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2018年09月12日 イイね!

ベンツがやってくれたから今後は日本車でも導入がしやすそうだ

ベンツがやってくれたから今後は日本車でも導入がしやすそうだついに登場した『ミラーレス』はトラックから! メルセデスの新型アクトロスが標準装備でやっちゃいました

モーターショーのコンセプトカーでは、すでにお馴染みのミラーレス。従来のミラーに替えて、デジタルのカメラ/ディスプレイで後方視界を提供するシステムだ。それに関する国際基準が整備されたのを受けて日本でも2016年6月に保安基準が改定され、法律的にはミラーレスを実用化できる環境が整った。あとは、いつ、誰がミラーレスに踏み切るか?

待つこと2年余り。ダークホースと言ったら失礼かもしれないが、それはトラック業界から現れた。9月20日にハノーバーで開幕する商用車ショーでの一般公開に先駆け、メルセデス・ベンツが5日に発表した新型アクトロス。同社を代表する長距離輸送向け大型トラックの新世代が7年ぶりにモデルチェンジし、なんとミラーレスのシステムを”標準装備”して登場したのだ。

先代アクトロスを含めて欧州の長距離トラックでは、メインのミラーの下に視野角がより広い補助ミラーを並べ、これら2つのミラーをひとつのカバーに収めた縦長の大きなバックミラーが一般的。それを左右のドアに備える。大きなバックミラーは大きな空気抵抗を生むもの。それをコンパクトなカメラに置き換えることで空気抵抗を減らすというのが、メルセデスがミラーレスの標準装備化に踏み切った最大の動機だ。

長距離便トラックは年間12万km以上も走るから、運送業者にとって燃費は切実な問題。新型アクトロスはミラーレスの採用などによる空気抵抗低減とパワートレインの進化の相乗効果で、先代より最大で5%の燃費向上を実現するという。トラックのミラーレスは実利をもたらす新装備なのである。

カメラの画像は、室内の左右Aピラーに取り付けた縦長15インチ・ディスプレイに表示される。ディスプレイの上から2/3ほどが従来のメインのミラーに相当し、その下の1/3ほどが補助ミラーと同様の画像。ミラーレスになってもドライバーが戸惑わないように、画像の並べ方を従来のバックミラーと同じにしたわけだ。その一方、後続車との車間距離の目安になるラインをディスプレイに入れることができるなど、デジタルを活かした工夫も凝らしている。

ただし車両直前の真下を見るためのアンダーミラーは、従来のまま残した。メルセデスのリリースにその理由は書かれていないが、推察すれば、アンダーミラーの空気抵抗はバックミラーほど大きくないからだろう。また、ミラーレスのもうひとつのメリットはミラーそのものによる死角をなくせることだが、アンダーミラーは運転視界にほぼ入らない位置にある。カメラに置き換えても空気抵抗の低減や視界拡大といったメリットが出ないとなれば、アンダーミラーを残したのは合理的な判断だ。

新型アクトロスはレベル2の部分自動運転を実現する”アクティブ・ドライブ・アシスト“も標準装備。衝突被害軽減ブレーキの”アクティブ・ブレーキ・アシスト”は、50km/h以下なら歩行者にも反応する第5世代に進化した。コクピットにはメルセデスの乗用車と同様に2つの大型ディスプレイが並び、ハイテク感を漂わす。

走行中の車両データがクラウド上のデータセンターに常時送信され、それを分析してメンテナンスや修理が必要になるタイミングを事前連絡するサービスは、実は先代から行われている。新型ではさらに運行管理アプリが提供され、それをコクピットのディスプレイで操作できるようになった。スマホを介してアップル・カープレイやアンドロイド・オートを使うことも、もちろん可能だ。ミラーレスだけでなく、コネクティビティでも新型アクトロスは最先端を走っている。

メルセデス・ベンツを主力ブランドとするダイムラーは、大型トラックのシェアトップに君臨し続ける世界最大手。なかでもメルセデスはプレミアム・トラックと呼ばれる高価格帯の市場で戦っている。それを支えるのが、たゆまぬ技術革新。その意味で今回のミラーレスは、きわめてメルセデスらしいチャレンジと言えるだろう。

では、乗用車でミラーレスは、いつ、誰が? ネット上ではレクサスの新型ESが取り沙汰されているが、すでに新型ESを販売している米国レクサスのホームページを見ると、あちらではまだ設定されていない。日本の新型ESが乗用車世界初のミラーレスになる? 遠からず出るはずの答えを、楽しみに待ちましょう!

