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2021年09月04日 イイね!

マークXにLSD

マークXにLSDコンスタントにブログを更新できない日々が続いております。


私事ですが・・お盆過ぎから会社の仕事量が尋常じゃない事になり、只でさえ身体を使う技術職なのに、屈強を自負する僕でさえそろそろ限界を迎えそうです。

基本毎日3時間4時間の残業に、休日も出勤で更に残業・・・。


そろそろ何とかならんかな。。

こんなコロナ禍で、仕事があるだけ有り難いのかも知れませんが・・・ちょっと極端なんだよな。
断った仕事が転注になるとまず帰って来ないので、やり切るしかないのが中小企業の辛い所ですね。


そんな合間でも、頼まれてるエンジンを組まないといけないとか、クルマが止まっちゃったから見てくれだとか、このパーツ付けて欲しいだとか、様々なニーズに応えなければいけないという実情があります。

チオビタドリンクを一気飲みし、両手で頬を叩き、全盛期の勝俣邦和よろしく「っしゃあ!」と掛け声をかけて単発の依頼を迎え撃っていますw


ちょっと前の内容ですが、会社の知り合いのマークX。
型式はGRX130で、ついこの間絶版になりましたマークⅡ3兄弟シリーズの末っ子の最終型。
ファイナルエディションという奴です。

コイツに機械式LSDを入れて欲しいという事で色々調べてみると、クスコからラインナップがある。
トヨタの8インチという規格なので、今のハチロクとかBRZのデフと共通のようですね。

ただ、どういう訳かRSもMZも即納できないらしく、ハイブリッドデフというシリーズだけが直ぐに出せるという事でした。

ハイブリッドデフとはなんぞやと調べてみると・・・

まず、昨今の自動車の電子制御の統合デバイスによる4輪の監視マネージメントは緻密で厳しく、やたらとガチガチのLSDなどを入れてしまうとしょっちゅう制御が入ってしまってまともに走れないとか、ATへの負担が大きくなり過ぎてフェイルセーフが入ってしまうとか・・・

昔のように「LSDを入れる→楽しく走れる」という簡単な図式ではない模様。

TRCをOFFにしてやれば一時的にそういった制御が介入しないようには出来るが、普段からやたらと制御が入るようでは煩わしいので、街乗り普段乗り程度では制御が介入しない程度の緩めのイニシャルトルクと、しっかり踏んだ先で初めてガチっとロックする機構の独自のプレッシャーリングとカム角が設定された低速マイルド仕様のLSD。

それがクスコのハイブリッドデフ。
と、言う事みたいです。



そこまでマイルドがいいなら、ハチロク純正のトルセンLSDでも流用すれば間違いないのだが、機械式を知ってる人にはマイルド過ぎる。
でもでも、鬼組みのMZやRSではガチ過ぎるみたいな人向けですかね。

まぁ、ATしかないマークXには丁度いいのかも知れません。


そんな訳で、事前に色々相談はされていたものの、話だけだろうと呑気に構えていたら、とんとん拍子に物を全部揃えてしまった様なので、どこかでやらないとね~なんて言ってて。
会社も忙しいから土曜も出勤だし、日曜はフルでやったら死んじゃうしで、考えた挙句・・・

土曜日仕事終わりにデフ降ろして部屋でLSD組み込みで半分。
日曜日午前中にクルマに取り付けしてで半分のまさにハイブリッドなプランで行く事に。

これなら日曜の午後はゆっくり出来るし、家庭内のタスクも守れるな。



みたいなね。。

やらなきゃいけない事の量は変わらないんだけど、最近はいっぺんにやるのが厳しくてね・・デフなんて訳ないだろと思いつつも、初めてのクルマなんかは思ったよりも時間が掛かるし、突貫でやるよりも前後編で分けた方がラクできるんだよね。

そんなこんなでハイブリッドデフ土日半日組み付けのハイブリッドプラン。



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こういう日に限って結構な雨。
駐車場は屋根下なんで決行しますが、風が強いとまあまあ吹き込んできます。

クソが!やってやるぜ。


FRのリヤデフなんて楽勝だろうと思いましたが、最近のクルマは細かくブレースバーのようなものが入っていたり、アンダーボディー気流の整流パネルのようなものがやたらと付いています。

それでもまぁ、デフ自体はボルト4本とペラシャのボルトナット、ドライブシャフトの差し込みのみ。
ドライブシャフトは、アーム類の分解が面倒なのでそのまま下げて行って抜けてくるかチャレンジです。


リヤメンバーで留っている12のヘキサゴンボルト前のスペースが狭い・・・。
ソケットは差せても、ラチェもスピンナも取り付け出来そうにありません。
こんなデカいサイズのヘキサゴンのL字なんてもってないなぁ。

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少し考えた後、ソケットのヘキサゴンに直接メガネを掛けて回すことが出来ました。(差し代が短すぎるとこれも出来ない)


危ない危ない・・・これがダメなら他に方法が無かったわ。


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無事リヤデフは着陸。
ドラシャも下げていくだけで抜くことが出来ました。

ノーマル状態でのバックラッシュを計測。
0.13ミリといった所でした。

同じくらいの値で調整できればいいけど、シムも全種類などは準備していないのでどうなりますかね。




取り敢えず、クルマ側の作業は本日は終了。
オーナーのBさんにはお帰り戴きます。


さて、帰って飯食って風呂に入ってもまだ寝られません。
本日中に調整まで終えてフタを閉めないと接着剤が乾きませんからね。

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さて、組み込み前にハイブリッドデフの中身を確認しておきます。

1WAY用クロスシャフトをプレッシャーリングが挟み、それをさらにフリクションディスクとプレートが挟んでいるのは従来のLSDと変わりませんが、その外側に見慣れないリングとRSに使っているようなコイルスプリングが見えます。


