつものようにアイピースを入れた拡大撮影をしようとしましたが、
今シーズン最悪のシーイングだった前回よりも悪く、その時よりも拡大率を下げました。
前回も台風が接近中でしたが、今回の方が台風の勢力が段違いに強いためか、倍率を下げても像がユラユラです。
動画で8000枚を撮ってソフトで抽出した6000枚を合成しました。
1枚1枚は球形を保っていませんが、何とか丸くなって模様も見えてきました。折角火星が近づいているのになかなか
良い絵が撮れません。
小型赤道儀の方は短い屈折鏡を雲が少なかった天頂付近に向けて、今シーズン初の北アメリカ星雲を撮っていました。
こちらも途中で雲がかかって枚数不足です。天体改造したD810で、ISO800、SS=360sで撮った20枚を合成しました。
北アメリカ大陸のような赤い星雲とその右下にペリカン星雲が写っています。
はくちょう座のデネブの近くで、天の川の中の星が多い領域なので、無数の星が写り込んでいます。
火星の撮影が終わった望遠鏡ではアイピースを外してD5300を取り付けます。
この頃、風が弱くなり、雲が少なめだった銀河を撮ろうと東の高い空にあった「さんかく座銀河」(M33)を導入します。
20枚ほど撮る予定でしたが、途中で雲がでてきてその半分で終了です。その10枚を合成しました。
アンドロメダ銀河とほぼ同じ距離(250万光年ほど)離れた銀河で、アンドロメダ銀河と天の川銀河と合体すると言われています。
アンドロメダ銀河より渦巻きがよく見えるし、銀河内の大きな散光星雲(赤い星雲)も目立ちます。
ポタ赤に載せたD810Aで撮っていた天の川の写真は、途中で雲が出たり夜露がレンズについたりで、30枚以上撮った
画像から20枚を抽出して合成しました。20mm F1.8のNikkorレンズでISO800、F3.5、SS=240sの設定です。
この写真の上の方に夏の大三角のデネブが写っていて、その左上に北アメリカ星雲があります。
銀河や星雲を写している間に雲がどんどん広がってきました。
次の写真は日付が変わった0:47に撮ったもので、雲の向こうに月が見えています。
私の車の奥に夜景を見にきた人が写っています。
このように雲が広がりつつも、天頂付近は雲が少なかったので2時過ぎまで撮影を続けていました。
撤収作業をしていると、東の空の雲が少し切れて月が見えたので、D850を付けて月を撮りました。
夜半過ぎから薄い綿入りのジャケットを着て、撤収作業をしている2時半頃は風も強くなって20度を切っていたと思います。
山道を下り始めるとメーターに表示される外気温が見る見る上がって、市内に戻る頃には25度を超えていました。
最近は徹夜になるほど時間をかけて撮れていませんので、クリアな空で一晩かけて星雲や銀河を撮りたいですね。
Posted at 2018/09/06 17:59:10 | |
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