2024年07月08日
何故、ロールスロイス製なのか
小型ジェット機(ビジネスジェット機を含む)市場で圧倒的なジェットエンジンシェアを誇る、英ロールスロイス社(現:ロールスロイスアビエーション社)ですが、大型ジェット機用エンジンは上記のロールスロイス社、米P&W社、GEアビエーション社、CFMインターナショナル社、IAE社が殆どですが、何故か低バイパス比ターボファンエンジンはロールスロイスアビエーション社製が圧倒的なシェアを握っています。次にP&Wカナダ社(米P&W社とは別会社)、アライドシグナル社(現:ハネウェル社)、小型ジェットビジネス機では圧倒的な販売力のHONDAJETに使われているGE社(元はHONDA HF120型エンジン)となります。
意外に小型機用低バイパス比ターボファンエンジンを開発、製造、販売するには、まず、これまでの運用実績が認められないと使われる事はありません。そこで英BAE ホーカー800/900シリーズジェットビジネス機と言われる約半世紀前に開発された機体に搭載されたのが英ロールスロイスアビエーション社製となります。また、決められたキャパ、パフォーマンス、サイズ、シェイプ、低騒音、低公害ともなると、そのハードルは大型機用ジェットエンジンとは比較にならない技術が必要となります。それにコストパフォーマンスが良くなければ全く意味を成さない面もあり、市場としてはロールスロイスアビエーション社、P&Wカナダ社、ハネウェル社が殆どと言って良いでしょう。現に米空軍B-52Hのリエンジンにロールスロイスアビエーション社製米空軍型式「F130」エンジンが採用された背景も低バイパス比ターボファンエンジンながら圧倒的なパワーと低燃費、低公害が着目され採用されました。意外に米国では低バイパス比ターボファンエンジン開発は遅れているのが現状です。
とは言え、いかに天下のロールスロイスアビエーション社でも低圧ファン、エンジンスプールは日本のIHI社製をチョイスするしか道はないのが現実でもあります。現にボーイングB787やエアバスシリーズ搭載エンジン、ロールスロイスアビエーション社TRENTシリーズはIHI社が必ず関わっています。エンジンスプールはIHI社製が他のエンジンメーカーも採用しており、IHI社がエンジンスプールを生産停止したならば、世界中で運行している大型旅客機、貨物機、社用機はほぼ半数は飛べません。それだけIHI社製エンジンスプールは眼には見えませんが、高回転共振運動を起こさないIHI社製の品質の良さで今の旅客機、貨物機、社用機が飛べると言った案配です。
話は逸れましたがIHI社の技術もありますが、元のエンジンスプールマテリアルの製造元が日本製鉄なのですが、この日本製鉄が製造する鉄道車輪は国内は100%のシェア、世界では40%のシェアを誇り、マテリアルが多結晶から単結晶変換技術は日本製鉄の右に出るメーカーは居ません。やはり、1964年から運行した新幹線での高速鉄道での鉄道車輪高速回転時における共振振動を抑える技術のたわものかと思います。いかに欧州のTGV、ICE、日本からパクりまくった中国鉄道公司の高速鉄道が速くても乗り心地、車体振動、安全性、快適性が損なわれては意味はありません。日本製鉄製「HT鉄道車輪」と「HT波形鉄道車輪」は他のメーカーでは製造は出来ません。これも日本製鉄の単結晶変換技術のおかげでもあります。まあ、後は鉄道レール90kg規格という技術も日本製鉄とJFEスティール社しか製造出来ないですからね。
とまあ、ズラズラと書きましたが、今やロールスロイスアビエーション社、GEアビエーション社、P&W社は単なるブランド名でしかなく重要パーツは日本製が大半と思って下さい。
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2024/07/08 23:51:06
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