
今年最初の星撮りは、この時期としては異常に気温が高かった
1月3日の夜でした。
その日の朝は霧の中をスタートするサイクリjングで、午後になっても
空が白っぽくクリアでない天気でしたが、標高が高いところなら少しは
マシかと思い、天山登山口まで。A45の初出動でもありました。
この夜は月齢4.8日で、夜10時過ぎには月が沈みます。
その前日は、月と金星が最接近した日でしたが、佐賀は曇っていました。
月が沈む前に、金星・火星と月を1枚に収めようと、中型赤道儀を設置し、
焦点距離900mmの屈折鏡を取り付けます。
D5300で撮ったのがタイトル画像です。
金星まで入れようとすると、この夜の手持ち機材ではフルサイズ+135mm
レンズしかなくて、それで撮ってみました。
実は、帰宅して調べると海王星も入っていました。
この夜のメインは流星だったので、月が沈む頃からD800Eに15mmレンズを付けてポタ赤に取り付けます。
ISO3200、F4、SS=30sの露出設定で34sのインバーバル撮影を100枚ずつ3セット行いましたが、すべて空振り!
かといって、折角撮った画像なので合成して処理してみました。ただの星野写真ですね。
冬の銀河は、夏と違って薄いのですが100枚も重ねるとそれなりに見えてきます。
この画像には、これまで撮ったことのある天体や、この夜に望遠鏡で撮る天体が写っています。
去年の暮れの最後の星撮りの夜も、20mmレンズで同じ露出設定で撮っていたので、そちらの画像に天体名を入れてみました。
D800Eでフィルタも使っていないので、赤い星雲の色が薄いのはご容赦ください。
23時前後に撮った画像ですが、カシオペア座がかなり低くなっていますね。
それでは、望遠鏡で撮った画像をご紹介します。
10月末から2ヶ月の間、中型赤道儀には、テストを依頼された口径140mm、焦点距離980mm(F7)を載せてきましたが、
久しぶりに自分の屈折鏡(120mm、焦点距離900mm)を持ち出しました。
あまりに久しぶりだったので、フラットナやレデューサーを忘れるというミスを犯してしまい、光害カットフィルタを入れただけの
直焦点撮影をすることに。
考えてみると、「素」で撮るのは初めてです。
月が沈みきれない時間帯から、星像のテストがてら、上の画像のカシオペア座の右上にある散開星団、ペルセウス座の
二重星団を導入しました。距離は7500光年と遠いものの、結構明るい天体です。
拡大すると画像の周辺の星が丸くありません。やはりフラットナは必要ですね。
カメラの再生画面で周辺の星像がダメだったのが分かったので、次もテストと割り切って初めて撮る天体にしました。
オリオン座の左を流れる天の川を少し上に行ったところにある「モンキー星雲」(NGC2174)です。
これまで、広角レンズで撮った写真に写っていたので、おおよその明るさと大きさは分かっていましたが、望遠鏡で撮るのは
今回が初めてでした。
太陽系から6400光年離れているのですが、結構明るく見えます。
屈折鏡のF値が7.5と暗いので、ISO1600、SS=540aで10枚撮って合成しました。
お猿さんの横顔に見えるように天地を逆にしていますが、そう見えますか?
この夜はしぶんぎ座流星群の極大日であるとニュースでも入っていたためでしょうか、この時期としては珍しく、
私以外に車が5台上がってきました。いつもは夜景を見て下る車ばかりですが、この夜はかなりの時間粘っていました。
1台の人は寒い中、クッションを敷いて寝転がっていましたね。
年末の30日の夜のように霜が降りて車が凍りつくほど寒くはありませんでしたが、車外で動かないと寒さを感じます。
ポタ赤と中型赤道儀に並行して、小型赤道儀には焦点距離450mmの屈折鏡に0.73倍のレデューサを付けて載せていました。
こちらではD5300で大き目の星雲を狙います。
まずは上の天の川の画像にもある「まが玉星雲」です。
初めて撮った時は同じ機材にD810Aでしたが、もう少し大きく撮りたかったのでD5300でちょうど良いかなと。
右のまが玉状の星雲はIC405、左の丸っこいのはIC410という1500光年の距離にある散光星雲です。
その次は、今シーズン2度目のばら星雲です。
前回はレデューサ無しの同じ屈折鏡にD810Aで撮りましたので、今回はそれより10%ほど大きく写ります。
フィルターも前回とは変えてみて、こちらの方が透過させる光の周波数帯が広めのものです。
この夜最後の天体は、今回が初めてとなる「かもめ星雲」(IC2117)です。
日本では「わし星雲」とも呼ばれるそうですが、英語では、夏の天の川に見られるM16をEagle Nebula、こちらをSeagull Nebulaと
呼びますし、形状はかめめに近いので私は「かもめ星雲」と呼んでいます。
太陽系から3800光年離れていて、冬の大三角形の内側、シリウスの少し上辺りに見えます。
翌朝から仕事でしたので、かもめ星雲を2時前に撮り終えて撤収しました。
今年も、できるだけ未知の天体や、より良い画像を求めて、A45で出動しようと思います。