2019年04月17日
「XF9-1」最大推力確認試験
防衛装備庁とIHIが開発中の次期戦闘機用エンジンである「XF9-1」の最大推力性能試験の動画ですね。
いや~日本もここまで来たんですね。感無量です。
防衛装備庁が計画した推力を無事にクリアー出来た事は大変、良い事だと思います。動画では「アフターバーナー」と書いて有りますが、これは米国GE社の登録商標なので一般的では「オーギュメンタ」が正解です。因みに欧州では「リヒート」と言います。
ミリタリー(ドライ)推力で約11トン、アフターバーナーで約15トンの推力を出した事で一応は合格ですね。但し、まだ試験中なので実際はこれより約5~10%の推力向上が目標だと思います。また、動画ではF-22Aラプターが搭載するPW製F119と比較していますが、同エンジンの推力をベンチマークにした「XF9-1」ですが、実は推力は同等でも寸法や重量は「XF9-1」の方が約5%小さい事から考えると、推力重量比(エンジン単体)ではF119エンジンを上回る事になります。
実際問題としてPW製F119エンジンの重量は未公表なので簡単に比較は出来ませんが、過去のデータから推測すると、推力重量比は約9~10:1と推測され、それを上回る「XF9-1」の推力重量比は約11:1だと思われます。コレってどういう意味かと言うとエンジン重量の「11」倍の推力を出す事が出来ると言う事ですね。
この数値には米国のPW社やGE社に欧州のユーロジェット社、フランスのスネクマ社は驚愕したんじゃないかと思います。
だが、戦闘機用エンジンは推力(パワー)だけが本命ではありません。やはり、燃費やTOB(故障間隔)、整備性、所得性、機動性や運動性に対するエンジン反応等も比較されます。当然の事ながらコストも論外ではありません。
この「XF9-1」エンジンを開発するにあたり、新しいマテリアルの採用と新機軸を積極的に出した「IHI」の開発能力は凄いの一言ですね。やはり、HⅡAやHⅡBで採用しているLE-7AロケットエンジンもそうですがHⅢ用のLE-9ロケットエンジンのターボポンプを開発した実績があるのが背景にあるのかなと思います。実はこのLE-9ロケットエンジンはエキスパンダーブリードサイクルを採用し、大型ロケットエンジンとしては世界初の技術なんですね。
話は逸れましたが次期戦闘機(F-3)に「XF9-1」エンジンが採用されるとなると本当に良い事です。
「日本の底力を見せてやれ」
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Posted at
2019/04/17 17:40:18
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