
今月最初の星撮りは、新月から2日後の12月2日の晩でした。
山の予報では標高の高いところでも風が弱いとのことでしたので、
久しぶりに天山登山口まで。
予報の通りに風は弱く、この時期にしては暖かい夜でした。
タイトル画像は、撮影を始めて間もなくの22時過ぎに撮ったもので、
まだこの時間帯は薄曇りの状態でした。
ここ3回の星撮りと同じく借り物の屈折鏡(焦点距離980mm)を
持ち出しました。前回、純正レデューサーの不具合が見つかったので、
今回は他のメーカーのレデューサーで使えるかのテストと、ある天体の
初撮影が目的でした。
このレデューサーは口径が2インチで、純正のものより小さく、イメージサークルはAPS-Cカメラのサイズしかありません。
0.67倍の焦点距離とF値になりますが、APS-Cのカメラを使うと、レデューサー無しのフルサイズの画角と同じになります。
最初は、雲の少ない天頂近くにあったさんかく座の銀河M33を撮ってみます。
ちょうど良い画角ですが、帰宅して画像処理してみると、周辺の星が円周方向に伸びています。
レデューサーのメーカーが指示するバックフォーカスに合わせたのですが、この鏡筒には合わなかったようです。
画像処理するまで気がつかなかったので、この機材のまま、他の天体を撮っていました。
ここからは、その形から呼び名のついた星雲をご紹介します。
何に見えるか、ご想像してお楽しみください。
まず、今回が初めての撮影となる赤い散光星雲です。
いっかくじゅう座にあり、太陽系から2400光年の距離にあります。
この赤い星雲は先端にある、円錐状の暗黒星雲から「コーン星雲」(NGC2264)と呼ばれています。その部分を拡大すると、...
このコーンを囲む星団は「クリスマスツリー星団」と呼ばれています。上の写真は、そうも見えますね。
次に撮ったのは、これも高度が高かった星雲です。暗くてかなり小さいのでクロップしています。
これはメシエカタログの1番、M1で、「かに星雲」と呼ばれています。かに座にあるのではなく、おうし座にあり、6500光年離れて
います。カニの甲羅のような模様から、その名がついたそうです。
1054年に起こった超新星爆発の残骸で、それは藤原定家の「明月記」に登場する有名な超新星です。
現在は中心付近に超新星の芯が残った中性子星があり、電波を発するパルサーになっています。
長い屈折鏡で撮影する横で、小型赤道儀に口径85mmの屈折鏡とD810Aで赤い散光星雲を撮っていました。
まず、初めて撮影する天体です。焦点距離を0.73倍にするレデューサーを使いました。
天の川の中にあり、カペラの少し下あたり(ぎょしゃ座)にあります。
右の赤い星雲は、その形から「勾玉星雲」と呼ばれています。太陽系から1500光年離れています。
次に撮ったのは、勾玉星雲から天の川を下に行ってオリオン座の近くにある星雲です。
まぁ、これはすぐに分かりますね。そう、「ばら星雲」です。距離は5000光年と勾玉星雲に比べると遠いのですが、明るさは
それよりも明るくレデューサー無しでもほぼ同じ露光時間です。
星雲シリーズ、最後は次の星雲です。
カペラとすばるを結ぶ線の間、ペルセウス座にある星雲です。
カメラのイメージセンサーの赤外フィルタを改造していなくても赤く写る星雲で、太陽系から1000光年の距離にあります。
南北に長いカリフォルニア州に似ているというので「カリフォルニア星雲」と呼ばれていますが、私にはナメクジにしか見えません。
やはり「ばら」が最もしっくりきます。それにしても、よくあの形になったものです。
3台目のカメラ(D5200)では、夜景や車を撮ったり、ポタ赤使って星野写真を撮っていました。
久しぶりに北の空の日周運動を撮ってタイムラプス動画にしてみました。約40分の撮影を16秒の動画にしています。
画面の左端にアンドロメダ銀河が写っていて、中央左下にカシオペア座があります。
その後、135mmレンズを付けてオリオン座の辺りを。
ちょっと極軸がずれてSS=300sで流れています。
右の明るい星雲はオリオン大星雲(M42)、中央左寄りに馬頭星雲があり、その左に3つ星のうちの2つが写っています。
そして左端の白い星雲(反射星雲)は、M78、ウルトラマンの故郷です。
オリオンが良い時間に昇ってくる時期になりました。
次回も冬の星雲を撮りに行きたいと思います。