(千葉 匠)


メルセデス・ベンツがついにドアミラー・レスを市販モデルに搭載。視線移動の大きなディスプレイの位置は正解なのか?

2018年9月20日より、ドイツ・ハノーファーで開催されるIAA商用車ショーにおいて、メルセデス・ベンツの新型アクトロスが発表される。労働環境の改善、燃料コストの削減という社会的なニーズに応えるべく、「アクティブ・ドライブ・アシスト」を命名された半自動運転技術が搭載されるという新型アクトロスは、ついにドアミラー・レスを実現する。そう、日本風にいえばCMS(カメラ・モニタリング・システム)を標準装備するというのだ。

ドアミラーを薄い筐体のカメラに置き換えたほか、キャビン全体として空力性能を追求したことで高速道路の燃費は3%ほど改善したというアクトロス。それにしても、CMSの採用は、そのルックスもイメージを大きく変えることに成功している。大きなミラーがなくなり、スタイリッシュなウイング状のパーツがドア上部から飛び出しているだけの姿は、実際以上の空力性能の改善を感じさせる。

さて、ベンツとして初めてのCMSで注目なのはコクピットのデザイン、カメラの映像を映すディスプレイをどこに配置するのかが気になるところだ。ひとまずアクトロスでは15インチの縦型ディスプレイを左右のAピラー内側に置き、そこにカメラの映像を映し出すという。現時点では、どんなやり方が正しいのか断言できないが、少なくともこのレイアウトは、視線移動は従来通りで慣れ親しんだ乗り方を変えないことでドライバーの負担を増やさないことを優先したのだろう。

一方で、せっかく自由度の高いCMSを採用したのに視線の移動量が多いのはもったいないという見方もできる。ドライバーの慣れの問題もあるので、ディスプレイ位置の最適解がどこになるのかを断言できるものではないが、まったく改良の余地がないということはないだろう。トラックのコクピットではスペース的な余裕もあるので、このレイアウトが可能だが、乗用車では視界の問題からAピラー付近にこれほどのディスプレイをつけてしまうのは考えづらい。

もっとも乗用車のミラーサイズを考えれば、もっと小型のディスプレイで事足りるわけで、ベンツがアクトロスで示したCMSは、あくまでもトラックにおけるひとつの答えと捉えるべきなのも事実。そして、ここをスタートに、どのような解が生まれてくるのかを考えてみるのも面白そうだ。たとえば乗用車であれば、超ワイドなルームミラー(モニター)として、そこに左右と中央の映像を合成して映すことで情報の漏れが少なくなるといったアイデアを考えてみたが、いかがだろうか。

文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト


サイズを考えると大型車は余裕が持たせやすいのかな~乗用車とかだとサイズ等に制約があるだろうけどどんどん普及されるかな
でも、個人的には給電できないと後方が確認できないっていうのはどうなんだろうね…安全性を考えると
Posted at 2018/09/12 08:07:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | メルセデスベンツ | 日記
2018年09月12日 イイね!

ロードジッパー日本でも導入されてたんだね

ロードジッパー日本でも導入されてたんだね道路にチャック!? 人もクルマも守る道路工事の最新マシン「BTM」とは?

まずはトップの写真をじーっくりご覧いただきたい(特に下のほう)。前方にまるでムカデの足のようなパーツが無数に取り付けられたコレは、いったいなんなのだろうか?

