10月2回目の星撮りブログになります。
タイトル画像は13日に撮った月で、この夜の夜半頃が満月でした。
晴れていたので土星でも撮るかと思いましたが、台風の影響の強風のため
シーイングが最悪でアイピースを覗いた瞬間に諦めました。
普通はカメラの画像をPCで拡大モニタした時に揺らいでいるのが見えますが、
この夜はアイピースを通した小さな像も揺らいでいました。
去年までは半月より明るい月が出ていると、長時間露光する天体撮影では
画像が白っぽくなってしまうため撮影をすることはありませんでした。
出動しても良い画像が撮れないので出動する気にもなれません。
今年からは自宅で撮影できるのと、透過波長域が狭い(セミ・ナローバンド)
フィルターを購入したので、Hα線が主成分の光である星雲なら何とか撮影
できるかと、上弦の月の2日後、8日の晩に試してみました。
透過域が狭いということは光量が少ないので感度を上げたり、露光時間を長くする必要があります。
対象は初めて撮るカシオペア座の「パックマン星雲」(NGC281)です。
9500光年の距離にあり、ゲームのキャラのパックマンのように口を開けた形に見えるので、その名が付いています。
焦点距離900mmの屈折鏡にAPS-CサイズのCMOSセンサーで撮りました。
ISOに相当するゲインを高めにして、SS=420sで50枚と枚数も稼げました。
背景の淡い部分まで写ったので、パックマンらしくありませんが、右に口を開いたように見えますでしょうか?
そして台風の悪天候を挟んで15日の夜に次の機会が来ました。
翌日も夜半過ぎまで晴れるとの予報でしたので、二晩かけてじっくり撮ろうかと。
まだ風が吹いていてシーイングは相変わらず悪く、焦点距離900mmの屈折鏡では良い写真は撮れないと判断して、
焦点距離450mmの屈折鏡にレデューサを付けて327mm F3.8にします。
前回のブログにある風景写真のように低空は霞むので、高度の高い天体を狙います。
2年前と3年前に撮ったケフェウス座の「象の鼻星雲」全体を撮ることにしました。
APS-Cサイズのセンサーですと、画面いっぱいになります。
3年前は今回と同じ光学系とD5300で撮っていました。(下の画像)
光害カットフィルタを使い、ISO800、SS=480sで8枚撮って合成しています。
当時は1つの天体に1時間以上かければ満足していましたが、拡大するとノイズが目立ちます。
2年前はレデューサを入れず、同じフィルタを使いフルサイズのD810AでISO1600にしてSS=480sで。
こちらの方がノイズが少なく、画像処理も無理をしていないので3年前より良くなっています。
レデューサとAPS-Cセンサーでは、画角は焦点距離490mmになるので、こちらの方が広くなります。
今回はD5300と同じセンサーを使った冷却CMOSカメラで-5度を保ってSS=480sで撮りました。
セミナローバンド・フィルタなので1枚1枚は暗いのですが、一晩に55枚ずつ、合計110枚(トータル14時間40分)
という、1枚の天体にかけた時間としては私の最長記録となりました。
フィルタの効果で月明かりを感じさせず、星像も小さくなっています。
露光時間が長かったのでノイズが少なく、星雲の構造がよく写し出されていて、
これまで撮った像の鼻星雲では最高の出来です。
二晩続けて晴れることは少ないのでラッキーでした。これで月が暗かったら申し分ありませんが、その時は長焦点で
別の天体を撮っていたことでしょう。
台風の後、気温が下がって過ごしやすくなりました。湿度が低くなり、澄んだ星空が見られることを期待します。
Posted at 2019/10/18 17:47:05 | |
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