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2023年11月04日 イイね!

ふたり登山

ふたり登山本当は家族四人全員で紅葉登山を計画していたんですが、保育園6年間皆勤賞だった長男が前日から発熱でダウン。
この週で行かれないと向こう何週間かは予定が詰まっていたので、今年は中止か・・どうしようか。。
となったんだけど、折角なので次男の蓮と二人で行く事にしました。


去年の八ヶ岳から、登山なんて絶対行かねえ!とか言ってた筈なんだけど・・(スペシャルハードコースだったからね。。)今回どういう訳か、すんなり付いてきました。

子供のウエアや靴なんか、半年一年ですぐにサイズアウトしてしまうので、どんどん使わないと一、二回使って直ぐ捨てる羽目になる。
蓮のウエアも靴も長男のお下がりですが、今回行かなければ、来年の春にはもう着られないでしょうからね、服や靴が勿体ないから登山に行く訳ではないですが・・・でもまぁ、勿体ないから行くのかなww

今年の紅葉も観ないと勿体ないし、ウエアも登山靴も使わないと勿体ない。
動ける人間だけで行きましょう。


蓮くらいであれば、山岳でのフィジカルは最早自分と大差ないのですが、子供は長時間だとメンタルが持たないので、割と近所で紅葉が見ごろで3~4時間で回って来られる様なコースに絞った結果、山梨の大菩薩峠に決定。

昔、上日川峠というクルマで行ける登山口くらいまでドライブがてら行った事はあるけれど、実際に登るのは自分も初めてです。

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大菩薩峠と言ったら、登山ルートのディズニーランドみたいなもので、紅葉の時期などは恐ろしく多くの登山客で賑わいます。
自分たちも、それ程出遅れた積りは無いのですが、登山口直近の第一、第二、第三駐車場は既にいっぱいで駐められず、山道を歩いて10分程行った所にある大菩薩湖畔の第四駐車場に漸く案内されました。

臨時の警備員というか案内のおじさんみたいな人が、来るクルマ来るクルマに、殺気立った状態で地図のチラシを渡しながら案内していて、「話を最後まで聞けば質問は一切しなくていい筈だから。」と言うと第四駐車場までの道のりとこの登山口まで戻ってくるルートとを簡潔に説明されました。


こちらからは一言も発するんじゃないというオーラが凄かった。
朝早くから何百台と相手にしてきてるんだろうけど・・・ボランティアではないんだろうし、もう少し愛想良くしても良さそうですけどね。

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紅葉としては、時期的に麓付近が真っ盛りという感じでしたので、上の方はほぼ終わってるかな?
個人的には低山の広葉樹林帯が色付いているのが好きなので、一番いい時期です。

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案内のおじさんの言う通り、第四駐車場から10分程度山を登ると、元来た登山口へ到着。

案内おじさんもどんどん来てしまう駐車場待ちのクルマに詰み始めてるようで、ほんの僅かでも意にそぐわない動きのクルマがあると怒声のような声が聞こえてきます。

駐車場にいく訳ではない客降ろしだけのマイクロバスが、駐車場案内の列で後ろを止めちゃってたら、「何やってんだよ!こんなところで、後ろがつかえてるだろ。少し考えてくれないとこっちは戦争なんだからよ!」と大声で怒られてましたww

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「あのおじさんまた怒ってるよ。」蓮はニヤニヤ。
「怖いねえ、戦争なんだって。」というと、「戦争・・。」と苦虫を噛み潰したような顔をしてはにかんでました。


定番ルートの「登山口→福ちゃん荘→唐松尾根→雷岩→大菩薩峠→富士見山荘→福ちゃん荘→登山口」で戻ってくる登山。
たらたらやっても四時間弱のルート。
登山というよりややアップダウンが大きいハイキングと言った感じです。
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蓮は2015年の11月に生まれたので、今月で8歳になりました。
今年からサッカーを始めたので、地元のチームに入って活動的に過ごしています。
土日にある練習試合の送り迎えなどが大変だが、長らくやりたいことが見つからず、ゲームだけに明け暮れていた蓮が自分からやりたいと言い出したのだから、やらせない訳にはいかない。

物怖じはしないが、子供のくせにデリカシーがあるというか、理解しつつも余計な
事は言わないタイプなので、何だか昭和的である。
黙って意地と根性で攻略していくので、子供ながらに安心感がある。

漢らしい少年である。


何故、ヲレや妻の遺伝子からこんな男前が生まれてきたのかは不明。
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年がら年中グミばかり食っている。
今回の登山でもハリボーを手放さない。

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身長も漸く120センチを超えたばかりなので、二年生にしては鬼チビであるw

なので、すれ違う登山者が居るごとに、あんなに小さい子が・・・という目で見られるのだが・・それが気に食わないらしく口には出さないが、「小さいからって馬鹿にしないで欲しい」という顔をしている。

早く大きくなりたい、大人になりたいという願望が強いんだなぁ。

漫画が好きで、アニメよりもコミックスを好んで読んでいる。
鬼滅の刃に始まり、呪術廻戦、東リベにと、全巻揃える羽目になった。
ヲレ、小学校二年生でそんなに漫画読んでたかなぁ・・・。
四年生くらいになってから、北斗の拳とか聖闘士星矢とか読み始めた記憶はあるけどね。

読むのも速くて、一冊10分位で読んでいる。
大して漢字も知らないくせに流し読みなのだろうと思っていると、一言一句憶えているのか、漫画の内容をランダムに質問しても前後のあらすじ付きでしっかり説明してくれる。