ほう。

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仔細を見ていくと、プレッシャーリングにはRSスプリングが入れられる溝が切ってあり、クロスシャフトのカムもレスポンスのいい深い角度に変える事も出来る。
要するに共通部品と言う事だ。


イニシャルトルクを掛けるためのスプリングはRSのように内側からではなく、新設のリングを介して外側から掛ける事で、プレッシャーリングの押し広げを遅らせて、日常使用領域でロックしないようにしている模様。

このリング機構のお陰でフリクションプレートの枚数は片側最大12枚から6枚に減少してしまっているが、極端な効きを落として更にマイルドにする為なのだろう。

逆にこの部分を無くしてフリクションプレートやディスクを入れ、コーンプレートかRSスプリングを入れてやればタイプMZにもタイプRSにもなるという事ですね。


要するに中身の組み換えだけで上手い事やってるな!
って話でしたw


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よく見ると、片側6枚にまで減少しているクラッチプレート群にも関わらず、さらに内爪と外爪が重なっている物がありますね。
最大7面の摩擦面を出せる中で、3面が無駄になる配列です。

これでは本来の6割位しかロック力が出せない。

ただでさえMZやRSの半分の枚数なのに、そこから更に6割では折角の社外機械式LSDも勿体ないと感じてしまうヲレ。
(まぁ、コンセプトに合わせたセッティングなんだろうけど)

イニシャルトルク自体は新設のプレッシャースプリングという物で出しているようですし、プレッシャーリングのカム角も浅い方を選べば、しっかり踏まないとロックが始まらない構造ですから、最大のロック率は高めてもそれ程問題は無いハズ。

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100%で組んでおきましたw

オーナーも、即納できればRSでもいいやと言っていた位なので、そこまでフォーマルな性能に拘ってはいない筈。
出荷状態のセッティングでは逆にガッカリさせてしまうかも知れないので、これは正解だと思う。

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しっかりフタを閉めてと。


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キャリヤ側からノーマルのオープンデフを取り出します。

ここで肝心になるのは、サイドベアリングアウターレースの外側に1枚づつ入っているバックラッシュの調整用シム。(リヤデファレンシャルサイドギヤシャフトワッシャという部品w)
左に3.05、右に2.85という物が入っていました。

元々入っていたデフを外して戻すだけなら、リングギヤのバックラッシュは変わりませんが、今回のようにデフそのものが社外などに変わってしまう場合は、結構隙間が変わってしまうので、シムを交換して調整が必要になります。


元々入っているシムの厚みはバラしてみないと判らないので、事前にドンピシャのシムを準備出来ません。
通常、ショップなどではここで一回作業を中断してシムの発注に入るか、仮組でまあまあ値が良ければそのまま行っちまえで組んじゃうんでしょうけど、狭すぎると熱膨張時にギヤが届いちゃってブローするし、広すぎてもインパクトで割れたり、ギヤが偏摩耗して音が出たりとあまりいいことがない。
バラす前が0.13ミリだったのなら、やっぱり0.13前後で戻してあげたいところ。

ですが、この土日しか時間がないので一発で決めなければなりません。


かと言って、50種類くらいあるシムを全部購入する訳にはいかないので・・・
こういう時はヤマ勘でだいたい当たりを付けて20枚くらい注文して勝負するという方式を取っています。

41334Cリヤデファレンシャルサイドギヤシャフトワッシャ
2.80から3.28ミリの間で約50種類のラインナップがありました。
1枚400円弱。

全部買えば間違いないでしょうが、えらい金額になります。
20枚程度なら1万円弱。
自宅ガレージで時間が掛けられるなら、バラしてから2~3枚注文して済ませられますが、1日で終わらせることがマストなので、これは仕方がない出費ですね。


3.00ミリを真ん中に、前後10枚づつ程度準備しました。
これでヤマ勘を外すとかなり残念な事になりますが、これでイケなかった事は無いですね。
(適当だけど・・・)

この辺の煩わしさを見ると、スバルのリヤデフのバックラッシュが薄いシム数枚の組み合わせだけでやりくりできる構造は素晴らしい。


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ノーマルデフからリングギヤを移植して、準備しておいた新品のサイドベアリングを圧入します。
ネットではリングギヤは焼き嵌めなどとの記述をみましたが、冷間でも抜けますし、嵌りますね、特に問題ありませんでした。

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先ずは元々入っていたシムで組んでみて値を見ます。
大体0.17~0.18ミリでした。

標準値が0.13~0.18なので、ギリOKっちゃOKなんですが、広い方にギリってちょっと嫌だなぁ。
まだ登録から2年程度の新車なので、狭い方で組んであげたい。


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折角いっぱいシムを買ってあるので、しっかり調整してみます。

0.05ミリ程度リングギヤを近付ける方向でシムの選定をします。
今回もヤマ勘は大体当たりましたが、危なかったよ。
薄い方に寄せたのが正解でしたけど、厚い方に寄せた20枚だったら2.80ってのは入ってこなかった。

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近くの段ボールなんかに書きつけながら何度か組み直します。

デフ自体が別物ですし、サイドベアリングも新品なのでそもそもの全幅が変わってきますから、左右の厚みの変更量が同じになるとは限りません。
元のシムの厚みの合計だとややキツキツだったので、片方を少し減らして調整しました。


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数回調整して、バラす前と同じ0.13~0.14ミリという値にまで持っていくことが出来ました。
これならアクセルON/OFF時のギクシャク感も出ないでしょう。

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バックラッシュさえ決まっちゃえば、あとはキャップの本締めを確認してキャリヤの蓋を閉めて終わりです。
気が付いたら夜中の3時くらいになってた。



やっと寝られる・・・。

でも翌朝は午前中に終わらせたいので、早く起きなきゃな。




結局、7時頃起きようと思ってたけど、10時過ぎ・・・。
まぁ、しょうがねえか。
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デフ玉運んで車体に取付します。

