
前回のブログで申し上げた通り4月3日から、寝台特急北斗星上り札幌発の臨時化初列車に乗って首都圏に行ってきたのですが、今回から数回に分けてその行程をブログにしたいと思います。かなり長~いブログとなりますが、興味のある方はお付き合いの程宜しくお願いします…m(__)m
~北斗星はプラチナチケット。取れた時が乗り時!~
そもそも、今回乗りに行ける事になったのは、先日3月22日に寝台券を入手した事から始まります。臨時化されたとはいえ、北斗星が最後の輝きを放つ事となり、8月22日札幌発の最終列車まで、概ね週3回『カシオペア』と交互に運転される事になっています。
定期列車の時はなかなか乗りに行く機会に恵まれませんでしたが、せめて私の仕事が閑散期となる4月中に乗りに行けたらいいなと思い、そして1人用個室最高峰の『
ロイヤル』に乗りたくて、
東洋経済オンラインの記事を参考に「
10時打ち」をチャレンジすべく、毎朝5時起きしてクラウンに乗って近隣の駅を回り(早朝なので電車より効率的)、事前申し込みを数日間、延べ20回程度試みたものの、全て撃沈。
そこで作戦を変え、キャンセルが出るのを狙って時間のある時に駅のみどりの窓口に出向き、日にちにこだわらない形で各寝台の空席を調べてもらった処、札幌発としては
臨時運転初日である4月3日のB寝台の上段が手に入ったのでありました。
とりあえず、寝台さえ押さえておけばその日の北斗星には一応乗れるから、それに合わせて旅行の日程を決め、帰りの新幹線と乗り継ぎ特急列車の切符を押さえておき
(当然というべきか、残念ながら帰りの北斗星は満席だった)、4月3日は早退し4日を休むという事を会社にお願いしてきました
(但し、旅行に行くという事はナイショで)。
そして当日までの間に個室にキャンセルが出るのを期待して、また同様に時間のある時にみどりの窓口を巡る事を続けていた結果、払戻手数料が安く済むリミットである乗車2日前の4月1日にソロを拾う事ができたのです。
まぁ、発売同時に瞬殺で完売してプラチナチケットにさらに磨きがかかった北斗星の個室のキャンセルを拾うだけでもかなりラッキーですよ。オークションで定価の何倍も出してまで買う輩もいる中、同じ料金のB寝台上段からそのまま引き換えられたのですから。
というワケで、B寝台上段での退屈な時間をどう過ごすかを考えていたのは杞憂に終わったのですが、やはりロイヤルに乗るのを最終目標にしていた私にとってはまだまだ諦めきれません。
「個室に乗れるだけ上等だ!素直にソロに乗りゃいいじゃんか!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、「いつかはクラウン」ならぬ
「いつかはロイヤル」というのが乗り鉄の目標なので、出発ギリギリまで望みを捨てず、性懲りもなくヒマさえあればみどりの窓口に通ってロイヤルのキャンセルをダメ元で調べてもらっていたのです。
~旅立ちの日、わらしべ長者の如く…~
そして、ついに訪れた4月3日。
この日は仕事でしたが早退。上野から到着する下り臨時化初列車を見に札幌駅に行ってみる事に。
ただ、この日は発達した低気圧のため風雨が強い荒れ模様の天気で、3・4番ホーム端での撮影はズブ濡れになってしまうため諦め、2番ホーム側からの撮影を試みるも、函館線の朝里~銭函間での土砂崩れの警戒による運転見合わせでダイヤが乱れており、本来いないハズの721系と被ってしまいました…。
今回到着した車輛は、そのまま折り返し16時12分発上野行きの北斗星となります。つまり、私が乗車する予定の車輛もこの中の1両に含まれています。
臨時北斗星は、従来と異なり客車のすべてをJR東日本の車輛で賄う事になり、現存する車輛をかき集めた編成となったため6両ある個室寝台車のうちA寝台個室のロイヤルとツインデラックスが倍増する一方で、B寝台個室のソロ&デュエットが大幅減になり、ロビーカーは2008年の減便前まで活躍し1両だけ廃車されず残っていた全室ロビーのオハ25が復活、食堂車と3両の2段B寝台はそのまま(但しBコンパートメントは廃止)という陣容となっています。
見に行ったついでに最寄駅や札幌駅などのみどりの窓口でロイヤルの空席を問い合わせるも、やはりダメ。一度帰宅して旅支度をして、出発するために改めて最寄り駅へ向かい、コレで最後という事でもう一度調べてもらうと…?