好きなものに対する集中力が凄いな。


ジョジョの奇妙な冒険みたいな大人が読んでも割と難解な漫画でも、きちんと憶えていて説明してくれる。

「なぁ、蓮、結局プッチ神父って誰が倒したんだっけ?」
最後が難しい第6部である。

「エンポリオだけ生き残ってウェザーリポートのディスクを持ってたんだよ・・・忘れたのお父さん。」
忘れる前にちゃんと理解してなかったわw

変な子供である。


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山頂が近づいて樹々が疎らになると、山なみの向こうに立派な富士山が。

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蓮もこれは凄いという顔をしている。
またグミをひとつ口に放り込んで、いひひと笑った。

今回は蓮にも結構しっかりと荷物を背負わせた。
荷物も無くただ歩くだけの登山なんて誰にでもできるからね。
自分の物は自分で持つ。

そういう当たり前のことを少しづつ憶えていけばいい。


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ひとしきり登り風景が開けてくると、雷岩という稜線上のひとつのピークに到着する。
西側にはかつての塩山市であった(現在は甲州市)市井が広がっているのが見える。

標高が2000メートルに迫ると広葉樹林は少なくなり、まばらに生えるカラマツなどの針葉樹とカヤトの野原が殆どになる。
黄金色のススキが秋の陽光の中で揺れている。


蓮が黙って岩場の最も高いところによじ登ると、ごろんと仰向けに寝転んだ。
いつでもどこでも寝っ転がって、衣服が汚れる事を全く気にしない子である。

11月の登山の割りに暖かい日で、一応持ってきたダウンジャケットをザックから出すことは一度も無かった。

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日本百名山のひとつ大菩薩嶺(れい)の三等三角点はあとほんの僅かに進んだ林の奥ですが、特に眺望が良い訳ではなく。
最も近接したこの雷岩という所が、大菩薩嶺登山のひとつの要所となっているようだった。

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富士山が見える斜面に、勝手にエアを吸って膨らむロールマットを敷いて休憩。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れて飲む。


本当はラーメンでも作って食べる予定でしたが、朝持たされたおにぎりと、ちょいちょい食べていたお菓子などで全く空腹なしw
これ以上食ったら登山なのに太って帰るようだよ。

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しかし美しい稜線だね。
この南北に連なる長大な稜線は大菩薩連嶺と呼ばれ、奥秩父山塊の南端に位置する。

特に大菩薩嶺から大菩薩峠の区間は開けていて眺望が良く人気の区間の為、紅葉の時期などは信じられない程のハイカーが訪れる。
平日のディズニーランド位と言ったら判りやすいだろうか。

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常に見えている富士山ももうすっかり冬の装いである。

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休憩の度に片手を差し出してスマホを貸しての合図。
ちょっとの合間でもスマホのゲームをやりたがる。

子供なんてそんなもんだよな。


殆どの人がここから南側の大菩薩峠方面へ稜線歩きをする為、一旦北側へ上る大菩薩嶺のピークは踏まない人が多いようです。
かく言う私たちも別にリザルト的な事は気にしないので、百名山大菩薩嶺を登頂することなく、大菩薩峠を目指します。


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まぁ、キャンプだ登山だと色々アウトドアのレクリエーションを体験させてきてはいるが、これらは単なる親側のエゴでありヲレのやりたいことにただつき合わせているだけである。
大人になるにあたって何かいい影響があるのでは?というような遠回しな画策も特にない。
悪い影響はないだろう、とは思っているが。

ただまぁ、今の内から経験させておけば、もう少し大人になってからも抵抗なくヲレの趣味に付き合ってくれるかなと思っているだけである。



子供たちには子供たちの考えがあり、好きなものがあり、やりたい事があるだろうし、それは止められない。

どんなに蝶よ花よと育てたって、途中まではまともだなと思わせておいて、ヲレのように単車だクルマだとただの爆走族になってしまったりする。
どれだけ周りから白い目で見られたって、それを止める手立てなんて無かった。
馬鹿馬鹿しい事ではあるが、それがその頃のヲレの人生のハイライトであり、生きる理由だったのである。


何かを好きだという事はそういうことなのだ。



人生というのは、こういう馬鹿馬鹿しい事が一番楽しいのである。
人は皆おろかなのだよ。


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ハイカーで渋滞している・・・
凄いなぁ。

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大菩薩峠に到着。

柳沢峠が開通するまではここが青梅街道の要所であり、最大の難所だったらしい。
読んだことは無いが、中里介山の大河小説「大菩薩峠」や日本赤軍の大規模な軍事演習が行われていた事で有名な「大菩薩峠事件」など、様々な歴史の舞台と成った大菩薩峠。

初めてだが来て良かったな。
割と楽な登山なので達成感はそれ程ではないが、素晴らしい眺望と美しい紅葉、子供を連れての適度な登山。
人気のスポットなのも頷けます。

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マユミかな?可愛らしい実をつけている。


さて、あとは下るだけ。
1時間半も下れば、元の登山口まで降りられるはず。


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峠の山荘で買ってやったピンバッジ。

七宝焼きのようにカラフルできれいなのを自分で選んで、陽の光にあててきらきら光るのをいつまでも眺めていました。

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そんなに気にいったか。

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いい時期に登ったね。

なかなか二人だけで出掛ける事ってないから、何かいつもと違う表情を見せるかなと思ったけれど、別にいつもと変わらず。
こいつはいつも周りに気を遣う事も遣わせることも無く、マイペースでいるだけだった。

