
今日は朝から雨でしたので、屋内でおとなしく、先日撮った天体写真の
画像処理をしていました。
出動したのは26日(木)の夜で、天山登山口に行って来ました。
今月3度目になりますが、前回は強風、1回目は月明かりでしたので、
今回が最もコンディションの良い夜でした。
現地に到着すると、風が弱く、この時期としては気温が高く感じました。
低空は霞んでいて、まだ見えていた半月の2番前の月が黄ばんでいました。
この夜は徹夜覚悟でいたのですが、2時前から北の空から曇り始め、
後半は、それを避けるように天頂から南側の天体を狙いましたが、2時半に
は雲が広がって来て終了しました。
タイトル画像は、その終了直前に撮っていたオリオン座の馬頭星雲です。
赤い星雲をクッキリ撮ろうと1枚に8分の露出時間をかけましたが、まともに
撮れたのは、この最初の1枚だけした。
登山口の駐車場に到着して、中型赤道儀を設置し、焦点距離2000mmの
反射鏡にレデューサーを付けて1500mmにします。まずはその時に出ていた月を、D850で導入します。
背面液晶画面では、月が黄色からオレンジ色がかっていて、拡大表示するとかなり揺らいでいます。
60枚のサイレント撮影をして合成した後、彩度を落としました。ノークロップです。
上の月を撮ったのは21:15頃で、月没は22時ですが山陰に隠れるのはそれより15分くらい前です。
月を撮った後は、そろそろ寒くなってきたのでINDIを使うためのテストをしていました。コードは度々更新されていますが、未だD810A
への対応はできていません。(その後何度か作者とやりとりもしたのですが...。)
久しぶりに電源を入れるとGPSモジュールのライトが点滅せず、ターミナルでコマンド打っても反応がありません。その場ですぐに
解決できそうになかったので、INDIは止めて、通常の撮影方法にしました。
反射鏡では、いまの時期の短い期間だけ南の低い空に見られる銀河を狙いました。
「ちょうこくしつ座」という聞きなれない星座にある「ちょうこくしつ座銀河」(Sculptor Galaxy, NGC253)です。
太陽系から1100万光年の距離にあり、アンドロメダ銀河やM33よりは遠いのですが、春の銀河であるM51やM101よりはずっと
近いので大きく見えます。分類は渦巻銀河で、角度が浅いために横長い楕円に見えます。「スターバースト銀河」と呼ばれる、
短時間に多量の星が生成されている銀河でもあります。そのため、赤いガス(星の原料の水素ガス)が見られます。
F6の望遠鏡に光害カットフィルタを付けて、ISO1600、SS=420sで30枚撮りましたが、霞んだ空のためかガイドが安定せず、
星が伸びてしまったカットを捨てて20枚を合成しました。
星像がボケてシャープではありませんが、銀河の中のあちこちに赤いガス(散光星雲)が見えています。
初めてでこれだけ撮れたので良しとしますが、もっとコンディションの良い時にまたチャレンジしたいと思います。
日付が変わる前はまだ北の空は晴れていて、D850に20mm F1.8Gで秋の銀河(天の川)を入れた星の写真をポタ赤で撮って
いました。この機材の組み合わせの星野写真は初めてです。
D810Aやセンサー前のフィルタを変えたD5300と違って散光星雲の赤い色は出ていませんが、左の方のカリフォルニア星雲は
はっきり写っていますし、右の方の北アメリカ星雲や象の鼻星雲、中央下の方のハート星雲などうっすらと写っているのが
わかります。画素数が大きいだけにPHOTOHITOの1枚30MBの上限を超えてしまうので、画質を落としています。
この間、小型赤道儀に載せた短い屈折鏡にはレデューサーを付けてD810Aでカシオペア座のハート星雲をとっていました。
ひと月前にD5300と200mmで撮った時は雲が頻繁に横切って明るい星がにじんでしまったので、フルサイズで取り直しです。
ISO1600、SS=480sで25枚撮りました。
日付が変わる頃からオリオン座が佐賀市街地の灯りに照らされる霞の上に出て来ました。
1時近くから、ポタ赤とD5300に35mmレンズを使いこのオリオン座とその周辺の散光星雲を入れる構図で撮ってみました。
縦構図の方が見やすいですが、実際にはまだオリオン座が寝ていたので、このままにします。
雲が出て来たので、ポタ赤から片付け始めます。
ポタ赤を載せていた三脚に、D850と20mmレンズを載せて佐賀の夜景を。
最後に、A45と機材を入れて。うろこ雲の向こうにオリオン座が見えています。
雲が出なければ、それぞれの赤道儀でもう1つくらい撮れたのですが...。
でも10月最後になって漸く風の弱い晴れた夜になり、そのお陰で久しぶりに天体写真らしいのを撮ることができました。