
昨晩の上弦の月も時々雲に隠れるような天気で、結局、
今月の新月期の収穫は0でした。
D850も電源異常で2月上旬まで入院し、コンデジ以外で
写真を撮らない日が続いています。
タイトル画像は、去年の7月末に撮った半月で、今の時期
のように気流が速くないのでかなりシャープに撮れています。
本日は、その月に関連した雑談を。
皆さんは、Google X Lunar Prize (GLXP)ってご存知でしょうか?
簡単に言うと、民間だけで月面探査機を作成し、打ち上げ、月面で
移動させて、静止画や動画を撮影して地上に送ることを競争するものです。
期限は今年の3月末日、prizeというので、賞金総額3000万ドル、
優勝賞金2000万ドルというものでした。
「でした」というのは、昨日(現地では一昨日)、誰も期限内に探査機を
月に運べる見込みがなくなったとGoogleが宣言したからです。
https://lunar.xprize.org/news/blog/important-update-google-lunar-xprize
上記の声明にある"our five finalist Google Lunar XPRIZE teams"の中に日本のチームが1つ入っていました。
お正月とその翌週に、あるテレビ番組で紹介されたのでご存知の方もいらっしゃると思います。
(私は前半を見逃していて、あとでYoutubeで見ました。)
GLXPと日本チームのことは、決着が着いた時に書こうと思っていたのですが、上記のように勝者無しで
終わりそうですので、思うところを書いておこうと思います。
GLXPが始まったのが2007と言いますから、10年以上前の話です。
それだけの時間があっても、民間だけでロケット打ち上げまで行けないのは、まだ技術(コストを下げることも含めて)
が未成熟なのでしょう。あの月面に人間を送り込んだアポロ計画でさえ、10兆円を越える資金を要したと言います。
日本チームの人たちが番組で話していたように、GLXPのための予算が11億円ほどで、打ち上げコストが6億円と
のことでした。打ち上げる探査機1kgにつき1億円とのことで、軽量化に腐心されている様子も紹介されていました。
日本チームの中核となる企業は、GLXPを通過点と考え、独自にロケットを打ち上げ月面探査、そして利用をすること
を目的としているそうで、ベンチャーながら最初に100億円を越える資金を集めたそうです。
GLXPは、民間が競うことで様々なアイデアが出されることを期待したそうで、探査機には各チームの工夫が見られ
ますが、打ち上げコストが壁となってその工夫が日の目を見ることはありませんでした。この資金集めも、コンペの
一部だったそうですが、そのハードルがどのチームにとっても高すぎたという結果になりました。
これまでロケットの打ち上げを成功させてきた国の機関や大企業なら、最初から成功に必要なコストを計算し、
周到な準備をして計画通りに打ち上げるのでしょう。人工衛星打ち上げは既にビジネスになっていますが、
月面探査はまだ意義が十分認められていないようで「商業ベース」に乗るのはまだ先と思われているのかも
しれません。基礎研究の分野では、例えばハッブル宇宙望遠鏡より大型の望遠鏡をもつ天文台を月面に作る
という計画や、500万kmの重力波望遠鏡を作るという計画もあり、後者は2年前に一部が宇宙空間に打ち上げ
られています。100%民間でというのもチャレンジングですが、一部には研究機関の成果をフィードバックして、
その低コスト化や間口を広げるなどに民間の力を活かすという好循環ができるとよいと思うのですが。
今回は達成者無しという残念な結果に終わりましたが、個人的には日本チームに勝って欲しいと思っていました。
それというのも、私ごとですが、テレビに出演していたうちの一人が私の元教え子(その旦那も)で、宇宙開発の
ために転職し頑張っているのを知っていたからです。今月の初めにも佐賀にやってきて酒を飲みながら、色々と
苦労話を聞いていたところでした。(その少し後に、Team Indusが資金集めに失敗し打ち上げできないことが
わかりました。)
「ルナツー」建設と移住が、そう遠くない未来に実現することを願うばかりです。
Posted at 2018/01/26 20:55:42 | |
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