2018年09月02日
世界一トリッキーなブガッティの16気筒エンジン──EA398 8.0 W16
■EA398 [8.0 W16]シリンダー配列 W型16気筒排気量 7993cc内径×行程 86.0mm×86.0mm圧縮比 10.0最高出力 1103kW/6700rpm最大トルク 1600Nm/2000-6000rpm給気方式 ターボチャージャーカム配置 DOHCブロック材 アルミ合金吸気弁/排気弁数 2/2バルブ駆動方式 ロッカーアーム燃料噴射方式 PFIVVT/VVL In-Ex/×
2005年の登場時ですら空前絶後であったW型16気筒と1000psオーバーの最高出力は、登場以来10余年を経ても未だキャッチアップするフォロワーが現れていない超弩級エンジン。企画当初は直6×3のW18形式が企図されたが、3バンクしかもターボ過給にともなう吸排気レイアウトの難しさにこれを放棄。既存のVWエンジンであるW8を二重化するレイアウトに至った。
90度位相クランクが180度ずれて互い違いに配置されるという例を見ない複雑さと生産量の少なさから、クランクシャフトは鍛造ブランクからの削り出し製法を採る。点火順序は1l-14r-9r-4l-7l-12r-15r-6l-13r-8l-3l-16r-11r-2l-5l-10r(気筒番号の後のrは右、lは左バンク)と、片バンクで2連続点火の後反対バンクに移るパターンとなる。
アウディRSシリーズのためのV6ツインターボエンジン
■ 2.9 TFSIシリンダー配列 V型6気筒排気量 2894cc内径×行程 84.5mm×86.0mm圧縮比 10.0最高出力 331kW/5700-6700rpm最大トルク 600Nm/1900-5000rpm給気方式 ターボチャージャーカム配置 DOHCブロック材 アルミ合金吸気弁/排気弁数 2/2バルブ駆動方式 ロッカーアーム燃料噴射方式 DIVVT/VVL In/×
1999年に登場したアウディRS4用の2.7ℓV6は当時としては画期的な280kWの出力を発生した。その系譜を受け継ぐハイパワーユニットは、既存の3.0ℓV6のストロークを短縮して2.9ℓ化。V8とモジュラー化が図れる90度のバンク角は、クランクピンオフセットを小さくできると同時に、バンク間のスペースが60度より大きく採れる。
これまでの多くの90度V6はここに吸気系ユニットを配置していたが、昨今の欧州V6ターボは逆に排気系をバンク間配置とし、排気熱を高いまま導いてターボの効率を上げる。クランクケースはA l - S i合金の砂型鋳造。ディープスカート構造でクランクメインベアリング径は3.0ℓから2mm拡大して高出力に対応する。アウディ独自のVVT&L・AVSによってバルブリフトは2段階に設定され、低負荷時は吸気バルブ早閉じのミラーサイクルを実施。負荷が高くなるとリフトは6mmから10mmへ、開弁時間もクランク角130度から200度に増やしてオーバーラップによる掃気を促進する。ブロックとヘッドの冷却経路は独立しており、早期暖機と大出力発揮時の冷却を両立させている。
ふたつのターボチャージャーは、シリンダーバンクの中央に配置されている。デュアルブランチシステムを通して、取り込んだ空気をそれぞれのターボチャージャー及び燃焼室へ送る。
VW最強の4気筒はアウディ仕込みのハイパフォーマンスエンジン
■ 2.0 TFSIシリンダー配列 直列4気筒排気量 1984cc内径×行程 82.5mm×92.8mm圧縮比 9.6最高出力 221kW/5500-6200rpm最大トルク 380Nm/1800-5500rpm給気方式 ターボチャージャーカム配置 DOHCブロック材 アルミ合金吸気弁/排気弁数 2/2バルブ駆動方式 ロッカーアーム燃料噴射方式 DI+PFIVVT/VVL In-Ex/○
五代目ゴルフの主力ユニットは、2.0ℓのEA113型だった。これは、先述のクラウス技師が初代アウディ80のために設計したボアピッチ88mmのユニットの末裔。鋳鉄ブロックのままだったが、動弁系がDOHC4バルブとなって直噴化、オイルパン部に平行配置2軸バランサーが仕込まれるという贅沢な仕立てで、ターボ過給仕様も登場し、それがGTIに使われた。
