
6月に入り関東地方ももうすぐ梅雨入りしそうです。
なので、天気がいい週末はこの先なかなかないかもしれません。
そんな中、久しぶりにレンタカーの登場。
今回は、
ホンダS660です。
実車については、4月にディーラーで一度見ていますが、やはりちょっとの試乗程度では物足りないので、ここはいつもの通りレンタカーでじっくり乗ってみます。
まずスタイリングですが、せっかく自宅までS660を連れてきたのですから、その先祖たるビート君と並べてみましょうか。
S660のスタイリングは、なかなかGOODです。
旧規格のビートよりS660の方が10cm長く8cm幅広で、さらにボディに厚みがあるので、だいぶ立派に見えます。
また、タルガのS660とフルオープンのビートでは、開口部の大きさがだいぶ違います。
でもこう見てみると、24年前に発売されたビートも、すっきりしたなかなかいいデザインだと思います。
内装はビートより格段に質感が向上。
もはや軽自動車の安っぽさはありません。
でもディーラーで見た時から感じでいたのですが、やはりこのでかいサイドシルのおかげで乗り降りしにくい。
ビートはオープンにすると格段に乗り降りしやすくなるのですが、S660ではあまり変わりません。
まあ、ボディ剛性と引き換えなので、仕方ないですね。
さて、シートに座ってみましょう。
ビートのシートはサイズが小さめで、クッションも薄いので長時間はちょっとつらい感じ。一方S660のシートはサイズもごく普通で、なかなかいい感じです。
メータも簡素なビートに比べると、随分豪華になってます。
また足元の広さもだいぶ違います。
ビートでは細めの靴を履かないと、フットレストにのせた足がクラッチに干渉してしまうのに対し、S660はかなり余裕があり、特に気を遣う必要はなさそうです。
ではスタートボタンを押して、エンジンをかけましょう。
ここまで軽自動車であることを感じさせないS660が、やはり軽なんだと感じる瞬間はここ。
「カラカラカラ・・・・・」というアイドリング音は、いかにも軽っぽいのです。
では1速にいれて発進。
クラッチの踏力はごく普通、特にミートに気を遣うこともないでしょう。
小さめのステアリングを回してみると、予想以上の軽さ。
ノンパワステのビートの場合、極低速域でのステアリング操作は、それなりの力を要するのですが、S660はパワステのおかげで楽ちんです。
1速から、2速、3速とシフトアップ。
低回転域でのトルクは、極普通の軽自動車。つまり特段速くはありません。
でもシフトアップの際に「ビィーーーン、パシュー」とブローオフの音が聞こえてくるのには驚きました。
いやあ、なかなか楽しませてくれるではないですか。
また、この6MTは噂通りなかなかいい感じ。
短いストロークでカチカチと決まり、シフトするのが楽しくなります。
ビートのシフトは抜群にいいのですが、それにかなり近い感じ。
ただ、ビートを追い越したかというと、個人的にはそこまではいっていないと思います。
というのも、ビートの方が直結した感じが高いのです。
でもいいMTであることは間違いありません。
ボディのガッチリ感もビートとは段違い。
段差を越えた時でも、オープンであるがゆえのゆるさを感じません。
この辺りは、評判通りです。
今度はしばらく走ってから、リヤウインドウを開閉してみます。
すると、予想以上の効果。
開ければエンジン音がよく聞こえますし、閉めればかなり静粛性が上がります。
ガラス1枚でこんなに違うのかというほどの差。
いや、よく考えられていますよ、これ。
今まで、こんなクルマないと思います。音のためにこんな装置を設けるなんて。
これには感心しました。
さて、空いてる道に来たので、全開加速をしてみましょう。
1速に入れて普通にクラッチミート、そこからべた踏みして7500回転でシフトアップ。
そして2速、3速・・・・・うーん、やはり加速は64PSなりです。まあ、こんなものでしょう。
それよりも気になったのが、回転のフィーリング。
3000回転くらいからトルク感が出てきて、「あ、いい感じ」と思ったのもつかの間、5500回転くらいからはトルク感が薄いのです。これは想像ですが、64PSに抑えるために高回転でパワーが出ないようにしているのかも。
なので、フィーリングではビートの方に軍配が上がります(もち論速くはないですが)。
エンジンはそんな感じですが、コーナリング性能はなかなかのもの。
「軽自動車としては」という注釈はここではいりません。
いろは坂とその他いくつかワインディングを走りましたが、ロールも適度でノーズの入りもよく安定感も高い。コーナリングが楽しいクルマです。
そして高速道路。
ここでも全てオープンで走っているので、クローズド状態での評価は分かりません。
実測100km/hでのエンジン回転数は、ビートの場合5,500回転もあるので、エンジン音がおおきくてかなりキツイのですが、S660は3,200回転なので、エンジン音自体は気になりません。
しかし風切音がかなり大きく、正直言ってあまり快適とは言えません。
これはちょっと意外でした。タルガなのでウインドウを上げていれば、もっと風の影響は少ないと思っていたので。
おそらく屋根を装着していれば、また違った評価になたのでしょう。
なので、オープン走行では80km/h以下をお勧めします。
最後に燃費。
約300km(内高速道50km)走行で、燃費計の表示は24.0km/L。満タン方での計測でも22.6km/L。
ワインディングでは5000~6000回転で走っていますし、特にエコランしていないのに、これは驚くべき数値です。
より軽量でNAのビートよりはるかにいいのですから。
というわけで、S660はなかなかいいクルマでした。
荷物が載らないなど実用性はかなり低いですが、そんなことどうでもいいと思います。
ただよくを言えば、エンジンパワーがもう少し欲しいところ。
上述した通り、なんかわざと抑えている感があるんですよねえ。もったいない。
今回、即欲しいというところまではいきませんでしたが、ハイパワーバージョンでも出れば、購入しちゃうかもしれません。(^^)