
昨日の夜中からかなりの雨が降っている北部九州です。
近くやお隣の市町村で避難勧告が出ていましたが、自宅の周辺は落ち着いています。
梅雨入りしてから星撮りのチャンスは無いかと思っていたところ、
部分日食の撮影をした21日の夕方まで多かった雲が日が暮れて減ってきた
ので、自宅ドームで撮影を始めました。
前に赤道儀のメンテのブログを上げましたが、梅雨入り後に雨が続いていた
時に、反射鏡もバラして掃除していました。
前日土曜日20日は雲が多くて撮影はしませんでしたが、明るい星は
見えたので、それを使って反射望遠鏡の主鏡の光軸を合わせていました。
その後、米国から輸入した器具を使って副鏡の光軸も合わせます。
これまでで最も良く調整できたと思います。
また、今回からフルサイズの冷却CMOSカメラを導入して、その最初の
撮影にもなります。
夏至なので日暮れが遅く、20:30でも薄明るい空で、21時前から撮影始めました。
対象は亜鈴状星雲(M27)です。今年は5月に一度撮っていましたが、天候が悪く、16枚しか撮影できていませんでした。
今回は、レデューサを使わずに焦点距離2000mmで90枚程度を撮る予定でした。
最初は低空が霞んでいて、最後は薄明にかってコントラスト不足になり、80枚を
使いました。
これまでで最高の出来のM27です。
そして翌日は月曜で、帰宅時の日暮れ前は低空は霞んでいましたが雲は見えなかったので、ポタ赤を貸している知人を
誘って、いつものダム横までジムニーで出動しました。
その前に自宅のドームではある星雲の撮影をセットしておきました。
21時過ぎに現地に着くと、知人は先着しており、北極星の位置を教えて機材の準備を始めます。
さそり座が見えていて、うっすらと天の川も肉眼で確認できますが、まだ低空は霞んでいます。
ポタ赤に25mmレンズを付けたD810Aを載せて、レンズ前に光害カットフィルタをつけておきます。
ISO400、F2.8、SS=180sで30枚を撮って合成しました。
先月も似たような構図で撮っていましたが、その時は同じレンズにD5300でしたので、画角広めで、天の川の位置も少し高くなっています。
日付が変わる頃には天の川の位置も高くなってきて、上の写真と同じ機材で天の川の上の方、夏の大三角を入れる構図
でまた30枚ほど。
この間、小型赤道儀には135mmレンズを付けたD5300で天の川の中のいて座にある「スタークラウド」と呼ばれる
星の密度が高い場所を撮っていました。
「バンビの横顔」と言われるその領域から、M20(三裂星雲)とM8(干潟星雲)までが入る構図で。
「バンビの横顔」に見えますか? ちょうど首の前を飾るように淡く赤い星雲が見えます。
この夜は21:30くらいから日付が変わって2時頃まで撮っていましたが、その間、雲が全く出ないという好天に恵まれました。
こんな天気は年に一度あるかどうかで、それがちょうど天の川が見える時期だったのでラッキーでした。
広い範囲で雲が無いので魚眼レンズを持って来ればよかったと後悔しましたが、撤収前に25mmレンズで天の川全体を
4枚のモザイク撮影しました。各構図1枚ずつでLightroom任せのモザイク合成です。
2時過ぎにジムニーと天の川を入れたタイトル画像を撮影して撤収しました。
帰宅するとドームでセットしていた星雲の撮影はまだ続いていて枕元のノートPCで進捗を見ながら就寝。
翌日、パソコンに保存された画像を見ると、最初の方は霞んでいたためコントラストが低く、その後の43枚を合成しました。
ケフェウス座(はくちょう座のさらに北寄り)にある「アイリス星雲」です。
もっと先の時期の方が高度が高くて撮りやすいのですが「アイリス」(あやめ)の時季なので。
太陽系から1300光年の距離にある反射星雲(中央部の明るい星の光を反射して輝いています。)で、周りに光を
吸収するガスをまとっています。
翌日(23日)は少し雲がありましたが、3夜連続のドームでの撮影を行いました。
この夜は前二夜の対象よりも高度があること座のリング状星雲(M57)を撮ることにしました。
亜鈴状星雲(1400光年)よりも遠く、2300光年離れていますが、結構明るい星雲です。どちらも、太陽程度の恒星が
その最期に高温のガスを吹き出す時に見られる星雲です。
かなり小さいので、一辺を1/2にクロップしています。
梅雨の最中はなかなか撮影の機会が無いのですが、今年は部分日食も見られたし、新月となるその夜から3日続けて
撮影できたのは幸運でした。特に中日に天の川を広く撮影できたのは本当に久しぶりでした。
来週は7月になりますが、それまでは星取りの機会はなさそうです。
梅雨が明けると天の川が見える位置も高くなるので、その中の星雲を撮ろうと思います。