2019年12月28日
F-16C エンジンスタート
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この動画の右半分は実機で左半分はシミュレーターでしょう。そして、タイプはMFDがセンターに無い事から、F-16C BLOCK40かBLOCK42かと思います。あ、MFDとは「Muti Function Display」の事です。多機能表示装置とでも言いましょうか。今や民間機、ビジネス機もそうですが、このMFDがスタンダードとなりつつあります。
F-16Cのエンジンは一基ですので、エンジン関連計器は右側に丸形のアナログ表示がありますね。多分、上から燃料流量計、エンジン回転数(%表示)、TGT温度計(燃焼室温度)、ノズルポジションがあります。
これはF-16Cのエンジンスタートシーケンスですが・・・簡単でしょ?今の航空機、戦闘機もそうですがエンジンスタートはとっても簡単なんです。ある意味、英国車のエンジンスタートよりは簡単だと思いますよ。英国車に乗っている人はある程度、分かると思います。
まあ、本当の事を言えばF-16エンジンスタートシーケンスは、まずは廻りに人や物品等が無いことを確認する事から始まりますが、ここはエンジンスタートシーケンスについて述べます。
F-16CにはJFS(Jet Fuel Starter)が搭載されています。民間機ではAPU(Asist Power Unit)が機体最後部にあり、スポットインしてもAPUが作動しているシップもある場合もありますが、地球温暖化を防止する意味でも今は電源車をコネクトしてAPUは作動していないシップも多々あります。HNDとかNRTとかよく見る事が出来ます。
まずはバッテリーS/Wを「ON」にしてJFSを「ON」にしたら小型のガスタービンエンジンが作動してスラストレバーをアイドルポジションにすれば、後は勝手にエンジンがスタートしてTGTが以上温度で無ければエンジン回転数がアイドルポジションである60~70%に達したら、JFSを「OFF」にして終わりです。簡単ですよね?F-16CのJFSの位置は左後部胴体にあり、JFSのS/WをONにすれば自動的に二つのドアが開きアキュムレーター(蓄圧器)によりガスタービンが作動し、そのニューマチックでジェットエンジンギヤボックスを介しエンジンが回りスタートします。エンジンスタートに関してもDEECやFADECというエンジンコンピューターが制御しています。
まあ、最も今の戦闘機はエンジンスタートしてからが大変なんですけどね。チェック項目が多々あります。エンジンがスタートしたからと言って、即座にタクシー出来る訳ではありません。何しろ、操縦系統を含むアビオニクス関連や補助翼の動作チェック、通信、航法装置のセットとチェック、またF-16Cに関しては80%チェックというのがあり、エンジン回転数を80%に上げてチェックする項目があります。F-16やF-2のエンジンスタートを見た人なら分かると思いますが、時々、エンジン回転数を上昇しているシーンがそれですね。
因みにF-16Cはエンジンは一基なのでスラストレバーは一つですが、F-15のような双発戦闘機はレバーは二つあります。ですが、フランス・ダッソーラファールはエンジンが双発なんですが、スラストレバーは一つだけという戦闘機もあります。流石はおフランスですね。
今の戦闘機は自機の力によりエンジンスタート出来ますが、昔は電源車とエンジンスタート用ガスタービンエンジン搭載車があった時代がスタンダードでした。中には電源車のみもあります。
ブルーインパルスが使用している川崎T-4のエンジンスタートは電源車のみです。この電源車により発電機がモーターに変わり、そのモーターでエンジンをスタートさせます。ですが、T-4に搭載しているIHI製F3-IHI-30型エンジンスタートは凄く簡単です。
因みにF-22Aラプターのエンジンスタートはこんな感じです。
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まるでヴェトナム戦争時のF-4戦闘機が火薬カートリッジによるエンジンスタートに似ています。
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Posted at
2019/12/28 19:11:13
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