 答えは、NEXCO東日本が国内で初めて導入した移動式防護柵「ロードジッパーシステム」用の専用車両、BTM(Barrier Transfer Machine)。その名のとおり、道にジッパーをしてしまうマシンなのだ。

※本稿は2018年1月のものです


文・写真:ベストカー編集部


初出:『ベストカー』2018年2月26日号

■NEXCO東日本が国内で初めて導入

 ロードジッパーシステムは、欧米ではすでに実績のあるLINDSAY社の開発したもので、1つ約680kgもの重量があるコンクリート製防護柵(高さ810×幅460×延長1000mm)をS字レールで浮かせ、BTMが進むのにつれ防護柵が車両の反対側へ移動してゆく、というコンベア式のシステムを採用している。

 そもそもNEXCO東日本では、従来人力でコーンを1個ずつ配置し車線規制を行っていた。しかしこの方法では、時間帯によって規制する車線数を変更させる場合にも、その都度コーンを配置し直す必要がある。

 時間がかかるうえに、コーンの合間から車両が入ってきた場合に作業員の安全確保の面で難があった。

 そこで白羽の矢が立ったのが、今回取り上げたロードジッパーシステムである。ロードジッパーならば、非常に短時間で規制車線が変更でき、道路の混雑状況に合わせて工事車線を自由自在に規制することが可能になる。

 何より、コンクリート製防護柵でガードされたなかでの工事施工が実施できるのだ。

 また、作業員の安全確保の面だけでなく、誤って規制車線に入ったドライバーが加害者になってしまうことも防いでくれる効果は大きいのだという。NEXCO東日本管内での工事区間への車両の誤進入はここ最近、年平均で33件起きていたというが、ロードジッパーシステム導入で大幅に減少しそうだ。

■すでにいくつもの現場で活躍中!

 ロードジッパーのBTMは、全長20mのレールに片側54個ある計108個のローラーが防護柵を挟んで持ち上げて移動。

 防護柵同士はピンによって連結され、一定間隔で鋼製の伸縮可能部分(エクステンション)を連結し、端の開口部には緩衝用防護柵を設置。防護柵の移動幅自体は約3~約5.5mで、BTMの走行速度は作業時には約10km/h、回収時で約30km/hというものだ。

 BTMのキャビンは前後に設置され、前後どちらにも進行できる。つまり、変更した規制車線数を元に戻す場合には逆方向に進むだけで対応できるようになっている。

 前後の運転席では各々独立したステアリング舵角を与えることができるため、BTMを道路上で斜めに向けて進めば1車線以上の防護柵移動も可能。さらに前後で車高を変えることもでき、段差への対応も万端だ。

 ちなみにこのBTMだが、現在の道交法では「自動車」に該当しないため、運転免許での区分もなく、ナンバーも取得されていない。

 NEXCO東日本では、2016年4月から7月まで常磐道での初石BOX剥落対策工事での工事車線規制で初めてロードジッパーシステムの実証実験を実施。その後も同年11月から昨年3月まで、東京外環道大泉JCT~和光IC間でのベルトコンベア設置で導入していた。

 さらに今年1月からは、関越道前橋IC上り線出口の減速車線延伸の工事車線規制にも活用されている。

 NEXCO東日本は昨年、ロードジッパーをほかの高速道路会社に販売する販売会社「NEXCO東日本イノベーション&コミュニケーションズ」を設立。すでに他社での採用も決まっているとのこと。

 一見、異形なロードジッパーだが、今後もますます活躍の場を拡げていきそうだ。


規制をするのにいいんだろうけど、日本国内みたいに車線数が少ないから使い難いとか無いのかね?(元々規制をするんだからいいのか)
Posted at 2018/09/12 08:01:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2018年09月12日 イイね!

二人ともクルマ好きだもんね、でもさ…964ターボはRRじゃなかったっけ

二人ともクルマ好きだもんね、でもさ…964ターボはRRじゃなかったっけ『MFゴースト』しげの秀一先生×『トップウGP』藤島康介先生対談

 自動車&バイクマンガの金字塔を打ち立てたしげの秀一先生と、今まさに驚異的な画力でバイクレースマンガを連載中の藤島康介先生が「バイク描くって超大変……」と対談を実施!! 

 しげの先生といえば、現在『ヤングマガジン』に『MFゴースト』を連載中、いっぽう『アフタヌーン』に『トップウGP』を連載中の藤島康介先生が、都内某所でお会いするという。なななんと! 当サイト編集部員がそこに同席させていただき、この自動車&バイクマンガの二大巨頭といっていい先生方のお話を聞いてまいりました!