しかし、200馬力以上を受け止めるデフは結構重いな・・・。
インプのR180に慣れているヲレにはトヨタの8インチ(ていうか、まだこのデフ玉使ってんのかよ・・・)とかR200とかってのはやっぱりデカい。


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アンダーボディーのフラット化の為に、窪んだ所がないように色んなパネルが付いている。
デフの両サイドにもレゾネーターのような樹脂のパーツが付いて、徹底的なフラット化がなされていました。


近年のスポーツカーから大型のウイングが廃されてきたのも、こういったディフューザーがしっかりしてきたからで、偏ったピッチングを生み出す大型ウイングやフロントリップスポイラーなどよりも、アンダーボディーの整流化によるダウンフォースの方が効果が高いのだという。

全部カバーリングされちゃって整備する方は大変だけどね、こうやって時代と共に機能パーツやトレンドが変化していく。


いいものは古いクルマにも取り入れてみたいし、色々と参考にはなりますね。

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降ろすときは何とか抜けてきたドライブシャフトのインプットですが、入れる時は突っ張っちゃってなかなか難しいね・・・。
苦労しそうだったので、削られる前に素直にロアアームの片側を外しました。。
これなら一発で入ります。


調整のない部位ですのでアライメントは大丈夫でしょう。


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無事搭載し、デフオイル充填。
オイル量は1.2Lなので、チビ缶ひとつじゃ足りませんよ。

最初の500キロくらいで一度交換が望ましいので、多めに準備しておきましょう。



古いクルマなら、ウマに載ったままギヤを入れて駆動させたりして最終点検するんですが、今のクルマでそれをやるとABSとかEBDが誤作動を検知してチェックランプが点きっ放しになったりするので、実際に走ってチェックするだけです。


まず走り出してクッと踏むと、チャッと言う感じのプレッシャーリングが押されてプレートが密着する時の音が割とハッキリ聞こえる。
不快ではないが、素人には聴きなれないだろう。
アクセルを踏まない惰性の旋回では殆どイニシャルトルクに寄る抵抗感はない。
車庫入れなどでのフル転舵でも引きずるような引っ掛かりは全く感じなかった。

しかし、カーブなどで意図的に大きくスロットルを開けると、駆動両輪は瞬時ににズザザとロックを開始し、面圧の低い内側のタイヤが無様に空転するという事は一切おきそうもない。
純正トルセンなどよりも明らかにレスポンスが良く、機械式LSD感は充分に感じる。

片側6枚プレートと、クスコにしてはマイルドなLSDではあるが、充分ではないかと思える能力がある。

超ハイグリップタイヤを履いてジムカーナとかになったら判らんが、このオーナーも、そもそもガチじゃねーし、たまに峠や高速を流すだけなら、普段乗りで不快感が無い分最高のLSDではないだろうか。



今回このLSDの構造を理解するにあたり、イニシャルトルクの調整やあり方について新しい視点で考察できて、いい勉強になったかな。

低イニシャルで高いロック率を出せる社外LSDはいいなぁと思いました。



やっぱ走るクルマにはLSDは絶対必要!

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alt純正のホイールがやたらとカッコいいな・・・。
Posted at 2021/09/26 11:10:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2021年08月28日 イイね!

漸く組み立てスタート

漸く組み立てスタート着手は春先だったものの、注文部品が受注生産だったりエンジンの加工に時間が掛かったりでぶっちゃけ中3ヶ月以上は只の待ち状態だったポンさんのGC8エンジンオーバーホール作業。

八王子のナプレックさんより作業完了の連絡があったので、受け取りに行き、漸く作業が再開となりましたの回です。


エンジンのオーバーホールと言っても、シリンダーを掘り直すほどのガチのやつは金も時間も掛かるのであまりやらないのがヲレの方針。
余程酷いエンジンでない限り、ピストンリングを換えたりバルブシールを換えたりするくらいで大体復活してしまうし、ブローによる不動からの取り敢えずの早期復活というのが大命題なので、完璧なエンジンを作ろうと言う気がさらさら無いw

全バラにしてしっかり清掃、磨き上げ、本当に駄目そうな部品とシールなどの樹脂部品のみ新品にして組み直すだけでも充分に直ったりもするので、何か月も何十万円も掛ける位ならクルマ買い替えちゃった方がいいんじゃないの?

みたいな、コスパ重視のマシンメンテナンス方針なのは相変わらずです。
(元々クルマの修理屋さんですからね)


なので、加工屋さんにお世話になる事は少ない。

まぁ、歪んだヘッドの面研とか、原付のボアアップとかちょっとした小包でやり取りできるようなのは、チョコチョコお願いしていますが、今回ほどしっかりした依頼は随分久しぶりですね。


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ナプレックさんは左入橋のすぐ裏手にあります。

この業界では老舗中の老舗で、ロータリーも出来るしエンジンの加工で頼めない事はないんじゃないでしょうか。
ココに頼んでおけば間違いないな、という安心感はあります。



ただ、待たされますね・・・w

完璧な仕事をしてもらう為には仕方がないな、という感じです。

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玄関ではピカピカしたヘッド達がお出迎え。

今回大きな箱4つ分の持ち込みとなったEJ20の加工依頼。
ヘッド左右に、ブロック左右ですからね・・重量もありますし、頼めば運送費だけでも片道12000円くらいにはなりそうです。

運送事故や紛失も怖いですので、自分で持ち込んで自分で取りに行きました。
最近はコロナの関係か土曜出勤されていないようなので、会社を早上がりして八王子まで行くしかありませんでした。

ヘッド左右の修正面研と、0.5ミリOSピストンに合わせたダミーヘッドボーリングとブロックの上面修正面研で11万円弱。
EJはやはりヘッドボルト締結時にかなり歪むので、ダミーヘッドは使った方が良いよと言われましたね。

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ヘッドは0.10ミリ面研、ブロック上面は0.08ミリの面研となりました。
合計0.18ミリの面研にHKSピストン、純正の0.7ミリガスケットでは圧縮比が上がり過ぎてしまいそうなので、バージョンⅣまでの1.4ミリを使った方が良さそうですね。

