
アルファロメオMiTo(ミト)が納車されて1カ月が過ぎ、約600kmほど走行しました。納車から日が浅いので、私としてはかなり乗っている方です。
実際乗ってみての感想はいろいろあるのですが、ここでは一番印象深かった走行モードについて記載します。
MiToのエンジン型式は"199A8"というものですが、アルファのエンジンについて4AGやVR38DETTのように型式名で呼ばれるのを聞いたことがありません。これは145/155、147/156の時代でも同じで、ツインスパークやV6と呼ばれるのが一般的だと思います。なんででしょうね。
スペックとしては、1,368ccの直列4気筒DOHCターボで最高出力155ps(114kW)。特徴的なのは最大トルクで、Normalモードでは20.5kgm/5,000rpmですが、Dynamicモードでは23.5kgm/3,000rpmです。
近年はSports/Comfort/Ecoのような走行モード切り換えが付いているクルマも多くありますが、多くの場合スロットルに対するレスポンスや、シフトスケジュールが変化する程度で、スペック自体が変化するのは珍しい。
こういう走行モードはクルマの購入直後はいろいろ切り換えてみますが、しばらくすると全く使用しなくなったというのが一般的。このクルマではどうでしょうか。
「アルファロメオD.N.A.システム」という名称の通り Dynamic/Normal/All weatherの3つのモードがあり、エンジンレスポンスやパワステの制御、VDC等の走行制御のセッティングが変化するとのこと。
All weatherは悪天候用で使用することはまずないので無視していいと思いますが、NormalとDynamicは3kgmのトルクと発生回転が2,000rpmも違えば、スペック通りなら誰でも体感できるはずです。
まず普通にNormalモードで乗ってみます。クラッチミートも難しいことは全くなく、低速からトルクがあり乗りやすい。特定の回転から過給が盛り上がるということもなく、同じようにに高回転まで回っていきます。よくあるダウンサイジングターボという感じで、ツインスパークのように高回転まで回すと楽しいという類のエンジンではありません。これはこれで普通に乗る分にはいいと思いますが、昔のアルファのような特徴はない感じです。
それではDynamicに切り換えてみます。ディスプレイにブースト計が表示されます。
クルマが豹変しました。停車時にモードを切り換えた瞬間から音が変わりましたが、発進したらトルクの出方が全く違う。レスポンスが鋭くなり怒涛の勢い(Normal比)で加速していきます。ここまで極端に変わるクルマは初めてです。先ほどまではアルファらしさが薄れたかなあ、とも思っていましたが、これもまたアルファらしさかもしれません。他のメーカーではなかなかここまで極端な味付はできないと思います。
とはいえ、いつもDynamicモードだと少々疲れますし、ステアリングが重くなるのも普段の街乗りでは気になるところ。なのでしばらくNormalモードで乗っていました。
そしてある日、ふとステアリングの右側にある小物入れを開けてみたところ、見慣れないものを発見。どうやら
スロコン(スロットルコントローラー)のようです。
そしてランプが点灯していることから動作している模様。ということは、
これまでの走りはMiToのノーマルのものではなく、スロコンを介したものだったようです。
では本来のMiToの走りはどうなのか。ネットで調べてみると、このスロコンは"n/s/r"の3つのモードがあり、"r"が一番介入が大きく"n"はスロコンなしの状態になるそうです。
なので"n"にして走りの変化を確認してみます。
まずはDynamicモードから。こちらはあまり差を感じません。スロコンによりパワーアップするわけではないので、元々かなりスポーティーなセッティングのDynamicモードは、あまり変化しないのでしょう。
それではNormalモードはでしょう。
こちらは、
めちゃくちゃもっさり。はっきり言って遅い。ストレスが溜まります。普通にスロットル開けたのでは思ったように加速しないので、スロットルを深く踏むようになって疲れます。本来のNormalモードはこんなにもっさりしていたのか。
これはNormalではなくEcoモードです。他のクルマでEcoモードにすると、確かにこんな感じになります。
そこでスロコンを"s"か"r"にすると、Normalモードでも普通にストレスなく走れるようになります。なのでMiToオーナーの多くがスロコンを装着しているのも納得です。
私はスロコンなんてものは邪道であるしトラブルの元になるので、これまで装着したいと思ったことはありません。しかしこのMiToに限って言えばありだと思います。あまりにも本来のNormalモードが使いにくいからです。
「MiToの本来の走りはDynamicモードだったが、排ガスや燃費規制をクリアするためNormalモードを追加した」という噂話を聞いたことがありますが、あながちウソではないように思えます。なにせどうみてもEcoモードの走りなので。All weatherはいらないので、Dynamic/Normal/EcoのD.N.E.システムにできなかったのかなあ。でもそれだと規制をクリアできないか。
というわけで、MiToの走行モードはある意味アルファらしい尖ったものでした。普段はスロコンを"s"にしたNormalモードで走りを楽しんでいます。(^^;)
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MiTo | クルマ
Posted at
2025/02/22 21:13:08