初代カローラとAE86の比較

先週から公道を走れるようになった初代カローラ。
普通ならうれしくて「早速どこかへ出かけようか」となるはずですが、このクルマの場合はそうはなりません。

信頼性に不安があるということもありますが、なによりも一番の問題は暑さ。
寒い分にはなんとでもなりますが、暑いのは耐えられません。


前回書いた通り、このクルマが整備に入ったのは正月明け。
不動だったわけではないので、長くても２か月くらいあればナンバー取れるだろうと思っていました。
なのでまだ寒い時期に乗れると思っていたわけですが、それから５か月もかかりすっかり季節は夏。
大きく目論見がくるいました。

なので、おそらく秋までは朝夕の涼しい時間にちょろっと乗るくらいになりそうです。

さて、このクルマがどんなクルマか、一応紹介しておきましょう。

カローラがデビューしたのは今から50年以上前の1966年（昭和41年）。
当時ライバルのサニーが1,000ccだったのに対して、1,100ccとして「プラス100ccの余裕」をキャッチコピーにした話は有名です。

私のカローラはこの初期モデルではなく、1969年にマイナーチェンジして1,200ccになった後のモデルで、初年度登録は1970年3月のKE11型となっております。
その後1970年5月にKE20型にモデルチェンジしているので、初代モデルとしては一番最後の方になります。

このクルマ、ちょろっと乗っただけですが、今のクルマとはかなり異なります。
我が家のクルマの中でこれまで一番古かったのは、1985（昭和60年式）年式のスプリンタートレノ（AE86）。
そこからさらに15年前の車となるのですが、「この15年間でこんなにクルマは変わったのか」というのが率直な感想です。
それに比べたら、AE86と今のクルマはあまり差がありません。

どんなところがAE86と違うのかを紹介したいと思います。

１．サイズ
AE86は4,215×1,625×1,335mm。
今のこのクラスのクルマは、5ナンバー枠いっぱいの全幅1,695mmとなっている場合が多いので、一回り小さい感じはしますが、現代のクルマとそれほど大きな差はありません。

一方、KE11型カローラは、3,855×1,485×1,380mm。
4ドアセダンにもかかわらず4m未満の全長、そして軽自動車とほとんど同じ全幅。本当に小さいです。


AE86は3ドアでも普通に4人乗れますが、カローラで4人乗るのは相当つらそうです。昔の人は小さかったんですかね。

２．エンジン
AE86は有名は4AG。出力やレスポンスがどうこうよりも、インジェクションなので、エンジン掛けるのに何も気を遣う必要はありません。また暖気運転も特に必要ありません。

カローラの3K型1,166ccOHVエンジンはキャブレター。
なのでチョークレバーがついてます。


最初エンジンがすぐに止まってしまい「なんでだろう」と思ったら、チョークの調整をしていませんでした。なにせ、私もチョークレバーがあるクルマを所有するのは初めてだったので。(^^;)
また、しっかり暖気しないと安定しません。

３．ガソリン
AE86は無鉛レギュラーガソリン。当然ながら今販売されているもので何も問題ありません。

カローラは有鉛ガソリン。
もちろん有鉛ガソリンは販売されていないので、添加剤を投入しております。


ちなみに給油口の開け方も違います。
AE86は普通にフューエルリッドオープナーで開けます。最近はキーをロックすると、給油口もロックされるクルマも増えておりますが、オープナーで開けるクルマもまだ多いと思います。

カローラは、キーで直接開けなければなりません。
なので、セルフでないガソリンスタンドでは店員さんにキーを渡すのですが、今の店員さんにキーを渡して、果たして開け方が分かるでしょうか。


４．シートベルト
AE86は普通の３点式ベルト。装着した感じも現代のクルマと大きな差はないと思います。

カローラは３点式ベルトではありますが、肩にかける部分は巻き取り機構がありませんので、自分で長さを調節する必要があります。装着した感じもかなり異なります。


そもそも、このカローラの発売当時はベルトの着用義務がないばかりか、運転席ですら３点ベルトの設置義務がありませんでしたので、これは仕方のないところです。


５．タイヤ
AE86の標準タイヤサイズは185/70R13、または185/60R14。サイズは現代のクルマからみれば小さいですが、チューブレスのラジアルタイヤであることに変わりはありません。

カローラは、今の表記で言えば155/82R12となるのでしょうが、チューブ付きのバイアスタイヤです。今でもチューブ付きのバイアスタイヤが販売されているのかは不明です。


なお、このクルマには販売当時のものと思われるタイヤが装着されていました。
さすがに50年前のタイヤで走行するのは怖いので、ホイールとタイヤは今のものに交換しました（オリジナルのホイールとタイヤは保管しておきます）。


どうでしょう。随分違いますよね。
カローラに乗った後にAE86に乗ると「なんという安定感、安心感、扱いやすさなんだ」と思えてしまいます。

AE86に乗った後に現代のクルマに乗っても、こんなことは感じません。
ある意味、感動の大きいクルマです。(^^;)