2023年05月26日
トルコの嫌がらせ
タイトルの「トルコの嫌がらせ」というか、「エルドラン大統領の嫌がらせ」と言った方が良いかもしれません。トルコは防空システムにロシア・S-400型を採用した事で、米国はS-400の地対空ミサイル(S-400シリーズのSAMには目的に応じてミサイルの種類が違う)をウクライナへ供与する要請に拒否した訳ですが、元々はエルドラン大統領は中道左派なので、親ロシア派と言っていいでしょう。これはトルコはNATO加盟国でありながら、同大統領はシリア問題もあり、独自路線を行く国家でもあり、同じNATO加盟国であるギリシャとはエーゲ海の島の領有権を巡り争っている現実があります。実際にF-16同士で空中戦を行い撃墜した事もあります。
そういう背景もあり、エルドラン大統領はトルコ防空システムにS-400を採用したと言う事で合衆国・ペンタゴンは当初、F-35のFACOとMRO&Uをトルコにアサインしていましたが外された経緯があります。そこでF-35を導入出来ない事で、トルコは自国で第5世代ステルス戦闘機を開発しています。
上の動画は、その第5世代ステルス戦闘機「KAAN」と言いますが、開発はTAI(Talkie Aerospece Indastorie)が行い、動画ではタクシー(地上滑走)していますが、ただ、エンジンが作動するだけのハリボテなので、実際の初飛行は2035年を目指しているとの事です。ただ、エンジンは米GE製F110-GE-129なんですが、トルコではTKI-10000型エンジンと呼称しています。パワーは20,000lbなんですが、このF110-GE-129エンジンパワーは29,500lbなので、この乖離の意味が全く不明です。
ただ、実際にトルコ一国での第5世代ステルス戦闘機開発と運用コストはF-35を上回る事は確実でもあり、果たして現実に量産化出来るのか疑問が残ります。只でさえ、トルコ自体は経済が停滞しているので、その開発資金を調達出来るかは分かりません。また、5/28日には大統領選挙があるので、果たしてトルコは一体どうなるのか大統領次第と言う事でしょう。
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Posted at
2023/05/26 21:20:33
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