2021年09月19日
エンブラエルC390(KC390)
ブラジル航空機メーカーである、エンブラエル社がブラジル空軍要求に基づくと共に、ロッキードマーティン社製C-130Hの後継機として開発されたのが、エンブラエルC390(KC390)となります。空中給油/戦術輸送機となりますが、このミドルクラスのジェット輸送機は同機を含んで、ウクライナのアントノフAN-178とロシアのイリューシュンIL-276しかない。
国によってはC-130Hの後継機はC-130Jスーパーハーキュリーズをチョイスする空軍等が多いのが現実です。なかなか、純粋な戦術輸送機を開発するのはチャレンジングでもありリスクもあります。後はエンジンをターボプロップかターボファンエンジンかですが、それがペイロードにも反映するので機体規模から考え、ペイロードも主体となり、そこから航続距離、自己防御システム、貨物輸送システム、敵機から回避行動するための機動性と運動性が求められます。また、お国柄による性能要求があるので「これが一番」とは言えないのが輸送機の特徴でもあります。
このエンブラエルC390はフルペイロードは27トンと設定し、そこから設計が始まったという訳です。このフルペイロード量は多くてもダメ、少なくてもダメと言う事で、それは機体寸法やエンジン選定にも影響されます。エンジンはIAE製V2500-E5と決まり、パワーは約140KNが二基ですから、エンジンパワーに文句はありません。また、運用実績も高いエンジンですので信頼性も良いはずです。また、動画でもありましたが空中給油機能もあるので、けっこう運用にも考えていると思います。
操縦系統はFBWでサイドスティック方式となり、コクピットは米国ロックウェル・コリンズ製を採用したのは正解ですね。乗員は2~3名となります。
これまで同機を採用したのはブラジル空軍、ポルトガル空軍、アルゼンチン空軍、チリ空軍、コロンビア空軍、チェコ空軍がオペレーターとなっています。ほぼ、中南米の空軍でしょうか。マーケットとしては200~250機程度の受注見込みがあるようですが、やはりC-130Jスーパーハーキュリーズは、その運用実績を考えれば当然、後継機としてチョイスするのは自然な事でしょう。
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2021/09/19 19:31:30
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