しかし六代目のときに2.0ℓ直4は新設計のEA888型にとって代わられた。プレミアムDセグメントたるアウディA4にも用いられるべく設計されたこちらは念の入った仕立てとなっていて、ブロックは当然ながらアルミ化、そのブロック脇に本格的な非平行配置の2軸バランサーも備わる。もちろん直噴ターボ過給だ。
直噴/ポート噴射併用のTFSIのシステム図。直噴に必要な噴射圧力はカムシャフトから駆動力を得た燃料ポンプで発生させ、ポート噴射とは別の燃料経路をとる。インテークポートには可変フラップ(VTS)が設けられ、混合気にエンジンの運転状況に合わせた適切なタンブル流を与えるようになっている。
■ 1.8 TFSI
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 1798cc
内径×行程 82.5mm×84.1mm
圧縮比 9.6
最高出力 141kW/4200-6200rpm
最大トルク 320Nm/1450-4200rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI+PFI
VVT/VVL In-Ex/○
バリエーション豊かだよな~
Posted at 2018/09/02 21:25:51 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2018年09月02日
スバリストなら一度は住みたい!? 「群馬県太田市スバル町」
群馬県にはスバルそのまんまの町名が存在します。その名も「スバル町」。場所はスバル発祥の地、太田市です。
スバルの本社は東京・恵比寿に存在しますが、スバルのお膝元といえば群馬県太田市。なぜ太田市がお膝元かというと、スバルの前身である中島飛行機が太田市に本社を構えていたからです。これは中島飛行機の創始者である中島知久平の出身地だったことに由来します。中島飛行機は世界でも有数の航空機メーカーとして、群馬県内はもちろん、三鷹など各地に工場・研究所を数多く持っていましたが、戦後紆余曲折を経て富士重工業として再出発。その際、太田工場もスバル360の生産拠点として稼働することになり、戦後も富士重工業の中心的な存在であり続けたのです。
太田工場はスバル360の生産を始めるにあたり、群馬製作所本工場と名前を変更し現在ではレヴォーグ、インプレッサ、XV、WRX、BRZを生産し、まさにスバルの中心工場なのですが、その群馬製作所本工場の敷地がスバル町にあたります。ですので、スバル町の居住者というのはいません。太田市のホームページでは町別人口及び世帯数も紹介されていますが、そこにはスバル町は居住者がいないので掲載していない、と印されています。ですので、残念ながら「オレ、スバル町に住んでるんだぜ!」という自慢はちょっとできなさそうです。
住むのはムリでも…
しかし、スバル町に住むことは無理ですが、本籍を移すというワザがあります。本籍は実際に住んでいるところとは関係なく、日本国内ならどこにでも設定していいのです。なので、東京都千代田区千代田1番に本籍を置いている人も数千人単位に及ぶのだとか。であるならば、スバル町に本籍を置くのもアリかも!? ただ、現在は免許証に本籍地の記載が行われなくなったため、オフ会などで簡単に自慢できなくなってしまいました。そのためにわざわざ戸籍謄本を取り寄せて見せびらかすのも……ねぇ? まぁある意味自己満足の極地ではありますが、我こそは、というアバンギャルドなスバリストさん。本籍スバル町なんてどうですか!?
街を歩けばスバルだらけ。やっぱり太田市はスバルのお膝元だ!
スバルのお膝元、太田市。やはり街中を走るクルマのスバル率も高いのです。インプレッサやレヴォーグなどのメイン車種はもちろんのこと、現在ではOEMとなっている軽自動車もバンバン太田市内を走っています。シフォン(タントのOEM)、ステラ(ムーヴのOEM)、プレオプラス(ミラ イースのOEM)、ディアスワゴン(ハイゼットワゴンのOEM)などなど、まるで太田市内まるごと走るスバルショールームのような様相を呈しています。失礼ながら筆者はここに来て初めてジャスティ(ルーミー/タンク、トールのOEM)が走る姿を見ました……。スバリストなら感動必至ではないでしょうか。ぜひ一度太田市にお越しあれ!
