
土日出勤明けの27日の夜は、西の空に明るい金星と、
南の空にオリオン座が綺麗に見えていました。
カメラ、バッテリと補正レンズなどの小物以外の機材は前回
から車に積みっぱなしで、夕食後に充電が済んだバッテリ
(カメラ用と赤道儀用)を積み込んで出動の準備をします。
夜食を仕入れて、天山登山口まで行きましたが、音を立てて
強風が吹いていました。空はクリアで星がよく見えていただけに
残念ですが、ダムの横まで下ります。
タイトル画像は、終盤、北斗七星が高くなったときにA45や機材を
入れて撮ったものです。
21時半くらいに現地に到着したときにはまだ風が吹いていたので、
まず中型赤道儀の準備をしました。
この夜の目的は、前回光軸調整したRC鏡筒にF値と焦点距離を
0.75倍にするレデューサーのバックフォーカス(レンズからセンサーまでの距離)を調整することでしたが、
スペーサーだけをバッグにいれて、肝心のレデューサーを忘れるというドジを踏んでしまいました。
気を取り直して、というか、いっそのこととと、逆に画角の狭い写真を撮ろうとAPS-Cサイズのカメラ(D5300)を
取り付けて直焦点撮影をしました。35mm換算で3000mmという焦点距離で、自分でも最小画角になります。
これまで小さくしか撮れなかった対象として、西の空に傾いてきた「かに星雲」(M1)を選びました。
赤道儀は自動導入機能が付いていますが、かなりシビアで画像中央から少し下になってしまいました。
ISO800、SS=720s(12分)で10枚撮ったのですが、風の影響でブレまくった4枚を除いた6枚を合成しました。
風のないときに撮るとこれがもっとシャープになるのでしょうね。来シーズンにチャレンジします。
風は北〜北東の向きから吹くので、そちらに鏡筒を向けると多少はマシかと、その方向の対象を。
北斗七星のひしゃくの柄の東側(向かって右側)にある「子持ち銀河」(M51)です。
こちらは同じ露出設定で撮影した8枚が全て使えました。
アンドロメダ銀河までの距離の10倍、2500万光年ほど離れていますが、この焦点距離だとかなり大きく写せます。
これだけ離れていても、私たちの銀河やアンドロメダ銀河と同じ銀河団の仲間です。
夜半過ぎに少し風が収まりましたが、それまでの間は小型赤道儀は使わずに、久しぶりに(今年初です)
固定撮影で日周運動を撮ってみました。D800Eに21mmレンズをつけて、北極星をフレームの左の方に入れます。
SS=20s、インターバル4sで80枚撮って、比較明合成しました。
北極星はどの辺にあるのかわかりますが、これだと北斗七星はわかりませんよね。
そこで、星の位置を合わせた合成もしてみました。
小型赤道儀には、300mmレンズを付けたD810Aを載せて、広い視野で銀河団を撮りました。
昨シーズン、焦点距離450mmの望遠鏡で初めて撮った対象で、今回はさらに「広角」です。
太陽系から5000万光年前後の距離に分布する、比較的「近い」銀河団である「おとめ座銀河団」です。
その中心付近に、銀河が鎖のように連なっている部分があり「マルカリアン・チェーン」と呼ばれています。
それを中央にする構図で撮ってみました。ISO1600、F3.5、SS=360sで12枚撮ってそのうちの10枚を合成しました。
この画像の中に多数の銀河が写っていて、カタログ名を入れてみました。
赤い星雲の多い天の川の中とは違った賑やかさがあります。
実は、捨てた1枚の画像に、人工衛星かと思いますが、その1枚だけに無数の軌跡が写っていました。
太陽光の向きが、たまたま衛星が目立つような位置から当たっていたのでしょうね。オリオン座のように衛星の
軌跡がよく写る場所ならわかるのですが、この辺りでこれだけの、しかも曲がっているものもある軌跡を見るのは
初めてです。
最後は南中に近い木星をボンネットに写したA45との写真です。
これから夏の天の川が見られる5月下旬までは、銀河や銀河団の写真を撮ろうと思っています。
月の出ている間に機材の調整をして準備をしておきたいですね。