急に思い出したように学校であった面白かった話だとか、好きなユーチューバーの話だとか、漫画のネタバレの話だとか、はなし始めると止まらない。



「こんな風にお父さんと二人で出掛けるの久しぶりだよな。」そういうと、
「え~この間小さいおばあちゃんちに二人で行ったじゃん、帰り渋滞すごくて。」

小さいおばあちゃんというのはヲレの母親の方のおばあちゃんで、飼ってた犬が亡くなった時に確かに蓮を連れて行ったが・・・忘れてたよ。


もう3年も前の話なんだがな。

子供ってのは何ひとつ忘れてないんだなと思った。


何となく感慨深くなって、
「今日の事も一生忘れないんじゃないか?」そういうと、

きらきら光るピンバッジを陽に翳しながら「たぶんね」とだけ言った。


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駐車場に着くと、左手を出してスマホスマホという仕草をしている。

お前はゲームばっかりだな・・・まあいいや。
今お湯沸かすから、ラーメンだけ食ったら帰ろうぜ。


GC8の脇でザックの中身を広げて、
30年使っているプリムスのワンバーナーを取り出し、再びお湯を沸かした。

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帰り道はスイスイ帰りたかったので、確実に渋滞に嵌まる中央道には乗らずになるべくマイナーな山岳路だけを使って家路へ。



「おい蓮、この先まあまあブッ飛ばすけどよ・・・お父さん馬鹿だけど、クルマの運転だけは上手だからさ、まあ安心して乗っとけよ。」


「うん知ってるよ。」



知ってるってどっちをだよ・・・と思ったが、ヲレの息子だからな、どっちもか。


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ちょいちょい停まってパチコパチコ撮りたいけど、追い抜かれたクルマはまた必ず追い越すことになるのでそれは面倒。
なので、後続車とのアドバンテージを数分とりたいが為に鬼チャージで走るw


それはもう、言葉では表現できないようなとんでもない勢いで、紅く染まった黄昏の峠を走り抜ける。
先の分からない落ち葉で滑るブラインドを、ややドリフト気味にミドルラインで走り抜ける。


クルマってのは不思議なもので、どれだけ滑る路面でも、手前から向きだけ変えておけば、ちゃんと曲がってくれるものである。
右に左にヨーモーメントを途切れさせずに繋げながら、全てのタイヤグリップをコーナリングフォースに換えて旋回していく。
それほどガチの全開という訳でなくとも、操作のタイミングとヨーの使い方だけで、上手くコントロールゾーンに入れる事も出来る。


・・懐かしいなぁ。


昔はこんな風に毎週毎週日曜日にクルマで出掛けて、帰りに交通の少ないマイナーな峠を選んで鬼のようにかっ飛ばして帰る・・・ていうのを繰り返していたね。
まだ明るいからね、一般車も沢山居る、人だって歩いているかも知れない。


そんな中で無様な事故をしないで走り切る為の完璧なリスクマネジメント。
不確定要素の処理能力が公道ランナーに最も必要な要素だと信じて、鍛えて鍛えて鍛えぬいてきた・・というのが、自分の走ってきた道だと思う。

もうゾーンに入ってくると、想像力による予測だとか危険予知というレベルを超えて、この先で何があるか何が起こるか分かるようになってくる。
もう感覚的なものなので、理論的に上手く説明は出来ないが、何故かもう手に取るように判るようになってくる。


意識がゼロポイントフィールドに高次元に接続して、その場所場所での未来の記録を読みだしているかのような、そんな不思議な万能感に没入する事があるのだ。

30年近くもずっと変わらずに、見えないコーナーの先を見抜いてやろうと意識を集中させ続けてきたのである。
良く判らんがそれなりに何かが見える様にもなるんだろうな。


「何かジェットコースターよりヤバいんですけど。」


隣でパウンドケーキをボロボロこぼしながら食べている蓮が、ニカっと笑った。
あ~あ、想像以上にこぼしてるな。。。
ていうか、笑っちゃう程こぼしている・・・そこまでこぼすか。

ちょっとどこかで停めて掃除をしないと・・・
そう思いつつちょうどいい所が無い。
たまたま遅い車をパスしたばかりだし、もう少し下って開けた所があったら端に付けようかな。


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もう数分下ると、もの凄い黄色い塊がある。


「凄いな・・・銀杏か。」


向かいの路側帯に停車して蓮に降りる様に促そうとすると、既に寝入っていました。
衣服もシートもケーキのスポンジだらけである。


「全く汚い小僧だな・・・。」


蓮を抱え上げて、衣服のカスを軽くはたき落とし、リヤシートに放り込む。
疲れているのか、全く起きる事は無かった。
シート座面のカスも車内用の小さい箒と塵取りで掃除しました。


巨大な黄金色の樹を見上げて、何だか今日はいい一日だったな・・・そう思った。




銀杏を前にパチリと1枚収めたら、丁寧にカメラを仕舞った。
あとは家までノンストップで帰るだけである。
alt小二の息子と二人旅

Posted at 2023/12/03 13:27:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | Nature's | 旅行/地域
2022年08月15日 イイね!

北八ヶ岳

北八ヶ岳だいぶ間が空きました。

もう九月も終盤じゃないですか。。
やっと涼しくなってきた事もあって、漸く日々のルーティンに若干の余力を残せるようになってきました。

今夏も暑かったからね、クルマなんて放ったらかしだよ、大したことはしてない。

引き続きのコロナ騒動の余波を受け、今年も秋田には帰れずで、
三度お盆はこちらで過ごす事に。

でもまぁ、それはそれで夏休みらしい夏休みを子供たちと過ごせたかな。
映画を見て(DBとワンピースw)、子供半額期にディズニーシーに行って、キャンプにも二度行きましたし、泊まりで登山にも行きました。