※『MFゴースト』最新刊(3巻)は2018年9月6日発売、『トップウGP』最新刊(4巻)は2018年9月21日発売です!!!

まとめ/ベストカーWeb編集部 写真/講談社

■キャラをバイクに乗せるのが大変

しげの秀一先生(以下、しげの) 今日はよろしくお願いします。いきなりですが、藤島先生はカメラにもお詳しいんですか? 

藤島康介先生(以下、藤島) こちらこそお願いします。詳しいわけではないんですが、よく撮ってますね。やっぱり自分でサーキットに行って撮らないとわからないところがあるじゃないですか。

しげの すごくよくわかります。いまは(『トップウGP』の作中では)筑波(サーキット)が中心ですよね。コース目線の写真も撮るんですか。

藤島 撮ります。クルマで走ってもらって、それに乗って。

しげの ですよね。全部(写真が)いりますもんね…。こればっかりは人には任せられない。

藤島 任せられないんですよねぇ……。それに、時代が変わると(サーキットも)変わっていきますしね。看板も観客席も、セーフティカーも変わりますし。できるだけ最新のものに更新したいので。

しげの 大変ですよね。まあ一番大変なのは(登場キャラたちが乗る)バイクでしょうけども。

藤島 大変です(苦笑)。

しげの ぼくが『トップウGP』を読んでいてよくわからないのは、バイクの描き方なんですよ。あの「画面」はどうやって描いているんだろうって。あれはパソコンに詳しいかなり優秀なアシスタントがいらっしゃるんですか? それとも全部ご自身でやっているんですか?

藤島 あれはパソコンに詳しいアシスタントが3Dモデルを作ってくれて、それを(ソフトの中で)ぐるぐる回して、それを見て描いています。それでだいぶ楽になりました。

しげの あー3Dかあ。それでサスペンションの角度とかはかなりわかるようになりますよね。ただバイクはそれができても、そこにライダーを乗っけるのってしんどくないですか?

藤島 めちゃくちゃしんどいです。さすがによくおわかりになってらっしゃる(編集部注/しげの先生といえば『バリバリ伝説』の作者ですし!)。ヘルメットとか全員違うじゃないですか……。

しげの ヘルメット大変ですよねぇ……。あとマシンのカラーリングも大変でしょう。

藤島 そうなんです。(まだ『トップウGP』では主人公が下のクラスで走っているのでスポンサーが少ないが)これからが大変で。

しげの どんどん増えますよね。しかも台数も増えますし、バリエーションも増えるでしょうし。

藤島 いまはNSF(100/ホンダのレース用バイク)だけでやってるからいいんですけど、Moto GPまでいっちゃうとメーカーが6社ありますし……。

しげの ですよね。しかも、「そこまで描き続ける」と背負っているのがすごい。

藤島 最初に描いちゃいましたからね!(『トップウGP』第1話で主人公がMoto GPの舞台で走る姿が描かれている)

しげの 始まったときからぼくはもうそこにビビっていました(苦笑)。

藤島 ぼくもめちゃくちゃ心配です。

しげの それを聞いてちょっと安心しました。「この人、これ描く気なのか。もしかして超人なのかな…」と思っていましたから(笑)。実は一時期、『バリバリ伝説』の続編をやってみないかという話をいただいて、ぼくも少しだけその気になってプロットとか考えていた時期があるんですけど……ぼくには少なくとも藤島先生みたいにはできません。あれ(『トップウGP』)を見て、自信をなくしていたところなんです。

藤島 いやいやそんなそんな! 光栄すぎてそんな……。

しげの もし、もし自分がやるんなら連載はとても無理で、趣味でやります。講談社とか通しません。締め切りがあったらやってられませんよ。でも藤島先生は、全っ然逃げてないじゃないですか。真正面から取り組んでいる。そこがすごいなぁと。ぼくだったら逃げるよなぁと思います。