「カッチャン」
ん?
出た!?
ヤッター!!ロイヤルゲット!!
思わず「
コレ、本物ですか!?」と窓口の女性に尋ねてしまいました…(^_^;)
このタイミングでロイヤルをドタキャンだなんて…。
モッタイナイけれど、お陰でこの私がゲットする事ができたのです。
前の持ち主には感謝感謝ですよ!
やっぱり、努力は報われるんだ!ついに幸運の女神が私に微笑んでくれました。
クジ運にはことさらツイてない私ですが、プラチナチケットの最高峰・ロイヤルをしかも当日にゲットできたというのはある意味「10時打ち」より難しい事かもしれません。何せ、私と同様キャンセル狙いは沢山いますし、そもそも8席しかないので(これでも定期列車の時の2倍だが)キャンセルが出る事自体奇跡なのですから。
ただ、ソロの券から直接変更はできないので払い戻す必要があり、発車当日という事で手数料が額面の30%かかってしまい、その分差額に上乗せになってしまいましたが、オークションで入手するよりはず~っとマシですよ。
というワケで、喜び勇んで札幌駅に向かうのですが、心配な事が…。前述の通りこの3日は発達した低気圧の影響で全道的に大荒れの天気で、局地的に暴風雨や大雨となり、札幌圏でも函館線の銭函~朝里間で土砂崩れの恐れがあったため運転見合わせ(昼頃に再開)、そして今回乗車する北斗星が通過する函館線の八雲~落部間も線路冠水により運転を見合わせており、札幌~函館間の特急は軒並み運休という状況で、果たして北斗星が無事運転されるかどうか札幌駅に着くまでの間気が気でなかったのです。
先程ゲットしたロイヤルの寝台券の変更手続きのために札幌駅に向かう電車を1本乗り遅れてしまい、発車の約25分前に札幌駅に到着する事になったのですが、LED発車案内には『
臨時寝台特急 北斗星』の文字が!
何とか運転が決まったようでホッとしましたが、この時点ではまだ冠水区間の運転再開にはなっておらず、もしかすると途中での運転打ち切りを覚悟しなければなりません。
3・4番ホームの手稲方には既に多数の撮り鉄らが訪れており、ホーム端での入線シーンの撮影は諦めざるを得ませんでした。
そして、今回乗車する北斗星が入線。
私が乗る車輛は3号車、ロイヤル&ソロの合造車
オロハネ25 502。
ちなみに、先に持っていたソロも同じ3号車でしたが、やはりキャンセル狙いで次客の手に渡っていました。直前に放流した券がムダにならなかったのが幸い…。
コレが、憧れだったA寝台1人用個室『
ロイヤル』。
北斗星の個室で最大の空間を有し、洗面台とトイレを組み込んだ専用シャワールームを備えるあたり、まさに『走るホテル』そのものです。

~臨時寝台特急北斗星、出発進行!~
5面10線で多数の列車をさばく札幌駅では入線から発車までの余裕がなく、この北斗星も約9分という慌ただしさ。
16時12分、ほぼ定刻で発車します。
(車窓風景と車内放送を記録した動画です。お時間のある方はどうぞ↓)
札幌貨物ターミナルの構内には、先月13日の定期列車廃止で役目を終えた北斗星用のJR北海道受け持ち客車が多数連なって留置されていました。
海外譲渡によるものと思われますが(※追記:解体前提による留置で、翌5月中旬に室蘭の崎守埠頭へ向けて運ばれていった)、せめて検査期限の残っている車輛はイベント列車用として道内でもうひと頑張りして欲しかった…。まぁ、今のJR北にはそんな余裕などないのでしょうけど。
平和を過ぎたあたりでさっそく車掌の車内改札が回ってきて、個室のカードキーが配布されました。
今回、乗車券として『
東京往復割引切符』というトクトクきっぷを利用しましたが、14,910円と通常の片道運賃(18,440円)よりも大幅に安く、別途特急券を購入すれば新幹線も利用でき、また北斗星やカシオペアには特急寝台券(個室もOK)及び途中3セク区間の乗車券を別途購入すると乗車できるスグレモノ。
島松を通過。実は先に解放B寝台上段の券をゲットしたのはこの駅で、これがなければ今回の旅も成立しなかったのであります。