ちょっとね・・色々と考えさせられる羽目になるある事件があったからなのかな、家族というか子供たちと過ごす事を惜しまないようになったというか・・・

その出来事の事はまぁ、追々話すとして、お盆に泊まりで山登りをした話からしようかな。



北八ヶ岳、最初に来たのは9年前。
コウヘーと回った2、3時間のショートコースだったが、屋久島を彷彿とさせる苔の森が素晴らしかった。

秋田にも帰れないし・・何処かへ泊まりで行きたいねって事で、涼しい長野辺りにホテル取ってトレッキングにでも行こうという事になった。
子供たちは「えー・・・」みたいな感じでしたが、妻が意外にもやる気なのである。

一体どうしたのだろう・・・逆に訝しんでしまうヲレ。

あれだけ洋服とUVカットとアンチエイジングにしか興味が無い女で通してきた筈なのに、キャンプだ登山だとほぼ対極ではないか。
アスリート系友達一家の影響も無きにしも非ずだが、これまであらゆる事に無関心だっただけで、きちんと向き合えば理解を示す女だったのだな。

不思議である。


早朝5時前に出て、7時には国道299号線麦草峠駐車場(2115m)に到着しましたが、既に満車!
交通誘導の警備員なども居まして、「もういっぱいですよ・・。」などと云われましたが、諦めずに捻じ込めるところを探します。

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流石は我が家のちびっ子SUVエブ子ちゃん。
一番端っこの更に端に、軽規格ならギリギリありのスペースを発見。
何とか事なきを得ました。。。

7時でいっぱいとは舐めてたな。
駐められなかったら他に空いてる駐車場を探してルート変更だとか厄介な事になる所だった。

次来るときは6時目標だな。

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麦草ヒュッテという山小屋の脇から入る登山道。
ここから丸山、中山を経てニュウを目指し、白駒池へ降りてくる健脚ルートで行きます。

丸山のすぐ先の高見石小屋から直ぐに白駒池を目指すショートコースもありますが、今回はニュウまで行ってみます。

これまでは、昔ながらの紙マップとコンパスによるアナログ測位でしたが、今回はスマホにジオグラフィカという登山アプリを入れてきました。
携帯電話は電波が入らなくてもGPSによる測位を常に行っており、マップだけ先にダウンロードしておけば常に測位案内をしてくれるという便利なものだ。
予備電源などをきちんと準備して、電池消費の問題だけ無くしておけば、まず道に迷う事は無いと言っていい。

時代だなぁ・・とは思うが、良いものはどんどん使っていく事に異論はない。

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関東地方は晴れ予報だったのに、しとしと霧雨。
でもしっかり雨具ってほどじゃない。

これはこのまま止む流れだな。

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この辺り一帯は苔の森と呼ばれていて、樹々の表皮や倒木、岩の表面に絨毯のようにびっしりとふさふさの苔が生えている。
その合間を縫うようにキノコや地衣類がはびこっている。

まるで風の谷のナウシカに出てくる腐海のような、下生えの支配する世界だ。

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子供たちにはこれらが美しいと感じる感性はまだないだろうが、今見て触れるものが、これからの価値観の基準になっていくんだと思う。

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今回はギンリョウソウ(銀竜草)が多く見られました。
腐生植物といって、菌類から栄養を奪って生成する特殊な植物で、葉緑素を持たないため葉っぱは退化していてありません。
ギョリンソウ(魚鱗草)と呼ばれることも多いですが、ギンリョウソウが正式のようです。

こういう珍しい生物に出会えると気持ちが上がりますね。


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公園のアスレチックなど物ともしない彼らが、恐ろし過ぎて足が止まってしまった高見石の見晴台。
自分の背丈より大きな岩の上を飛び越えていかないと先へ進めない難所。
妻は登頂を断念したので、子供たちと3人で登りました。

頂からは白駒池を見下ろすことが出来ます。


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稜線上にある大したピークを持たない丸山を抜け、暫く歩くと再びゴツゴツとした岩場の中山展望台に着く。
先ほどの高見石の見晴台ほどの危険な所はなく、ケルンなどを積み上げられた山頂らしい山頂である。
ようやくバウムクーヘンなどのお菓子で休憩を摂ります。

霧雨は登り始めてすく止みましたが、すっきりと晴れ渡ることはなく風が強い。
ウインドブレーカーを着ていないと寒いくらいです。
お盆の時期でさえ、平均気温が20℃を下まわる標高2000mの世界ですからね。

真夏でも雨具や防寒着は必須です。


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おどけながらも順調にルートをトレースしていく子供たち。
カラマツやシラビソの清涼な香り。
しっとりとしながらも不快感の無い涼しい登山である。

麦草峠を起点とした北八ヶ岳のトレッキングは、スタート地点が2000mを超えた所から始まるので、基本的に200~300mのアップダウンの繰り返しである。
麦草峠2115m→丸山2330m→中山2496m→ニュウ2352m→白駒池2115mという具合に各ピークで繋いでもそれ程の標高差はない。

ただ、今回はニュウを経由するので、コース長が長い。
直線距離で10㎞を超えます。

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そろそろ次男のれんがブツクサ言い始めます。
6歳児には長く感じるよな。

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それでも所々で見られる断崖絶壁の展望にしばし無言になり、水筒のスポーツドリンクなどで失われた水分を補充します。

妻は文句も言わずに自分のペースで歩いてきます。
これまでヲレのデイパックと有り合わせの洋服で済ませていた登山ウェアでしたが、ミステリーランチの40Lとノースフェイスのウインドブレーカーを新調していました。

長いこと美容業界で生きてきて、洋服やファッションにうるさい妻は、デザイン的に余程気に入ったものが無いと購入に踏み切らない。
カーキ色のザックも半年悩んだし、白いウインドブレーカーもこの色でないなら要らないという事で、随分探して漸く手に入れていました。


