
九州北部は30日に、例年より11日遅い梅雨明けでした。
その前日29日は午後に局地的な強い雨が降って、梅雨が明けるかどうかと
いったところでしたが、その夕方から晴れ間が広がり、梅雨明けが近いと
思わせる天気でした。
その夕方、もうかなり暗くなったネオワイズ彗星を撮影しようと自宅の敷地で
小型赤道儀を準備しました。
タイトル画像はその準備が終わった19:50頃の様子です。
この時は雲が少なく、ワクワクして待っていたのですが、空が暗くなって星が
見え始める20:30頃から薄雲が広がり始めました。
暗くなると、雲の切れたところでかすかに肉眼で彗星が見えます。
その時刻の空の様子をSkySafariで見ると、彗星は5.6等と肉眼で見えるギリギリ
の暗さです。光度は40度近くあって、1時間くらいは追尾撮影できそうです。
焦点距離330mmの屈折鏡(450mm+レデューサ)にD850を付けて、ISO800、SS=30sで撮ります。
ISOを下げてSS=60sにしたかったのですが、試写すると薄雲のせいで全体が白くなります。その1カット。
核はかなり明るく、肉眼で見える最後でしょうね。
合成しようと思いましたが、白い画像が多くて、翌日再チャレンジすることにしました。
30日の夜の方がコンディションはマシですが、かなり湿度が高く、30分も経つと夜露がベットリ着きます。
この夜はISO400、SS=60sにして50枚撮りました。こちらの方が全体の明るさが均等で、こちらを合成することに。
まずはその1カット。
テイルが縦に長いので彗星の位置を中央やや下にする構図にしました。
これを彗星の位置を固定するように合成して画像処理しました。
実際のテイルは左の方に見える長細い光の筋で、ボンヤリしているのは薄雲による反射かと思います。
これまで撮ったことのある9~10等程度の彗星と比べて、短い露出で核の中心が白トビしています。肉眼ではっきり見えるときに
カメラレンズで撮影したかったですね。
さて、29日の夜は久々に星が見えるほど晴れたので、月を撮りました。
月を撮るのも久しぶりですね。こちらはドーム内の焦点距離2000mmの反射鏡に、フルサイズのセンサーを持つ
天体用CMOSカメラを使いました。70枚撮って合成しています。
この時も時々雲が月の前を通過していて、この後、木星や土星を撮ろうと思いましたが、シーイングが悪く取り止め。
雲が少ない東の方にある星雲や銀河を探していて、久々の銀河を撮ることに。
月を撮ったのと同じ望遠鏡とカメラに、透過波長域が狭いフィルタを使って、はくちょう座とケフェウス座の間に
ある「花火銀河」(NGC6946)がターゲットです。太陽系から約2000万光年の距離にある渦巻銀河です。
春の銀河の1つである「回転花火銀河」(M101)のような「フェイスオン銀河」の1つです。M101よりふた周りほど小さく、天の川銀河面に近いので、前景に星がたくさん写り込みます。
SS=420sで29日と30日のふた晩で90枚を撮って合成しました。
元の画像では小さく見えるのでAPS-Cサイズにクロップしています。
長く、降水量が異常に多い梅雨が終わってようやく月や星が見える時期になりました。
来週火曜の満月に向けて月が明るくなりますので、星雲や銀河の撮影はお休みですが、コンディションが良ければ
木星や土星を撮影したいと思います。
Posted at 2020/08/01 20:03:17 | |
トラックバック(0) |
星・月 | 趣味