ここで車内見物のためお散歩。
(寝台の画像は空席時のもの)
ロイヤルがゲットできなければ乗るハズだったソロ。
コチラはデュエット。7年前に乗車したのはJR北海道車でモケットの色がパープル系でした。
昔ながらのブルトレの旅が味わえる解放B寝台車。
そして臨時北斗星の目玉・全室ロビーカーのオハ25 503の車内。
個室が取れなかった場合、ココで過ごす事を想定していました。
この広さなら、定期列車時代の半室ロビーカーのように混雑する事もありません。
ロビーカーの自販機は残念ながら使用停止中。
営業準備中の食堂車・グランシャリオ。このスシ24 506は7年前に乗車した時にも利用させて頂きました。元々は碓氷越えの489系電車の食堂車として『白山』などに使われ、その後サシ481化を経て、再びサシ489に戻って碓氷越えに復帰するものの、在来線電車特急の食堂車廃止で休車となっていた処北斗星の食堂車に抜擢されるという数奇な運命を辿った車輛です。
~一見豪華に見えるものの、定期列車より劣る面も~
ロイヤルの乗客にはウェルカムドリンクとしてワイン、ウイスキーの水割りセット、缶入り緑茶が配られます。あまりアルコールは飲まない私ですが、水割りを作って飲む事にしました。ただ、水割りセットのコップと氷の容器が使い捨てのプラ製というのは味気ない。残念ながら定期列車の時よりサービスの質は落ちているようです。またロイヤルやツインDXの特権であった食堂車グランシャリオのルームサービスも臨時列車では実施されません。これらのサービス低下は、A寝台個室が倍増した事に対する弊害といえましょうか。
そして車窓風景を愛でつつ、食堂車パブタイムまでの時間を繋ぐため発車前に購入した駅弁「道産子牛めし」を頬張ります。
お肉系の駅弁があるのは有り難い。
苫小牧を過ぎると、太平洋側に出ます。
空は相変わらず厚い雲に覆われたまま。
東室蘭を出ると、室蘭港と測量山が見えます。
このあたりで日没となり、いよいよ夜行列車のムードが色濃くなります。
単線区間の伊達紋別では特急『北斗』のキハ183系とすれ違いますが、時刻表ではこの時間帯に同駅に停車する下り特急はなく、線路冠水による運転見合わせで長時間足止めされていた『北斗5号』の車輛と思われます。どうやら函館線は平常運転に戻ったらしく、我が北斗星はこのまま順調に運転を続けていくものと思っていました。
北斗の車輛が到着後、隣のホームには札幌を北斗星の39分後に発車した函館行き『スーパー北斗14号』が追い付いて先発していきました。特急が特急を追い越してゆく貴重なシーンです
(※停車中の撮影については、フラッシュ使用)。
ここまで暗くなるとさすがにもう車窓風景を楽しむ事はできず、食堂車のパブタイム開始までは北斗星関連の鉄道誌を読みながら過ごします。
ワゴンサービスで購入した北斗星グッズ。
右上から時計回りに、記念プレート(愛称サボサイズ)、ストラップ、ミニヘッドマーク、北斗星タオル。
定期列車の時はJR北海道も独自のオリジナルグッズを車掌が販売していたのですが、残念ながら臨時列車での販売は行わない事との事。
ロイヤルに乗車した証しとして、ミニヘッドマークを持って記念撮影。車販嬢に撮影をお願いしちゃいました。
~どうせ北斗星に乗るなら、食堂車で食事がしたい!~
駅弁を食べてからさほど時間は経っていませんでしたが、せっかく食堂車が付いているんだから利用しないテはありません。
20時40分頃、食堂車グランシャリオのパブタイム開始の案内放送が流れました。
発車時刻が繰り上がった分、予約制コース料理のディナータイムも繰り上がったためパブタイム開始が早まっていたのです。
早めに並ばないと入れない!というのがわかっていながら、ロイヤルの室内でまったりと過ごしているうちに食堂車の事を忘れていました(汗)。慌てて7号車の食堂車に向かいます。