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美しい加工面、プラトーホーニング仕上げのシリンダー。

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23万円分くらい購入したスバル純正部品達。
ジェネリックを一切含んでいないとこれくらいの金額になりますね。
ディーラーでの注文となりました。

以前取引があった部品商は、中継の古巣の板金屋が廃業したことと、部品間違いが余りに多いので、頼むのをやめてしまいました。
純正部品はレスが殆ど無いのでね、部品商経由で頼むメリットが殆ど無い。
今はモノタロウとディーラー注文でどうにでもなりますね。

「エンジン判るサービスマンをお願いしますね。」
久々に行く東京スバルは人が入れ替わってしまっていて、知らない人ばかり。

ヲレが注文票を作って持ち込んだ時、
72品目の部品番号の羅列にサービスマンは蒼い顔をしていましたね。


「全て打ち込みをして在庫の確認をしてきます・・・。」


PCVのホース1点とクランクメーンベアリングが欠品中だけど、ベアリングは千葉に1点あるようなので取り寄せできそうですとの事。
ホースは何かで代用出来そうだけど、クランクメタルが近在で残り1点か・・・
そんな感じでした。


沢山のオイルシールやバルブリフター、タイミングベルトにウォーターポンプ、アイドラー・・・GCは樹脂のカムスプロケを交換しないといけないので高くつきますね・・・。
ランチボックスをオマケでくれましたね。



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バルブシールの交換。

加工に出したヘッドやブロックは切子などが残っているので、しっかり清掃してエアブローなどで完璧にきれいにしておきます。

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意外と大変な古いバルブシールの撤去。
今回は専用のプライヤーを準備しておいたので楽勝です。

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10ミリの12角ソケットなんかを治具に新しいシールを打ち込みます。
リフターの摺動面を傷にしないように注意して作業です。

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今回初めて使うGDBG型用バルブスプリングリテーナー。
GC8のF/G型で18gなのに対して、約12gと6gの軽量化を果たしている。
16バルブで96gもの動弁系バネ下の軽量化となる。


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GC8用と比べてもこんなに薄い。
平気なんだろうか?と心配になってしまうほど小さい。

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治具が嵌まる立ち上がりが無い分組みにくいですね。
何度もズレてしまってやり直し。

まぁ、工具が適当なんで仕方が無いですが・・・。
(バルブスプリングコンプレッサーを持っていないw)

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組み付けるとこんな感じ。
コッタがちゃんと嵌まっているか全数しっかり確認します。


これだけで腰や背中が痛くなり、弱音がかなり出る。
ミスが怖いので、集中力が続いているうちに作業を終わらせる事が大事です。

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GDBCから採用のシムレスリフター。
1個2000円もする強者です。

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ドナー購入したエンジンに付いていた既存のシムレスリフターでは計算上合わなかった8個は仕方なく注文。

部品番号の末尾がそのまま厚みの物もあれば、全然違うものもあるという迷走ぶり・・・騙されてはいけない。


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GCの頃のリフター&シムの合計で42g程度あった重量が、33~34gと、ここも大幅な軽量化が図られている。
バルブリテーナーと併せると、15g/1ヶ所程も軽くなっており、合計で240gにもなる。

僅かな数値と思うかも知れないが、超高速で上下動する動弁系やピストンなどの軽量化はかなりの違いをもたらす。
慣性力が小さければ小さいほど、エンジンのレスポンスに影響するのである。

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計算上決まった所にシムを置くんですが、ヘッドをブロックに取り付けるとまた少し変わる事もあるのでまだ仮組みですね。

最後にクリアランス測定をして変わらなければそのまま組み立て。
修正面研で歪みを取ってあるので変わらないかもですが、組んでみないと判らないですね。

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取り敢えずヘッドは完成だね。


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さて、お次は腰下となります。

東名のH断面コンロッド。
本当はピストンに合わせてHKSのH断面が良かったけどね・・・18マソってちょっと高すぎるよ。。
東名の7万円台が安く感じます。
それでも純正よりは遥かに高強度ですから充分でしょう。


GC8時代で610g、GDBで600gと少しづつ軽くなってきていますが、570gならダントツですね。


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出荷状態で本気で締めてあるので緩めるのが大変でしたw
卓上の大型バイスで固定して緩めました。
7/16の12ポイントというボックスが必要になります。(12㎜でもいいと思うけどな)

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あとはGDB純正クランクシャフトと、クランクメーンベアリング、コンロッドベアリング(何れもSTDサイズ)。

細かい厚み設定が元からないEJのベアリング。
ジャーナルの修正研磨をした際に必要なアンダーサイズが2種類くらいあるだけで基本はSTDサイズで組むことになる。

クランクピンのメーンベアリングに関しては、整備書に基準値の記載すらなかったと思う。

まぁ、クランクメタルが逝かれてブローって聞いたことがないので、まずトラブらない所なんだろうねぇ。
今までいっぱいバラしてきたけど、再使用でも充分行けるくらい程度のいい物ばかりだった。
やはりオイル供給経路2番手となるコンロッド大端ベアリングをしっかり気を付けていれば問題ないという事なのだろう。

そうは言っても、エンジンは計測とデータが基本。
後で泣きを見ないように全てしっかり測っておきましょう。


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先ずはコンロッドのベアリング。

コンロッドの向きやキャップの向きも決まっているので、しっかり合わせてプラスチゲージで測ります。

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殆どバラツキもなく、0.03ミリ前後の値ですね。

標準値0.02~0.046ミリ(限度値0.064ミリ)とあるので、
全く問題ないと思います。


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クランクシャフトの曲がりも見ておきましょう。
1番と5番に古いベアリングを置いてクランクシャフトを乗せ、3番のピンにダイヤルゲージを当てて針の振れを見ます。