妻にとってカタチとはプライドなのである。


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切り立つ奇岩に暴風吹き荒ぶ「にゅう」に到着。

滑落すれば確実に命はない絶壁に、しがみ付いていないと飛ばされそうな風。
この辺りで昼飯にしようかと思っていましたが、とてもそんな環境じゃないな。


ちなみに「にゅう」なんて変わった名前のピークです。
地図にも案内板にも平仮名とかカタカナで表記してあって何だか判らない。
でも、白駒池寄りの古い案内板では「乳」なんてものもあり、諸説あるようですがハッキリはしていない模様。
個人的には「乳」であって欲しいと何故か思ってしまうお父さんであったw


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お腹が空いただろうが、ここでは無理だ。
少し下った所で、静かな所を見つけてそこで昼食にしよう。

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急坂下りが続き、なかなか落ち着ける所がなかった為に食事の休憩が15時頃になってしまった。

それでも風がやたらと強く、大岩の陰に身をひそめながらの準備。
あと、チンご飯てのは登山には向かないな・・・電子レンジなら1~2分なのだが、湯煎だと15分とか20分以上なんてものもある。

焚くのかって位時間が掛かりますね。

おにぎりとかお弁当を作ってくるか、インスタント麺くらいにしておかないと茹でてる時間で休憩時間が終わってしまうね。

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それでもしっかり食事が出来れば、この笑顔。
ちゃんと補給しなければ、熱は奪われ消費していくていく一方なのだから。

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さて、食事をしてポージングする余裕も出てきたようなので、一気に距離を稼ごう。

ニュウから白駒池まではただ下るだけでピークはないが、急な下りが続き、ぬかるみで足場も悪い。
登山アプリでは一時間程度を見込んでいるが、妻や小さな子供同伴では20~30分程度は余計に掛かるだろう。
北側斜面なので日没も早い。
17時前には辺りは薄暗くなるはずだ。

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木道の周りが水っぽくなって急に開けると、そこは白駒湿原だ。
白駒池まではもうすぐ。

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影だけ見るとドキッとするようなシルエットの苔むした倒木たち。
遠くから見たら誰かが居るのかと思った。

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漸く到着した白駒池。

あいにくの曇天で鈍色の湖面しか見えませんが、セキショウモなどがたなびくとても美しい水を湛えた山上湖です。


湖畔では可愛い生物がお出迎え。
ヒメネズミでしょうか・・こんなに小さいんですね。

昔みんなで登った編笠山でも山頂で見た気がします。

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また雨が降ってきた。
白駒池から国道までは直ぐなのですが、
まだここから麦草峠の駐車場まで40分くらい掛かります。

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国道と並走する白駒の奥庭と呼ばれる木道が続き、麦草ヒュッテの方角を歩きます。

本当にあとちょっと・・なのですが、
もうすぐもうすぐと騙しつづけて歩かせ続けた次男がもう歩くのに飽きてしまって限界だったので、最後の最後に抱っこする羽目に。

仕方がない、行程が長すぎたな・・・。


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20分ほど小僧を抱えて歩き、漸く麦草ヒュッテ前に到着。
最後歩いてないくせにご機嫌ピースのこの表情w

20㎏のチビだからまだ何とかなったけどよ、流石にヲレもキツイぜよ。

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少し遅れてそうと妻も到着。

ほらほらそうだってちゃんと自分で歩いてるじゃねーかよ。
でもまあ流石に三年生と一年生じゃ、地力が結構違うか。

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登り始めと最後はしとしと雨だったな。

1時間半程度の休憩込み9時間の行程であった。
アプリや登山ガイドでは6時間位の案内なので、1.5時間程度余計に掛かった計算だな。
25%程度余計に掛かると思っていた方がいいな。

れんの精神的な限界点を考えると、込み込み7時間程度に抑えた方が良さそうなので、ガイドの案内で4時間半程度のコース選びをする必要があるな。

今後の参考にしよう。


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今回は八ヶ岳の麓にホテルを取ってあったので、クルマで山を降りるだけであとはゆっくり出来ます。
ネットで空きがあるのを見つけて取り急ぎ予約した原村の「グリーンプラザホテル」

コロナだからなのか築古だからなのか判りませんが、お盆休みウィークなのに直前でも予約が取れましたし、特に高い訳でもなく(家族4人で一泊2食付きで4万円台てw)でそれなりを予想していましたが・・・ここは大当たりでしたね。

確かに建物も設備も古いですし、別に温泉がある訳でもない。
あちこちDIY補修感などが伺えたりしますが、掃除は行き届いていますし、接客もとても感じがいい。
そして何よりも食事が堪らなく美味しい。

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特別な料理など何もないんだけど・・・天ぷらだとかハンバーグだとか、カニ汁だとかの味のクオリティーがヤバすぎる。
量も半端じゃなく、ヲレが食べきるのがやっとって結構な内容である。
何より小食と思っていたウチのチビ達があんなに沢山食べた事に驚いている。

人間欲を出すと、あれがいいとかこれがいいとかどうでもいいオプションの追加を欲するものだが、結局接客と食事と清潔さが全てなのだなとあらためて思った。
美味しいものをいっぱい食べて、清潔な布団でゆっくり寝られたら何も要らないのだなという見本のようなホテルであった。


また来たい!

