
昨夜は台風9号が接近して、かなり強い風が吹きましたが、次の10号は
災害級の勢力で、平成3年の17、19号と連続してやってきた時を思い
出します。
台風一過でスッキリ晴れてくれると良いのですが、停電が数日続くようだと
趣味どころか生活さえも大変な思いをするので、被害が出ないことを祈る
ばかりです。
台風も含めて9月に入ってずっと天気が優れず、新たに写真を撮ることも
ないので、8月の下旬に撮った天体の写真をまとめて紹介します。
タイトル画像は8月29日に撮ったもので、月齢10日の月に土星が接近した
時の様子です。
拡大しないと見えませんが、左の黄色の矢印の先に土星、右のオレンジ色の矢印の先に木星がいます。土星と木星の
距離感はずっとこんなもので、月が日が経つにつれ、右のほうから移動してきて、この日にこの配置になったという感じです。
この夜は薄曇りで、タイトル画像のように月の周りがボンヤリ明るくなっています。
前日も似たような天気でしたが、雲の間に月が出てきたところを撮りました。
焦点距離2000mmにフルサイズのセンサーで。
時間は遡りますが、これより10日ほど前、アンドロメダ銀河を撮った翌日に、機材テストを兼ねて星雲を撮っていました。
対象はアイリス星雲(距離1300光年)という反射星雲ですが、今回はその周りの分子雲がターゲットです。
焦点距離900mmの屈折鏡に0.75倍のレデューサを付けて、撮りました。
反射星雲は明るい星の光が反射されている様子ですが、その周りに分子雲(主成分は水素)が存在します。
その脇役が今回のターゲットでした。
その後、天体撮影に使うフィルタが届いたので二晩続けてテスト撮影しました。
そのフィルタとは、Optolongという中華メーカーのL-eXtremeという、2つの波長域を透過するDual bandフィルタです。
1つは赤いHα(656nm)、もう1つは青いOIII(500nm)でバンド幅は7nm。
8月30日に、焦点距離2000mm F8のRC鏡に0.75倍のレデューサを付けて、SS=480sで「像の鼻」を撮りました。
2400光年の距離にあるIC1396という輝線星雲の中にあるvdB142という反射星雲です。暗い領域の形から「像の鼻星雲」
と呼ばれています。
かなり月が明るかったのですが、バンド幅が狭いお陰で月の明かりを感じさせません。
そして翌日、今度はOIIIの光がどのくらい撮れるかを試すのに、同じ機材ではくちょう座の網状星雲の東側を撮りました。
1500光年の彼方で1秒速100kmで広がる超新星残骸です。全体を何度か撮ったことがあり、網状の繊細な構造が印象的な
星雲です。その東側をアップで撮りました。
しっかりブルーが出ています。天の川銀河面にあるはくちょう座の中なので、周りに星が多い場所ですが、
それらの光も抑えられていてスッキリしています。
どちらのテストも一晩で40枚ほどしか撮れなかったので天体写真としては今ひとつですが、フィルタの効力はよくわかりました。
台風通過後に、停電などの被害が無く、スッキリ晴れればこのフィルタで星雲を撮りたいですね。
Posted at 2020/09/03 21:19:41 | |
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