針の振れは0.01ミリ以内。(限度値0.035ミリ)

ここも非常に優秀な値を示しています。
今回流用の為に準備したGDBCの腰下ですが、ブロックにしろクランクシャフトにしろ、GC用に比べても非常に剛性感が高く、摩耗や歪みなどが圧倒的に少ない印象です。

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では最後にクランクのメーンベアリングも測定しておきましょう。
チョキチョキとプラスチゲージを切ってと。。


様々な測定器具がある。

ノギスにシクネスゲージ。
ダイヤルゲージにボアゲージ、マイクロメーターにと、場所に合わせて適宜使っていく測定機器だが、数百円で買えて簡単に使えるプラスチゲージという測定具がある。

主にクランクやコンロッド、カムなどのジャーナル部分(油圧潤滑する軸の摺動面の事)のクリアランス測定に使うプラスチックの棒である。
簡単なので簡易測定だと思われがちのプラスチゲージであるが、それは勘違いである。

挟み込むことで潰れ、その潰れ具合を幅で計測するというアナログ測定器であるが、それは常に賞味の実測値であり、正確無比なのでヲレは好んで使っている。

ジャーナルの径や、キャップの内径をマイクロゲージなどで計測し、その差から計算するという計測方法もあるにはあるのだが、点でしか計測出来ないので円の直径の計算だと数か所の計測値の平均を出さねばならないし、どうしても手で支える計測なので誤差も大きい。
僅かな表面の凹凸を拾ってしまえば簡単に数十ミクロンの誤差になってしまう。
1/1000ミリを測れるゲージであっても、結局机上の計算であり、実測値との差は思いの外大きいのである。

後はメッキ処理された硬い測定端子によって表面を傷にしてしまう事も怖い。
何度も何度も測ることが多いので、柔らかなシリンダー内壁やジャーナル面を傷にしてしまう心配がある事も見逃せない。


単にプラスチゲージは簡単で偉大であるという話です。

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続いてクランクベアリングの隙間測定であるが、整備書でも重視していない箇所にも関わらず、測定の手間が尋常じゃないので割愛したい欲望に駆られますが・・・ちゃんとやっておきましょう。

多くの締結ボルトを使って二分割のシリンダーブロックを一度しっかり締め付ける必要がありますが、小ネジまで全て締め付ける必要はありません。
M10のベアリングキャップに当たる部分のボルトだけ締めれば値は出ます。
それでも右から左から10本。


充分に大変ですが。。



ここである事に気が付いて戦慄します。
ウォータージャケット内の締結ボルトのワッシャーがシールワッシャーだった事を思い出しました。

ヤベエ…頼んでなかったわ。。


本日中にシリンダーブロックの接合まで済ませる積りだったので大誤算です。

畜生・・自分のエンジンなんかは気にせずに再使用していたのでマークしてなかったな。
ひとのエンジンでは流石にそういう訳にはいかないでしょう。

取り敢えずシールワッシャーは即日注文するとして、メタルクリアランスの測定は済ませておきましょう。



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正確な角度締めで施工するために、こういったゲージが存在します。

以前は何でも対角締めとトルク管理で完結していたエンジンの組み立てですが、最近では角度締めの方がボルトの伸び率の管理が正確だということで、スタンダードとなっていますね。

最初の仮締めだけトルクレンチで締め付けて、あとは65°とか、90°で締め付けるという締結方法。


まぁ、理には適っていると思いますが、どうしても緩くない?と感じる部分もあるので、余計に締めたくなってしまう時もありますね。


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クランクメーンベアリングも、0.38㎜前後で揃っていて問題ない感じ。


詰まらない欠品部品も出てしまったので、あとはコンロッドをクランクシャフトへ組み付けておく位しか出来ることがなくなってしまったな。

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付属のモリブデングリスを塗布して、ARP製高強度ボルトで締め付けていきます。

グリスを付けるのは、滑り抵抗を均一にするためで、仮締めのイニシャルトルクを正確に行う為です。
初めに15Nmで締め付けをし、60~65°にて角度締めを行います。

足で踏みつけて押さえ込んでも浮き上がってしまう程のトルクです。
非常に固いボルトで、締付の際に伸びる感じが全然ありません。


細いのに凄いボルトですね。

この先でも折れることなく伸びるしなやかさがあるとすれば、純正の何倍も強度があるボルトだなと実感します。


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東名パワードのプリントを全てフロント側へ向けて、キャップも指定の向きで間違いなく組み付けました。

アッセンブリールブをしっかり塗布してあります。

規定トルクで締め付けた後も、特に引っ掛かりなどが無く同じ程度の抵抗でコンロッドが回転する事を確認。

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キャップもロット番号が同じ側に来ていれば間違いありません。
末尾3ケタが同じ数字であれば間違いなく相方です。


クランクシャフトアセンブリーが完成しました。


本日の作業はここまでですね。
シールワッシャーはやや納期が掛かるようで、部屋で出しっ放しだったエンジンも一度収納します。

今回は、柄にもなくかなり丁寧に作業しています。
この気遣いが組み上がりの差に出ればいいのですが、適当に組んでも最高の場合もあるし、めちゃくちゃ神経質に組んでもそれ程でもない・・みたいな事もあるのがエンジン製作。

運もあるなぁ。


でもまぁ、やった分くらいは結果で返してくれるのが機械だと信じるしかないので、出来る限りの事はやっておこうと。

とても気まぐれな友人のような、



エンジンとはそういう物ですかね。

alt最近は会社が忙しくてヤバイ・・・疲れが取れない日々が続いています。。

Posted at 2021/09/11 23:22:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2021年08月21日 イイね!