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ホテルでゆっくり休んだ翌日は、帰宅の道すがら白州の公園で川遊び。
公園内で作り込んであるので、安全過ぎて物足りないですが、浮き輪でばちゃばちゃやるだけでも楽しそうにしてたんでまぁいいかという感じ。


妻は若干の筋肉痛は残るものの、登山による大したダメージは無さそうでした。

私や子供たちは当然なんの疲労も残すことなく完全回復。
優秀優秀。
仕事の疲れは2、3日取れないくせに登山なんかはどれだけハードでも翌日に残らんのが不思議だね。

やはりつまらん仕事は心身共に疲れてしまうんだろう。
こころさえ疲れなければ、人間の身体なんてのは基本的に丈夫なんだろうね。


だから無邪気な子供たちは疲れたりしないのである。


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alt結局大人に子供をつき合わせているだけなのだが。


Posted at 2022/09/25 00:36:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | Nature's | 旅行/地域
2022年03月31日 イイね!

【訃報】野田知佑さん永眠

【訃報】野田知佑さん永眠今月27日、作家でカヌーイストの野田知佑(のだ・ともすけ)さんが、ご病気のため徳島県の病院で亡くなられました。
84歳でした。




今から30年前、中学校の夏休みの宿題の読書感想文の題材で読んだのが野田さんの著書「日本の川を旅する」でした。


BE-PALというアウトドア雑誌に連載していたエッセイ「のんびり行こうぜ」をまとめたもので、ガクという犬を連れた野田さんが日本全国の河川をカヤック(正確にはファルトボート)で野営しながら漕ぎ下り、この川は最高だったとか、この川は最悪だったとか、水上からの独特の目線で舌鋒鋭く評価していくというものだった。

一緒に旅をしていたガクもカヌー犬などと呼ばれて一躍人気者になったりもして、チキンラーメンのCMに起用されたりもしましたね。



10代前半だった僕にとって野田さんのエッセイは衝撃でしかなかった。
勝手に入ってくる情報だけでぼんやり生き、何がいいとか何が悪いとか判断していた自分が恥ずかしくなった。



自分でその場所に行き、全て自分で判断する事でしか判らない事がある。
あらゆることを自分でこなし、あらゆることを全て自分の責任で決める。

そんな野田さんの生き方に憧れ、時には真似をしてテントを背負って全国の川を歩いて旅したりしました。
結局は普通に所帯を持ち、子供も二人生まれどこにでもいる普通のお父さんになってしまったけれど、今でもあの頃の清貧旅行の楽しかった記憶が僕の核になっています。




自然の美しさや厳しさ、全部自分でやること・出来る様になることの大切さ、自由とは何か、責任とは何か、そういう事を野田さんへの憧れの中から学びました。


生き方をそのものを教わりました。



一生掛かっても足元にも及ばないだろうけど、もっと近くに行けたらと思ってこれからも頑張りたいと思います。





野田さん、本当に有難うございました。


altもう桜が満開ですよ
Posted at 2022/03/31 03:31:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | Nature's | ニュース
2021年11月07日 イイね!

5歳と11か月

5歳と11か月先日、忙しさの合間を縫って、三度登山へ。

去年位からキャンプに誘って欲しいだとか、登山に行ってみたいだとか、お誘いがある息子のお友達家族。
夫婦ともに日体大卒のアスリート家族である。
上が8歳、下が6歳が全く同じの保育園友達です。


こちらもそれ程頻繁にやる方ではないんだけれども、誘われるのでいい機会だからと行くようになった。
奥さん同士が仲がいいんだよね。
気を遣わないというか・・・ママ友って感じではなく、普通の友達って感じみたいで、いい時はいい、ダメなときはダメって気兼ねなく言えるのがいいみたい。

ヲレはこんななんで、向こうが誰でも問題ないんだけどw
アッチの旦那さんもいつも楽しそうだから、いい関係なのかも知れない。


前回の登山もショートだけど結構上級向けコースだったと思う。
それでももっと欲しがってる感じなんで、久々にちょっとロングのガツンとしたコースに行ってみようと思い、丹沢の玄関口大倉からアクセスする「鍋割山」へ。
丹沢は大昔、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳と宿泊で縦走しますし、近年でもレーサーやクネとヤビツから丹沢山まで行った記憶がありますが、鍋割山嶺は初めてです。

只の鍋割山ピストンなら4~5時間と言った所ですが、状況見ながらお隣の塔ノ岳を目指すルートを検討してのスタート。
経験も体力もない只の素人のウチの妻が心配ですw




朝8時に大倉バス停周辺の駐車場で待ち合わせ。
身支度を済ませて直ぐに出発です。

畑のある民家の脇から小径に入ると、鍋割山へ続く林道となります。


今年で8歳になった「そう」。
ひょうきんな性格なのか、冗談ばかり言って人を笑わせようとします。
だからなのか、何処に行ってもみんなに好かれている印象。



お友達家族の長男「たけちゃん」も、「そうくんたちと一緒じゃなきゃ絶対に山登りなんて行かない」と言っているらしく、逆にうちらと一緒じゃないと登山そのものが出来ない状況らしい。


保育園時代からそうだった。
勉強が特別できるとか、運動神経が突出しているとか、そういう物は一切ない。
いたって普通の少年なのだが、まわりに人が集まってくる。
友達からも先生たちからも、何故かみんなから愛されている。

そういう能力なんだろう。



れんと同い年のしおりちゃんというのがかなりヤバイ。

体力や運動能力は、この中でもずば抜けているのがこの子だと思う。
お兄ちゃんのたけちゃんも運動神経は素晴らしいが、大人しい性格で、人見知りだったり怖がりだったり普通の子供っぽさがあるのだが、しおりちゃんには弱点がうかがえない。




沢山の沢が登山道を横切っており、飛び越えられる程度のものもあれば、丸太の橋がかかったものもある。
子供たちは、飛び跳ねるようにそれを越えていく。



普段はシャイだというたけちゃんと、ウチのれんも、そうを中心に道中ずっと笑顔でふざけ合っている。

「一番仲のいい友達は誰なの?」と質問すると「そう君」と答える弟のれん。
保育園での事を聞きたかったのだが・・・まぁ、それでもいいかと思った。
彼にとってはそれが事実なのだ。

