ジェットポンプについて

今は樹脂成型燃料タンクが一般的になり、ジェットポンプも当たり前に使われていますが、日産の自動車用で最初に使われたのがU12型ブルーバードATTESAでした。

「ジェットポンプってなんやねん？」という事で、

ATTESAは後輪を駆動するペラシャを通すため

燃料タンクが馬の鞍のように2つの区画に分かれていて片方の区画から燃料を吸い上げて燃料ポンプの入っている側の区画へ吐出する装置が必要になり、その部品がジェットポンプです。

これが無いと片側の区画へ燃料が残ってしまうのです。

原理は燃料の戻り流を利用して負圧を作り吸い出すので動力は不要、メンテナンスも不要です。

燃ポンの吐出量に合わせて最適化されていて故障時のバイパス弁も付いています。

小さな部品ですがジェットポンプ無しでは鞍型の樹脂成型タンクが成立せず、車の構造に無理が生じたのです。

鞍型樹脂タンクのメリットは

タンク容量を60ℓ確保しながら後部座席下へマウントできたことで、トランク容量の拡大、トランクスルー機構実現、低重心化による安定性の向上とATTESAの両立です。

旧車となった現在では錆びないのも大きなメリットです。

ディメリットは残量が減り、戻り流が途切れると負圧が作れずもう片方の区画から燃料を輸送できなくなることです。

そうなるとハンチングを起こすことが有ります。

ガス欠ランプ点灯で給油すれば問題は有りませんが、限界に挑戦すると分かります。

もしもジェットポンプが無くて従来型の金属タンクでATTESAを成立させるとタンクが後部座席の背面となり前述のメリットは無くなっていたでしょう。

小さな部品で一般ユーザーは見ることも無く、操作する物でもありませんが実は重要な役割を持った部品だと思います。

先日の付け替えで固定部が破損したので次回燃料タンクを開ける時には、新しいジェットポンプに付け替える予定ですが、いつになるかは未定です。

（燃料タンクには手を突っ込みたくないですね、そうで無ければさっさと終わらせますよ。）