緊急修理

緊急修理いつも面倒を見ているアルトワークス。


このブログにちょくちょく出てくるのだが、
このオーナー、高校の頃からの知り合いで、大昔にFC3Sやらランエボやらに乗っていた頃からクルマの面倒を見てきた。
そろそろ30年来になろうかというで友人ある。

なので、これまでも結構無茶な緊急修理などにも仕方なく応じてきている。


整備などは出来ないが、車検程度は面倒なので自分で行ってこいと言って手ほどきをし、自分で通せるようになったのである。

今回も、前の週にウチに寄らせて、
検査に合格するか確認だけはしておいたのである。



ところが当日。



車検に行くその足でマフラーから白煙がもくもく上がり、ブーストが正圧に上がらなくなったという。

行く足でって・・・そんな事ある?


余りに煙幕が酷いので流石に車検は厳しいだろうという事で、予約を取っていた検査は中止。
そのまま帰ってきたという。


まぁ確かに、以前から(というより最初から)エンジンOH時に移植したRHB31タービン(キャロルに付いていたカプチーノ用タービン)からのオイル滲みがあり、どうやら中にも回っちゃっているのは判っていたんですが、過給は問題なく掛かっていたので、ギリギリまで使おう・・・という按配ではあった。

ここにきて一気にブローとは。。
(せめて車検を継続してからにしてくれよ・・・)


車検も翌週に通さないと切れてしまうとの事で、この週末に直さないと色々厳しいという。


かく言うヲレも、金曜日にコロナワクチン接種の一発目をかました直後なので、どうなるか判らない状況。
接種後の用心で土曜日を休みにしてあるのに、そこで直すしかないな・・・。


結局「熱が上がったら出来ないからな!」という事で引き受けましたが、熱も特に上がらず・・・
若干だるくて腕がちょっと痛ぇな、って位で頑張れば何でも出来ちゃいそうな自分が嫌です。



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タービンくらいなら3時間位か・・・と仕方なくクルマを引上げに行き、作業を始めます。

ブーストは全く掛からないのでタービンホイールはスティックしている模様。
兎に角マフラーからの煙幕がヤバイ。
信号待ちでは後ろにいたバスが少し距離を置いて停車する程の煙です。

恥ずかしいなぁ・・・



カチカチ山だよこれじゃあ。


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もう数えきれないくらいエンジン周りの作業をしていますが、その度に配管を少し折り曲げて退かすコンデンサー。


ついにプシー!とか言ってガスが漏れてしまいました・・・。


仕方ないよなぁ・・毎回丁寧に外してガス入れ直してられないし。
ここの配管は確か、捨てる前のキャロルから外してストックしてある筈。

取り敢えず無視して先に進もう。。



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結構オイルの外部漏洩が激しいな。
タービンのどこから漏れるんだろ。。

それとも中での漏れが激しくて、過給時に配管の繋ぎ目から滲み出すのかな?

完全に死んでる感の凄いカプチーノタービン、摘出します。



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水とね、エンジンオイルの配管だけ外せばあとはあとは煩わしい所は無いかな。
しょっちゅう作業してるので、ボルトナットの固着も無い。


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タービンが外れました。
なかからドバドバオイルが出てきます。

これが全部スロットルに行くんだから、そりゃあ白煙モクモクだよ。


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ガッチリ固着して回らないタービンホイール。

メタルタービンなんてボールベアリングと違い、単純な構造なのになんで回らなくなっちゃうんだろうね。
バラシて見てみたいところです。


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吸気側でオイルドバドバのRHB31。
貴重なタービンではあるので、羽根の損傷が無ければOHして使いたい所。

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取り換えるタービンは、エンジンOH前に使っていた運用期間の短いリビルト品。確か1年位しか使ってなったんじゃなかったかな?

まぁ、軽タービンの格安リビルト品なんてあまり信用出来ないけどね・・・
問題なく使えていた物なので、取り敢えず仕事場に戻ってもらいます。



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デロデロのタービン周辺をパーツクリーナー2本くらい使ってしっかり清掃。
手が入らない部分なのでね、ここでしっかりやっておかないとずっと汚いままになってしまいます。

あとはサクサク組んでいくだけなのですが再び事件が・・・。


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オイル配管のバンジョーが折れるっていう^^;

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ネジ山がブロックの中に残っちゃったよ・・・大丈夫かよコレ。

そんなに強く締めなかったけどな・・・
銅ワッシャだからまあまあ締めとかないとオイルが漏れるとこ。
でも中空のボルトだから弱いな・・・難しい所だ。



さて、こんなボルトあったかな?
GC8のボールベアリング用じゃあ油圧は掛からんしダメだろ。

部屋のネジ箱をガサガサやるものの、パワステ系のデカいバンジョーしかないな・・・と思ったが、年末に取り換えたエブリイのK6Aのがどこかにあった筈だな。


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ありましたね。
サイズも一緒っぽいな。

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残ったネジはエキストラクターで簡単に外れました。
タービンは無事交換完了です。


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最後にエンジンオイルを新油に交換し、試運転。
何か、ノーマルタービンの方が速い気がする・・・。

下から過給が掛かるからなのかな。

それともカプチーノタービンの方が最後の方は調子が悪くてイマイチだったのかな?
兎に角ぐわっと加速してくれて、パンチのある走りが帰ってきた感じ。
当分はコレでいいんじゃないかな?


インタークーラーなどの吸気側の配管はなるべく掃除をしましたが、インマニまで外して洗ってられないので、溜まったオイルで少しの間はまだ白煙を吹くと思いますが、まぁ・・そのうち消えるでしょう。


オーナーは仕事なので、帰ってくるまでマシンは返却。



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オーナー帰宅後に確認してもらうと、割れてしまった配管部分の部品は同じ物があるようなので、そいつを持って来てもらいます。

リキッドタンク~コンデンサー間の短い配管ですのでバンパーを外すだけで交換できます。

最後に真空引きをしてエアコンガスを3本ほど入れたらエアコンの効きを確認して作業終了。

簡単に書いていますが、これは熟知しているからで・・・
エアコンガスの充填作業は非常に危険な作業なので、熟練者からの直の講習を受けていない者は見よう見まねで作業せずに、プロに頼んでね。

高圧配管が爆発して失明した人も居ますよ。


実は、のちにエバポレーター&エキスパンションバルブの交換も予定していましたので、エアコンガスは再充填となりますが、この時期一日でもエアコンが無いのは厳しいでしょうから、取り敢えず仕方が無いですね。

先ずは車検に通してきてもらいましょう。


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alt後日、車検は無事継続出来た様で一安心
Posted at 2021/09/11 15:23:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2021年06月05日 イイね!