お兄ちゃんが大好きなのである。


ボランティアの水運びをするというたけちゃん。

よせばいいのに・・などと思ってしまう大人が無粋なだけで、
子供とは基本的に正しい事に真っすぐな、真面目な生き物なのである。





等高線の狭まったキツイ急登攀が続きます。
妻も、所々で足が止まります。

標高を稼いでいく毎に、麓ではまだそれ程でもなかった紅葉の色付きが美しくなってきました。





朱く染まった登山道を、まるで重力など感じていないかのように、トントンと登っていくれん。
山登りなど子供にとっては訳ないのだなと痛感させられる。

初めは、こんな小さな子が大丈夫だろうかとか、途中でおんぶでもする羽目になるのでは?とか心配していたが、全て杞憂であった。
大人の方が余程リタイヤしそうである。






山頂直前の鬼の急階段をクリアした頃には流石にこの表情。

お母さんを待ちながらなので、先頭組(友人夫婦+そう)からやや遅れたものの、無事「鍋割山」山頂へ到着。




みんなこの山荘で提供している鍋焼きうどん(1500円)を目的に登ってきているらしく、登山客は殆ど例外なく外でうどんを啜っていました。
お山価格なのは判るが、1500円は高いねぇ。

僕たちは自分で昼飯を準備してきているので、頼みませんw


ここまできて食べないのかよwww みたいな。


山頂での協議の結果、折角ここまで来たのだから塔ノ岳の山頂を踏んでいこうという事になり、ピストンルートを取らずに奥の尾根を進むことになりました。

既に昼を回っていたのでぶっちゃけ時間的には厳しい。

塔ノ岳がお隣とは言っても、1時間半は掛かりますし、そこから大倉まで降りていくルートも、3~4時間の道程。
明るいうちには降りられない予感がしましたが、一応ヘッドライトなども準備してきましたので、何とかなるでしょう。。


ブナの原生林を駆け下っていくしおりちゃん。





神奈川のバックスクリーンとも言える丹沢山地。
都心からも最も近い人気の登山エリアである。

だが近郊と侮るなかれ、その山容は実に険しく奥深い。
ツキノワグマやニホンカモシカなども生息しており、手つかずの自然が色濃く残る国定公園である。

この大自然に憧れ、中学一年生の頃に友人と東西に縦走したことが私の登山の始まりである。
ヤビツ峠から入って最高峰蛭ヶ岳に至るまで2泊も掛かった。
当時は子供だったので国定公園内で野営が出来ないという事を、山小屋の人に聞くまでは知らなくて、小屋の裏手に秘密でテントを張らせてもらったというエピソードがある。



そんな青春の思い出の地に、妻や子供たちと訪れる日が来るとはね。



一番山に訪れたい時期なのに、秋ごろっていつも忙しい事が多いから、なかなかこれまで登山出来ないでここまできた。
お友達家族の誘いがなければ、結局日々のつまらない煩雑さに紛れて終わってしまう筈だったこの季節。

別に連休でもない只の日曜日に、普通に「行こうよ」と誘われたことが寝耳に水だったのである。

きっと子供たちにとっても一生モノの大切な時間になる。
少しくらいの予定は動かしてでも、「行こう」そう思えた。


ぶー垂れている割にはフィジカルに問題がある訳ではなく、その都度おやつを提供するだけで復活する単純なれん。

足元の丸太の陰に「きれいな花があるよ」と教えてくれた。

よくみるとあちこちに竜胆(リンドウ)が咲いていました。








ふと見上げると、冷たく透き通った風が紅や黄色の梢を吹き抜けていく。
今この瞬間、ここに居るというだけの事が、言葉に出来ない程素晴らしい事だなと、こころで感じている。

丹沢は新緑が美しいが、落葉のこの時期も本当に美しい。


こういう事を理屈抜きで共有できる相手とでないと、一緒に登山というのは出来ないだろう。

このママ友夫婦も、こういう事が心の底から好きなんだなと感じる。









鍋割山から塔ノ岳までの尾根は、見晴らしがよくてとても気分がいい。

南側を見下ろせば、秦野平野と相模湾を一望し、北側を覗き込むと蛭ヶ岳や檜洞丸が座する奥丹沢が待ち構えている。



お隣とは言ったものの結構歩きました。
しっかり一時間半掛かってしまった。
360度視界が開けると、海抜1491メートル塔ノ岳山頂です。


鍋割山からは見えなかった富士山がしっかり見えています。


雲海の上に聳える霊峰富士。
最後にこれが見られただけでもここまで来た甲斐があったというものだ。


塔ノ岳は丹沢で恐らく最も人気のある山ではないだろうか。
大山方面からの縦走も出来るし、今回のように鍋割山、雨山からの目的地となる事も多い。
奥深い丹沢の中で、日帰りで行ってこようと計画するとだいたい塔ノ岳が限界だからともいえる。
完全に360度のパノラマ眺望があるのもこの塔ノ岳だけである。

ここから更に奥の丹沢、百名山丹沢山を経て最高峰蛭ヶ岳や、檜洞丸などへ至る起点ともなっている。



塔ノ岳登頂の感動もそこそこに、一同はさっと下山の途に就きます。

ここから大倉方面までは降りていくだけでもまだ3時間弱は掛かりますので、15時過ぎにここに居るという時点で、下山中の日没が避けられない事が確定。
17時頃には、西日は箱根の山々に没してしまうので、山林の中は漆黒の闇となります。





