スカイライン400Rに乗る

私のR35 GT-Rは2008年2月に納車されたので、この2月で早いもので12年。
日本のクルマの平均寿命は12～13年なので、数値から言えば同じ年代のクルマはそろそろ廃車になるものがあってもおかしくありません。

それでも未だに現行モデルです。なので、当面部品の供給が心配になることはなさそうです。

とはいえ、現在は私が所有するクルマの中で唯一の増税対象外ですが、もうすぐ増税車の仲間入りになりそうです。
そうなると「旧車」の仲間入りでしょうか。(^^;)

さて、2月なので先週末１泊２日で12カ月点検に出しました。
12年で約25,000kmの走行です。


その際代車としてやってきたのは、スカイライン400R。
昨年のマイナーチェンジで追加されたハイパフォーマンスバージョンです。


このクルマの一番の特徴は、なんと言ってもエンジン。
VR30DDTT型3.0L V6ターボエンジンで、405ps 475Nm(48.4kgm)とのことです。果たしてどうでしょうか。


では、スタートボタンを押してエンジン始動。車内は凄く静か。アイドリングしているのが分からないぐらいです。
一方、ボンネットを開けてエンジン音を聞いてみると、カラカラとなんか貧相な音。
車内では全然分からないので、遮音がしっかりしているのでしょう。

走りだしてすぐに分かるのは、ステアリングが異常に軽いこと。


「ダイレクトアダプティブステアリング」というステアバイワイヤになってますが、路面の状況が伝わってこない。もちろん速度が上がってくれば手ごたえは増すので、一定以上の速度域では特に問題はありませんが、低速での左折なんかでは、切りすぎてしまって後輪がガリッといくのが心配になります。
この辺りは、やはり油圧パワステの方が好みですね。

そして、低速でのトルク感が思ったほどありません。
「これ3.0Lだっけ」という感じ。これも制御のせいでしょうか。
その代わり乗り心地は結構やわらかくて、なかなか快適。
タイヤは245／40R19のランフラットなので、ガチガチかと思いきやこれは意外でした。


なので、街中を普通に流していると普通の楽ちんセダンです。ハイパフォーマンスな感じは全然ありません。

センターコンソール上にあるドライブモード切り替えスイッチで、STANDARD、SPORT、SPORT+、ECOなどのモードが選べます。


ECOは明確に違いが出ます。所謂「ストレスモード」ですね。ものすごくアクセルレスポンスが悪くなるので、このクルマを買う人は使わないでしょう。
残りのSTANDARD、SPORT、SPORT+は、いろいろ切り換えてみましたが、あまり違いが分かりません。

では、ちょっと踏んでみましょう。
すると2,500rpmからバォーンという音とともに、かなりの加速力。
まあスペックから言えば当然ですね。

しかし問題は官能性の薄さ。
絶対的な加速力は十分あるのですが、回してもあまり楽しくなく、高回転まで回したいという思いがあまり湧き出てきません。
この辺りは数値で表せない部分なのでなかなか難しいですが、エンジンのツキと言うかレスポンスというか、スロットルを開けた際の反応がどうかという問題です。
こういう面でBMWやアルファのエンジンは、2000～3000rpmあたりでも楽しいものが多く、私の好みなのですが、残念ながら400Rはそのような感じではありません。


高速道路、ワインディング、街中とかなりの距離を走りましたが、一番合っているのは高速をゆったり流して、ときおり余裕の加速力で追い越しをかけるというシチュエーションでしょう。

ワインディングでもそれなりに走ってくれますが、エンジンレスポンスを楽しむという感じではないので、積極的に攻めようなんて気持ちは起こりません。
一方、街中や郊外の一般道では、乗り心地が良く静かなのでストレスは少ないクルマです。

結構ネガなことも書きましたが、全般的にはいいクルマです。静かで乗り心地もよく快適で、また装備も充実しています。

ただ、私が想像していたクルマとちょっと違ったというところなんです。
以前代車で乗ったBMW M4と同じ3.0Lターボでスペック的にも近いので、かなり近い印象なのかと思ったら全然違いました。

M4はエンジンがビンビン回って官能的でスポーティーなクルマですが、価格帯が全然違うので比較する対象ではないでしょう。

というわけで、やはりクルマは乗ってみないと分からないですね。
400Rも快適なFRセダンと考えれば、いい選択だと思います。(^^)

動画はこちらです。


ああそれから、R35は点検の結果、何も問題はなく無事帰還しました。

乗り換えてみると、12年前の旧車ですが、400Rよりエンジン・ミッションのキレはやはり断然上でした。(^^;)