2022年06月18日
日本製航空警戒管制レーダー
国家最高機密の一つである「航空警戒管制レーダー」ですが、動画にもありましたように「J/FPS」シリーズがあります。今、日本全国には計28カ所のレーダーサイト(警戒群、警戒隊)が24時間、365日連続して日本の領空を守るべき警戒しています。
ただ、レーダーサイトでは、その設置箇所の風土や警戒すべき要所にメーカーが異なる、レーダーシステムを構築しています。今、現在運用中であるのは三菱電機製「J/FPS3(ME)」と「J/FPS5(ME)」、東芝製「J/FPS4」、日本電気製「J/FPS-7」があります。動画で紹介されたのは、三菱電機製「J/FPS-3(ME)」と「J/FPS-5(ME)」がありますが、弾道ミサイル警戒システムが構築されているのは、上記の二機種と日本電気製「J-FPS7」があります。
上記のうち、三機種は「近距離用レーダー」と「遠距離用レーダー」があります。また、国土交通省航空局のARSR(航空路監視レーダー)とORSR(洋上航空路監視レーダー)が全国で20カ所あります。航空警戒管制レーダーと航空監視レーダーの違いはある事はありますが、基本的には同じです。ただ、航空警戒管制レーダーは敵から攻撃されやすい事から「デコイ」用レーダーシステムがあり、そのコントロールルームは地下にあり、それらの情報を集約して4個方面隊航空警戒管制団に送られ、その情報も航空総隊司令部、統合幕僚監部が指揮、統制を実施しています。
動画の中で三菱電機の技術者がレーダー素子モジュールを交換していたシーンがありますが、あれが「ガリウム砒素T/Rモジュール」となります。多分「J/FPS-3(ME)」と思いますが、これが東芝製「J/FPS-4」だと「ガリウム砒素T/Rモジュール」はレーダーシステム自体が自動的に交換出来ます。つまり、レーダーが作動中でも「T/Rモジュール」の交換が可能となりました。このAESAレーダーでもある、日本製航空警戒管制レーダーですが、「素子モジュール」が「ガリウム砒素」か「窒化ガリウム」なのは日本と米国のみではないかと思います。つまり、AESAレーダーの素子モジュールはマテリアルで性能が決まります。そのレーダー覆域距離は国家最高機密であり、まず公表はしません。
また、これからのステルス機に対しても「バイスタティックレーダー」や「マイモレーダー」では、ステルス機と思われる物体にレーダー照射しますが、レーダー反射はかなり小さいです。ですが、何処かにレーダー電波は飛んでいるはずです。その電波を受信し当該機である、ステルス機の高度、方位、速度を監視、追跡出来るのが「バイスタティックレーダー」となります。このシステムを構築しているのは、知る限りでは日本くらいです。それだけ、日本は航空警戒管制レーダーシステムは最重要施設となります。
ただ、これだけ高性能なレーダーシステムを日本国内でしか運用しないというのは勿体ない。そこで三菱電機製「J/FPS-3」を四基をフィリピン空軍が採用し運用しています。だが、ダウンサイジングは行っています。個人的には東芝製「J/FPS-4」が海外では運用しやすく、コストも低いので最適だと思います。
因みに国土交通省航空局の航空監視レーダーや洋上航空路監視レーダーは東芝製と日本電気製となります。これらも海外で採用してくれれば良いかなと思います。
今の懸念事項は小笠原諸島と大東島界隈です。航空自衛隊としては北大東島に移動警戒隊が一時的駐留する事が決まっており、車載用とは言え、あると無いとでは違います。このレーダーシステムも日本電気製「J/TPS-102」となります。小笠原諸島界隈では移動警戒隊か、そこに警戒隊か警戒群を常駐させる事が、より日本の領空防衛にも貢献できると思います。
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2022/06/18 17:49:39
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