藤島 今日は来てよかったです(笑)。やんなきゃいけないからやってるんですけども、このままだと世界中のサーキットに行かなきゃいけなくなりそうで……。

しげの 藤島先生のスタイルだと、行かなきゃいけないですよね……。ぼくの場合は、実際に行ったサーキットは3つくらいでした。あとはコースレイアウトを見ながら専門のカメラマンからたくさん資料をもらって、それでなんとか描いていました。全部実際に回るのは、おそらく不可能だと思います。

藤島 不可能……ですよね。とはいえヨーロッパのコースは3~4つは回ろうと思っています。サーキットによって雰囲気がまったく違うので。最低でもスペイン、イタリア、ドイツ……あとイギリスはあんまり盛り上がらないと聞いて、それはそれで見ておかなきゃいけないかなとも思っちゃって。

■装備もライディングスタイルも日々変わる

しげの 最近はライダーの装備類もあっという間に変わりますよね。

藤島 変わります。首周りにエアバッグが付いたり。あとはブーツが強化されてますね。やっぱり転倒すると足首が折れるケースが多いようで。ただ対策が進んだら今度が脛が折れるようになっちゃったようです。それでも足首が折れるよりは脛が折れたほうが回復が早いぞ、という話になっていて……。

しげの 二輪のライダーはちょっとすごすぎる人が多いですよね。

藤島 おかしい人ばかりです。足が動かなくなってからは指でリアブレーキを操作するようになって、それでも速かった(マイケル・)ドゥーハンとか。

しげの そんないきさつがあったんですか。ドゥーハン、引退直前まで速かったですよね。指で……ですか。

藤島 リアブレーキはほぼ姿勢制御でしか使っていないからできるんでしょうね。ただその指ブレーキ、最近は足が悪くないのに使っているライダーもいるそうなんです。

しげの そのほうが使い勝手がいいのかなぁ……それで思い出したんですが、最近コーナーに進入する前に、ブレーキングで(右の)足を出すライダーが増えましたよね。あれなんなんでしょう。

藤島 まさに、あの進入前に足を出す動きをすると、マシンの余計な動きが制御できるそうなんです。でも足を出すと従来のリアブレーキが使えないから、そこでリアブレーキは指で操作するライダーが出てきていると。

しげの ライディングのスタイルが変わっていくのは、書きづらいですよね。

藤島 この作品を描くために熱心に(Moto GP等を)見るんですけど、あれ、これまた変わった? ということもあって、面白いけど大変です……。

しげの 最近は車載カメラも増えてきて、いろんな角度からマシンの挙動が見えるんですよね。描かなきゃと思うと集中して見ることになるし、一度描くと忘れないし。勉強したくないのに覚えちゃいますよね。

藤島 いやぼくは勉強したくないわけでは……。

しげの あ、ぼくは勉強したくなかったなあ(笑)。

編集 しげのさんは、(作品のための)勉強は嫌いなんですか? そういうイメージはありませんけれど……。

しげの いやー、細部にこだわるのは(作品にとって)大事なんですけどね。雑誌に数行書いてあるマニアックな情報だったり、解説者がチラッと言ったことだったり、そういうの「あ、これ使える!」と思って見ているのってなんだか……忘れちゃうこともありませんか?

藤島 ぼくはそういうのは忘れないですね。

しげの あー天才型だなあ。ぼくは「覚えておこう」と思って、で、翌朝になって思い出せなくてイライラしちゃって、そういうのが嫌なので最近はスマホにすぐメモするようにしています。いまそのメモにプロットとかも書くようになってて、膨大な量になってます。あのスマホを落としたらぼくは翌週休載です(笑)。

編集 それは困ります(苦笑)。

藤島 クラウドにデータが残ってるんじゃないですかね。

しげの 使ってないんですよ。危険でしょ。

藤島 え、いやクラウドから流出したっていう話は聞かないので大丈夫じゃないですかね。

しげの いやいや、クラウドとかをよくわかってないぼくが危険なんです(苦笑)。

■「ハラハラ」を楽しみたくてスポーツカーに

藤島 今回(『MFゴースト』)もちゃんと86にしたんですね。

しげの いろいろ迷ったんですけどね……どこかで(前作の『頭文字D』と)リンクさせたくて、86にしました。

藤島 お乗りになりましたか?