Posted at 2018/09/02 00:21:57 | |
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富士重工 | 日記
2018年09月02日
セアトのエキゾースト違反で揺れる北欧ツーリングカー。並走テストを望む声も
8月の第3週に開催されたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の第4戦カールスクーガにて、2018年の選手権を席巻してきたPWRレーシングのセアト・クプラTCRが規定に反する形状のエキゾーストを使用していた問題で、レースディレクターを務めたボリエ・ブローメンは「改めて(性能上の)アドバンテージがあった」との見解を表明した。
スウェーデンのモータースポーツ連盟であるSBF(スウェディッシュ・モータースポーツ・フェデレーション)が任命し、カールスクーガの週末でレースディレクターを務めたブローメンは、地元の日刊紙であるダーゲンス・ニュヘテルに対し「PWRレーシング・セアト・ディーラーチームの使用していた排気管の形状は、明らかに彼らのマシンに性能上の利点を与えていた」との意見を述べた。
予選で1~3番グリッドを独占し、レース1でダニエル・ハグロフ、フィリップ・モーリンがワン・ツー・フィニッシュ。レース2ではミカエラ-アーリン・コチュリンスキーが、シリーズの歴史上初となる女性ドライバーによる勝利を挙げたかに思われたPWR勢だが、このいずれのリザルトも車両規定違反により霧散。リザルトからの全面除外という後味の悪い結末を迎えていた。
「自分たちが気にいる物だけをつまみ食いするような真似は許されない。我々の世界ではこれは非常に明快な原則で、ホモロゲーションシートに記載された画像を見るだけで、その判断は可能になるんだ」と説明するブローメン。
「規則がどのように解釈されたかを話し合うことは可能だが、彼らが実際に行ったことの結果により、その他のクルマより明らかに高いレベルの性能を発揮していたのは事実なのだ」
この結果、WorldRX世界ラリークロス王者のヨハン・クリストファーソン擁するKMS(クリストファーソン・モータースポーツ)や、大ベテランであるフレデリック・エクブロムが所属する選手権の古豪WCR(ウエスト・コースト・レーシング)らは、シリーズ前半戦のリザルトについても精細な再調査が必要との見方を強めている。
そのKMSが運営するフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスは、PWRレーシングの使用した排気構成が性能的利点をもたらすかどうかを検証するべく、STCCの次戦に先立ちテストを行うことを提唱している。
■同一パッケージのフォルクスワーゲン陣営「本当に理解できない現象」
チームマネージャーであり、WorldRX王者ヨハンの父でもあるトミー・クリストファーソンは、PWRのセアト・クプラTCRと、自らのチームで使用するフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRに関して次のように説明する。
「双方のマシンはともにセアトのモータースポーツ部門で開発、製造が行われていて、同じエンジン、同じギヤボックス、同じサスペンション構成を持っている。違っているのはエクステリアのデザインだけだ」と、前出の日刊紙ダーゲンス・ニュヘテルの取材に応えたトミー代表。
「我々はシーズンを戦い進めていくうちに、コーナーの脱出で不利な立場に立たされていることに気づいた。コーナーごとに平均して半車身ほど引き離されるのは、本当に理解できない現象だったよ」
「これに関して明確な検証をする必要があるだろうし、我々はすでにいくつかのテストを行う準備を進めている。サーキットに双方の仕様(規定合致のエキゾーストとPWRレーシングの仕様)を持ち込み、並走させて出力の相違を見ればいい。その結果はシリーズに大きな影響を与えるものになるはずだ」
エキゾーストの効率が改善していれば、当然エンジンの出力面にもアドバンテージがあると考えられるが、トミー代表は「もちろん、テストをしていない現時点では断定的な物言いは避けたい。何らの差異もない……という結果もあり得るわけだからね」と、慎重な姿勢も見せている。
一方、PWRレーシングのチームマネージャーを務めるダニエル・アンダーソンも、同じ日刊紙に対し「パワーの優位性はない」と断言している。
「我々はクプラ・レーシングの用意したオプションのなかから、バリエーションをセレクトしたにすぎない。性能面での優位性は一切ない」とアンダーソン。
「基本的に、我々が違法行為に手を染める理由はどこにもないんだ。我々の感覚的には100%正しい戦いを続けている。供給されたパーツを使用しているだけなのだからね」
どうなんじゃろか…
Posted at 2018/09/02 00:18:41 | |
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