当然、食堂車は満席でしたが、意外と順番待ちは少なく、5分位で席に案内され、大阪から来たという中学生の鉄道少年3人組と相席になりました。やはり10時打ちでは切符が取れず、それぞれ数日前にバラバラで解放B寝台を確保したとの事。
彼らはパブタイムのメニューの中から、煮込みハンバーグとビーフシチュー、それぞれにライスを組み合わせて注文していました。
私は今回煮込みハンバーグセットをオーダー。ライス、コンソメスープ、そして食後のコーヒーor紅茶が付いてきます。
遠くに函館平野の夜景を見ながら味わう食事は、また格別。
しかし…森から先は臨時の運転停車が増えたせいで、この時点で列車は30分以上遅れての走行中。本来ならば既に函館を出発して津軽海峡線を走行し、もう少しで青函トンネルという処なのでしょうが、線路冠水の影響か、貨物列車が滞留している事もあってダイヤが乱れているようでした。
食後のティータイムの最中、函館到着の車内放送が流れたのですが、そこでとんでもない事実を聞かされる事になります。
なんと、この後通過する予定の青函トンネル内で、
『スーパー白鳥』の車輛から煙が出たというトラブルが起こり、警察の実況見分と、国交省の運輸安全委員会による事故調査が入るまで保全命令が出されたので運転見合わせになるとの事。
なに~!?
一難去ってまた一難というのはこういう事で、せっかくロイヤルの寝台券を手に入れて優雅な旅を楽しんでいたのに結局トラブルに巻き込まれてしまうなんて…。
~文字通り、『列車ホテル』となった北斗星~
ここで運転打ち切りか!?とビクビクしていたら、とりあえず運転再開を待つべく明朝6時位まで函館駅に停車する事が決まった北斗星。つまり、ホームから動かないまま一夜を明かす事となり、走るホテルは列車ホテルとして函館に1泊する事になりました。
ただ、そうなると翌日の上野到着は大幅に遅れる事必至。
今回の旅の主目的は、北斗星に乗車する事ではありますが、もう一つ、
上野到着後に関東在住のみん友さんとお会いする予定をしていたのです。
まずは到着が大幅に遅れる旨をメールで伝える事にしましたが、残念ながらお会いする時間が短くなってしまう事になり、北斗星により長く乗っていられる反面、せっかく私のためにお時間を空けてくださったみん友さんにご迷惑をお掛けする事になってしまいました…。
函館到着後、DD51ディーゼル機関車を切り離し、津軽海峡線では電気機関車のED79が牽引するのですが、五稜郭方の電源車カニ24に向かっていたらホームにいた助役さんが「機関車の連結はありませんから」との事。いつ発車できるかわからない状態でED79を持ってきてもムダですからね…。
隣のホームには、津軽海峡線特急列車の運休に伴って足止めされた青森方面への乗客のために、『白鳥』用の485系編成が列車ホテルとして開放されていました。
長時間の足止めになるので、オヤツと飲み物を確保すべくコンビニに寄るため一旦駅の外に出る事に。但し、車輛への出入りは5号車のドアのみとなり、他の車輛は締切扱いとなりました。
その後再びホームに戻って撮影したり個室でくつろいで過ごしていましたが、そろそろ0時近いので、寝る準備をします。
せっかくシャワールームが付いているので、ひとっ風呂浴びる事に。
画像は、ロイヤルのシャワールームに備え付けられているアメニティポーチとその中身。これにシャンプーとリンスの使い切りパックが加わります(翌日撮影)。
ロビーカーの共用シャワールームと異なり、1回の使用で述べ10分間お湯を出す事ができるのですが、頭と身体をひと通り洗っても2分26秒余りました。入口のリセットボタンを押せば再び10分間使う事ができます。
そして私は浴衣に着替えて…
(セルフタイマーで撮影。パンツがちょっとだけ見えてしまい、恥ずかしい…(^^;))
寝具をセットし、しばしの休息に入ります。
おやすみなさい…zzz
(以下、次回につづく…)
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