しげの 連載を始めるにあたり、(トヨタ86を)買いました。楽しいクルマですよ。すごく気に入ってます。

藤島 へー。楽しいんだろうなとは思うんですが、あのNAのエンジンはどうなのかなって思うんですよね。

しげの 物足りなさはあるんですけどね。しかもあれ、スバルの水平対向エンジンが載っていて、音がちょっと独特で慣れないんですよね。ドゥドゥドゥっていう。それに吸気音がシュゴーッってして、なんでこんななんだって思うこともあるんですけど、まあそこらへんは徐々に(自分で)換えていこうかと思っています。

藤島 以前のハチロク(AE86レビン/トレノ)と比べるとどうですか?

しげの うーん、よくはなっているんですけど、やっぱりパワーが足りない気がします。感覚的には以前のチューニングしたハチロクのほうがパワー感があって、それはもちろん車体がボロいからなんですけど、3速全開でバンッて踏んだ時、ハチロクにあったような緊張感はありませんね。

藤島 最近はそういう緊張感があるクルマはなくなってきましたよね。ヨーロッパ車はそういう緊張感があるんでしょうけども。

しげの そうですか?

藤島 アルファとかルノーとか。

しげの あー、そのあたりは楽しさがありそうです。まあでもそれも「演出」なのかもしれないですよね。コーナリングでいちいち昔みたいに不安定になっていたら危ないですけど、その危なっかしさが「楽しさ」につながるわけですし。

藤島 そうなんですよ。ぼくはいまルノーのメガーヌR.S.に乗っているんですけど、そういう演出がすごくうまい。ハラハラできる。そういう味付けを楽しみたくてスポーツカーに乗っています。

しげの すごくよくわかります。そういう楽しさってメーカーによってまったく違うじゃないですか。たとえばポルシェなんかは、ヨーロッパ車といってもまったく不安定さがない。

藤島 そうですねえ、ポルシェも以前乗っていましたが、まったくドラマチックさがありませんでした。どこまで踏んでも安定していて、あ、でもこれ速いなあと、そういうクルマでした。

編集 両先生は、これからほしいクルマはありませんか?

しげの そういう質問、困るんですよねえ。これから先、そう何台もクルマは乗り換えられないだろうから、大事な選択じゃないですか。それでずいぶん自問自答したんですけど、やっぱりポルシェかな……と最近は思うようになったんです。

藤島 わたしが乗っていたのは964(1989~1993年式のポルシェ911)のターボでした。

しげの 怖くなかったですか?

藤島 4WDだったんでまったく怖くなかったですね。わくわく感は薄かったように思います。

しげの そうかぁ。4WDだとそうなんでしょうねー。ほしいクルマっていうと何になるんですか?

藤島 いまだと……アルピーヌA110とかはほしいですね。あの新しいやつ。

しげの あー、あれはぼくも気になります。

藤島 アルミボディなのでぶつけても(カーボンではないので)直せるので。

しげの ぶつけないでしょう(笑)。というより、藤島先生、よく運転しているんですか?

藤島 よく出かけますね。なんというか、運転していないとカンが鈍りませんか?

しげの その感覚はよくわかるんですが、危ないじゃないですか。ケガしたら描けなくなるし。担当さんは(編集者のほうを向いて)ちょっとは止めたほうがいいよ(笑)。

■「スイッチ」を切っちゃっている

編集 二輪のレーサーと四輪のレーサーの違いについて少し伺えますか?

しげの うーん……。まったく違いますよね。

藤島 二輪のレーサーは常に死と隣り合わせじゃないですか。「スイッチ」を切っちゃっていますよね。「怖くない」って言うんですもん。

しげの 怖くないんですかね。

藤島 どう考えても怖いと思うんですけど……。

しげの ぼくが思うのは、まあトップクラスの話ですけど、四輪のレースってどのクルマに乗るかで98%くらい(勝敗が)決まっちゃうんですよね。でも二輪はまだ「人間の頑張り」とか「努力」とかでカバーできる領域が広いんです。二輪はそこが魅力なんだと思います。