液封ブッシュ

液封ブッシュBNR34 スカイラインGT-R。

今も昔も、日産フラッグシップ機として、ストリートの王者として、変わらずに君臨し続けるスーパーカーである。


そんなHIKO君のGT-Rももう登初年度登録より23年。
ヲレ達が20代前半位に峠でウェイウェイやってた頃のケンメリとかと感覚的にもう変わらない。


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20年前って・・・ちょうどこんな感じだったなw
携帯カメラがこんな写真しかないっていう。

HIKO君は32のGT-Rだったしな。
クネ太郎もヲレもジジイになったが、ノリは大して変わってないなww



そんな20年の歳月には流石のGT-Rも勝てず、あちこちがヤレてくる。

二度目のタイミングベルト交換を済ませ、エアコンを直し、オルタやセルモーター、フューエルポンプなどのエンジン補機も殆ど交換、ショックアブソーバーやブレーキのオーバーホールも済ませてある。
あれもこれも改修し、数え上げればキリがないが、それでもまだ未着手の部分もある。

サスペンションブッシュである。


いきなりダメになって突然走れなくなる、というようなトラブルに繋がりにくいので、どうしても後回しになってしまう。
かと言っていざ全部やるとなると、足回り全バラしにしてプレスを使った打ち替え作業となり、かなり大掛かりになってしまう。
部品と工賃で20万円近くは掛かってしまうんじゃないだろうか。

なかなか予防交換に踏み切りにくいエリアだと言える。

サスペンションブッシュ交換の目安は、いい状態を維持したいのであれば、およそ10万キロ位が目安かなと思う。
この位であれば、乗る人が乗ればすこしヤレてきたかなと感じる程度だが、シビアな使い方がされているクルマだと劣化でシワなどが入り始めてくる頃。

特にトラブルに繋がる事も無いので、そのまま15万キロとかまで引っ張ってしまいがちだが、ゴムの劣化は進んでおり、ヘタリ切ったゴムのせいで本来のアライメントデータから外れた感じになってくる。

そして、私たちのように20万キロオーバーまで交換せずに引っ張ってしまったりすると、ゴムが完全に破断してゴトゴトとガタが出るようになったり、封入されている内容物が出てしまったりする。


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このGT-Rのトランスバースリンク(フロントのAアーム)も、ゴムの亀裂から封入されているシリコングリスが漏れ出てしまった。

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ガレージの床が透明のきれいなグリースで汚れていた事で気付いたようだ。
無色に近いオイルを使っている所なんて、一部のパワステオイルか、エアコンオイル、ミッションオイルなどが浮かぶが、臭いが少ないのが違和感である。

昔のS13なんかでもこういったトラブルが良くあったが、酷いと車検にも通らないので、煩わしさしか感じなかったな。

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補修用のブッシュ単体が存在せず、修理はアームアッセンブリー交換となる。
純正のアルミロアアームASSYを買うか、NISMOの分割式ロアアームキットを買うしかない。(NISMOのアームには補修用のブッシュが供給されているが、純正のブッシュとは径が違い流用出来ない)


とにかく金が掛かりそうという事で・・・


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HIKO君自ら、程度が良いとされる中古部品を調達し小ぎれいにして準備してきましたよ。

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再塗装をして、ブッシュの表面にゴム化する接着剤というものを施工。
今は色々な物があるんだな。

効くのかどうか良く判らないが・・・少しでも寿命を延ばそうという努力と言うか、愛情を感じるw


まぁ、何れニスモのキットを購入するという事なので、それまでの時間稼ぎになれば良いのだろう。

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テンションロッドの部分にあたるボルトナット以外は嵌合のボールジョイントとなるスカイラインのトランスバースリンク。

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ブーツ交換などは以前に施工していたので、アームだけそのまま交換して終了。


また夏には長距離移動の予定があるというので、不安要素をひとつ消却。

しかしきれいにしてるクルマだなぁ・・・。
ヲレなんか洗車もロクにしないからなぁ。
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alt最近忙しくて疲れが取れないな・・・
Posted at 2021/06/19 18:28:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2021年05月22日 イイね!

クネGDB修理もろもろ

クネGDB修理もろもろ「社長!無事専属専任媒介契約取ってきましたよ!」などと喜び勇んで電話してくるクネ太郎。

ヲレの知らないうちに、様々なパーツの宝庫となっているポンさんちにいきなり押しかけて家探ししたもののGCのタービンは見つからずで、挙句の果てにどうせこのGCのエンジンもタービンも降ろしてもう使わないんだから先に外させろなどと約束を取り付けてきたというのだw


ああ、その手があったかと言う感じではあったが、GCも普段乗らないし乗れるようにもしてはあるので特に困ってもおらずで、たまにヤフオク覗くくらいであまりタービンの事は考えていなかった。

20万円で新品買う気にはならないし(まぁGC用は廃盤ですが)、当時物の中古を金出して買うのも微妙だし・・・どっちつかずな感じであったのは確か。



どこかに余ってないかなぁ位の感じで居ましたが、やっぱりポンさんの所からでしたねw
まぁ、ポンさんも最近はGDB乗らないでGC8ばっかりだったから、たまにはGDも乗ってやらないとね。(そもそも両方車検生きてるってどうかしてるけどww)


クネ太郎のGDBも、あれがダメこれがダメと色々修理が溜まってきたのに、何か契約取って来ないと作業を頼みづらいと思っているのだろうが、ヲレにとってはそんな事は微塵も関係が無く、出来る時はやってやるし、ヒマが無ければ全然出来ないし、ただそれだけであるw


