2022年12月04日
中国軍新型空対空ミサイル
動画の中では、これまで確認されなかった「PL-15E」と「PL-10E」が確認出来ます。上記の二種類は「BVR」と「WBR」空対空ミサイルですね。
「BVR」とは「BEYONED VISUAL RANGE」と言い、日本語では「視程外射程」、「WVR」とは「WITHIN VISUAL RANGE」と言い、日本語では「視程内射程」と言います。ただ、今の「WVR」は一世代前の射程距離を誇り、一概に「WBR」とは言えなくなったのが現実です。実際に「WBR」空対空ミサイルでも射程が25nm(約48km)もあり、この射程距離だと視程外射程に入る部類ので、今は「アクティブレーダーホーミング」(ARH)を「BVR」、「赤外線画像誘導ミサイル」を(IRH)を「WBR」と区別した方が良いでしょう。
動画の「PL-15E」の射程は110nm(約200km)と言われており、世界各国の「VBR」空対空ミサイルでは長い方だと思います。ただ、これはロケットブースターの固体燃料がその射程距離分あるかと言うと「NO」でしょう。と言うのは「PL-」シリーズでは全長が約4m以内で「J-20」のウェポンベイではキャパが決まっているので、この4m以内に納めなければなりません。つまり、固体燃料が飛翔中枯渇するので、多分「弾道飛翔」での射程距離だと思われます。欧州のMBDA製「ミーティア」は「ダクデッドラムエンジン」なので射程距離が約100kmと言われていますが、このエンジンはジェットエンジンに近いので射程距離が延伸する事が出来ますが、構造が複雑なのでミサイル単価は高価となりますし機動性も劣ります。
米国や日本のレイセオン社製「AIM-120 AMRAAM」シリーズや三菱電機社製「AAM-4B」は目標が回避行動になっても「BVR」空対空ミサイルとは思えない機動性を誇るし、巡航ミサイルにも対処出来る能力があるのでターゲットが回避行動してもミサイル回避は無理だと思います。両者とも全長が約3.7mを考えれば、固体燃料の効率化を考えれば、射程が50~70nm(約90~135km)が現実でしょう。また、ミサイルシーカーのレーダーアンテナもAESAでないと無理なので「AIM-120 AMRAAM」シリーズは不明ですが「AAM-4B」では窒化ガリウム(GaN)素子モジュールなので「ECM」にも強く、まずミサイル回避行動は無理ですね。そのミサイルシーカーのレーダーが良いので、欧州のMBDA社は三菱電機社と共同で「JANAAM」と言われる次世代空対空ミサイルを開発中でもあります。
中国の「PL-15E」の第一ターゲットは多分「早期警戒管制機」や「空中給油機」だと思われ、対戦闘機用空対空ミサイルは第二だと思います。それにミサイルシーカーのレーダーアンテナ素子モジュールのマテリアルが不明でもあるので、いかに射程距離が長くても命中率は「弾道飛翔」と相まって低いと思います。
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2022/12/04 20:48:59
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