藤島 たしかに。

しげの あと二輪のレースは見た目がいいですよね。もちろん四輪も美しいんですけど、二輪はヒラヒラとこう、華麗に舞うように走るじゃないですか。物理の限界に挑むように走っていますよね。その感じ、藤島先生の作品は出せてますよ。

藤島 おお、ありがとうございます。すごくうれしいです。

しげの 同業者としては「こういうのどう描くんだろう」と思いながら読んじゃうんですけど、藤島先生の絵はすごいです。

藤島 いやー、『バリバリ伝説』、よく読み返すんですけどすごいじゃないですか。スピード感とか。

しげの いやいやいや、これはマンガ表現の話になるんですけど、やっぱり時代が違うんだなと思います。僕は当時「細部を丁寧に描くとスピード感が出ない」と思ってたんです。バイクに書かれている(スポンサー名やメーカー名の)文字がはっきり見えちゃいけないと思ってました。でも藤島先生はものすごいレベルでそれ(バイクをしっかり見せながらスピード感を出すこと)をクリアしていますよね。絵描きとしてのレベルがすごいと思います。

編集 藤島先生は『バリバリ伝説』を読んでどう思われたんでしょうか。

藤島 先ほど言ったようにスピード感もすごいんですけど、なにより「バイク漫画の先を切り開いている」っていう感じがすごいですよね。

しげの ほかにあんまりなかったですもんね(笑)。

藤島 やってみてわかったんですけど、これ大変だからですよね(笑)。「大変だろうな」と思ってはいたんですけど、自分でやってみて骨身にしみました。

編集 四輪のドライバーの魅力についてはどうでしょうか。

しげの もちろんたくさんあるんですけど、二輪と比べると見せ方が難しいですよね。特にクローズドコースを走るドライバーのドラマを見せるのは難しいと思います。だからぼくは(舞台を)公道にしちゃうんです。

編集 あー…だから…。

藤島 二輪だとスタイルの大きく違うライダーがいるっていうのも面白いですよね。全然違う乗り方をしているのに、速さは同じくらい、ということが起こる。

しげの そうそう、走行ラインもライディングも違うのにけっこうダンゴ状態になるでしょう。それは(『バリバリ伝説』を描いている)当時に思ってました。

藤島 だから面白いんですけど、描くのが大変っていうのもあるんですよね……。ああいう時に、どういう状況になっているのか、何を考えて走っているのかって、話を聞いてみたいですよ。

しげの 気になりますよね……でもそこは、藤島先生が自信満々に思ったことを描いちゃっていいと思うんですよね。「こうだろう!」って描けばいいと。専門家の話ってたしかに面白いんですけど、ぼくたちが考えるべきなのは作品を読んでくれる一般読者のほうなので、「カッコいいほう」を選べばいいとおもいます。

藤島 それは本当にそう思います。大変だし気になるけど。なんだか勇気をもらいました(笑)。いまのしげの先生の作品(『MFゴースト』)も、86が活躍しますけれど、スーパーカーとかもたくさん出てくるじゃないですか。

しげの そうですね。イニD(『頭文字D』)では出せなかったので、イニDで出来なかったあれこれを全部やろうと思って。やり残したことは全部やろうと。

編集 全部ですか。

しげの 四輪マンガでやれることは全部やって、誰もやれる余地がないくらい荒らしまくって辞めようって気持ちでやっています(笑)。

藤島 ものすごくワクワクして読んでいます。

しげの それは誰から言われるより嬉しいですねー。

藤島 四輪はレース自体が厳しくなってきましたよね。

しげの やばいですよね。特にF1は、いずれ世界選手権自体がフォーミュラEっていう電気自動車のレースに飲み込まれるんじゃないかと思っています。そういうアイデアをマンガのなかで披露しようかなと思うこともあるんですが、なかなかそういうチャンスってないんですよね。

藤島 フォーミュラEかあ……まだまだ課題がありますよね。なぜあのレース、狭いコースでやるのかとか、途中でドライバーがマシンを乗り換えたり。

しげの あの乗り換えは極めて間抜けですよね。音もつまらないですし。

■天才を描くうえでのポイントは……?

編集 両先生の作品には「天才レーサー」が登場します。誰かモデルっているんでしょうか?