まぁ、そろそろポンさんとこにタービン貰いに行くついでにまとめて見てやるか。


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そんな訳で、久々にpon/on邸に集合し、エンジンオーバーホールが確定しているVリミテッドからタービンを摘出しました。

このクルマも25万キロとかだからなぁ・・・
一回くらいタービン変わってないかなぁ・・とシリアルの打刻を確認してみるが・・・

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汚いが、よく見ると98年12月製造とある。
完全に新車から搭載されていた当時物ですねwww


あんまり酷使するとまたすぐブッ飛びそうだな・・・。
もう一機入手してひとつ現物リビルトにでも出すか。。


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さて今度はクネ太郎のGDBだが、フロントのブレンボキャリパーを交換。

現役全日本ドライバー二人が乗って「致命的に何かが壊れている」と言わせしめた最低のブレーキタッチだという。
ジムカーナチャンピオンがサイドターンが出来ないと言ったらしいw

どんだけフロントが効いてないんだよ!


コイツの乗り方はブレーキにエアを噛ませないので、フルードの問題じゃない筈。
キャリパーが糞か、マスターシリンダーしかないだろうな・・・という経緯。


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鬼門のナックル取り付けネジ穴は、元からリコイル済み。
これは手間が省けたな。

ブレンボのネジ山は軽くて軟らかいアルミが仇となり、取付ボルトを外す際にネジ山を潰してしまうというトラブルが頻発する。
ガチで走ってるクルマはほぼ100%ダメになる。(ヲレのクルマ平気だぜ?って奴が居たらそれは全然走れていないだけだぜ)

走るクルマでブレンボ装着のインプレッサだ何だってのは、キャリパー外した時に必ずリコイル加工をすることを強くお勧めする。


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GRBスペックC用(レーサーが前に乗ってた奴のかな?)ブレンボということなんだけど、互換性に関して全く確認していなかったので「付くかなぁ~?」という感じで作業していましたが、全く同じ物ですね。

ロゴプリントがbremboからSTiになってるだけです。



何の問題も無くポン付けでした。


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キャリパーに付いてきたほぼ新品のエンドレスMX72に合わせてリヤのブレーパッドも同じ物に交換。

久々にブレーキフルードの全交換を実施しました。


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あとはマフラーね、
ババババっと排気漏れしていると言うんで溶接修理なんだけど、フジツボのRM-01って言うフロントパイプ以降一本物のフルステンレス。


溶接自体はスチール溶棒でもステン溶棒でもどっちでも出来る。
耐腐食性はステンだけど溶接の難しさや粘りが無く割れやすいとか、スチール溶接なら簡単できれいに付くし強度もあるけど、錆びやすいとかね、一長一短。

ヲレのGCのSTiマフラーなんかは、割れても鉄溶接しちゃってるけど・・・
クネ太郎のはステン溶接して欲しいと言うので、チャレンジしてみるか。


見た目以上に軽くてびっくりしました。
ステンレスなのに片手で持てるんじゃないかって位。
純正じゃ考えられないような肉薄パイプだな。。

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サブタイコの繋ぎ目で半周くらい割れちゃってる。
これじゃあビシバシ漏れちゃう。

丁度全長のど真ん中あたりで割れてるので、腐食と言うよりは振動でしょうね。


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ヲレの機械は100Vのアークだから難しいんだよ。。
黒皮ばっかり出来て巣穴が多いから、何度も黒皮取って怪しい所を付け直す。
3~4回やり直して漸く全部繋がったかな?
あまりきれいじゃないけど、しっかり溶けてはいそうなのでこれでいいでしょう。

200Vとか業務用の400Vの半自動とかならトルクがあるのでステンでも楽勝なんだけどね、100Vで溶かすって事は電流量を増やさないといけないので、スパークばかりデカくて溶ける範囲が狭い。

なんて言えばいいのかな・・難しいけど、
例えば同じ時速100キロで走るのに、125㏄のスクーターで走るか400㏄のフルカウルで走るか位の余裕の差があって、スイートスポットが狭いんだよね。

家庭用の小さい溶接機というのは、そういう難しさがある。


昔クルマ屋に居た時は、会社の裏に転がってる何用か判らないタイコを使ってワンオフでマフラーを作ったり、エキマニを自作したり、スチールでもステンレスでも業務用の溶接機なら余裕で出来たんだけどね。


まぁ、設備の問題ね。


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一応エンジン掛けて排気漏れチェック。

まぁ、大丈夫だね。
しなって力が掛かりやすそうな部位だったので、リブっぽく補強をいれておきました。


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懸案事項が取り敢えず片付いたので、飛び散ったブレーキフルードの掃除に洗車のホースを引きずってきたクネ太郎。

ホースで地引網をやってしまい、地面にまとめてあったホイールナットをマンホールの蓋の穴にホールインワンw


「諦めろよ、どうせ見つからねーよ」と言っていたんですが、そこは諦めないクネ太郎。
LEDランプで覗き込み、どうやら目標を捕捉した模様。

ただのスチールのロングナットなので、磁石で釣れるだろうと紐にネオジム磁石を括りつけて穴釣り中ですww


このあと苦戦を強いられながらも、無事吊り上げ成功しました。


「汚水」ではなくて「雨水」の方で良かったなw



さてさて取り敢えずタービンも入手したので、これで走れるようにはなるな。
タイヤも新しいうちに走っておかないとね。
緊急事態宣言だの蔓延防止だのとやたら気にしていると色々と賞味期限が切れるので、こじんまりとでも走れる機会は作ろうかな?

みんなはやったら来るかな?


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alt梅雨明け一発目あたりどうだ。
Posted at 2021/05/30 13:15:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ

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だ い です。空白が二つですw 板金塗装と整備をちょこっとかじってマス。
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