映像は、サントリー「伊右衛門」の広告HPのハードコピーです。
ペットボトルのお茶に目くじらを立てることもないのですが、最近、テレビで放映している名倉夫妻を起用したCMを見ていると、チョットそれは違うんじゃないの?と思うことが多々あります。
まず、急須のお茶葉に抹茶を足すと「色が違う」
当たり前じゃないですか(苦笑)
抹茶ってそもそもどう言うもので、お煎茶はどう言うものか理解していないのではないかと感じてしまいます。
色が濃ければ美味しい(苦笑)
バカも休み休みに言いなさい。
色だけで判断するのなら駄菓子屋の抹茶ものの如く、毒々しい緑色でも何でも抹茶風の色を着色すれば良いだけのことで、なんのことやらサッパリ分かりません。
次に、美味しくなった…
あのですネ
お茶と言うのは、お湯の量と茶葉(茶葉の性質・品質は勿論)のバランス、そして、お湯の温度、抽出時間等々、微妙なバランスの中で、美味しいお茶を入れることが出来ます。
そして、丁寧に入れると少なく見積もっても最初の一煎目で旨味成分の80%は出てしまいます。
これは、旨味成分のアミノ酸類は水溶性で、温度に関係なく時間経過に比例して抽出されることに起因しています。
因みに、渋みや苦み成分(カテキン類)は、80度以上の高温で抽出される量が増えますので、アツアツのお湯で時間をかけず雑に入れると苦み走ったお茶になる訳です(苦笑)。
更にアミノ酸類は酸化されやすい性質があるので、入れたての状態から放置すると、みるみる色が変わり味も劣化します。
緑茶系ペットボトルの先駆者である伊藤園さんが苦労したのは、正にこの点で、外装フィルムに工夫をする等の対策をして商品化にこぎつけた話は有名です。
さて、どんなに頑張っても工場の生産ラインで作られるお茶は、急須で入れたお茶と同じ世界を作り出すことが難しいですし、よしんばラインから出て来た直後は可能としても流通経路まで考えると絶望的な状態になります。
そもそも、原料の茶葉だって500mlで100円前後のペットボトルを作って採算のあるお茶ですからネ(苦笑)
安定剤的な要素と色素維持の方策としての抹茶成分混入をあたかもお煎茶より美味しいとCMするのは、如何なものかと感じてしまいました。
余談ですが、お茶葉を売っているサイトや小売店、特売ブース等で、二煎目でも色が変わらないとか、旨味が落ちないと言ったら眉唾物です。
入れ方を雑にすれば、前述のお茶の成分の特性から二煎目に旨味成分を残すことが出来ますが、それは本当に、その茶葉の美味しさを味わったことにはなりません。
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Posted at 2013/05/23 00:38:07 | |
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