藤島 モデルは……いないですね。

しげの 同じですね。ぼくもないです。ただ(『MFゴースト』と『トップウGP』の両主人公は)ちょっと似ているところがあるなー、とは思います。

編集 そこが興味深いなと思いました。『トップウGP』の主人公のトップウは、(同じ二輪ライダーの『バリバリ伝説』の主人公・巨摩郡ではなく)『MFゴースト』のカナタに似ているように思えます。モデルはいない、ということですが、では天才を描くときに気をつけていることってありますか?

藤島 うーん……あまり感情を豊かに出さないようにしているかな。

編集 怒ったり、悲しんだり、喜んだりしない、ということでしょうか。

藤島 普通はそっち(感情が豊かに見えるキャラ)を主人公にしたほうがいいんでしょうが、それとはもうちょっと違う領域で戦ってほしいなと思っています。感情じゃない領域ですね。最終的には感情も顔を出すんですが、そっちよりもむしろ「すべてを把握している」というような、そこの領域で戦ってほしいなと思って描いてますね。

編集 そういう天才型のキャラって、読者としては感情移入がしづらいと思うんですが、そこは気になりませんか。

藤島 うーん、そこはたとえば「負けたくない」とか、そういう目的意識みたいなところとか、あるいは日常生活とかで回収できるかなと思っています。ただぼくがトップカテゴリーを見ていると、彼ら(トップライダーたち)が何を考えているかわからないんですね。だから(主人公も)「何を考えているか、読者にはわからないようにしよう」と思っています。

しげの その感じ、よくわかります。ぼくなんかはもっとはっきりと、天才の主人公には感情移入できないほうがいいと思っています。凡人にはわからない、っていうくらいがいいんですよ。感情移入させたければ、その天才の周りにそういうキャラクターを配置すればいいわけです。その人たちが「あいつ何考えてるかわかんねー!」って言っていれば、読者はそっちに感情移入してくれるはずですし。

編集 なるほど……。最後にひとつだけ。冒頭でしげの先生が藤島先生に「トップカテゴリーになると、スポンサーが増えて、台数も増えて描くのが大変だ」とおっしゃってましたよね。でも『バリバリ伝説』では第三部で当時のトップカテゴリーであるWGP500ccクラスを描いてらっしゃいます。しげの先生は当時、どう描いてらっしゃったんですか。

しげの ぼくの時代ですと、描いてないんです。(あまり)描き込まなくても許された。バイクに四角いステッカーの枠線を描いて、あとはバーッと斜線を描けば許されていたんです。でも藤島先生はそういうところ、逃げてないですよね。

藤島 実は最近、(Moto GPで)どんどんカウルの形状やヘルメットのカラーリングが複雑になっていて、どうしようこれ……と思っているんです。逃げたいくらいなんですけど……そういうわけにもいかないなと。

しげの 藤島先生ならできますよ。がんばってください。応援しています。

   ★     ★     ★

 憧れの両先生の対談、めちゃくちゃ面白かったです! 聞いた話を全部収録したいなと思ったら、すごく長い記事になってしまいました!(これでも1/3くらい泣く泣く切ってます)

 この対談でご興味を持ちの方は、『ヤングマガジン』で連載中の『MFゴースト』、『アフタヌーン』で連載中の『トップウGP』をぜひともよろしくお願いいたします!



だってさ、ポルシェ 993ターボになってから
「993の911ターボで初めてツインターボチャージャーが採用され、各シリンダーバンクには小型のターボチャージャー1基が組み込まれました。またこのモデルは、4WDシステムを搭載した最初のターボモデルでした。」
だよ?
964ターボの4WD仕様にして乗っていたって事なんだろうか?
Posted at 2018/09/12 00:58:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記

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「クランクプーリーとか純正流用してみようかな? http://cvw.jp/b/238718/47685898/
何シテル?   04/29 15:27
初めまして。 インプレッサG4に代替を致しました~ 自分色に染めて行こうと思います 燃費を気にする割にアクセル踏んじゃうんですよ~ バトンに関し...

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兄貴の増車なんですが、いじる許可を貰っているので気ままに弄り回します。
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