ここの所整備がちょこちょこ発生するHA11アルトワークス。
パッドインジケーターの擦過音発生でパッドとライニングの交換となったのだが、以前よりブレーキの心許なさを問題としていた。
アルト系の旧規格のブレーキは容量が小さく、タッチも悪い。
ノーマルのブレーキパッドでは、ガツンと踏んでようやく奥で止まる感じであり、ロックなどしないのではないだろうか・・・と思うほどだ。
数年前にキャリパーとマスターシリンダーのOHは実施済であるが、タッチまでは改善されなかった。
オーナーが走り屋ではないので、街乗りで危なくない程度に制動すればよいという感覚でみていましたが、整備後の試運転などで少しでも追い込んで走ると、直ぐにブレーキはフェードしてしまい、ペダルはふかふかになってしまうのでした。
タイヤもそろそろ古くなってきたのでハイグリップに交換する事を考えると、絶対的な制動力不足が懸念されます。
ここはひとつ良さげなパッドを奢って、ブレーキの底上げをすることになりました。
グレードは忘れたけど、プロジェクトμの街乗りからミニサーキットレベルまでOKみたいな、セミメタルのタイプ。
リヤはドラムブレーキなのですが、ちゃんとライニングも同じものがあるんですね。
フロントパッドの交換は、ラジペンで出来そうな構造。
挟まってるだけのスライドレールを外れ留めのクリップで留めてるだけ。
パッドはまだまだ使えそうな感じですが、
確か2980円とかで購入した、激安純正同等品です。
もう捨てていいでしょう。
リヤのライニング交換は、見ての通り面倒な作業。
パーキングブレーキのスイングアームもカシメピンでバラシて再使用だし、シューの調整が要らない自動調整式なのがせめてもの救い。
タイヤはフロントが内減りしている。
車高は下げていないのだが、タイヤが古めで食わないのにエア圧が若干高めだったのが原因だろう。
FFなので、マメにローテーションをしないと結構勿体ない減り方になりますね。
前後入れ替えておきましょう。
そしてここであることに気付く。
今回のブレーキと同時に、パワステのアシストに違和感を感じるようになったとの相談を受けていたのだけど、
このタイヤのせいではないのかな・・・と。
FFや4WDなどの前輪駆動車は、タイヤが食い過ぎてベルトが滑ったりすると急にハンドルが重くなったり、ポンプへのエア混入でアシスト不具合が出たりすることがあるが、このクルマのように電動パワステだとモーターやパワステCPUの不調でアシスト不具合が出ることが多い。
ただ、こういった根本的な機関不具合の他に、フロントタイヤのスリップによるアシスト力の低減でキックバックが急に重くなることもある。
車速感応型か回転数感応型かは判らないが、現代のクルマは例外なく段階的に重さの変わるパワステであるから、タイヤの空転により高速回転になるとキックバックが急に重くなったりする。
このクルマに関してはモーターの不具合は全く感じなかったが、雨天だったこともあり右左折時にアクセルを大きめに開けるとタイヤのスリップが止まらなかった。
こういった際のキックバック増大を不具合と受け止めていたのかも知れない。
タイヤをローテーションしてクルマを返すと、山のあるタイヤで空転しなくなったからか、パワステの不具合は一切出なくなったとの事。
このオーナーも、走らないくせに割と神経質なので、そういった違いを感じたのだろう。
ま、この頃のアルトワークスは、実際パワステユニットの不具合も多いので、様子を見てもらいましょうか。
エンジンの吹け上りがおかしいと慌ててクルマを持ってきて、実際乗ってみるとクラッチが滑ってるだけだったりする事も多い。
素人の感覚なんてそんなもんである。
ブレーキに関しては段違いの初期タッチとフェード性能。
全く違うクルマのようである。
これだと明らかにタイヤのグリップ力が負けてしまう。
タイヤを交換して漸く本来の制動力を発揮できると言った所だろう。
タイヤが良くなると、ロールが気になるようになるかも知れない。
走り屋じゃないから流石にそこは気にならないか?
スタビでも入れたら丁度いいのかも知れない。
Posted at 2016/09/27 01:44:54 | |
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