登山が好きな人が「そろそろ飽きてきましたね」って聞いたことがないので、こういう一生やりそうな趣味を一緒に出来る家族ってなかなか貴重である。
ガチ登山だけは、なかなか付き合いだけでは付き合い切れないだろう。



陽も傾いてきた。
光量は充分で陰影が深くなる時間帯、写真家としてはいい時間である。



次男「れん」が5歳と11か月での塔ノ岳登頂。
同時刻に降り始めた登山女子たちも、「あんなに小さい子が・・・。」という顔で見ている。


れん本人たちにとっては何のこともないと言った感じであったが、大人の感覚からすると、なかなか立派な事だなと思った。
私でさえ、初めてここに立ったのは中学校一年生の夏だ。
やっとの思いで登ったという記憶がある。




れんだけではない、8歳のそうとたけちゃん。
競い合うように凄まじい速力で駆け下っていく。
とてもついてはいけない。


子供が凄いのではなくて、大人がだらしがないのだなと思った。


前回の棒ノ折山の時には何度も下りで転んでいたれんとそうだけど、今回は転ばなかった。
転ばずに安全に降りていく身体の使い方を学んだのである。



杉林の中を抜ける木道を降り切ると、突然広がる黄金色の世界。

真っ赤に燃える夕陽が紅や黄色の広葉樹林に降り注ぎ、
ため息が出るようなワンシーンとなっていた。





今にも箱根の外輪山に沈まんとする刹那の残光が、この世でも最も美しいのではないかと錯覚するような、山岳の美術を創り上げている。

この時間にここに居なければ、
見る事の出来ない絶景がそこにはあった。

後ろから、しおりちゃんと降りてきていたたけちゃんのお父さんが、
足を止めて見上げているのが見える。
これには誰もが感動してしまうのではないだろうか。


この眩いような陽光の芸術は、ほんの10分程度であったのと思う。
程なくして周囲には帳が降り始め、宵闇の登山道となった。

昏くなるのが思ったよりも早い。

準備しておいたLEDのヘッドランプを使う。
地図で位置確認をしてみるが、現在地が正しければまだ40分以上は歩く筈である。

自分は先頭集団となっている子供3人に付いて歩いているので、彼らの足元を照らしながら歩いていく。
全員で固まって降りていないので、後ろのお父さんや、やや遅れてきている奥様同士のグループが心配でしたが、どうやらスマホのランプで照らしながら降りてきている模様。

よくよく見上げてみると、私たち以外の下山者もみんな、
ヘッドランプや懐中電灯などではなく、スマホのランプを片手に歩いているようだ。


時代だな・・・。


ちゃんと準備してきてるのヲレだけかよ・・・みたいな。



漆黒の林道を下り切り、18時過ぎにようやく麓の民家の脇に出ました。

朝8時からスタートして、休憩込みで10時間超の周回路でした。
かなりキツイしかも長いコースでしたが、みんなよく頑張ったな。
ハッキリ言って上級者コースです。

子供たちに関しては、体力的な心配は最早していなかったけれど、途中で飽きたりして駄々を捏ねるような事になれば面倒と思っていましたが、そんな心配もいりませんでしたね。
友達同士で最後まで楽しそうに登山を終えました。

何の問題もないな、もっと上級者コースでも大丈夫そう。
ていうか、大人の方が大丈夫かなって感じ。

でも、ウチの妻も最後まで、それほど遅れる訳でもなくちゃんと付いてきた。
舐めてたけど結構出来るんだな。
登山も、行く度に今回はラクだったとか、キツかったけど楽しかったとか、あまり文句のような事は聞いたことがないし、自覚がないだけで意外とこういう事が好きなのかも知れない。


それよりなにより、家族同士で登山やキャンプが出来るというかけがえのない仲間が出来たことが何よりもうれしい事なのかも知れない。



尊いです。

alt殆ど筋肉痛にならないヲレもなかなか素晴らしいw

Posted at 2021/12/07 01:57:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | Nature's | 日記
2020年03月29日 イイね!

終雪

終雪日曜日のなごり雪。
思いの外降りましたね。

東京都下とは言え、うちの方なんて結構田舎なんでびっくりする程積もりました。
「不要不急の外出自粛」の要請も相まって、誰も出掛けなかったんじゃないでしょうか。



傘とカメラ片手に、ちょっとだけ裏山の高台に上がってみました。


クルマが走れなくなる程じゃないね。









3月下旬での積雪は東京では珍しく、昭和63年(32年ぶり)以来の現象で、
桜が満開後の積雪となると51年ぶりだそうです。

うっかり片手に傘、片手に一眼レフで出てしまった為、
手指を温める方法がない事に気づく。。
指が悴んで、シャッターを押す事すらままならなくなった辺りで、
逃げ帰るように山を降りました。





リーマンショックに大地震に、放射能汚染に津波に台風に・・・
毎年色々あるけれど、



今度は殺人ウイルスの大流行。




この翌日、志村けんさんも亡くなってしまいましたね。
世代なので残念です。

でもお陰で、本当の危機が輪郭を帯びてきました。


オリンピックも足を引っ張ったので、対応が遅れましたね。



この日本は、世界は、人類はどうなってしまうんでしょう。
全てが初めての事なので、政府ですらどうしたらいいか判らなくなっている。

ピークまでに何百万人も殺すんでしょうか。




流言飛語に風評被害、
色々あるでしょうが、開き直って無防備で居るメリットはひとつもない。
先々の生活より目先の命、これは仕方がない。



最終的には自分の身は自分で守るという事でしょうね。




素敵な歌。

alt早く本当の春が来て欲しい



Posted at 2020/04/02 06:00:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | Nature's | 日記

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何シテル?   06/30 04:17
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2009/09/13 00:37:18
 

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