古地図や旧い鳥観図といったものが好きで、時々地名を入れてヤフオクを検索したりします。知らない場所というより生まれ育った滋賀近辺のものが好きです。
このようなブログを見つけました。色々説明すると面倒くさいので要点を書くと17世紀頃の日本の事をヨーロッパに紹介した古文書があって、著者とされる人は実際には日本には来ていないのだけど日本の様子が絵と文で紹介されている、のだそうだ。
こんな絵がたくさん載っています。
この古文書の
信ぴょう性を考察した論文もありました。
その中に琵琶湖のほとりにパウロママ山(Pauromama)というのが紹介されているのです。
これがパウロママ山
蘭使一行は都を出でて比叡山の麓を旅行し大津を経て長さ18リーグ(*80Kmくらい)の大湖の辺にある膳所に達せり。此湖水は都を流れて大阪に注ぐ河の源をなす。ゼルデレンは膳所においてパウロママと称する面白き山を見んと欲せり。膳所より東北東に当たり、かの湖水に近し 大正14年和田萬吉訳 モンタヌス日本誌:P464-5
などとあります。
どこなのだろう??
琵琶湖と思われる湖、Miaco(都)、Oets(大津)、Jesi(膳所)、Cusatz(草津)、Itzibe(石部)、Minacutz(水口)、Pauromama は東海道の北側、琵琶湖のほとりにある。
宮田珠己著:おかしなジパング図版帖P21:2013年より引用
この絵からまんぞくが直感的に連想したのがここ!
太郎坊宮ですね。Tarouyama? 琵琶湖からは少し遠いですが。方角は良いかと。ただどちらかというと琵琶湖に背を向けています。
「明日はあそこへ行ってみましょうか?」膳所から琵琶湖越しに見える山といえば三上山ですかね?
近江富士の別名があります。パウロママ山が火山であった!などという記述もあるようです(笑)。
こうやって見るとパウロママ山のらせん状の道が
三上山の大ムカデのとぐろに見えなくもないですね。Tawarayama?(俵藤太はさすがにこじつけかな?)
「船でたどり着いた」、「琵琶湖のほとり」、この辺りを重視すれば
長命寺の可能性があるかも。
重要文化財
長命寺参詣曼荼羅より。これは
ほぼ同時代に国内で書かれた絵になります。似ていると思いませんか?
パンフレットより。
ちなみに長命寺、石段の数は太郎坊宮より多く、巨岩奇岩があるみたいです。意外!
まとめ) 太郎坊 三上山 長命寺
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高さ 350m 432m 333m
膳所から東北東 東北東 東北東 北東
湖との距離 遠い 遠い 近い
インパクト 強い 強い 弱い
京都大阪が見える 無理? 見えるかも 無理?
石部水口が見える 無理? 見える 見えるかも
御利益等 勝負 家内安全 長寿
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VREUGDENBERG→Mount of Pleasure→喜びの山→長生きのご利益
これもこじつけかな?
現時点では長命寺説を唱えたいと思っています。
追記)
よくみると雲の形が異なる絵。これは幕末、ペリー来朝の頃のアメリカで日本を紹介した記事の1頁。おそらくモンタヌス日本誌の絵を後年誰かが模写したものと推測します。数百年にわたって神秘的な日本の場所として紹介されてきた山なのでそろそろ正体を明らかにしたいところです。
続編は
こちら
Posted at 2021/01/09 22:04:52 | |
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